リーリオVSネヴンケブラ その3
グラーボセイバーとエネルギーガンの両方が通用しない。
リーリオの武器はこの2つだけだ、両方効かないとなると攻め手がなくなる。
そうなると残された手段は……。
もう飛び回る必要もなくなったので地上に降りてエネルギーガンを撃ち続ける。
「どれだけ撃ったって無駄ですよ」
やはり無力化されて届かないが、そんなことは承知の上。
わたしは相手が呆れているのも無視してトリガーを引き続けた。
そしてその時がきた。
「これは……」
ネヴンケブラを守っていたバリアー、もといアンブレイカブルシールドが消えた。
狙い通り。
このエネルギー切れの瞬間を待っていたんだ。
あんな強力なバリアーを長時間維持し続けられるわけがない。
だから悪あがきのフリをして一見無駄に見える攻撃をずっと続けていたんだ。
残り時間はあと5分、余裕で仕留められる。
そしてグラーボセイバーを構えて突撃しようとしたその時。
「セカンドウェポン!」
そう宣言された。
セカンドウェポン。
内部武装に制限はないものの携行武装は1つだけと制限されているこの戦いにおける追加装備。
このルールがあるためにリーリオは携行武装のグラーボセイバーとシールド裏に搭載されることで内部武装として扱われるエネルギーガン、計二つの武器しかない。
戦いの中好きなタイミングで宣言し装備の装着が行われる。
装着と呼ばれるように本体に直接ドッキングさせなければいけない、機体をもう一機用意して2対1なんていうことは不可能だ。
ウェポンとは呼ばれるが追加装備であるなら必ずしも武器である必要はない、そして有人無人も問わない。
それぞれの国でいくつ用意しても問題ないが1回の戦闘で搭載可能なのは1つのみ。
セカンドウェポンの装着を邪魔する行為は反則負けになる。
それが事前に説明されたセカンドウェポンの内容だった。
ちなみにウチの国はヅガルのおっちゃん曰く……。
「セカンドウェポンにもリーリオ機関が搭載されてるから動かせる人間がもう一人いないと使えん」
とのことで今回は無しという話だった。
とんでもないハンデだよ!
「装着完了!」
そんなことを思い出している間に装着が完了したらしい、この宣言によって戦いが再開される。
が……、わたしは目を疑った。
「バリアーが、アンブレイカブルシールドが復活してる……」
ということは相手のセカンドウェポンは武装ではなく……。
「エネルギー補給用のプロペラントタンク!?」
「そう、その通りです」
ここまで完全に読まれていた、所詮は一回も実戦に出ていない訓練生の浅知恵だったということか……。
「もう一度言います、この戦いはずっと僕の番でありあなたの番は最初からありません」