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攻勢準備 後編

こちら後編です、まだの方は前話の前編からどうぞ。

「なんだオマエら、また一斉に来たな」

「ユキヒコこそ、いないと思ったら格納庫だったんですね」

「ディヴァースタイレンタ用の新装備が完成したっていうからな、稼働テストはもうちょい先らしいけどよ」


 新装備か、どんなのだろう。


「そういうネヴンケブラも改修したって話だったろ、気になるぜ」

「ネヴンケブラは複数のセカンドウェポンを同時に装着できるよう改装しただけですよ、そう大袈裟なことではありません」

「ウソつけ、アレをやりやすくしたって聴いてんぞ。 とんでもないことを考えやがるな」


 いやヤバいでしょ、プロペラントタンク以外にどんなのがあるか知らないけど、更に厄介なことになるのは確定じゃん。

 あとアレってなんだ、他にも何かあるのか。

 ネヴンケブラは敵に回したくないわ、味方で良かった。


「どうせならテスト時に軽く模擬戦やろうぜ」

「お断りします、ユキヒコと模擬戦なんてしたら絶対軽くじゃ済みませんからね」

「っんだよツレネーな」


 わたしも整備班が頭抱えるレベルでのガチンコ模擬戦を稼働テストではやりたくないわ、クレオに同意。

 っとこの気配は!


「おねーちゃん!」


 アルセちゃんだー。


「よく来たわねアルセ、ボネージュユニットの調子はどう?」

「いい感じだよー、それからサプライズもあるんだ。 おねーちゃんに隠すの大変だったんだから」


 いいなぁ、わたしもアルセちゃんにサプライズされたい。

 やっぱり今からでもワンナイトくらいさせてもらえないだろうか。

 自分で選んだことなのに我ながら未練タラタラである。


「それぞれに話があるみたいだし、わたくし達だけでヅガルの所へ向かうことにしましょう」

「だネー☆」


 話が長くなりそうなクレオ&ユキヒコとセルア&アルセちゃんに別れを告げて、おっちゃんの所へ向かう。


「というわけでタユカ用の機体が欲しいんだけどどうにかならない?」


 そんなのポンと用意できるわけなんてないんだけど、もうダメ元である。

 おっちゃんは驚いた表情をした後「こんな偶然もあるんだな」と小さく呟いてから。


「どうにかなるかならないかで言えば、なる」

「なるの!?」


 いや、話が早くて助かるけどさ。


「ウヌ様とも話し合った結果リーリオの量産計画が立ち上がってな」

「リーリオを量産? ウヌもヅガルもあの機体の特性を忘れていないかしら」


 コルネリア様の言うことはもっともだ、量産したって動かせるパイロットがいない。


「いやいや姫様、流石にリーリオ機関は積まない方針ですぜ。 ただ……」

「ただ、なんなのかしら?」


 おっちゃんは「まだ完成はしてないんですが」と前置きして。


「試作1号機にはついうっかり搭載しちまいまして……、どうしようかと悩んでいたところなんでさぁ」

「ええー……」


 うっがりで済むミスじゃない気がする、タユカがいなかったら本当に高価な置物だったじゃん……。


「性能は回収したドゥークタードってのを解析してソイツをある程度上回るくらいまでデチューンしてます、まんまリーリオの性能で量産したら他国からの支援もあるとはいえドリューナルが潰れるんで」

「それでもリーリオ機関の分が上乗せされるのなら、結構な高性能機になってそう」


 少なくともタユカが乗って来たドゥークタード使うより遥かに戦力になる。


「タユカなら問題なく動かせるし、綺麗に噛み合ったわけだ」

「それから姫様とラストのおかげでリーリオ機関は2人で乗った方が出力上昇するのがわかったんでコイツは最初から複座にしてます」

「じゃあリンナも一緒に乗るわけね」

「わ、私もですか?」

「タユカと交際しているのでしょう、ならリンナ以外にはありえないじゃない」


 直接操縦するわけじゃないにせよ、復讐がしたいリンナちゃんには丁度いいのかもしれない。

 この前の話を聴く限りだと、前線に出ることを望んてたみたいだし。


「大丈夫です、リンナさんのことはボクが絶対に死なせませんから!」

「は、はい」


 お互いの抱えていた問題が一気に解決してしまった。

 これでタユカも戦力として頼れそうだ。


「それからヅガル……さん」

「おう、なんだ?」

「ボクの身体は大部分が機械なので、機体と直接接続して文字通り身体の一部として動かせる能力があるんですけど」

「すげぇな、ってことは嬢ちゃんの要望ってのは」

「はい、この先行量産試作型リーリオにも接続コネクトができるようにしてほしいんですけど」


 ああ、それもバラしちゃうんだ。

 本当にリンナちゃんのこと好きなんだなぁ。


「よっしゃ、ワシらにとっちゃ完全に未知の領域だがそれを恐れてちゃあメカマンは務まらないからな。 いっちょやってみるか!」

「ありがとうございます!」

「言っておくが時間かかるしお前さんにも色々手伝ってもらうからな!」

「はい、よろしくお願いします!」


 そのまま接続機能の打ち合わせをするためにタユカとリンナちゃんは残るというので、残ったわたしとコルネリア様とアリユさんの3人だけで格納庫をあとにする。

 そういえばずっと気になっていたことがあったんだけど、この場で訊いてみようかな。


「アリユさんって彼女いたじゃないですか、こっちには連れて来たんですか?」

「別れたよ、国を裏切るなんてことには巻き込めないからね」


 やべえ、☆の無いマジトーンで返されてしまった。

 この話題には2度と触れないようにしよう……。

先行量産試作型ってロマンですよね。


そしてそして今話でついに10万字に到達しました、ロボット図鑑含めてですが。

ストーリー的に丁度いい区切りではないのですが、ひとつの到達点となります。


勿論まだ続くのでこれからも応援よろしくお願いします。

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