何も考えていなかった学園での周りを巻き込む幼馴染形式イベント
美森姉に言われ俺達は裏校門から出ていく為素早く上履きを履き替えながら、そのまま裏の道へ周っていき美森姉の後へついていく。
「というか何で裏校門へ行くのに、3つも裏校門っぽい場所を通り抜けなければいけないんだ?」
「この学園って設備だけは相当力が入ってる学校だから、何かしら裏校門が4つもできたらしいのよ。まぁあまりそこまで詳しくはないんだけどね。」
「と言うか何で俺までまたこの流れに沿って行かなきゃならんのだ。お前達幼馴染軍団に俺は1番関与したくないんだが…」
「よく言うわよ。そう言うあなたが1番私達の周りを嗅ぎ回ってた癖に、後もう弁解の余地はできないわよ。今回の件あなたも一枚噛んでるらしいじゃないの。」
「え!そうなのか蒼脊。お前なんでまたそんな事を…」
「おい俺が1番手伝ってやってる奴の言い方に疑いを持つのか!主に裏切っている自称姉の幼馴染の言う事を真に受けるな!」
「あ…確かにそうだな。」
「お前ってやつは…」
「一星悪いけど今回ばかりは蒼脊の言い分は信じない方がいいわよ。今回嘘をついてるのはこっちなんだから。」
「………もう誰を信じていいのか分かりません。なので誰の言葉も信じないので、何で裏校門から出ないといけないのかだけ説明してもらえないか?」
「………」
「………」
何故かその事で黙ってしまう2人だがそのまま何事もなく美森姉は会話を続ける。
「それなら直ぐに分かるわよ。」
美森姉は指をある方向に指し何やら手を振っている人物がこちらを見ている。というよりよくよく見てみれば…
「え〜〜なんであそこに東小橋川さんがいるんだ。」
「アイツ…何て俊敏なやり方であそこまで移動したんだ。本当に謎なやつだ。」
「でもアレが林音ちゃんって感じがするね。」
「うん本当に…でも屋上での話しの件についてはまだ許してはいないんだから。」
「屋上?いったい何の話しだ?」
「いや関わりたくないなら蒼脊は知らない方がいいと思う。個人的にも少しめんどくさい喧嘩のやり口だから…」
「お、おうそうだな。」
そんな事をいいつつ俺達を待っていた東小橋川さんと接触し向こうから声をかけてくる。
「いやあ遅かったじゃない。待ちくたびれちゃったよ。」
「あなたの移動の仕方が歪なだけであって、私達はごく普通に歩いてきただけよ。」
「ふふ、美森さんって案外そう言うお茶目的な発言もあったりするんだ。コレは新発見かな?」
「何がお茶目よ何が、というより何であんな変なやり方をして場を掻き乱したのかしら?やるなら私達幼馴染だけでやれば良かったのに…」
「具体的にはそう言ったつもりだよ。でもね、それだと美森さん達と同じくただの復讐になっちゃうから、それだと神楽坂君が1番可哀想じゃな?だから私みずから組み立てたゲーム形式でやったら面白いかなってそう思ってああ言う事をいったわけ。」
「学園の流れたモニターでしか分からなかったけれど、あまりにも非常識すぎると思うわよ幼馴染として…」
「どっちが非常識なのかな…幼馴染同士の結託で、神楽坂君に復讐いや逆恨みかな?そんな事をしていったい何の得になのるのかな?僕からしたらただの自己満足だと思うけどな。」
「あなたのそのやり方も自己満足なんじゃないのかしら?」
「………確かにそういえばそうだね。でも僕はちゃんと神楽坂君に自分の正体を明かしての申し込みをしたんだよ。側から見たら寧ろ僕の方が理に叶っての行いだと思わないかい?」
「それは単なる屁理屈よ林音ちゃん。あなたのやっている事はただの御都合主義でしかない。今ならまだ聞かなかった事にしてあげるからもう一度やり方を考えてみてはどうかしら…」
「うーーーん」
「…………」
なんだ、何でこんな一触即発的な展開になってるんだ。原因は俺だとしてもあまりにもシュールすぎる。ここは俺が声をかけてどちらもこの会話を中断させるべきか?
「………ヤダモーン!」
「な!?」
「へ?」
「おいおい…」
突然東小橋川さんの子どもっぽい発言での言い方に俺だけでなく、ここにいる誰もが驚きを隠せず戸惑ってしまう。というかちょっと可愛いなって思ってしまった自分を殴りたい。
「え、え?あなた何をそんな子どもみたいな我儘なんかを…」
「いや〜こう言った方がより場の空気が和むかなって思って…思いの外冷たい空気が出ちゃってたね。失敗失敗…テヘペロ。」
「舐めてるのかしら〜林音ちゃん。」
ガシ!
ガシ!
「お、落ち着け美森姉!」
「そうだぞ!あれは林音だからでしか言わないお茶目な一面なんだ。今更そんな事でキレてどうする。」
「キレてなんかないわよ!単にカッとなっただけよ!」
それをキレているのでは?と言うか今にでも突っかかりそうになるのを止める俺達が1番の手が出そうなこの状況に今のキレて何かないと言われても説明がつかないんだが…
「う〜ん、とりあえず場所を変えない?裏門でも教師がみにくる可能性があるから、あまり目立ちたくないんだよね。」
それは主にお前のせいだからなのではないのか?
「ええ〜上等よ!それならお得意の喫茶店でお話ししましょうじゃないの!」
「うんそれがいいね。寧ろその方が都合がいいかも静かだし周りには聞かれる学生もいない。そう僕達の憩いの場といっても過言じゃないね。」
「誰が誰の憩いの場なのよ!あそこは元々私の馴染みのお店なのよ!」
「煽るな煽るな!もういつものお姉さんらしい美森姉じゃなくなってるから!」
「ありゃりゃ完全に林音ちゃんのペースになっちゃったね。」
「でも今だけなんだよねきっと…」
「うん多分誰も美森さんに勝てるなんて事まず無理だと思う。今は神楽坂君関係でマウントは取られてはいるけれど…」
「それ以外だと太刀打ちできないものね。」
向こうで何か2人で話している様子も見えるが、とりあえず美森姉の常連のお店の場所まで移動する俺達。そしてそこからが東小橋川さんの本当の本来の話へと移り変わる。
「えーとごめんなさい6人なんだけど、空いてるかしら?」
「えーと……あ、はい大丈夫です。大丈夫ですが、ぐれぐれも騒がないでいただかないようお願いします。他のお客様もいらっしゃいますので…」
「はい勿論です。コホン!…えーと皆んなそう言う事だから、あまり大声はあげないで頂戴ね。さもないと、あなた達が私の憩いの場を探してもらう事になるんだから…」
はーい。
何でそんなとこで返事がいいんだ。直ぐに良い場所を美森姉に提供するなんて普通に考えたら無理な気がするんだが…何かあてがあったりするのか?
「じゃあ皆んなブラックコーヒーでいいわね。私はコレにパンケーキを追加と…」
「いやいや何勝手に決めちゃってるわけなんだ美森姉。皆が皆ブラックコーヒーを飲めるわけがないだろう。後しれっとパンケーキなんか頼むのやめてくれないか?」
「ああ大丈夫よコレは蒼脊の奢りだから。」
「そうかなら安心だなって何で俺の奢りなんだよ!」
「おーいさっきの注意した話しはどこにいったんだ?いきなり迷惑かけてるぞ。」
ひとまずそれぞれ自分の食べたい物飲みたい物を注文しさっきの話しの続きをする。
「さてとそれじゃあ、学園でのイベントについて話していこうかな。」
「待ってその前にちゃんと言って欲しい事があるんだけど…」
「もしかして先の屋上の件について?まだ怒ってるの?僕そんな不快な思いをさせた覚えないんだけどな…」
「本人にはなくても私達にはあるのよ!いい!ちゃんと謝罪するまでは学園でのイベントの話しについては一切切り出しするつもりなんてないからね。」
「いやそれはそれで困るんだが…俺自身に関わる問題でもあるんで、もうそろそろ許してあげたらどうなんだ?お前達の事情はよく俺が分かったんだから、東小橋川さんの事はその辺でいいんじゃないか?」
「か、神楽坂君がそれでいいなら別にいいんだけどね。」
「何故ツンデレ風に妥協したんだ?宇佐木田本心の問題はどこにいったんだ?」
「そうか!そうか!なら問題なく話を進めても問題なさそうだね。」
「こっちはこっちで悪びれる要素はないって…一星の周りの幼馴染っていったいどんなメンタルしてんだ。」
「それを言うならお前も一緒じゃないのか蒼脊…」
「えーと、話しが全然進まないんだけど…というより前の話のくだりが長すぎて堂々巡りになってる気がする。」
「全くだよコレじゃあ僕達幼馴染同盟がここに集合したのに意味がなくなっちゃうよ。」
主にお前が原因で話が拗らせたというのがあるが、まぁ余計な探究心はやめといた方がいいな。得に俺まで含まれてる幼馴染同盟について…
「というかもうどうでもいいから本当に本題に入ってくれないか?何で俺達を集めてさっきのイベントの事で話し合う必要があるんだ?」
「ん?それは勿論、屋上での話の続きをする為だよ。それにちゃんと教室でおこった話しについても説明しなくちゃでしょ?」
「そう言ったが、やっぱり美森姉の言う通り周りを巻き込んでのゲームなんて流石に度がすぎてないか?ちゃんとしたゲーム形式にするなら寧ろ俺と一対一」
「うん?勿論一対一の勝負にもこのイベントシナリオに入ってるよ。ただね、ああ言ってはあれなんだけどちゃんとしたゲームにまではしていないんだ。あれは単なる思いつきでルールと報酬を用意しただけ、特にこれという様な詳細はないんだよ。」
「いや待てそれじゃあ何も考えなしであんな提案を?」
「いやだな〜そこまで僕は愚かな人間じゃないよ。ちゃんと楽しめる方向性には考えての発言はしたさ…けどね僕は言った筈だよ屋上で、これは幼馴染形式バトルだってね。」




