幼馴染友好会・その壱
小橋小寧々はその一星のまだ絞りきってない内容を聞き少しばかり心の中でめんどくさいなと感じながらその場で溜息をつく。しかし受けた仕事は真っ当にこなすというのが小橋小寧々の性分だと一星にたかだかく言い張り受け持つ事にした。そしてその仕事の下準備に入りかかる為ゴールデンウィーク間近に向けて今ある仕事を後回しにし一旦そっちへ集中する様にし小橋小寧々の企て業務が開始されるのであった。
………そしてゴールデンウィーク初日5月2日
「………」
ピンポン!
「…………」
ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピンポン!
「………う、うるさいわ!いったい誰だこの時間帯に!」
よく見ればまだ待ち合わせの時間まで後2時間はあるじゃないか。なのに連続するピンポンダッシュ…明らかな嫌がらせと言わんばかりの訪問者だとは思うが…コレほどまでにピンポンを押し付けられると出たくはないが出ざる終えなくなってしまう。…我ながら不憫な性格だと思いつつも扉を開け訪問してくる人物が誰なのか確認すると。
「………」
「………」
「ど、どちら様ですか!」
「…どちら様ですか!」
「いや何でかぶるんねん!」
いかん目の前にいるおかしな面を被ったやつが現れて動揺してしまった。おかげで目が覚めて今の状況に困惑してしまう。
「あの〜どちら様はこちらのセリフなんだが…」
「……いやどちら様!」
堂々巡りになっている。いや話が噛み合わないだけなのか?というか何しに来たんだこの人はいったい…
「え〜と冷やかしなら無駄にインターホーンを鳴らさないでくれますか?迷惑なんですけど?」
「あれ?ここで待ち合わせって話しを聞いてたんですけど?……あれれ?」
「いや誰とこの場所で待ち合わせ何かしたんですか?するとすればそいつは馬鹿じゃないんですか?人の家の前で待ち合わせとかあまりにも非常識すぎでしょ。」
「では私はコレで!おさらばです!」
ダダダダダダ!
「まてーい!人の注意はちゃんと最後まで聞かんか!てかマジで何なんだいったい!」
全く朝から妙な騒動を起こしやがって、まだ完全に体力だって戻ったわけじゃないのに変な奴が俺の家で待ち合わせてきて辺な奴と一緒にここにって何か頭痛くなってきた。変な変なって単語を頭の中でしてたら気分悪くなってきたぞ。
「ひとまずまだ待ち合わせの時間までは時間があるしもう少しゆっくり寝るか。ふぁ〜〜」
しかしこの時俺はその時間帯を勘違いしてしまい思いっきり寝坊して集合時間に遅れる事になった。
………ディステディスタニーランド駅前
「ふふん〜今日はいい服買ったしコレで一星君が私の事少しでも意識してくれたらいいよね。……大丈夫だよね?」
「悪いけど、そんな子どもっぽい服じゃ神楽坂君きっと喜んでくれないと思うわよ。」
「ムムそんな事ないもん!一星君ちゃんと私の服気に入ってくれるもん!」
「そう言う発言自体がもう子どもっぽいんだけどね。」
「そう言う川兎ちゃんだって私とあまり変わらないと思うけど?」
「そうかしら?私こう見えて大人っぽい感じで言われてるから特に気にした事なかったわ。」
「あなた達どちらもワンピースの服装でそんな子どもだとかそんな事言い張れる様な事でもないと思うわよ。というより一星の好みをあれこれ考えて選んでたらきりがないわよ。」
そんな2人の服装に指摘する美森は、2人にとっては天敵と言っても過言じゃない程のプロポーション抜群の体を持った彼女であり、2人は余計に嫉妬しだす。
「ムム美森ちゃんなんて体がエロいだけじゃない!何なんの何なの!そんなピッチピッチなズボンなんか履いて!もしかしてわざと自分のエロさをアピールしてるわけ!」
「そうよそうよ!お胸だって私達ぐらいの大きさよりも上みたいな服装なんかきてアピールしちゃって、私達だって負けてないんだからね!」
「川兎ちゃん?それは私に喧嘩を売ってる事でいいのかな?」
「え、あ…」
完全に目がいっていた山茶花は体をピクリと反応させ川の方へ間近へと近付いて圧をかける。
「はぁ〜一星の事で喧嘩していたと思ったら、今度は私のナイスバディに嫉妬して結託するなんて、本当に情緒不安定なんだから。というよりもあなた達アトラクションでその服装はどうかと思うわよ。」
「え?だってせっかく幼馴染で遊ぶんだものそれなりにオシャレしたくなるのは女の子としてのサガじゃないの?だから美森ちゃんも自分に合った服装を着てきたんじゃ?」
「あのね〜確かにそれも必要だけど、アトラクションは乗り物系や絶叫系なんかの類いの物もあるのよ。そんな薄着なワンピースなんか来たら一瞬で霰もない姿になってしまうわよ。」
「あ…」
「あ…」
「あなた達その辺に関しては揃って天然なのね。」
せっかくオシャレしてきた服装なのに完全に失念していた山茶花と川兎はそう言う系はできるだけ避けようと心に決めながら気落ちする。
「にしても遅いわねアイツ。まだ来てないにんて、男の子なら前もって私達より早くくるのがマナーだと思うのよね。そう思わないあなた達。」
「それって美森ちゃんの男性理想の話しか何かで聞いた気がする。」
「あ、それ私も思った。確かに早めに来るのはエチケットだと思うけど、それを神楽坂君に押し付けるのは可哀想だよね。」
「あなた達いったいどっちの味方なわけ?というか今私の理想男性の話しなんてどうでもいいでしょうに!」
ちょっとした弄りで美森を怒らせてしまって、ちょっぴり反省する2人。そしてその遅刻した一星は後の30分後に到着し3人に昼飯を奢る形となって収集をつける事になったのだが、その前に一星は然るべき罰を受ける。
「…………」
ドドン!
遅刻したのを言い訳しようにもできない俺は美森姉に反省すると言う意味を込めての土下座をし許してもらうようお願いするのだが…
「駄目。」
即答で断られた。どうやら例え30分の遅刻でも美森姉は御立腹でいらっしゃるようで何をどうすれば怒りを収めてくれるのかさっぱり分からずにいた。
「ね、ねぇ別に神楽坂君悪気があって遅刻したんじゃないと思うし許してあげようよ美森さん。」
「うん私もそうしたほうがいいよ。それに…周りの視線がとにかく痛いよ〜」
ざわざわざわざわ
公衆の面前で美森姉は俺を土下座しろという圧のある視線を向けられやむを無しにこういった状況になっているのだが……何故遅刻しただけで、民衆の晒し者にならなきゃならんのだ。
ふふん〜♪一星今絶対こう思ってるわよね。何で自分がこう言った晒し者にされているのか疑問に思ってるわよね。そうさせているのは私の単なるエゴ一星を私の物にしたと言う証を示しているのよ。だから公共の場でこう言う事をしているのはある意味遅刻した一星が悪いって事だから自業自得よね。
「ふふふふふ♪」
あ、これ完全に美森ちゃんの個人のアレで楽しんでるやつだ。
あ、これは美森さんが個人であっち系で楽しんでる奴ね?
「まぁコレに懲りたら次はちゃんと遅刻しないようにしなさいいいわね?」
「は、はい…それは承知の上でございます。私神楽坂一星は皆さんのお昼ごはんを奢らせいただきたいと思っております。」
「ムフン!宜しいでは行きましょうか!私達のパラダイスに!」
うわ〜物凄く満足そうな顔をして前へ歩きだした。
うわ〜物凄く満足そうな顔をして前へ歩きだした。
ふふ、そんな事だろうと思っていたよ。悪いが美森姉、俺はそう簡単にお前達にやられるだけの復讐されるだけの幼馴染じゃないんだよ。このアトラクション実は既に罠がはってあるんだ。今に思い知らせてやる。
「ふふふ…」
「今度は神楽坂君が不敵な笑みを…え?何これ今日は普通に楽しみたかっただけなのに、何でこうなったの?」
「何を今更ってかんがするんだけど…山茶花ちゃんはそう言った主目的だけなの?他にも神楽坂君に何か別の目的があるんじゃないかしら?」
「それはそうだけど、そのやっぱりタイミング的にも色々と問題があって…」
「まぁ気持ちは分からなくはないんだけどね。私もその1人だし、どうタイミングで2人っきりになれるのかしら。」
それぞれの目的は勿論一星との久しぶりの幼馴染同士の遊びをしたいというのは間違いではないのだが、美森、山茶花、川兎はまた別の主目的がありそれをどうにかして一星との2人っきりの時を狙おうとしている。
「よし!ひとまず何処かしら一緒に抜け出せるタイミングがあると思うからそれで、何とかしてみよう川兎ちゃん一緒に協力しようね。」
「勿論よ何せ私達仲良し幼馴染だものね。」
2人が嘘の様に結託を決意し握手をしながら上手く2人きりになれるタイミングを見計らう手段を2人で共有する様にアイコンタクトになる仕草か何をヒントに事を運ぶように仕向ける形で作戦を決行する様に組み立てた。しかしコレを決意しての作戦の裏にはまだひっそりと違う邪念が2人の頭の中にざわつく。
…………
「あれはさすがに私でも近寄り難いわね。あんな公共の場で晒し者にされるって神楽坂君…君は本当に別の意味で何をやらかしたんだい?でもまぁコレはこれで私の計算通りかな。予め事前に用意しておいた良かったようんうん。」
事の発端一星が小橋に頼むほんの少し前…
「うん?コレは何かしら?」
「何かのチケットみたいだけど、何処かの遊園地かな?」
「な!な!な!何でこんな物を小寧々ちゃんが持ってるわけ!」
「あら?もしかして菟ちゃんはこのチケット何なのかしってるの?」
「知ってるも何も琵心先輩コレはあの有名なアトラクションパーク、ディステディスタニーランドのテーマパーク遊園地のチケットですよ!」
「ああ〜そう言えばやたらと男の子がコレにゴールデンデンウィークに誘って来てるのを目にするわ。何でもやたらと滅多に手に入らないチケットみたいなのよね?私てっきりいつでもいけるチケットかと思って結構断ってたわ。」
それを平然と断る様が脳裏に浮かびあがるよ美森さん…絶対に男の子達陰ながら悲しんでるよね。……人の事言えないけど。
「ほえ〜〜」
そんな側で盛り上がる中山茶花だけはチケットを上へ掲げながらボケッとしたような顔で惚けており未だにこのチケットの重要さに気づけていない。
「それでコレを何で私達に渡してきたわけ?」
「ふふん〜なんでも君達あの編入生君と一緒にお出かけするらしいじゃないか。」
「何であなたがそんな事知ってるわけ?……いや知っててもおかしくないわよね。」
「知っててもおかしくないってそんな簡単に認めてもいいんですか?」
「今更でしょ…それに…」
「ん?どうかした?」
「いえ…今私達が言った所であなたにとっては自分のやった事の遂行だったとか言いそうだから敢えて言わない。その内あの人があなたに直接問いただすだろうしね。」
「ん?よくは分からないけれど、話を元に戻していいかな?そのチケット実は4枚あるんだけど、その内3枚は君達にあげるよ。でも残り一枚コレに関しては少し条件があるんだ。」
「条件って…まだその一枚に関して私達何も言ってないんだけど、後別に彼を誘うとも言ってないわよ。」
「そんな誤魔化しが私に通ずるとでも思っているのかい?素直に条件をのめれば、コレからゴールデンウィークに行く為の相談なんてしなくても済むと思うんだけどな〜」
「くっ!」
この子やたらと人の足元を見るのが上手いわね。まぁそこが彼女の見る範囲でのいい所ではあるんだけど、あまりにも度が過ぎるのが難点なのよね。
「あの琵心ちゃんが萎縮している。駄目だよ小寧々ちゃん。そうやって意地悪するのはメって前にも言ったよね。」
「火花ちゃん口調がお母さんみたいになってるわよ。というより過保護すぎたお母さんねそれは…」
「………は!ああ〜何かいつもの火花ちゃんっぽくなくてちょっとフリーズしてしまいました。私とした事が危うく火花ママって言いそうにりましたよ。」
「ひ、火花ママ……もう!私そんな事言われても嬉しくないよ!」
明らかに嬉しい口調なのよねそれ…
明らかに嬉しい口調ね。
というより山茶花、一星との関係性がわれてからあきらかに素を表しだしてきてるわね。本人が気付けてないのならそれでいいかもしれないけどこの後大変にるのは自分だって事にいつ気付けるのかしら、そうなったら大変なのはあなたなのにね。
「え〜とまた話が脱線してしまったね。それで条件の事なんだけど…」
「待って待って私達はまだOKとも何とも言ってないわよ。勝手に決めないで頂戴。」
「でもこんな千載一遇のチャンスもう2度と来ないかもしれないんだよ。だったらここは騙されたと思ってのっかるのが蕾琵心先輩じゃないのかな?」
いやその言い方はあからさまな挑発じゃないの、そんなの美森さんならのっかざるおえないじゃない。
「望むところよ〜小寧々ちゃん。………その挑発甘んじて受け取ってあげようじゃないの〜」
ほらやっぱりそうなったじゃないの〜もう〜そういう性格昔からやっぱり変わらないんだから。
……でも今回やけに小寧々ちゃん突っかかてくるわね。そこまでして私達にしてほしい条件とはいったいなんなのかしら?
「さすがは蕾先輩ですね〜いや〜本当に助かりますよ。コレでお互いWin-Winですよ。」
「御託はいいから早く条件を言いなさいくだらない条件だったらいくらあなたでも、どうなるか分かってるわよね?これまでの事洗いざらいはいてもらう事になるわよ。」
「???何の事を言ってるのかさっぱりですけど、まぁもし私が神楽坂君にあれこれ吹聴したと言う事で怒っているのなら、それは筋違いってやつですし…蕾先輩にとやかく言われる筋合いもありませんよ。」
顔が怖いよ小寧々ちゃん。もっと穏やかに話を進めてよ。そこは普通にすみませんでしたで良かったのに〜話がややこしくなっちゃうじゃないの。
「え〜と、それで小寧々ちゃん私達にいったい何の条件を指定してくるの?」
上手く場の空気を横流しにさせようと朗らかな雰囲気で話す山茶花が小寧々に条件についての話を伺う。
「うんそうだねその話がさきだったよね。」
良かった〜怖い顔が一瞬にして晴れた。
「えーとね条件というのはこのチケット一枚を神楽坂君に渡す代わりに君達にはある実験試験を試して欲しいんだ。」
「実験試験?それはいったい何をすればいいの?」
「ごく簡単な事さコレを君達に渡すからそれを身につけてメーターを測ってもらうだけで構わない。勿論彼にも渡すのは当たり前だからね。」
「コレいったい何の機械なの?何かの測定器みたいだけれど?どう言った事で使うのかしら?」
「ふふ、それは当日君達には直ぐに分かる事だと思うよ。それにぷくくく…いや何でもない。」
???
???
???
3人同時に妙な笑いをした小寧々に不可思議なのを感じ首を傾げるが、特にやばそう物では無さそうみたいなのでひとまず了承する事にした。
「とりあえずはやばい物だというのじゃないから安心して構わないよ。神楽坂君には君達の中で何かしら罰だとか何とか言って無理矢理つけてやるといいさ、そうでもしないと今の神楽坂君は警戒心が異常になってるはずだからね。君達3人のおかげで・ね?」
ぐうの音も出ないとはまさにこの事。それを指摘された美森達はその言葉通りに受け取り小寧々からチケットを拝借し課せられた条件をもとに美森達はまんまと小寧々の悪巧みにのせられてしまう。
「さ〜てとそれじゃあ次は恐らく昼休みにこの事を彼から相談してくると仮定しといて、その相談内容によっては次の段階へと移行するとしますか。神楽坂君に相談を受けて上手くいやいやな演技をだせればいいんだけど…じゃないと私がこの試験段階で考えた事がパァになっちゃうからね。それは避けなくちゃならない。ふふ、次の昼休みが楽しみだ。」




