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セルアとアルセの繋がり

 *セルア視点


「「ボネージュポーテンカキャノン!」」


 初手最大火力、敵機の固まっている部分を強大なエネルギーの奔流が飲み込み一掃する。

 今ので5機は潰せたかしら。


「各機散開しろ、まとめて攻撃されることは避けるんだ!」


 ボネージュポーテンカキャノンに巻き込まれないようにする指揮官の指示。

 でも、それも想定済なのよ。


(アレの出番だね、おねーちゃん)

(ええ、構えて)

(りょーかい!)


 この古代戦争のために新造された拡散エネルギーランチャー。

 1対1で使うモノではなく多くの敵を一度に攻撃する兵器。


(おねーちゃんに照準は任せるねー)

(マルチロック、いくわよ!)


「「拡散エネルギーランチャー、発射!」」


 多数の光線が一度に発射され、それぞれ1本1本が敵機を貫く。

 でも……。


(何機か避けられてるよー)

(全てを正確に撃ち抜くのは難しいものね)


 実戦で使ったのは今回が初めてだから、という言い訳はあまりしたくない。

 私達の命がかかってるんだから。

 っ!?


(アルセ、背後から肉薄してきているのがいるわ。 出番よ!)

(はーい!)


 大型砲ばかりを使用したからだろう、背後からハルバードを構えたドゥークタードが迫って来ている。

 しかしそれもアルセの操作したブレードにより一振りで切捨てられた。


(ありがとーおねちゃーん、これ本当に便利だね)

(そうね)


 私達2人に産まれつき備わっているテレパス能力。

 これにより口頭よりも速く意思疎通が可能で、迅速な対応ができる。

 私達はこの能力を使ってペルヴァンシアで成り上がってきた。

 そして何より、愛しのアルセとずっと繋がっている実感が得られることに感謝している。


(確実に数は減らせてるけど、こっちのダメージも累積してるね)


 敵の攻撃も続き、被弾は増えていっている。

 ボネージュフラティーノはパワーがある分、機動力は犠牲になっている。

 だからリーリオやディヴァースタイレンタのような回避能力は持っていない。

 ネヴンケブラのようなバリアーも無い。

 プレナシエードのようにどこから来るかわからない攻撃でプレッシャーもかけられない。

 装甲もいつまで保つか……。


「もう1発!」


 拡散エネルギーランチャーを更に放つ。

 何機か撃墜するがまだ全滅には至らない。


「あれを撃たせるな、本体より先に武器を集中攻撃しろ!」


 マズイ、ラストの時と同じ手を打たれている。

 拡散エネルギーランチャーが損傷により使用不能になったためアルセの操縦で投げつけて更に1機撃破。


(アルセ、後はお願い!)

(任せてー!)


 残ったドゥークタードに対してブレードを展開して切り込む。

 もう損傷を無視して距離を詰め、接近戦を行うしかない。

 他の仲間達と比べたら機動力は劣るけれど、あの程度なら追いつける。

 全て切り捨てて、残るはリーダーたる指揮官機だけ。

 でも……。


(アレ速くて追いつけないよー)


 アルセの言う通りプリフォートティーゴシステム発動中はスピードで負けてて追いつけない。

 かといって切れるまでボネージュフラティーノが耐えられるかもわからない。


(圧倒的に不利だわ……)


 追いかけても引き撃ちされ、ボネージュポーテンカキャノンは隙が大きい上に間違いなく避けられる。

 ここから逆転するには……。


(アルセ、逃げられてもいいからこのまま追いかけ続けて)

(わかった、おねーちゃんを信じるよ)


 そしてその追いかけっこもダメージ限界でボネージュフラティーノが膝を折ることにより終わりを迎えた。


「やったぞ、部下こそ失ったが我々の勝利だ。 お前達の犠牲は無駄ではなかったぞ!」

「いいえ、今あなたが無駄にしたわ」


 狙いをつけて引き金を引き絞る。

 ボネージュフラティーノの内側から発射された一条の光が敵機の真ん中を貫く。

 パイロットの命が失われたことによってドゥークタードは力を失いそのまま崩れ落ちた。


(勝利を確信して動きが止まったところを狙い撃つなんて、流石おねーちゃん!)

(ラストに負けた時の反省が活きたわね、内部にエネルギーライフルを持ち込んでおいて良かったわ)


 相手はボネージュフラティーノの中にもう1機、フラティーノが存在していることを知らない。

 ボネージュフラティーノでの出撃は古代戦争だと今回が初だったから、そこを利用させてもらった。

 ラスト相手には使い捨ててしまったことが敗因だったエネルギーライフルも搭載して。


(折角修理してもらったのに、またボネージュユニットを壊しちゃったわね)

(もう新造した方がいいかもしれないねー)

(そのことは後で考えましょう、アルセもフラティーノに乗り移りなさい)


 ギリギリとはいえひとまずは勝利できた。

 さあ、皆と合流しましょう。

次回はアリユ視点になります

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― 新着の感想 ―
[良い点] いつも楽しく読ませて頂いています! ロボットの戦闘描写が格好良いです!
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