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師を越える 前編

5回連続単独戦闘、トリを務めるのは主人公ラストです。

「銀色の機体、儂は当たりを引いたようじゃな……」

「まさか、先生……?」


 わたしとしては最悪の大ハズレだ。


「誰なの?」

「わたしの指導教官だった人です、軍に入ってからは親代わりでもありました」


 現場を引いて教官をやっていたのにまさか前線に出て来るなんて……。

 最悪の相手だ、この人とは戦えないとかそんなことじゃなく。

 当時、わたしはこの人に1度も勝ったことがない……。


「投降してくれ、今更無罪とはいかないだろうが儂も最大限弁護する」


 わたしを騙すための嘘じゃないんだろう、この人はそういう人だ。

 今投降したらきっとわたしを助けてくれる。

 でも、もうその道は選ばないと決めているんだ!


「ごめんなさい先生、投降する気はありません。 わたしは、あなたと戦います」


 外部スピーカーをオンにしてそう告げる。

 例え恩師であろうと、打ち倒して自分の道を進む。


「仕方ない、各機攻撃開始。 力づくでも軍法会議にかけてやるからな!」


 それでもここで始末するんじゃなくて軍法会議か。

 まあその結果として処刑されるかもしれないけど。

 どちらにせよここで捕まってやるわけにはいかない、全て撃破する。

 じゃないとその後のこともできないし。


「いいのね?」

「はい、わたしはコルネリア様を選んだ女ですから」


 リーリオを飛翔させ飛び回りながらエネルギーガンを連射する。

 けど火力不足で当たりどころが良くないと一撃でドゥークタードは撃墜できないし、回避運動しながらではそんな正確な射撃はできない。

 かといってボムバードバスターじゃ動きが止まって的になる。

 接近戦なんて以ての外だ。

 だったら。


「AI、ボムバードバスターシールドをパージして!」

「アレをやるんですね」


 わたしの意図を理解したAIによりボムバードバスターシールドをパージ。


「ワイヤー射出!」


 それを落下する前に左腕から射出したワイヤーで接続。

 これにより空中でぶら下がっている形になる。


「チャージ完了」

「ボムバードバスター発射、薙ぎ払え!」


 そのままボムバードバスターが発射され大地を滑るようにエネルギーの奔流が降り注ぐ。

 ユキヒコ戦でやったことの応用だ。

 ワイヤーで接続されてるなら撃てることを利用して空中でぶら下げれば飛び回りながらでも足を止めずに使用できる。

 複数のドゥークタードをまとめて攻撃できないかと考えて編み出した新技だ。


「おのれラスト君、今回も俺の負けだが次こそはー!」

「今、エリオッタの声がしませんでした?」

「あんな男のことなんて知らないわよ、それよりももう一度いきましょう」

「いいえ、これっきりです」


 ワイヤーを巻き、ボムバードバスターシールドを再装着する。

 先生は同じ手が二度も通じる相手じゃないし、何より。


「先生の現役時代についてた二つ名は『蜘蛛』、わたしよりワイヤーの使い方は遥かに熟達しているのでそっち方面では勝ち目がありません」


 先生専用のドゥークタードカスタムは全身からワイヤーを展開できる。

 次同じことをしたら絡めとってくださいと言っているようなものだ。

 あとボムバードバスターシールドの重量にワイヤーが長時間耐えられない。

 結局逃げ回りながらエネルギーガンを撃ち続けるしかないのか。

 残った敵の砲火は依然として続いている、けど……。


「いや、なんかこれ誘導されてる?」


 何かおかしい、まるで逃げ道を用意されているかのような……。


「気が付くのが遅いぞ!」

「しまっ……!?」


 ようなじゃない、本当に逃げ道を誘導していて文字通り網にかかるのを待っていたんだ。

 先生のワイヤーでリーリオを捕縛できるこのタイミングをずっと狙って……。


「プリフォートティーゴシステム起動、これで力づくで振りほどくこともできんだろう」


 この時のためにずっと温存してたのか、そして時間が切れる頃にはリーリオはスクラップになってるってことね。


「機体はどうなってもいいが、パイロットは生かしておくんだぞ」


 残ったドゥークタードの銃口が一斉に向けられる、万事休すか。

 なんて。


「ねえ先生、これで勝ったと思ってます?」

「その手は食わんぞ、お前が奥の手を最後まで残すタイプなのは知っている。 だからこうした、分断しているから援軍も来ない」

「完全に詰みだ、と?」

「そうだ、こうして雁字搦めにしてやれば流石のお前でも文字通り手も足も出んだろう。 言葉で乱そうとしても無駄じゃよ」


 別に時間稼ぎをするとか疑心暗鬼を陥らせるとかそんなつもりは毛頭無いんだけど。

 確かに手も足も出ない、でもまだ羽は出るから。


「じゃあ留守にしてた間に学んだ新しい戦法をお見せしますね。 AI、片翼輝光起動!」

「レディ」


 リーリオの背から光の羽、フルーギロージュの光が展開される。


「これが、スペック差によるゴリ押しだああああああ!」

「ば、馬鹿な。 プリフォートティーゴを起動しているのに引きずられる!?」


 同じ性能同士の機体では1度も勝てなかった相手に勝利するための1番簡単な方法。

 一見頭が悪そうに見えるけど有効な時はこれだって立派な戦術だ。

 セコい手が通用しないなら真正面から粉砕するまで!


「ドゥークタードとは違うんだよ、ドゥークタードとは!」


 セカンドステージ移行により上昇した出力によりワイヤーで繋がっている先生の機体を引きずり回す。


「どっせい!」


 振り回しまだ無事なドゥークタードに叩きつける、鎖鉄球の要領だ。

 何度も行われるドゥークタード同士の衝突、ぶつかった機体も破壊できるしショック吸収機構は追いつかなくて中にいる先生はグロッキーだろう。

 トドメを刺すためにフルーギロージュの光で纏わりつくワイヤーを切断し、自由の身になる。

 そして勢いに任せ、回転しながら突撃する。

 これで決着だ!


「「スピラーロスパイラル!」」

後編に続きます。

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