VSサヴァント その1
「どうやら援軍が来たようだ。 ありがとうラスト君、俺の話を聴いてくれて」
その言葉を肯定するようにデカブツの背後からドゥークタードの大群が進行しているのが見えた。
国防仕様だけじゃない、通常仕様も混ざってる。
「君のやり方に習わせてもらう、手段は選ばないよ」
確かにこっちはわたしとタユカだけ、数の差だってあるしデカブツにはスピラーロスパイラルも通らない。
でも勝ち誇るのは早いかな。
「それで勝ったつもり? 時間稼ぎをしてたのはアンタだけじゃないんだよ」
「こちらシャーレット、トリックスター応答しなさい」
「その呼び方辞めて貰えませんか、女の子に逃げられそうなので」
「そうなの? アンタのことをそう呼んで褒め称えてるヤツ多かったけど」
本格的に浸透しちゃってるよ……。
なんとかしたいけどここまで定着しちゃってるのを訂正しようとすると労力がかかり過ぎるな。
「こ、これは!?」
「そういうこと、援軍を待ってたのはアンタだけじゃないんだよ」
これでドゥークタードはなんとかなる、と。
「各機、ブリーフィングは覚えているな。 これは個人戦ではない、機体の特徴と自らの役割を意識して動け!」
「うおおおおおおおおおお!」
「やぁってやるぜ!」
今聴こえてきた声は以前タユカと一緒に助けに来てくれたメンツだな。
名前忘れたけど、男だし。
「いやーん、シャーレちゃんの指揮カッコイイ☆」
「というわけ、あたしとアリユはあの血気盛んな面々を纏めなければならない、あのデカブツは頼んだからね」
「一緒に乗ってるんですか?」
「あたしのドゥークタードは完膚なきまでに破壊されたもの、しかし新入りに前線指揮官をやらせるとは変わった世界よね」
「アタシやラストちゃんも一緒ナノ、不思議なくらい簡単に受け入れてくれるんダヨ☆」
今まで深く考えて来なかったけどそれはそうだ、どうしてなんだろう。
いいや、それも後だ。
「あのデカブツはネヴンケブラのアンブレイカブルシールドと同等かそれ以上の強力なバリヤーを持ってる、こっちにも戦力がほしい」
「いいネェ、ならあのデカブツはオレ様の獲物だ!」
「だったらボネージュフラティーノの火力もほしいわよね、私達もそっちへ行くわ」
「ドカンといっちゃうよー!」
「僕も行きましょう、アンブレイカブルシールドと同等かそれ以上などと言われては黙っていられません」
うーむ、結局いつものメンツか。
「ボクもドゥークタードの相手をしますね、ああいった相手は向いてないので」
「ならこっちに来なさい、頼りにしてるわよ」
確かにタユカのリーリオは火力と縁が無さそうだし、その方がいいか。
「さあ、タユカさん。 じゃんじゃん殺っちゃいましょう!」
そんなリンナちゃんの物騒な言葉を残してタユカのリーリオはプレナシエードとの合流に向かった。
さて、こっちもデカブツをなんとかしなくちゃね。
「何機来ようと一緒だ、このサヴァントで蹂躙してやる!」
デカブツの腹部が開き砲門が展開される。
あ、ヤバ。
「クレオ以外は回避運動!」
咄嗟に叫ぶ、それと同時に砲門から4条の光線が同時に発射された。
けど、リーリオの機動力なら回避するくらいって……。
「曲がった、いや追いかけてくる!?」
こっちを追尾してくるエネルギー砲なんて聞いたことない。
これは、振り切れないか……。
リーリオを回転させ、フルーギロージュの光を全身に纏い受け止める。
「防ぎ切った……?」
「損傷はありません、無傷です」
どうやらなんとかなったみたいだ。
「皆無事?」
「ネヴンケブラがこの程度の攻撃でどうにかなるワケないでしょう」
「シールドをやられちまった、次は受けたくネェな」
「ネヴンケブラが盾になってくれたからダメージは無いわ」
ふう、危ない危ない。
「1機も撃破できてないだと、面倒な」
そんな簡単に思い通りになんかなってたまるか。
というわけであの攻撃が連射できないっぽい今がチャンス。
「次はこっちの番だー」
アルセちゃんの言う通り、今度はこっちが攻める番。
一斉に大火力を叩き込む!
「ボムバードバスター!」
「全砲門解放!」
「ありったけをブチ込んでやるぜ!」
「「ボネージュポーテンカキャノン!」」
4機によるありったけの攻撃が同時に打ち込まれる。
そしてバリヤーに着弾と同時に大爆発が起こった。
「やったか!?」
ここまで読んでくださりありがとうございます。
2章も終盤ということでここから終わりまで気合入れて毎日投降になります。
今回を含めて4話だけですがお楽しみください。
また明日お会いしましょう。




