リーリオVSネヴンケブラ 決着
セカンドウェポン装着中はタイマーが止まっているとはいえ残り時間は5分、これじゃあもう一回エネルギー切れを狙うのは不可能だ。
「それなら!」
おっちゃん、ごめん。
心の中で謝りながらエネルギーガンの出力を最大にする。
こんなことしたら確実にぶっ壊れるけど負けるよりはマシだ。
「いっけええええええ!」
最大出力で放たれたエネルギーガンがネヴンケブラを飲み込む。
これで突破してくれと願いながら晴れた視界の先で見たものは、まだ無傷で立っているネヴンケブラだった。
「そ、んな……」
「エネルギーガン機能停止、機能停止」
AIの言う通りエネルギーガンは銃身が溶けてもう使えない、機能停止ということは中身も滅茶苦茶になっていそうだ。
そしてグラーボセイバーを限界まで叩きつけてもきっと折れておしまいだだろう。
「何か手は……」
原点に立ち返れ、リーリオの強みはリーリオ機関によって強化されたスペックによるゴリ押し。
それはそれでどうなんだと思わなくもないけどそれを最大限に活かして相手に叩きつける方法は……。
これだ!
リーリオを突撃させアンブレイカブルシールドが展開されてるギリギリのところに立つ、そして。
「背を向けた、なんで!?」
目の前で背を向けたことに驚いている相手を無視し。
「ワイヤー射出!」
両手両足に仕込んであるワイヤーを四方の地面に打ち込みリーリオを固定させる、そして。
「焼き尽くせえええええええええ!」
スラスターのスロットルをフルに入れた。
とんでもない熱量がアンブレイカブルシールドに襲い掛かる。
「バックファイアだって!?」
そう、これがわたしの考えた最後の手段。
時間もあまり残ってない、これを耐えきられたら終わりだ。
「こんな、ことで……!」
パイロット、クレオの声にこれまでなかった焦りが含まれているように感じる。
でもこっちもワイヤーが軋みだした、もう少しで千切れて体勢を維持できなくなる。
でもまだだ、まだアンブレイカブルシールドは破れてない。
もう少し耐えて、そして……。
「ブチ貫けええええええええええ!」
「防ぎ切れええええええええええ!」
お互いに叫び声を上げる、そんなことをしても機体の出力が変わるわけでもないがそれでも声を出さずにはいられなかった。 恐らくクレオも同じだろう。
ワイヤーが千切れて機体を固定できなくなり空中に放り出される、けれどもその直前に背後で 何かが砕ける手ごたえのようなものがあった。
リーリオを急旋回させる、残り時間は10秒だがこれなら間に合う!
「コックピットのある頭部が本体から分離した場合、即座に敗北になる!」
「くっ、残り時間は!?」
「逃がさない、これでわたしの勝ちだ!」
振りぬいたグラーボセイバーは何物にも阻まれることなくコックピットのある頭部と本体を繋ぐ首にあたる部分を切断した。