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世界会議 後編

前回の続き、こちら後編になります

 アリユさんへの追及は満場一致で納得、とまではいかないもののひとまず区切りを迎えた。

 つまり、次はわたしの番だよね……。


「ドリューナルのパイロット、ラストといったか。 お前も向こうの出身らしいな」


 あー、やっぱり。

 そしてユキヒコの隣にいる偉い人、またあんたか。


「ノルンガッテ王、お言葉ですがラストは我々ドリューナルが代表パイロットとして拉致同然の形で連れてきました。 彼女は断じてスパイなどではありません」


 特に何か言い出す前にコルネリア様が先手を打った。

 庇ってくれるのは嬉しいけどそれは直球過ぎない?


「拉致同然ですと、それはそれで問題ではないのか!?」


 ほら、驚いてる驚いてる。

 でも話題が逸れたのは助かる。


「事後承諾ですが我々の側に就いてくれると同意を得ています。 いえ、篭絡したと言った方が正しいでしょう」


 そうだけど、わたしがコルネリア様に一目惚れしたから今ここにいるんだけど!

 あまりにも本当のことを直球で言い過ぎてる、コルネリア様多分外交に向いてない。


「それを信用しろというのか?」

「王様よぉ、あの女はオレ様に勝った女だぜ。 そんなヤツが今更裏切るわけねぇだろ」

「ええいユキヒコ、さっきといいお前の判断基準はどうなっとるんだ!?」


 同じ国の中で揉めだしたよ、いや弁護してくれるのは嬉しいけど。


「僕も同意見です、直接闘ったことがある身として彼女が潜入目的だったとは思えません」

「それなら私達も同じ意見よ、とてもじゃないけどこれから侵攻してくる国のスパイには見えなかったわね」

「お前達まで!?」


 クレオとセルアまで味方についてくれるなんて、ありがとう……。

 わたしは良い戦友持った。


「それに、被害があったとはいえ敵を撃退できています。 本当に彼女がスパイでドリューナルの情報が筒抜けなら迎撃などできず一方的にやられていたことでしょう」

「そ、それは……」


 クレオのダメ押しにユキヒコの国の偉い人が声を詰まらせる。

 さっきと同じ構図だ。

 そういえばわたしのことを最初にペテン師呼ばわりしたのもこの人だっけ。

 いいぞ、もっと凹ませてやれ。


「刃を交えた者同士、感じることもあるということだろう。 それは無視できないのではないかな」


 そう発言したのは、クレオの隣に座っている人だった。

 王様って立場の人がここまで言っちゃうってことは、代表パイロットって本当に立場凄いんだな。


「ドリューナルへの追及もここまででいいかしら、本題に入りましょう」


 と、セルアの隣の人。

 そうだよね、わたし達2人を追及するためだけにこんな大きい会議しないよね。


「ラスト殿に現場を検証してもらったところ、ドゥークタードと呼ばれる機体の残骸は10機前後とのことでした。 量産機とはいえこれだけの数を敵が失っていることを好機と捉え、早急の攻勢を提案します」


 と、ロンゲ。


「確かにそうだが我々も戦闘直後だ、機体の修理なんてまだまだ終わらんぞ」


 どこかの国の人を筆頭に同じ意見が多く出る。

 あれからまだ一週間だもんな、ガチンコやってボロボロになったワンオフ機の修理なんて早々終わるわけないよね……。


「いいや、ディヴァースタイレンタは無傷だ。 いけるぜ」

「ネヴンケブラもです、いつでも出撃できます」

「フラティーノ単体でなら、援護は任せてください。 ごめんなさい、アルセはお留守番ね」


 ユキヒコ、クレオ、セルアが次々に立ち上がる。

 そしてセルアはここにいないアルセちゃんと会話してる?


「勿論アタシも行きます、これはアタシが止めなきゃいけないことだから……」


 ここまで黙っていたアリユさんも立ち上がる。

 アイドルモードしか知らないから真面目モードなの新鮮だなぁ。


「当然リーリオも出るわよ、このままやられっぱなしなんて気に入らないもの」

「はい!」


 コルネリア様の言葉にうなずく。

 その隣のロンゲが困った表情をしてるのは無視しよう。

 そりゃあお姫様が最前線に赴くとか嫌だよね、うん。

 でもこうなったコルネリア様を止められないことはわたしも最近わかってきたから、同情はするけどもうどうにもならない。

 絶対に2人で生きて帰ろう。


「諸君、これは古代戦争である。 我々が本来戦わなければない相手とは違うが、競い合った成果を見せつけてやろうではないか!」


 ってアリユさんの隣の人、あんたが仕切るんかい。

 まあそれはそれとして、ひとつ気になることがある。


「コルネリア様、古代戦争ってなんですか?」


 前にもその言葉を聞いたけど内容は教えて貰えなかった。


「今貴女の故郷が仕掛けてきている戦争のことよ、この世界でも今の形式に変わる前は行われていたことなの」


 遠い昔にやってた戦争の形だから古代戦争なのか。


「それにしても5機だと少ないわね、このまま挑んでどうにかなるものかしら」

「敵の戦力も低下しているとはいえ正面からだと厳しいでしょう」

「ではどうするというの?」


 皆の信用が必要ですがと、前置きして。


「わたしに、考えがあります」

次回、時系列がリーリオを転送した直後に戻ります

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