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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第ニ章 残る2人の幼馴染による復讐じゃない私情
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幼馴染形式バトルその8

はぁ意味がわからない。何でこの校舎にだけチャイム音しか鳴らなかったの?いやそんなわけがない。ちゃんと時間も確認してタイムリミットが鳴るというのは確認済み。僕がそんなヘマなんて…


「今自分がそんなヘマなんてって事に驚いてるんじゃないの?」


「!?どうしてそう思ったのかな?」


「そもそもここでというよりデジタル式のチャイムが鳴る場所にいるのがそもそも間違いだった。その腕につけているデジタル時計実はバグってるって言ったらどうする?」


「???ごめん何言ってるのかさっぱり分からない…」


「ああすまない要点を飛ばした話しをしてしまったな。一から説明する。東小橋川さん、昼休みの時に一度空の弁当箱を渡したのを覚えているか?」


「え?ああ僕があげた弁当だね。それがどうかしたの?」


「あの弁当箱に実は俺が予め用意した磁場発生装置をその弁当箱の中に隠し入れていたんだ。当然その事に気付かない東小橋川さんはそのまま受け取り、この場から颯爽と消え去った。」


「磁場発生装置?いやいやそんなの何で神楽坂君が…」


「このゲーム確かあるカードを見つけたらルール追加みたいなのもできるとそう言っていたよな?だから俺は昼休みに入る前にあるカードを見つけて蒼脊に渡して1つ支給品として、機械の類いをバグらせる物を寄越してもらったんだ。それが…」


「成る程ね。それで弁当箱にそんな大人向けなアイテムを忍ばせたという事なんだ。道理でさっきから僕のデジタル時計の波長が合わないわけか…やられたな。でもそれならこの校舎のチャイムはどう説明してくれるのかな?いくら磁場が発生するアイテムを忍ばせたとしても僕の持つデジタル器具のバグが起こる程度…ならこの校舎でのバグは起こらないはずだよ。」


「そう…でも事前に全ての校舎内のデジタル式時計を弄っていたらどうする?」


「………ふぅ〜蒼脊君の仕業だね。今度はあちら側が裏切っちゃったか。まぁ何かしら仕掛けてくるとは思っていたけれどでよもやここまでやってしまうとは予想外だね。」


「でもそれだけで東小橋川さんを欺けるとは到底思ったりはしなかった。だからもう一手間加えさせてもらった。」


「もう一手間?」


「ああ、東小橋川さん廊下側の隠し下扉の方にずっと隠れていたよね?それも陽射しが分かる場所の近くに…」


「………そこまで知っておきながら何で捕まえて来なかったのかは聞かないでおくとして……うんそう。僕は陽射しが傾く場所に時間が来るまで潜んでいた。そして君の言う通り案の定その程度だけでは僕は絶対にヘマはしない、けれどそう起こってしまったとなると…何かしらその一手間が原因なんだろうね。」


「別に大した事はしていない、単に太陽の位置をいや太陽の光を傾けさせたのさ、日が傾くにつれてどんどんと東小橋川さんの方へ早める為に…」


「な…そんな化学的な事を君がやったと言うのか?」


「俺がじゃなくて周りだな。位置も場所もその潜んでいた場所に合わす為鏡を使っての反射で上手く日が傾く様に仕込んだのさ、まぁそれが上手くいかどうかは半信半疑だったけどな。」


ううんそんな芸当な真似は一朝一夕でできるものじゃない。周りの人間が手を貸したという話ならいったい何処からどこまで僕にそう言う風に思わせての行動を仕組まれたのか……いやそうか!?


「錯覚か…日暮れでの人間の目を上手く場所や定位置を利用して僕の目にそう映り込ませ日が傾く様に見せかけた。そしてさっき妙な違和感を感じたのは…」


「ああバレたか…というか普通そうなるよな。太陽の位置や光を傾くにつれてやるなんて事はそもそも素人には無理な話し…となればそう思わせる様なやり方をとるしかない…けどそんな技術俺や蒼脊にはない為その辺を理解している天才君に頼んだんだよ。本当ついてて良かった。」


「まさに幸運だったというわけか……そんな化学的な事を理解している人物が確かに学園に1人や2人いてもおかしくはない……それに僕を捕まえるという事で頭を働かせるとなれば上手く時間帯を弄る手段もあるというわけだ。完全にやられた。」


日も傾いてきているのも今の時間帯みたいだけど、僕にはそれが上手く把握できていなかった。そしてまんまと嵌められたというわけだけど、まだ終わってはいない。


「でもそこまでしてのやり方だけど、日が傾き始めて残り10分足らずって感じだね。頭の機転を生かしてのやり方かもしれないけど、所詮はその場凌ぎだけ…ここでの一対一での挑戦は時間的に難しいと思うけどな。」


「いや何も分かっちゃいないのはそっちじゃないのか?残り10分…10分の間で俺は東小橋川さんを捉える自信はあるつもりだけどな。」


「へ〜言うじゃないの。ならお手並み拝見と行こうかな。」


向こう側も特に降参という様な諦めの開き直りという素振りは特にない。寧ろ挑戦的な反応で少しばかり調子が狂う…アレやコレと対策はしていたつもりだが…さてここでどうあの鼻をへし曲げてやれるか…


「さぁ僕はいつでもいいよ。来るなら早くくればいい時間は待っちゃくれないよ。」


挑発的だな。ならこっちから動くまでだ。


ダン!


俺はそのまま走り出し東小橋川さんを逃がさない様間合いを詰めようとするが…


「ふっ正面突破だなんて、そのままこっちに来たとしても無理だよっと!」


パシュン!

シューーーン!

カシャン!


「させるかよ!」


パシュン!

シューーーン!

パチン!


「!?」


ワイヤーが切られた!?


パシュン!

シュルルルル!

パシン!


「え!?ワイヤーガン。」


何でワイヤーガンを神楽坂君が!?


「何でワイヤーガンを持っているかの様な顔だな。お前こっち側に蒼脊の存在があまりにもおざなりすぎているのに気付いていないのか?アイツに色々と頼めばアイテム追加をしてくれたぞ。」


「くっ!?蒼脊君マジであり得ない!」


後ちょっと!もう少しで手が届く!アイツからカードを取れば俺の勝ち………いや待てそもそも東小橋川さんが持ってるかどうかも分からないカードをどうやって手に入るんだ?


「いやそんなのは後回しだ!カードは後にしてまずは東小橋川さんをタッチすれば!」


パチン!

パシャン!


「うっ!」


巻きついていたワイヤーが解かれた!?……ニッパーを使ったのか!


「ふふ、この程度で僕をマカそうなんて甘…!?」


えーー!!外れたワイヤーの糸が腕に絡まっちゃったよ!どうしようまずい!


切れたワイヤーの糸が絡まってる。チャンスだこのまま!


「くっ!コレならどうだ!」


バシャン!


「うわ!何だ!」


妙なヌルヌルとした水飛沫が俺達の周りにふりりかかり何やらぬめっとした状況に陥るが、俺は構わずそのまま東小橋川さんへタッチしようとする。しかし…


ガシ!

ガシ!


「くぅ!」


「ぐぐ!」


お互い手と手が繋がり取っ組み合いする形となってしまう。


「うふふ、男の子なのに取っ組み合いで力押してこの程度だと何だか拍子抜けちゃうね。」


「いやその前にタッチしてる時点で俺の勝ちだろう。勝負は俺の勝ちだ。」


「ん?まさか僕との真剣勝負にそんな煩わしいルールなんか気にしているの?君は僕の持つカードを取らなければならないはずだ…とすればこの勝負続行だね。」


「この!何が真剣勝負だ。取ってつけた様な言い方じゃないか。」


「ん〜〜にしては君はこのまま押し付けようとしてるけれど…君も満更この勝負を終わらせたくないんじゃないのかい?」


「そんなわけないだろう。早めに終わらせたいに決まってるだろうが!」


グニュ…


クソ!あちこちベタベタして全然力が入らない。このままじゃ…残り時間制限時間がきてしまう。


「さ〜て残り7分だけど、ここからどうするつもりなのかな?」


「どうもこうもこのヌルヌルを利用するまでだろ!」


クルリン!


ヌルヌルを利用して俺は今の体制から一旦離れ距離を取り距離をとった場所から東小橋川さんへヌルヌルを利用して滑りながら彼女へと突っ込んでいく。


シャーーー!


「そう突っ込んでくるのはお見通しだよ!僕だってバカじゃないんだ。悪いけどここからは線引きをさせてもらう。」


「ちょ!おまっ何して…ってうわ!?」


林音は制服を脱ぎ捨てようと構える仕草をしようとし一星はそれを見て動揺しバランスが崩れ勢いよく倒れながら滑っていく。


バサ!


「ふふん!残念だけどこの下は水着だ!そう簡単に肌を露出すると思ったか!」


「それは肌を露出させてないのかよ!」


くっ!このままだと完全に負けてしまう。いや完全にまだ負けたわけじゃないここからが勝負所道具も取り出したいけど、ヌルヌルしててほとんど滑って触れない。なら…


「東小橋川さんの制服に向きを変えるだけだ!」


「はい?何で僕のってしまった!?カードは制服にあるんだった!待って待ってってうわ!?」


キュイン

キューーーン!


「は?」


まさかの向こう側も慌てて自分が投げ捨てた制服の方へ滑り出そうとするが、体のバランスが崩れ身体を回転させながらクルクルと向かって滑っていく。


「いや間抜けすぎだろう!自分の仕掛けた道具で、自分がそれに引っかかるやつがあるか!?」


「そ、そんな事言ったって!だ、誰か助けて!!」


ヒューーン!

ドカン!


お互い滑ったタイミングもありながら制服の中に入ってるカードへと向かっていくのだが、そのままぶつかってしまいがんじがらめとなりものすごい違和感のある密着のまま相対する。


「こ、これは…」


「…………」


ヌルヌルの状態のまま俺は東小橋川さんの胸に手を当てそれを東小橋川さんは無言のまま手を当てていた胸に視線を向き荒い呼吸をしながら何やら意味深のある様な眼差しをする。

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