幼馴染形式バトルその5
幼馴染形式バトルが始まって役2時間が経ちそろそろお昼にさしかかる頃、学内から休戦する合図の鐘が鳴り響き全体が一気にざわ目ついていたのが少しばかり収まる。
「あ、やべもうそんな時間か…」
「くそ!何でこんな事かかせられにゃあならんのだ!」
「まぁな〜と言っても俺1時間前には書き終わって、それでOKしてもらったからな。」
「俺もう何回も書き直されているんだが…」
「そりゃお前…あんな手紙みたいな素朴な文章で反省文って認められたら、俺なんか20分で終わらせられるぞ。」
「くっ!いったい俺とお前の違いはなんだってんだ!」
「さぁな〜それよりも学食どうする?何か休戦みたいな鐘?いやアラームか?この学園ってチャイムの音じゃなくてアラームみたいな音で知らされるからびびるんだよな。デジタル時計だったし…そりゃあそうだよな。」
「悪い……俺はもう少しかかるからお前先に食堂で待っててくれないか。」
「分かった。先に食べてても?」
「ああ問題なし。というかできたら何か購買とかで買ってきてくれるとありがたい…後で金は払うから。」
「了解。」
ひとまず悪戦苦闘中の反省文に集中している蒼脊を後にし俺は先に食堂で腹ごしらえをする事にし、その後で蒼脊に何か購買で買った物を渡す事にした。
「お?俺1人のりか?」
学食内は何故か人1人おらず、食堂のおばさんっぽい人が1人いてラッキーと思って話しかけると…
「おばちゃん。食券機ってまだ動かせない?お腹空いたんで何か食べさせてくれるとありがたいんだけど?」
「ああそうかい?それじゃあ食券機にちょっと電源入れるから前で待っててくれるかい?」
「?は、はいわかりました。」
なんだろ?何で頭巾被ったまま顔を見せないんだ。何か忙しそうにも見えなかったし…大丈夫と思って声をかけたんだが…ひとまず食券機前に立つか…
「………」
「すまないね〜今つけるからね。」
「すみませんね。まさか俺1人だとは思ってなくてそちらもびっくりしたでしょう。昨日からいきなりのイベント開催だなんて…」
「全くだよ。私達おばちゃんも一昨日から仕込みをたくさんさせられてヘトヘトだよ。本当にね!」
カン!
カン!
「………」
「………」
お互い突然の攻防戦によるいた棒とそれを受け止めるゴミ箱の蓋……両者一歩も引かずの攻防戦にたまたま入ってきた学生達が何事と言わんばかりに驚く。
「いやいやまさかそんな手で仕掛けるなんてな。ちょっとばかり卑怯じゃないんですかね?」
「卑怯?そっちがあまりにも来ないからこっちから仕掛けるしかないのがそんなに卑怯なのかな?」
「いやそれには理由があって……」
「ふ〜んじゃあその理由ここじゃあれだから別の場所で聞かせてもらおうかな。」
「え!?今から!?」
バフン!
しゅ〜〜〜
食堂内で巻かれる煙に一星と林音は一気に姿を消しその場から何処かへ行き、本当に学生たちからはなんだ何だと騒ぎ立てながら、この惨状をみた教師達はその学生達に強制連行されるのであった。
り、理不尽だ。
………屋上
「はぁはぁ…わざわざ煙幕みたいなので引かなくても普通についていったぞ。」
「いやいやあそこはちゃんとドローンしとかないとね。周りからの視線に煽られたら話す事もできやしないじゃないか。」
「別に無理矢理話さなくてもいいんだけどな。」
「何か言ったかな〜」
「いや別に…」
どうやら自分を探してくれなくてやたらとヘソを曲げてしまったらしく、ご機嫌斜めらしい…
「というより原因はそっちにあったりするんだけどな。」
「はい?何で僕なの?」
「いやあんな勢いよく窓ガラスを割られて出ていったら目の前にいた俺らも共犯扱いになるのは道理だろう。だから先生たちは代わりにお前の反省文を書かせられる羽目になったんだよ。」
「…………」
東小橋川さんは腕を組みながらやたらとう〜んう〜んと唸り続け、自問自答しそんなのあったかなと首を捻りながら思い出そうとする。いやあんな勢いあった現場をすぐ様に忘れるか普通…というかそんな風に考え込むという事はあちらこちらでやらかしていやがるな?
「…………!?」
ようやく思い出したのか、自分がその現場で何をどうやらかしたのか、素っ頓狂な顔をしてどう答えたようとしているかのを試行錯誤し口に出した答えは…
「うん。ドンマイ!」
「張っ倒すぞ。」
悪気もなさそうな謝り方をした東小橋川さんに少しカチンとした俺はついマジトーンな言い方で言い返す。
「酷いな〜女の子に向かってそれは酷と思うな。もっとこうナチュラルな感じで張っ倒すぞって言ってくれた方が幾分かマシだとは思わない?」
「よくもまぁぬけぬけと…本当に悪びれもないというのが余計ち達が悪いんだよ。それにナチャラルな感じの張っ倒すってそれでお前は納得するのか?」
「寧ろ心が病みそうな気がするので結局変わらないね。うんやっぱり無しで…」
「情緒不安定か…言い方に対して色々とキャラが変わらりすぎて対応に困難なんだが…」
「ふふん、それが僕なんだよ。同じキャラを統一して話してもつまらないだろう。時には探偵風に、時にはボキャブラリーがあるキャラに、時には乙女という清楚のあるキャラに、時には幼馴染というキャラに合わしていっているからね。やっぱり個性は無限にあるべきだと思うんだよ。」
「東小橋川さんは芸能人か何かになりたいの?それとも芸人でもなるつもり?」
「そんなことを思った事はないな……単にやったら面白いかなっていう思いつき?みたいな?」
「何で疑問系なんだ?というかそれだと何か山茶花みたいな感じだな。アイツもたまにだが、人格が変わったみたいに話しだすからな。いや幼馴染の前だといつもの山茶花だけど、人前ではちょっと気を張った山茶花なのか?まぁ正体が明かされる前まではトゲトゲしかったけど…」
「まぁ山茶花ちゃんは慣れてもいないツンデレ風味を神楽坂君の前で何とか自分の素性をバレないようにしていただけだから、コレと言って意味合いみたいなのはないと思うよ。多分?」
「何で疑問系なんだ。まぁ山茶花の事に関しては置いといて、何でそんなころころ変わった感じの話し方なんだよ。多個性を出すという事は、何かしらのゲームに影響されたそれもそう……例えばギャルゲーもしくは乙女ゲーにハマったりとか…」
「!?え!え!もしかして神楽坂君その辺の類いのゲームやったりする系!」
「お、おう…まぁ水泳辞めてからそれをやってた時期というより、今もやっていたりするから知ってるちゃ知ってるな。」
というか食い付きやばいな。そんなにどハマりしているのか東小橋川さん。
「だったらだったらさ!」
東小橋川さんは勢いよく近くに潜ませていた荷物を取り出し、そこからゲームのパッケージみたいなのを出して俺に乙女ゲーやギャルゲーの類いを見せ出しくる。
「これ!これ!このゲーム!この親愛される王子は乙女のまにまにとか!悪役令嬢は絶対に美形には屈しないこの2つが僕のオススメなんだけど!どう!どう!やってたりする?」
「いや実際にはやってはいないが、かなり好評でアニメでは見た事がある。それなりに面白かったし、自分でもハマったなって記憶はある。基本的に俺はやっぱり男だしギャルゲー派なんだよ。すまんな東小橋川さん…」
「そ、そうなんだ…」
やば、ちょっとは共感得て何かしら親密な話しをしていたのに、やはり少し気が合わないだけだとこうも落ち込むのか…まぁあまり妙な性癖被りみたいなのがボロがだせずに済んだと考えれば儲けもん…
「じゃあ!じゃあ!コレはどう!死するべし妹と姉による修羅場抜刀事件!食い違いはあれけども、誰かに分かればそれでいいという件について!このに作品も相当面白いよ!」
あ〜そうかそうなのか〜東小橋川さんは両方いける口なんだな。結局食い付くという場面は変わらないわけなのか…どうしよう収集がつかなくなってきた。
「えーと、東小橋川さん。話がだいぶ脱線してしまってこんな事言うのもあれかもしれないけど、今その話ってする必要あるか?問題点が変わってる気がするんだが…」
「いいよ!今は昼休みだし!そうだ!どうせなら一緒にお弁当食べながら話さない!さっきの2つの作品やった事あるんだよね!」
「………はい、あります。」
「ムフフ!ようやく!ようやく仲間がここにいた!僕にもこの話題で話せる人物がいて、どれだけこの話をしたかったか。これなら2時間は話せるぐらいだよ。」
いや待て確かにその手の作品に手を出した事はあるが…2時間もかけてまで話すのは無理だぞ。というか地獄じゃないか。何が悲しくて幼馴染の女の子とギャルゲー話しに花を咲かせながら一緒に弁当食わなきゃならんのだ。思いっきり話の路線ズレてるし、もう勝負とかどうでも良くなってるじゃん…
「ほらほら!ここ!いつものようにお弁当も作ってあるから食べよう。まずは何処から話そうかな…いやどの作品から話そう…やっぱりアニメ化になった死するべし妹と姉による修羅場抜刀事件!この作品アニメでも相当有名だったんだよ!知ってるよねもちろん。」
「いや知ってはいるがあの作品は内容的には良かったが、グロテスク表現があって、修正の為に確か途中で打ち切りになっただろ?」
「でも、ちゃんと修正されて全部の回やってたよ?」
「え?俺それ知らない…」
「ムフフ…コレはどうやら話が長くなりそうだね。ちょうど暑いスープとお茶もあるからネタバレ無しでゆっくり話せそうだね。」
「あ…そうだな。」
やばいコレは完全にアニメ長話ゾーンに突入してしまった。せめて昼休みが終わるまでに何とか決着つけたいな。はぁ〜
………その頃の蒼脊
ぐぅ〜〜〜〜
「は、腹減った…一星まだ帰ってこないのか…」
お腹を空かせながら一星の今の現状に何も知らずにただただ帰ってくるのを待っていた。




