リーリオVSネヴンケブラ その2
反撃開始!
とはいえ隠し玉を警戒する意味でも地上には降りない方がいいだろう。
「いっけえー!」
エネルギーガンを発射する、AIの言うように使用には問題ないようだ。
ネヴンケブラには回避運動どころか動く気配すらない。
直撃コース!
そのハズだった。
「なんだ今の、途中で消えた!?」
無傷、いやそもそも当たっていない?
何が起こったかはわからないがネヴンケブラは健在だ。
「もう一度!」
今度はエネルギーガンを3連射する、やはり動く気配はなく全部命中コース。
「また、どうして届かない!?」
しかしまたも届くことはなくネヴンケブラは堂々と立っていた。
「でも、ようやくわかった!」
今度は見えた、攻撃を外してるわけじゃない。
着弾する直前で霧散してしまっている。
もう一発撃つがやはり結果は同じだった。
「やっぱりバリアーか」
自分で言っておいて現実味がないな、とは思う。
けどそれはわたしの故郷での話、採算度外視のワンオフ機ならコストの問題も無視してしまえるということか。
けど今そんなことはどうでもいい、あのバリアーを突破できなければ時間切れで判定負けが待っている。
戦闘時間は30分、それまでに決着がつかなった場合はお互いの損傷率を測っての判定に持ち込まれる。
シールドの損傷は含まれない、だからシールドを装備することはセオリーらしい。
細かい判定の仕方は知らないが損傷軽微と無傷を比べたら結果は明らかだろう。
「最初からこれが狙いだったの……」
完全にやられた、とにかく少しでも損傷を与えさえすれば向こうはバリアーで全て防ぎ切って無傷で勝利できる。
一歩も動いてないのも避けないんじゃなくて避ける必要がない。
わたしは相手の掌の上で踊っていたのか……。
「けどっ!」
このまま負けてやるわけにはいかない、なんとかして活路を見出さなければ。
「後ろからならっ!」
ネヴンケブラの背後に回り込んで振り向く間も与えずエネルギーガンを打ち込む。
けれどそれもこれまでと同じように届かなかった。
しっかり全方位カバーされてる……。
「だったら接近戦で!」
右手に持つ実体剣のグラーボセイバーを構える。
稼働テストした際、ヅガルのおっちゃんは元々の想定を超えた切れ味になっていると言っていた。
ならばきっとこれにもリーリオ機関の加護が載っている。
「切り裂けえっ!」
グラーボセイバーとバリアーがぶつかり合う。
「ぐっ……」
グラーボセイバーの刃はしっかりと受け止められていた。
「これも届かないというの……」
これ以上やると刃が折れそうなので離脱するが追撃はなかった、やはりもう相手に武器は残っていないらしい。
しかし、武器がグラーボセイバーとエネルギーガンしかないリーリオではもう打つ手がない……。
「無駄ですよ」
最初の名乗り以来、ずっと黙っていた相手が口を開いた。
名前は確かクレオ、だったか。
「ネヴンケブラのアンブレイカブルシールドは決して破れません、降参することをおススメします」
「そんなこと誰がするか!」
苦し紛れにエネルギーガンを撃つがやはり届かない。
どうする……。
「無駄だと言いました、あなたの番なんてものは最初からありません」