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リーリオVSフラティーノ その1

 ついにフラティーノとの闘い当日。

 リーリオのコックピットで待機している中AIに問いかける。


「今更なんだけどあなたのことはなんて呼べばいいの?」


 十中八九AIじゃないのにAIって呼ぶのもね。


「では『アイ』とお呼びください」


 なんだそれ。


「いくらなんでも安直過ぎない、それに本当はAIじゃないんでしょ?」

「アテク……ではなくワタシは愛の使者なのでそこからの名です」


 AIのフリしておきながら愛の使者ってなんだ。


「わかった、じゃあこれからはAIアイって呼ばせてもらうね」

「承知しました、ラスト」


 字面だけだと今までと変わらないけどまあいいか、本人は正体明かしたくないみたいだし。


「これよりドリューナル対ペルヴァンシアの戦いを執り行う、両者指定位置へ!」


 指定位置に立ち、フラティーノと対峙する。

 この戦争、どうやら二回も戦えば手の内は全部出し尽くすようで見たところ事前の資料と変わりはない。

 わたしの番で新兵器投入とかされても困るからそれでいいんだけど。


「それでは両名とも名乗りを」

「ラスト、乗機の名はリーリオ」

「セルア・アーウィンス、乗機の名はフラティーノ」


 互いに名乗り合う、このやりとりにも慣れてきた。

それと。


「ねえお姉さん、これが終わったら一緒にお茶でもどうです?」

「噂通り何考えてるのかわからない人ね、それも作戦の内なのかしら?」


 違うんですけど、ストライクゾーンからズレてるとはいえ綺麗なお姉さんだからお茶したいだけでなんですけど……。


「こら、私語は慎みなさい!」


 しかも怒られてしまった、ちくしょう。

 戦闘中は駆け引きの一環として対戦相手との会話は許可されているけれどまだ始まってないからダメってことらしい。

 ペナルティ受けなかっただけマシか……。


「それではノーワデイズウォー、スタート!」


 戦闘開始。

 相手がエネルギーライフルを構える前に素早く宣言する。


「セカンドウェポン!」


 出し惜しみする意味がないとかじゃなくて今回は初手で宣言するのが作戦上必須。

 もうひとつの方はこのまま死蔵するつもりなんだろうか、わたしに搭乗者探しに行かせてくれ!

 いや、今は戦いの真っ最中だからこれ以上は考えないようにしよう。

「装着完了!」


 ボムバードバスターシールドを装着し改めてフラティーノと対峙する。

 そして……突撃!

 シールドを前面に構えて全速前進、一気に距離を詰める。

 どれだけ正確な射撃だろうと軌道は一直線、シールドを前面に押し出せばそこにしか当たらない。

 加えてボムバードバスターシールドは重装甲、クロスレンジに持ち込むまでに撃たれる数発程度でオシャカになるものじゃない。


 予想通り後ろに下がりながらエネルギーライフルと胸部を展開して小型機銃を撃ってくるが機動力は圧倒的にこっちが上、あっという間に懐へ。


「?」


 フラティーノは最後の一発になるであろう射撃をリーリオではなく明後日の方向へ発射する。

 その直後、振るわれたグラーボセイバーがエネルギーライフルを切り裂き破壊した。

 作戦通りと思った次の瞬間、背後からの衝撃に襲われる。


「何っ!?」

「背中のスラスターに損傷、下手に使えば誘爆します」


 AIの報告に驚愕する。

遠隔操作が禁止な中で背後から攻撃ってどうやって……。


「地面にエネルギー反射板が落ちています、あれを射出して跳弾させたと推測」


 いつの間に、わたしがエネルギー反射板の射出を見落とした?

いや、違う……。


「シールドを前面に構えたことでできた視界の死角を狙ったのか……」


 やられた、向こうも最初からエネルギーライフルを失うの前提で動いてたんだ。


「そういうことです、捨て身はあなたの専売特許ではありませんよ」


 エネルギーライフルをあっさり捨てた。

だったら、相手が次に打ってくる手はひとつ。


「セカンドウェポン!」


 やっぱり、あのインチキ臭いのが来る

 背中のスラスターがやられたのが想定外だけど第一関門は突破した、これが後に響かないように祈ろう。

 さあ、ここからが本番だ。

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