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リーリオVSフラティーノ その2

 エネルギーライフルを破壊してからのセカンドウェポン宣言、背中のスラスターをやられる以外ここまでは予定通り。

 飛行可能なリーリオの脚部を破壊しても機動力に致命傷は与えられない、だからスラスターを狙う。

  それはわかっていたから背を見せないように動いてたのにまさか跳弾で狙ってくるとは……。

そして更に問題はそのセカンドウェポン、コイツがあまりにも強烈で困る。


「おねーちゃーん!」


 なんか女の子の声が聴こえてきた。しかも可愛いぞ。

 後から見れる記録映像だと音声つかないから知らなかった。

 お姉ちゃんということはセカンドウェポンに乗っているのは妹?


「やっと呼んでくれたー、もう待ちくたびれたんだから」

「気が早いわよ、まだ始まったばかりじゃない」

「だって本当は最初からおねーちゃんと一緒がいいもん!」

「はいはい、わかったから合体いくわよ」

「はーい!」


 やってきたフラティーノより一回り大きい人型の機体の胴体から下が展開しフラティーノを取り込むようにして中へと収納する。

 いや本当にアリなのコレ、今までも武器じゃない装着は見てきたけどもう装着じゃなくて合体じゃん。


「装着完了!」

「「これが私達姉妹の究極合体、ボネージュフラティーノ!」」


 いや初見じゃなくてよかったよ、心の準備ができてなかったら呆気にとられて隙を晒してただろうから。

 前の対戦者に感謝だわ。


 気を引き締めよう、なにせコイツをどうにかしなければ絶対に勝てないのだから。

 それは一回り大きくなったことによるパワーアップだけではない。

 おっちゃん曰くあれはあくまでもセカンドウェポンであるため中にいるフラティーノそのものを攻撃しなければダメージとして扱われない。

 つまりボネージュフラティーノでいる間本体はずっと無傷ということになる、タイムアップ時の判定でも有利になるわけだ。


 だから、どうにかして中にいるフラティーノを引きずり出さないといけない、しかも……。

 腕からブレードを展開するボネージュフラティーノ、格闘戦を得意とする相方と二人で操縦することによってお互いカバーする形になりわかりやすい弱点がなくなった。

 ついでにエネルギーライフル切り落としたところでセカンドウェポン宣言されたから戦闘再開直後に射程距離。

 ブレードをシールドで受け止める、そして同時にこっちもグラーボセイバーを振るう。

狙うは……ブレード!


 操縦してるのは近接格闘のエキスパートだ、正面から打ち合ったら勝てないと想定した方がいい。

 やはりブレードそのものを攻撃されるのは予想外だったのかボネージュフラティーノは距離を取って仕切りなおそうとする。

 いいのかな、こっちには連射性の高い射撃武器があるんだぞ。


「シールドダメージ限界、ボムバードバスターの使用に問題はありませんがもう一度受ければ危険です」


 エネルギーライフルを受けた分もあって限界がきたか、でも支障が出てないならエネルギーガン連射だ。 撃て撃て!

 ボネージュフラティーノはエネルギーガンによる損傷にもひるまず正面から突っ込んでくる、やっぱりこの全身にシールド纏ってるも同然なのズルいな。


 エネルギーガンによる射撃を辞めて両腕のワイヤー射出、でも狙いは拘束じゃない。

 鞭のように振るい打ち付ける、狙いはやっぱりブレード。

 それでもボネージュフラティーノは前進を辞めない、肉薄される。

 振るわれるブレードを今度こそグラーボセイバーで迎え撃つ、距離に合わせて三段構えの迎撃。

 そこからは打ち合いになるけど少しでも距離を取ればワイヤーの鞭も加わる、格闘戦の技術で負けているのは手数でカバーする。

 そして押し負ける前にその時が来た。


 グラーボセイバーと打ち合ったブレードにひびが入る、機体そのものではなくブレードばかり執拗に攻撃したのは最初からこれを狙っていたからだ。


「砕けろ!」


 その叫びと共に振るわれた一撃はボネージュフラティーノのブレードを打ち砕いた。

間髪入れずにワイヤーを射出、今度は両腕に巻き付けて拘束する。

素手だって油断できない、不安要素は潰しておく。


「ふっふっふ、いいのかなーそんなことしちゃって」

「はい?」


 この余裕の態度はなんだ?


「そーれ!」

「なっ!?」


 リーリオが引きずられる、スラスターを吹かせられないこともあって完全にパワー負けしてる……。

 マズイ、このままだと逆に利用される。

 泣く泣くワイヤーをグラーボセイバーで切断する、これで両腕の分は使えなくなってしまった。

 でも、保険を失ったとはいえまだこっちの方が有利!

 グラーボセイバーで切りかかる、本当は射撃戦をしたいけどわたしから距離を取るのは不可能だし仕方ない。

 格闘戦のエキスパートとはいえ素手で対抗できるものならやってみろ。


 しかしそんなわたしを嘲笑うかのようにボネージュフラティーノは両手でグラーボセイバーを挟み込むようにして受け止めた。


「ウソぉ!?」


 そんな技故郷でも見たことないんですけど!?

 トンデモ技を繰り出されて呆気にとられた隙をつかれてグラーボセイバーを奪われる、完全に形勢逆転されてしまった……。

 だがわたしの予想を外してボネージュフラティーノは空中へと飛び上がり……。


「えーい!」


 遥か遠くへグラーボセイバーを投げ捨てた。


「ええええええええええ!?」


 機動力を奪われた今のリーリオじゃ取りに行けない、実質グラーボセイバーは使用不能になった。


「あの剣ボネージュフラティーノの手には小さくてちゃんと持てないからねー、だったらどっちも使えないようにした方がいいでしょ」


 そうか、エネルギーライフルをあれだけあっさり使い捨てたのは合体後だとサイズが合わなくてちゃんと撃てないからだったのか。

 ついでにわざわざ空中に上がったということは二戦目の決め手だったアレがくるな。


「ボネージュフラティーノから高エネルギー反応」


 わたしの予想を裏付けるようにAIが告げる。

 背中のスラスターをやられてて回避は不可能、これで終わらせる気だ。

 ならやることは一択、迎え撃つしかない。


「こっちもいくよ、AI」

「了解、チャージ開始」


 ボムバードバスターとボネージュフラティーノの肩にある大型キャノンがお互いを捕らえる。


「ボムバード……」

「「ボネージュポーテンカ……」」

「バスター!」

「「キャノン!」」


 ボムバードバスターとボネージュポーテンカキャノンが激突する、しかし……。


「押されています、このままでは……」

「AI、最大出力!」

「しかし、そんなことをしたら間違いなく壊れますよ」

「どうせここで押し負けたら絶対勝てなくなるんだから構わない、やっちゃって!」

「……了解」


 ボムバードバスターを自壊しても仕方ない出力まで上昇させる。


「いっけえええええええええ!」


 ボネージュポーテンカキャノンを押し返しそのまま機体へ叩き込む。

 そしてボネージュフラティーノは爆発に包まれた。


「やったか!」

やってない

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― 新着の感想 ―
[良い点] いつも楽しく拝見しております。 今回もハラハラドキドキするバトルでとても熱くてすごく面白かったです。 特にボムバードバスターとボネージュポーテンカキャノンの激突シーンは手に汗握る展開で最高…
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