表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

61/81

ユキヒコと古代戦争

ごめんなさい、また男性キャラ視点になりました。

順番もうちょっと考えた方が良かったですね……。

とはいえ次回からは主人公含めて女性キャラ視点しかないのでご容赦ください。

*ユキヒコ視点


「なんだコイツら」


 ディヴァースタイレンタを包囲するように展開しているドゥークタードとかいう機体群。

 だが包囲してるだけだ、攻撃を仕掛けてくる気配がない。


「こっちから攻めるか、いやそれともそれが狙いなのか?」


 もしオレ様が先制攻撃するのを待っているのだとしたら、余計不利なことになる。

 そっちの方が面白そうだが自重しろ、これは古代戦争なんだ。

 今だけはあの女を見習うくらいで丁度いい。

 っと。


「この動きは……」


 隊列が割れて1機だけ進み出て来る。

 コイツが指揮官機か。

 何の用だか知らないが動きを見せる前にさっさと仕留めちまうか。

 全砲門を構えてトリガーに指をかける。


「待ちたまえ!」


 が、トリガーを引く前にそんな声で静止された。

 なんだコイツは、何がしたいんだ?


「貴殿に果し合いを申し込みたい、1対1だ。 部下には一切手出しさせない」

「はあ?」


 何言ってんだコイツ、あの女と同じこと考えてんのか?

 どう考えても嘘っぱちだろ、こんなヤツさっさと始末して他の連中と合流を……。


「その話乗った!」


 あー、身体が勝手に動いて外部スピーカーのスイッチを入れた挙句返事しちまった。

 今だけはあの女を見習おうかと思ったけど無理だわ。

 こんな話を持ち掛けられたら男としては乗るしかネェよな!


「ありがとう、これで部下に犠牲を出さないで済む」

「そういう魂胆かい。 ユキヒコ・ハルカゼだ、アンタは?」

「ファーステン・アンダス、作法がわかっているようで助かる」

「お互いにな。 それとオレ様は飛行しねぇ、対等な条件でやり合おうぜ」


 ディヴァースタイレンタの新オプションであるインテグリーゴは飛行が可能。

 だがそれで一方的に攻撃できてもオレ様がつまらん。

 折角話のわかるヤツと出会えたんだ、楽しませてもらうぜ!


「気遣い感謝する」

「そんなんじゃネェよ、合図は?」

「部下が上に向けて発砲するから、それで開始だ」


 ファーステンの言葉通り1発の銃声が響き渡る。

 戦闘開始だ!


「プリフォートティーゴシステム起動!」


 例のシステムでドゥークタードの動きが良くなる。


「いいぜ、時間切れになる前に決着つけてやる!」


 肩のミサイルポッドからミサイルが発射される。

 あの女の言ってた通りだ、ミサイルの速度と誘導性共にネヴンケブラより劣っている。

 だが飛行をしないと宣言した以上、回避仕切るのは不可能だ。


「オラオラオラ!」


 両肩のガトリングガンをバラ撒いて迎撃する、こんなモンで仕留められると思うなよ。

 だが次の瞬間、爆煙を突っ切ってドゥークタードが現れる。

 ディヴァースタイレンタが視認された瞬間にアサルトライフルが火を噴いた。


「チッ、ミサイルを攻撃じゃなくて煙幕に使いやがったか」


 弾の多くはシールドで防いだが数発が脚に被弾。

 損傷は軽微、脚部の駆動に問題はない。


「コイツはお返しだ!」


 腰部のエネルギーキャノンを構える。

 と、そこで気が付いてしまう。


「コイツは威力があり過ぎて後ろの連中を巻き込むから使えネェか……」


 向こうが約束を守る以上、こっちも連中に手出しするわけにはいかない。

 けど当然それは大きな隙になる。


「いただく!」


 迷いが生じた間に更に距離を詰めたドゥークタードがハルバードを振り下ろす。

 咄嗟にシールドを構えるも切断されそのまま左腕に食い込んだ。


「クソったれ!」


 胴部に蹴りを叩き込む、それで追撃はせず一旦離れていった。


「仕切り直しだ、超振動剣2刀流!」


 両手に超振動剣を持ち構えようとする。

 しかしさっきの損傷のせいか、左腕は持ち上がらなかった。


「だったらこうだ、超大振動剣!」


 2本の超振動剣を合体させて大きな1本にする、これが超大振動剣。

 これでリーチも多少はマシになっただろ。


「では、いくぞ!」

「来いやぁ!」


 超大振動剣を横薙ぎに振るう。

 ハルバードで打ち合ってくるだろうという予想は外れ、アサルトライフルを盾にしてきた。

 切断こそするものの、そのために剣速は落ちる。

 その隙を狙ってのハルバードによる攻撃モーションに入られた。

 後ろに下がっても待に合わない、相手からしたら勝ちを確信したタイミング。


「だったら、こうだオラァ!」


 下がらずディヴァースタイレンタを更に一歩前に出し。

 その頭部をドゥークタードの同じく頭部に叩きつけた。


「バカなっ、情報によればコックピットは頭部にあるハズ。 そんな機体で頭突きだと!?」


その通り、コックピット内のディスプレイはアラートいっぱいでバチバチ音もしている。


「だがこれで、隙を晒すのはテメェだぁ!」


 小回りの利かない超大振動剣を手放し肩に仕込まれているブーメランを抜刀。

 すかさず胴部に突き刺す。


「ここで終わりか……。 エリオ……ッタ、すまな……」


 その言葉を最後に沈黙し、ドゥークタードは動かなくなった。


「オレ様の、勝ちだ……!」


 勝利、けれど得られたのは満足感とは程遠いモノだった。


「やっぱり、古代戦争は嫌いだぜ……」


 これで、終わり。


「1回だけでどっちかが死んでお終いなんてよ、ツマラネェぜ。 こんな楽しいこと何度でも何度でもりたいってのによ……」


 せめて、その名は刻んでおこう。

 それが強いヤツに対する礼儀だからな。


「ファーステン・アンダス、絶対に忘れないぜ」

次回はアーウィンス姉妹です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ