4人目の天才女子
あのゴールデンウィークで俺達幼馴染の関係はどこはかとなく良い関係が築き上げた気がした。とはいうのも、コレは単なる向こう側がやった事もある部分が含まれる為実際に俺から美森姉達の関係を深掘りしていったわけではない。小橋が念入りにたてた計画があって周りを巻き込んでの結果での成果…しかしその成果には代償があり、小橋個人的な私情で俺達は小橋の手の裏で転がされてしまった。だからと言うわけではないが、俺から頼んだ相談事は美森姉達の企みを阻止し楽しませるのが何よりも目的だったのではあったが、まぁあちら側の思惑を培ってなのかそちらを優先し上手く事を成す事に成功した。そしてその後俺は残りのゴールデンウィークの日それぞれと個別個別で遊ぶ事となったのだが…
「何もしてこなかった。アイツらが何もしてこないって言うのはどうにも腑に落ちない。」
ゆっくりとお風呂をした後俺はベットに寝転びながらアイツらと普通に楽しんだゴールデンウィークの出来事を思いだす。
「何かしら復讐じみた事をするのかと思いきや特に何もする事なく、単純な有意義な遊びを堪能しただけだったな。いやそれが別に悪いって事じゃないんだけどな。まぁあそこでやたらと小橋に引っ掻きまわされたせいか、もう何もこっちに引っ掻きまわす事なんてなかったんだろうなきっと……」
なんだかんだで幼馴染思いの奴等だし、単純に言えば俺がちゃんと約束を守らなければそれで済んだ話しなのだ。こんな回りくどいやり方で復讐をどうのこうのとされるなんていったい誰が思うのだろうか…
「少なくとも昔の俺はそんな事微塵も思ったりしなかったと思うけどな。」
単にこの3人だけが、本当にまだ優しかったというのがあったりもする。いや優しいかどうかは別問題として根本的な解決にはまだ至っていない…
「この1ヶ月近くで幼馴染3人を見つけたのはかなりデカかったと思うし、名前を暴くというのも小橋のお陰でもあったりしたから本当に事を上手く運んでいったのにはだいぶ助かったまではある。けれど…」
残るは2人…未だに情報が何も入ってきていないとなると、本当にあの学園にいるのかも少しばかり不安になってくる。けれど、山茶花はちゃんと学園に幼馴染が5人いると言っていた。となれば俺の確認不足かあっちが上手く姿を隠していってるというのがやはり妥協点なんだろう。
「………よし明日また小橋に情報を聞きだすとするか、まだアイツには仮が残ってるし、まだ依頼されているミッションもこなしていないからな。」
ちゃんと明日には礼も言っておくか…あのアトラクション騒動では少しばかりふざけんなとも思ったりしたが、まぁ事が上手く運ぶようにしてくれたんだ。その事をちゃんと考慮すればきっと…
一星はそう思いながらゆっくりと瞼を閉じ疲れがどっと眠りへと誘うかのようにして眠り始めそのまま翌朝を迎える。
…………
「ふぁ〜、ね、眠い…」
ゴールデンウィーク騒動があけてからまた始まる学校生活…正直クソだるくて行く気がしない。しかし俺はここでだるくて帰るという選択肢はない。何故ならアレから数日が経って学園での俺の評判はそれなりに減少したはず、最早俺の事等蚊帳の外だと思うぐらいどうでもよくなったに過ぎないはずだ。
「きっと皆んな俺の事は暖かい目で優しく学園生活というのをかみさせてくれるに違いない……多分。」
……廊下
しかしあれだな。この学園に残りの2人がいる話しを山茶花達に聞けるかどうか…いや恐らく無理なんだろうな。アイツらはまだ復讐心の志がある限り他の幼馴染に大しての情報は絶対話さないはずだ。となれば小橋に似たような奴の名前を聞くか…それも含めて昼休み例のお願いされた件も話さないとだしな。
ガラ!
「……?あ、あれ?」
なんだ?何か周りの視線が俺に注目されている?何かしたか俺?
「やあやあ神楽坂君〜君はもしかしてあれなのかい?1ヶ月でやたらと女の子といちゃつく様な生粋か何かをお持ちなのかな?」
「は?何言ってるんだ?まだ寝ぼけてるんじゃないのか?」
「そうじゃあねぇんだよ!お前ゴールデンウィーク中にディステディスタニーランドへ行ってただろ!それを目撃した奴らはチラホラいんだよ。しかもなんだ!ここの学園五代美少女の内4人も一緒いたとは許せねぇ!お前は男として大罪な罪を犯したんだ!」
そうだ!そうだ!
…そう言う事か、あのアトラクションにまさかの学園の奴等がいたのか…というかそりゃあそうだよな普通に考えてあのアトラクションに俺達意外の奴がいないなんて考え自体甘かったんだ。おまけにあの顔つきとルックスだ。一目見たらだいたい尊敬している奴ならすぐに分かるってもんだ。後じゃじゃウマ勢が増えた気がしたのは俺の気のせいだと思いたい…
「………ん?今4人って言ったか?」
「ああ4人っていったんだよ。クソ〜俺だって青春したかったのによ。」
「4人?あれ?あの中にこの学園の5代美少女なんかいたか?」
「あ?まさかお前あまりにも女絡みが多くて他の奴等に目いってその4人に目もくれなかったのか?か〜これだからハーレム野郎は…」
何で朝イチ登校からクラスメイトの奴にいちゃもんつけられなきゃならんのだ。ただ単に幼馴染達と遊びにいっただけだぞ。てかその事を話そうにもアイツらまだ来てないみたいだし…アイツらが来るまでコイツらの反感を受けなきゃならんのか…
「え〜と、その4人って言うのが本当に分からないんだ。それっていったい…」
「あ〜多分小橋の事だろそれ。」
「蒼脊?え、小橋だと?」
いや確かに見た目もルックスもかなり上位には入っているが、それで何故五代美少女なんだ?
「てかお前ら勝手に五代美少女なんて名前つけてやんなよ。学園で有名というていでの五代女なら話しは分かるが、アイツらはそんな事自覚なんてないぞ。役一名を除いてはな…」
「なぁ蒼脊つまり小橋はこの学園で…」
「ああ知らなかったのか、そうアイツはこの学園の有名人の1人恋愛相談で誰1人欠落させたことがないという有名な恋愛脳お化けの塊女だ。と言ってもアイツも自分自身にそう言った性癖があるというのには気付いていないがな。」
「おい!蒼脊さすがに小寧々ちゃんの悪口は許さないぞ!」
「あ?」
「小寧々ちゃんは我等特攻隊が唯一の身を捧げてるお方お前にあれこれ言われる筋合いはない!」
「お前達に小橋のあれこれを俺に言われる筋合いもないんだが…」
し、知らなかった。単に変わり者の奴だと言う事は知っていたが、まさかこの学園での有名人だったとは…恋愛脳による恋愛相談でもちっきりの優才者か…そんなやつに俺はコレまでいや色々とあげたらキリがないな。
「………まぁそれはそれで好都合か、昼休みが楽しみだな。」
「一星顔がにゃついてるが何かあったのか?」
「いや別に…いい事が聞けて寧ろこの後が楽しみであったりするぐらいだな。」
「それがニヤついてる原因じゃないのか?」
蒼脊には悪いがとりあえずこのまま利用して朝のホームルームをやりすごそう。もうじき山茶花と宇佐木田さんもくると思うし、後はあの2人が弁解してくれればそれでいい後はアイツ小橋小寧々についてだな。
「まぁ程々にな、というかどうだったんだ?」
「どうって?何が?」
「だから、アイツらとのゴールデンウィーク。それなりに楽しめたんだろ?」
「楽しめたか…まぁそうだな楽しんだといえば楽しんだかもしれんな。」
「なんだその曖昧な表現は?まさかまた何かアイツらはお前に余計な事をしたのか?」
「というよりも予め手を組まれていた事に驚いていてな。それで色々と中々に楽しい休日を過ごさせてもらったよ。」
「にしてはやつれてないか?大丈夫か本当に?」
「その気遣いだけで十分だ。それよりもお前に1つ聞きたい事があるんだ。」
「聞きたい事?」
キーンコーンカーンコーン!
………昼休み屋上
「いやいや、ゴールデンウィーク振りだね〜元気だったかな?」
「元気そうな顔に見えるか?」
「ありゃ〜これは随分とやさぐれてる感じかな…でも原因は私には分からないな。」
「しれっとそう言うが、主な元凶はお前にあったりもするんだぞ。」
「まぁまぁ今日も一緒にお昼どうだい?」
「それは構わんが、話を逸らすつもりなら付き合わないぞ。」
「とんでもない寧ろ食べつつお話がしたいかな。君は私に何か言いたい事もあるみたいだし逆に好都合じゃないのかな?」
「へ〜話が分かって助かるよ。学園天才女子の中の内の1人小橋小寧々さん。」
「あ〜バレちゃったか。というよりかは遅すぎだけどね。それでその事が分かって私に何が聞きたいのかな?」
「聞きたいことと言えばコレらのことで俺の幼馴染の関係性が何で知っていたのかを俺は聞きたい。けれど、それを聞くにあたって俺はお前にちょっとした疑いをかけてしまう事になるんだけどな。」
「ちょっとした疑い?」
「ああでもその前にまずは兎川の好きな人物その事について話しが…」
「ああ〜それはいいよもう。その事に関して、私はもう彼女から直接聞いてるから役ただずな神楽坂君はもう用無しだよ。」
「……いつのまに。いやまぁ俺が暫く空けていた事があるからその間に聞いたと認識するのが妥当だが、お前と兎川の接点なんてあまり無さそうな気がするんだけどな。」
「いいやそんな事はないよ。私は川兎ちゃんと馴染みある関係だから、別に接点がないわけじゃない。寧ろ君とっても私は深い関係だって思ってるかな。」
「俺との深い関係だと?……そんな馬鹿な事は…いやでもコレまでの事をかいつまんでみたら確かに不条理な事ばかり起こっていた。いや起こしていたのか…つまりお前は…」
「正解に辿り着く。それはあの子たちみたいに少しばかりのヒントをあげたらいいと言うだけで良かったのかもしれないけど、残念ながら私は違うよ。私はねあの子達みたいに復讐なんてものには興味ない。興味あるのは昔のケジメただそれだけなんだ。」




