リーリオVSディヴァースタイレンタ その2
セカンドウェポンが装着されようともわたしが最初に打つ手は変わらない。
空中に離脱!
これで……って。
「げぇ!?」
いかん、女の子が出しちゃいけない声が出ちゃった、でもそれどころではない。
ディヴァースタイレンタも飛行している!?
初戦では飛行していなかったし使っているセカンドウェポンも違う、ということは。
「今回使ってるセカンドウェポンは、フライトユニットか……」
「ふはははは、そのたうり!」
独り言だったのに相手のユキヒコから返事が来た。
「空中から一方的に攻撃するつもりだったんだろうがそうはいかねぇよ!」
当たり前の戦法を見破られたのはともかくとしてよくもまあフライトユニットを都合良く作っていたもんだ。
「それに、これで互角の条件で戦えるからなぁ!」
なんだそれ?
「エネルギー反応」
ユキヒコの言葉で混乱しかけたがAIからの警告で意識を引き戻される。
慌てて回避運動、元いた場所をエネルギーの奔流が通り過ぎていく。
あのセカンドウェポン、フライトユニットとエネルギーキャノンがセットになっているのか。
確かにこれでリーリオとディヴァースタイレンタは戦闘スタイルがかなり似たものになっているかもしれない。
だけどそれにどんなメリットがある?
「ククク、なぜそんなことをわざわざするのか分からんといった顔だな」
いや顔は見えてないでしょ、お互いに。
「知りたいなら教えてやる、同じスタイルで戦って勝った方がオレ様の強さをより証明できるからだ!」
勝手に語りだしたよ、それにしても正気かコイツ。
「オレ様は最強を目指す、そのために相手を真正面から叩き潰す。 そうすれば負けても言い訳なんてできないからなぁ!」
うわぁ、とんでもないのと当たっちゃったよ……。
初戦のモスグルク国は割と勝つために手段というか戦闘スタイルを徹底してきた感じだったけどコイツは逆だ、手段を選びまくった上で勝ちに来てる。
わざわざ相手の土俵に立つっていうハンデを背負って勝つ、そんな正気を疑うやり方で国の代表パイロットになっているという事実。
実際に強いんだろう、初戦も勝ってるわけだし。
だけど、その戦い方に乗ってやる義理は無い。
エネルギーガンによる牽制に徹する、勿論向こうのエネルギーキャノンによる反撃も回避する。
距離をとっての射撃戦に持ち込む、持久戦ならこっちの方が有利なハズだ。
リーリオ機関は条件を満たさない者が乗った場合ウンともスンともいわないが逆に条件を満たす者が乗れば半永久機関と化す。
それを利用して初戦でもネヴンケブラをエネルギー切れに持ち込んだ、セカンドウェポンで補給されるっていうオチがついたけど。
今回、飛行しながらエネルギー兵器の撃ち合いになれば先にガス欠を迎えるのは間違いなく向こうだ。
そうすればディヴァースタイレンタは地上に落ちる、それで当初の予定通りだ。
「とでも、考えているんだろう。 そっちの継続戦闘能力が高いのは記録映像見て知ってるんだよ!」
そのセリフと共にディヴァースタイレンタが一気に距離を詰めて来る、エネルギーガンをシールドで防ぎながら強引に。
そりゃああっちからしたら撃ち合いなんて嫌がるよね。
迎撃、と言いたいところだけどエネルギーガンじゃ火力が足りない、だからといってボムバードバスターはもう間に合わない。
接近戦、するしかないか。
ディヴァースタイレンタの剣をシールドで受け止める、刀身は半ばまで食い込むがそこで止まってくれた。
お返しとばかりにこっちもグラーボセイバーで切りかかる、向こうも同じようにシールドで受け止めようとするもエネルギーガンによるダメージもあったのか防ぎ切れずにそのまま両断された。
「なんだとっ!?」
更に追撃を仕掛けようとしたがシールドに食い込んだ剣を引き抜いたディヴァースタイレンタはすぐにクロスレンジから離脱してしまった。
ボムバードバスターシールドの装甲凄いな、通常のシールドのままならこっちも破壊されていたかもしれない。
一方的なシールドの破壊、まだ双方無傷だけどアドバンテージはこっちにある。
ここからどう攻めるか、思案のしどころだ。




