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復讐心の行方

前回ちょっと短めだった分、今回は長めです

「ちょ、ちょっとリンナちゃん何する気!?」


 咄嗟に2人の間に割って入る、そうしないと話をする間もなく撃ってしまいそうだった。


「どいてくださいラスト様!」

「どけない、タユカは殺させない」


 出会いが最悪だ、リンナちゃんがいればタユカをこっち側に引き込めるんじゃないかって考えてたのにここまで裏目に出るなんて……。


「他の人は敵として殺してきたじゃないですか、なのにその方は旧知の仲だから殺せないっていうんですか?」


 それを言われると痛い、でもここは引けない。


「どうして、リンナちゃんの故郷を攻撃するよう指示した司令はわたしが仕留めたよ。 リンナちゃんこそ殺せるなら誰でもいいの?」

「それは……、じゃあ前線に出られない私はどうしたらいいんですか? この気持ちを晴らすにはもうこれしか!」


 このままじゃお互い平行線だ、外で皆が戦ってるんだから早く合流しないといけないのに。

 いつまでも続きそうな睨み合いのだったけど、リンナちゃんが先に銃を下す。


「わかり……ました……」

「リンナちゃん」


 良かった、わかって貰えた。

 そう思った次の瞬間腕を掴まれ、強く引っ張られる。


「な、なにっ!?」

「ラスト様には話していませんでしたよね、田舎者の私がなんで王宮勤めをしているのか」

「なんの話をしているの?」


 今の状況と話の内容が繋がらない、確かにその話は一度も聞いた事ないけど。

 わたしの困惑を無視してリンナちゃんは1人で話を続けていく。


「この見た目とカラダです、それだけで私は王宮勤めを言い渡されました」


 そりゃあわたしだってリンナちゃんは侍らせたくなるけどわたしの専属になる前はコルネリア様の専属だったみたいだし、そういう目的で引き抜かれた展開は想像してなかった。


「最初の内はセクハラもされてたんですよ、それを見かねた姫様が陛下に掛け合ってくださったから今の私があるんです」


 あっぶな、本日2回目のあっぶな!

 もしコルネリア様からお手付き禁止令を出されてなかったらわたしも立場を利用して軽いセクハラならしてたかもしれない。

 あの時は理不尽だと思ったけど知らない内に助けられてたとは、ありがとうお手付き禁止令。


「ねえラスト様、そんな私のカラダを好きにしたくはないですか?」


 腕を掴んでいる手に力が入り、引っ張られる。

 しまった、考え事をしている間に話が更に進んでた。


「この方も、他の敵も、もっともっと殺してください。 そうしてくださるのなら私のカラダを捧げます」

「そ、それは……」

「本当はずっと、こういうコトをしたかったんですよね?」


 掴まれた手がリンナちゃんの胸に近づいていく。

 やることは変わらない、タユカを見捨ててこれまで通りに戦うだけでリンナちゃんとあんなコトやこんなコトができる。

 とても魅力的な提案だ、ゴクリ……。

 

「ねえ、ラスト様……」


 もう、すぐにでも触れることができてしまう距離まできた。

 改めて見るとやっぱり大きい。

 わたし女の子胸はあまり重視しないタイプだから今まで気にしなかったけど、リンナちゃんのサイズには圧倒される。

 触りたい、いやもっと色々なコトがしたい。

 でも……。


「ごめんね、リンナちゃん」


 振り払う。


「わたしはもう祖国を裏切りコルネリア様の側で戦うってだけでいっぱいいっぱいなんだ、リンナちゃんの復讐までは背負えない」


 わたしは所詮その程度の人間だ、全員の望みを叶えて全てを綺麗に解決することなんてできない。

 でも……、それでも何もしないわけにもいかない!


「だから、それはタユカにやらせたらいいんじゃないかな」

「……はい?」


 さっきまでの重い空気が吹っ飛んだ。

 リンナちゃんは見事に目を点にしてる、これはこれで可愛い。


「リンナちゃんってタユカの好みドストライクだからさ、今みたいに色仕掛けやったらイチコロだと思うんだよね」

「え、えーと?」

「リンナちゃんの復讐、タユカにやらせてみたらどう?」


 我ながら無理があるとは思うけどこの場を収めるにはもうこれしかない。

 お願いだからこれで引き下がってほしい。

 迷っていたのか少しの間顔を伏せていたけど、わたしを見据えて口を開く。


「1つ、いいですか?」

「なに?」

「この方は強いんですか?」

「強いよ、生身だったら絶対勝てないし。 機動兵器に乗っても裏技があるからね」


 ついでにもうひと押ししていこう。


「この怪我ね、コルネリア様を庇ったからなんだよ。 タユカが助けてくれなかったら今頃大変なことになってたかも」

「……」


 よし、効いてる効いてる。

 多分。


「ラスト様はズルいですね、そこまで言われたら言う通りにするしかないじゃないですか……」

「ペテン師だからね、わたしはズルい女なんだよ」

「それで、具体的にはどうしたらいいんですか?」

「見ての通り人間相手の治療じゃ駄目だから地下に行って、なんでここにあるかは不明だけどあそこならタユカの治療やメンテナンスができる」

「わかりました、何に使うかわからなかったあの場所ですね」


 ひとまずの問題は解決した、後はタユカが魅惑のボディに釣られることを祈ろう。

 地下へ向かうリンナちゃんを見送った後、近くの窓から外に出る。


「リーリオ!」


 この場へ転送、頭部のコックピットへ乗り込む。


「遅かったわね」

「リンナちゃんの説得に時間かかっちゃいまして……」

「確かに、敵を助けるなんて今のあの娘には受け入れ難かったでしょう。 飲み込んでくれて良かったわ」


 実際には復讐の駒として使うためだけど、言わぬが花かな。

 遅くなっちゃったけど皆と合流しよう。


「警報、狙われています」

「!?」


 AIのアラートに身体が反応して咄嗟にリーリオを飛翔させる。

 次の瞬間、さっきまでいた場所に何かが着弾する。

 あれは、ドゥークタードが標準装備しているアサルトライフルの弾か。


「ラスト君の機体は何もない所から突如として現れる、情報通りだ」


 待ち伏せ!?

 伏兵がいたなんて……。

 それにこの声は、男だけど忘れられるわけがない。


「エリオッタ・アンダス」

「覚えていてもらえて光栄だよ、ラスト君」


 いや忘れたくても無理だから。

 なんでここにいるのかと思ったけど、わたしがこっちに来たのは卒業直前だったし同期はもう実戦に出るようになってるのか。


「誰なの?」

「パイロット候補生時代の同期で次席、つまりわたしの次に優秀だったヤツです」


 そして、何度負けても挑んできたウザいヤツでもある。

 近くに他の機体反応は無い、まさかここで1対1の戦いを挑むつもりか。

 異世界まで追いかけてくることも含めて正気の沙汰じゃない……。


「今度こそ君に勝って、勝利の美酒を味合わせてもらうよ!」

実は本作女性キャラの中でどことは言わないけど一番大きいのはリンナちゃんです。

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