昔の因縁
よく分からない事を言い出したぞ。自分の今ある才を捨て他の長年かけてきた俺との対等勝負ができる為に幼馴染での色恋沙汰での勝負で仕掛けてきただと?それで俺が何に対抗できるというんだいったい…
「まぁ当然そんな反応されるのは目に見えていたよ。後普通ならこう言うはずだがら僕が先に言うね。お前は俺に復讐を抱いているだろ?なのに何でそんな身内をバラす事をするんだって言いたいんじゃないかな?」
「コレはさすがは数多のゲームを制覇した少女って所かな。まぁその通りだなお前らは俺に復讐する為に幼馴染同士で結託して俺を貶めるまで姿を現さない…いや正確に言えば姿を暴いてからのその復讐劇が始まる事となったりはしているが、自ずと姿を曝け出す今のこの状況では東小橋川さんにとって何かメリットがあったりするのか?」
「メリットも何も僕は君とまた勝負がしたいが為にこうやって身を乗り出して自分の正体を明かしたんだ。メリットなら十分に良い段階まで来ているはずだよ。」
どう言う意味でのメリットの話なのかは分からないが、東小橋川さんが言う俺への勝負の執着心は只事じゃないな。そこまでこっちとの勝負をつけたいのか…いやでもそれなら昔やっていたゲームに関して、そっちを決着させるのが先なんじゃないのか普通?……それを全部ほっぽらかしてのほとんどのゲームをマスターか……何か謎があるぞコレは…
「なら東小橋川さんの言うメリット、それに今の正体を明かしてでの行い…それ以外でのメリットは何かないのか?」
「それ以外に対してのメリット?」
「ああ…」
東小橋川さんがメリット云々の前に良い段階にまで至っていると言っていた。ならそのメリットの部分は省いたとしても何か俺に対する勝負の執着念…この原因さえわかれば…
「特にないね。でも強いて言うなら君にとってのメリットになったと言う感じではあるかもね。」
「俺に対するメリット?」
「そうだって、君もう僕から復讐される様な事なんて何もないんだよ。単に僕との昔の勝負の続きをしてもらえればそれでいいんだ。どう?別に何もデメリットになるようなことはないはずだろ?」
「いやそうかもしれないが、それはたんなる建前であって…」
「建前かどうかなんてほんの些細な事なんじゃないかな?昔の神楽坂君ならこんな軽いノリぐらい簡単に付き合ってくれると思ったんだけどな〜」
挑発だ。紛れもなく挑発している。昔の俺を題材にして上手く釣ろうとしてる魂胆があまりにも見え透いている。しかもワザとだ…それが尚達が悪い…しかし東小橋川さんの言う通り復讐じゃなければこの話に乗っかってもいいかもしれない…単なるお遊び程度だし、アイツら絡みなら何も遠慮なんてする必要はないんだしな。
「分かった。まぁ建前云々の前にそっちは俺との勝負がしたいと言う事でいいんだよな?」
「うん。だって僕まだ負けたつもりじゃないからね。アレは単なる勝ち逃げされた気分だから、勝手に勝敗を決められたらこちらとしては納得がいかないってもんだよ。」
「それならこの勝負乗っかるしかないな。でもお前の言う勝負だけど実際にはどうするんだ?恋愛バトル勝負なんて大層な名前を出してはいるが具体的にはどうするつもりなのかさっぱり分からんぞ。」
「う〜ん、そうだね。今更になってだけど、僕自身もコレといって勝負内容は決めてはいないかな。何かしら相違での勝負事なら話は別なんだけど……とりあえずコチラを覗き見している2人に聞いてみたはどうかな?」
「は?覗き見?」
そう言ってコチラを覗き込むという場所へ東小橋川さんはランチマットから靴を履いてその場所へ移動し僅かに半開きのドアに手を掛け開け出すと…
「きゃあ!」
「きゃあ!」
ドスン!
ドスン!
耳打ちをしていた山茶花と宇佐木田さんが地面に倒れる。
「何やってんだお前らこんな所で…」
「え、え〜とその、ぐ、偶然だね。2人ともどうしたのこんな所で、もしかして昼食中だった?」
「ふん!まぁ私は神楽坂君がたま〜にお昼抜け出しているのを見ていたから、どこで何してるのかなって心配してついてきただけなんだけどね。」
「それはもう偶然じゃなくないか?せっかくの山茶花の言い訳が無駄になったぞ宇佐木田さん。」
「はっ!しまったわ。」
「もう〜川兎ちゃんったら〜」
「ふふ、思いっきり素をだしちゃってるね2人とも。完全に昔の幼馴染感が満載だよ。」
「!?」
「!?」
2人は東小橋川さんの方へ視線を向き、何やら怒った感じで瞬時に口を開いたのがまさかの山茶花だった。
「もう!林音ちゃんあまり勝手な事をされると困るよ。ちゃんと約束は守ってもらわないと。」
「えへへ、ごめんごめん。でも僕がしたのはあくまでもアドバイス的なものだから山茶花ちゃん達にはこれといって不はないはずだよ。本人がぼかさなければだけどね。」
「くっ!」
何かを悟る様な言い方。当然既にわかっている東小橋川さんはもうこの2人に関してや美森姉の事も把握している。コレは自分が投げかけたちょっとした注意による原因にもよるが、それによってちゃんと把握していなかった己自身の不注意にもよる。山茶花はともかく美森姉や宇佐木田さんにとっては当然許せる事ではないのは一目瞭然。本来幼馴染同士での結託で俺に対して復讐するのが魂胆なんだ。それをちょっとした俺の勝負に混ざらせての行為だとしても本人達は面白くない。何せ真剣に復讐しようとしているのにそれがゲーム感覚で楽しんでいるからな。
「ねぇ林音ちゃん。私が言うのもあれかもしれないけど、情緒というものがないのかな?こっちにはこっちのやり方があるのにそれをそっちが勝手に引っ掻き回しちゃダメだと思うな。」
「え、あ、え?川兎ちゃん?」
「うわ〜」
まぁ内心言いたい事はあるんだろうな。東小橋川さんの事情とはいえさすがに度が過ぎた引っ掻き回し方は本人達にはあまりにも不本意だ。だからあまり見た事のない怒り方をしてくる宇佐木田さんの気持ちが分からなくもない気がする。
「ムフン!成る程成る程…川兎ちゃんは僕のやっていた行いに関して腹を立てているとそう言いたいわけなんだね。」
「そうよ!」
「何も迷わない突っ張りのある言い方!」
「………」
山茶花がツッコミを入れるとはこれまた予想外。さっきの動揺っぷりはどこに?
「でもね川兎ちゃん。僕は何も4人の意見に対して賛同していたわけじゃなかったはずだよ。あくまでも了承した上で僕のやり方にケチをつけなければそれでいいと言ったんだけど、覚えていないかな?」
「ええ!もちろん言っていたわ。当然言っていたのを覚えているわ。でもねそれは普通幼馴染を裏切る様な事はしないはずよ。あくまでも合理的に認めていたとしても、それは神楽坂君の復讐に対してそっちも行う形としての条件だったじゃない。」
「いいやそんな条件を僕は了承なんてしていないよ。復讐に対しては勿論協力はするっていったし、邪魔もする気なんて更々ない。でもそれぞれの復讐っていったい何の意味があるのかな?たんに逆恨みにしか思えないんだけど?」
「いや東小橋川さん。そっちのもあまり変わらない気がするんだが…何か違うのか?」
「違うと思うよ。僕のは復讐じゃなくて、勝負をしたいと言う願望だけなんだ。それをこの復讐する幼馴染同士の結託を利用して君にようやく僕の正体を明かしてのお互い五分と五分のせめぎ合いができるという事だけど、コレでも復讐どうのこうのの意見はあったりするのかな?」
「俺は正直どっちでも構わないんだが…本人達はそれで納得するのか?」
「するわけないでしょう。」
「美森姉…」
ここでようやく我等が幼馴染自称姉が登場となる。
「ちょっと今誰か私の事自称姉だとか思っていた人いたんじゃないかしら?」
フルフル。
誰もそんな事言ってないのに何でそんな勘繰り深いんだ。我等幼馴染の姉は…
「一星悪いけど、この前の裏切りがどうのこうの話、林音ちゃんにいいくるめないで頂戴。それに関してはあっちの都合。こっちはこっちの都合でもあるの、あなたがその事で勝手に妥協されてはこちらとしてせっかくここまで行ってきた事が無駄になるわ。」
「と言ってるけれど、神楽坂君はどう思ってるのかな?」
「何というか棚に上げる様で申し訳ないが、美森姉達で勝手に決めて勝手に行った結果がこういった問題を引き起こしたならどうもこうもどちらも自業自得なんじゃないか?東小橋川さんは全く持って悪びれてはいない何をどう言ったって無駄だとは思うが…」
「くっ!そう言われたら私としても何も翻るがえられないじゃないの。もう少しは私達の肩を持ちなさいよ早漏!」
「おい!下ネタで俺に変な誤解を生む様な発言はやめろ。と言うか俺が早漏かどうかなんてまず知らないだろう!」
「早漏…一星君が早漏…ゴニョゴニョ…」
「おい山茶花妙な所で過剰反応するな。こちらとしてどうお前に声をかけたらいいか分からなくなるぞ。」
「あははは、やっぱり面白いね幼馴染同士の会話って…」
「神楽坂君が早漏かどうかなんてこの際どうだっていいわ。」
「おいだから何気に俺をディスるんじゃない。矛先が俺に向かっていってんだよさっきから。」
「もう〜川兎ちゃんはどうしたら納得いくの?もうすぐお昼休み終わっちゃうし、まだお昼ご飯食べてる最中なんだけど。」
「いやいや東小橋川さん?あなたまだ俺との勝負内容に関してはそこの2人に聞こうとしているの忘れているからね。てか話しが全然進まなくないさっきから。」
後美森姉登場に対してスルーされてるのは気のせいだろうかて…いや気のせいじゃないな多分…
「う〜んそれもそうか、それじゃあ僕が完結にこの場での収集をつけちゃうよ。」
いやな予感しかしないがいったいどんな方法で収集を付ける気なんだ?
「僕達がコレまで神楽坂君に復讐として活動していた主な結果それは…」
「それは?」
「僕達の名前が自然で偽っている事から始まっていたんだよ!」
「…………は?いやお前それ元の始めの俺の質問内容に戻ってんじゃねえか!」
キーンコーンカーンコーン!
結局昼休みの終わりのチャイムが鳴り結論幼馴染達の偽善の名前の由来が自然によって改竄されていたと言う事をそれはまた後ほど聞かされ無理矢理この場を終わらせそれぞれ自分達の教室へと帰っていく。
「いや無理矢理幕をおろされてしまった。なんだったんだこの時間帯は…」
「後美森ちゃんいったい何処から話しを聞いてたの?何か一部始終見ていた感じで入ってきたけど…」
「………さぁね〜」
「全部見てたんだろうその反応は…」




