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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第ニ章 残る2人の幼馴染による復讐じゃない私情
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幼馴染形式バトルその3

俺と蒼脊はあのまま襲ってくるアイツらを巻き返しそのまま安全な場所へと移動する。しかし安全に回避と言っても施設内または学園の中を逃げ回る他無くなるわけなのだが…


「ふぅふぅふぅ…」


「おい大丈夫か?それで息切れしてたらアイツを捕まえるなんて不可能だぞ。」


「お前の唐辛子爆弾で目が痛くて疲労してんだよ!ちょっとトイレへ行かせてくれ…」


勢い余った一星の怒鳴り声にビビる蒼脊。確かに自分が無断で唐辛子爆弾を投げ付けて一星に障害を負わせてしまったのは自分が悪かったとそう思い、少し反省をする。


「でも!俺が助けたんだ!そこら辺はちゃんと労ってくれてもいいけどな。」


「思いっきり大声で言わなくても聞こえてるって!というか廊下側の端っこなんだからあまり大声を出すな。ここで追い込まれたら終わりだぞ。」


「だな……ってお?」


蒼脊はたまたま学園内で幾つか設置してあるモニターを見て今のグラウンドの状況を確認する。


「へ〜アイツらもうルール変更の紙を見つけたのか…それでも有利ってどんだけハイスペックなんだよあの陸上部天才供は…」


「ふぅ〜さっぱりした。何が天才供なんだ?」


トイレで顔を流し洗っていた一星がたまたま独り言で話していた蒼脊の言ってる事が耳に入り何の事か質問すると、蒼脊はモニター画面に指をさす。


「…………え?何で追われる側の美森姉達が逆に鬼になって鬼連中してる奴等を捕まえてるんだ。」


「多分ルール変更紙を拾ったんだろう。」


「ルール変更紙?」


「ああ、一部の場所では鬼ごっこ形式を真逆にする事ができるようになってるんだ。つまりあそこでの鬼ごっこは継続だけれど、向こう側もタッチして戦意喪失にさせる事ができる。」


「いやでも、明らかに人数の差が…」


「まぁそうだな。でもあの中で参加しているのは主に別の天才に近い奴等だ。運動神経がいい奴の天才は主に反射神経もいい、となればそれなりに襲ってくる奴等に対しては過剰反応でカバーできるってわけだ。」


「いやそんな無茶苦茶な。」


「だろう?俺もそう思うよ。けどな一星この学園ではそれがなり得るんだ。お眼鏡にかなう存在なら誰もが歓迎する学園…超人とも言われる天才の生徒達はやってたかって集められる。俺からしてみれば危ない学園だけどなここは…」


「危ない?何でそうなるんだ?」


「……お前それもわからずにここへ編入してきたのか?」


「…………すまんそこら辺に関してはあまり説明会では話しを聞いてなくてな。疎いんだ。まだ時間的にも余裕があるから説明してくれないか?」


「まぁまだ始まったばかりだからな。一応省く所はあるが、上手く内容をまとめて自分で理解してくれ、俺でも知らせてるのと知らせてない部分があるからな。」


「それだとまるで機密事項を知ってるかのような言い方だな。」


「…………主にそれに近いだろうな。そしてこれから話す事は他言無用にしてくれよ。」


「………ああ。」


蒼脊から話されるこの学園での機密事項。単なる天才人による寄せ集めなのかとそう思っていたのだが、半ば何かしらの理由で集まったという事らしい…蒼脊はこの学園について何を知っているのか?


「………この学園が創立されてからまだ10年も満たっていない。だけどそんな中でこの学園では続々と天才人が現れる様になった。」


「それはまぁそういう設立した学校だからじゃないのか?」


「今の話だけならそう捉えるよな。でもな一星?僅かな天才がこの学園じゃなくても他の場所で生まれていたりもする。それをお前はもう目の当たりにしているはずだ。」


幼馴染達の事か?


「稀に生まれる天才…それは咄嗟に生まれ始めた天才だが、世間では時たま子どもが記憶がないまま帰ってくるという噂があったんだ。」


「え?」


「不思議だろ?そんな怪奇現象が起こる事をこの街ではそう噂されている。まぁ俺自身そういった体験がないから何とも言えないがな。」


「じゃあアイツらもそうなんじゃ?」


「さぁな。そこら辺に関しては何も聞かされちゃいない…少なくともとも山茶花(・・・)。以外の奴等に関しては何故か親達がその事に関しては頑なに話たがらないんだ。」


「山茶花以外?」


「おっと、コレに関してはまだ山茶花から聞いてないんだな。危うくボロがでるとこだったぜ…」


「もうそれ出てないか?」


「悪いが、山茶花から聞かされていないなら俺からお前にいう事はできない。少なくとも幼馴染ーズはそれを黙秘している。自分の口から言うまでは内緒にしてほしいとな。」


「俺がいない間に何かあったのか?」


「まぁそりゃあ10年近くもここにいなかったんだ。何かしらあったりはするだろうよ。」


「正確には12年だけどな。」


「細かいな…まぁその12年間で何かあったのは間違いないな。」


「……待ってくれ蒼脊、アイツらはまだ俺に言えない何か隠し事があるって事なのか?」


「まぁそうなるわな。けど幼馴染でも言えない事や1つや2つあるんじゃないのか?さすがの12年間でも信用できない部分はあるんだろうしな。」


確かにアイツらにとって俺は久々に帰ってきた幼馴染でしかない、そんな奴に自分のまだある秘密を打ち明けるというのは完全に信頼性がない限りはできない、ましてやまだこの街にいる蒼脊がそれを知っているとするなら、俺よりも蒼脊の方が信頼できるという事になる。


「何だか少し妬いてしまうな。」


「はあ?今の会話の流れでどの部分に妬く要素があったんだ?」


「ここで過ごしたたった4年間の暮らし…いやまぁ、早生まれな俺にとっては5年間か…」


「その辺は別にどっちでもよくないか?あの頃の幼少期なんて、本来なら覚えているかいないかだったしな。」


「だとしてもだ…俺にとっては懐かしい思い出であり忘れちゃいけない思い出なんだ。あの頃は何が恥ずかしくてリーダー気取りなんてしていたんだって今更思い返すけど、何も考えなしで突っ放してたんだろうな俺…」


「それがどうして妬いてしまうなんて言葉が出てくるんだ?」


「……単純に俺との差がお前との距離感があるって事でそう言ったんだよ。お前にこの12年間アイツらの事は良く知っていて、俺はそのたった5年しかアイツらの事しか知らない…女々しいようだけどそこが悔しいと思ってしまうんだよ。だからアイツらは復讐どうのこうのって言ってるかもだけどな。」


「………一星俺はそんな生優しい人間じゃねえよ。お前とは違って、俺はお前とは別側の人間でもあるんだ。」


「え?それは単純に馬鹿だからって事なのか?」


「ちげぇよ!何でそうなるんだ。」


「え?別側って言うからそういう事なのかと思って…」


「このシリアスな展開で何でそんなボキャブラリー要素な展開になるんだよ。普通おかしいだろ?」


「いや蒼脊なら有り得るかなって?」


「疑問分思い浮かべるなら、その部分は否定してくれないかな?あまりにも不満にしか思えないんだが…」


「所で話がだいぶそれたけど…」


「お前の頭の切り替えたおかしくないか?」


「記憶がなくて帰ってくるという話し…美森姉達からはまだ聞かされていないんだが、具体的には誰から聞いたんだ?」


「親同士の話で聞いたんだとさ、俺の親がたまたま美森姉所の親とそういう話しをしていたらしくてなアンタも気をつけなよと言われて、注意されたんだが…」


「まさかお前も…」


「いや俺は違うけどな。」


「思わせぶりな言い方はやめてくれないか…」


「勝手に思い込んだのはそっちだけどな。」


「………そういえばアイツらが知らないうちに天才としての力が目覚めたみたいなのを聞いた気がする。それは単なる偶然だと思っていたんだが…まさかその記憶が無くなるのと関係が…」


「というかまず力が目覚めとかいう話の前提がおかしいとか思わないか?いや超能力者じゃないんだから、そこは突っ込んでほしいんだが…」


「でもそうすると原因はなんなんだ?まだ俺にだけ話されていない覚えていない記憶の現象?はたまた咄嗟に目覚めた異世界人による異世界転生能力とかか!」


「おい無視すんなや。というか都合のいい解釈だけで話し進めんな。そこまでの御都合主義展開なんてあるわけないだろう。」


「うん知ってる。」


「こいつ〜俺が馬鹿だからって遠慮無しに馬鹿にしやがって〜」


「いやそこまでは言ってない。」


「言ってる様なもんだろ!というか今の会話部分で明らかに馬鹿にしていただろ!」


「え?何の事ですか?」


「しらばくれちゃって〜ああもういい、せっかくお前にだけは話してやったのに興醒めってやつ?もうお前には重要事項話さないんからな。」


「……いや勝手に話したのお前だしな。」


「何故若干ほくそ笑みながら真面目トーンで返した?」


「さてと、そろそろ行動しますか。そんな馬鹿げた話しは他所にしてさっさっと東小橋川さんを見つけて捕まえないとな…変なルールに変えられる前に…」


「お前のその切り替えの速さ本当に羨ましすぎるわ。」


[本当にそうだよ。聞いてるこっちも思わず吹きそうになったよ。]


「え?その声…」


「マジかよ…」


ヒューーーン!

パリーン!


俺達の場所を何故か知っていたのか突如廊下側の窓ガラスを割って入ってくる東小橋川林音……


「はあ!?何窓ガラス割って入ってきてんのお前!?」


「まぁそういう反応するよな普通。」


蒼脊の思わずのツッコミに、確かにと思いながら俺はその言い方に対して肯定の反応をする。


「あちゃちゃ危ない危ない危うく破片がこっちに飛んでくる所だったよ。」


「何故悪びれもなく割った窓ガラスに対して申し訳無さそうな顔をしているんだ。」


「それよりも何で東小橋川さんはここに来たんだ?今鬼ごっこ中だろ?」


「お前も神経図太いな。普通この状況を見て先生達にバレたらって慌てないか?」


「ふふ〜中々来ないから僕がわざわざ登場しにきたんだよ。」


「お前はお前で、自分が暇アピールみたいなのをして話すんじゃないよ。」


「五月蝿いな〜さっきから、何?構ってほしいの蒼脊君は?」


「本当だぞ。お前さっきからツッコミしかしてなくないか?」


「誰のせいだ!誰の!というかお前らのせいだろ!お前・ら・の!」

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