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0.今世の覇者となれ

始(はじ)まりは古(いにしえ)

醜(みにく)い争(あらそ)い　　滾(たぎ)る欲望(よくぼう)

絶(た)えず　　　滴(したた)り落(お)ち

血(ち)の雨(あめ) 　　　降(ふ)り注(そそ)ぐ

弱(よわ)き者(もの)は　　嘆(なげ)き悲(かな)しみ

強(つよ)き者(もの)は　　見下(みくだ)し笑(わら)う

神呟き給ふ、

『ソンナニ争イガ好キナラバ、弱肉強食ノ世ヲ楽シムガヨイ。誰ガ勝者トナロウトモ。強者ノミガ、明日ヲ笑ウノダ。世界ノ覇者ニナルノハダレダ？サァ、宴ノハジマリダ。』

―――さあ、世界に賽は投げられた。

＊＊＊

神の呟き通り、弱肉強食の世となり果てた。

弱き者は強き者に付き従う。これ世の理となる。

今世の覇者が亡くなりし時より、次代の鬨(とき)の声は鳴り響く。

身体に、世界に響き渡るのだ。

その度に、ある者は闘志で、ある者は恐怖で震え上がらせる。

ゴーン　ゴーン　ゴーン

どうやら、今世の覇者が亡くなったようだ。

次は、お前が世を支配し、覇者となれ。