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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第一章 幼馴染達との再会(仮)と復讐
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新たなる悩みの種・次なる悩みは違う意味での別の復讐

は?コイツいったい何を言ってるんだ?それはどういう意味で言っている。そもそも復讐なのかそれは?


「……山茶花お前どういう意味でそれを言ってるんだ。ずっとお前と一緒にって事はそもそも無理な話だ。俺のトラウマを人質みたいにしているかもしれんが、それをした所で俺は水泳に戻る事はないぞ。」


「それは私が決める事だよ一星君。一星君に拒否する権利はまずないって思った方がいいと思うな。そもそもずっとってわけじゃないんだよ。あくまでも条件があるこれを聞いたら一星君は認めざるをえないんじゃないかな?」


「認めざるをえない?話だけは聞こうじゃないか。」


「別に難しく考える事はないよ。私あの時一星君の水泳を見て思ったの…やっぱりまだ一星君にはトラウマを改善できる余地があるんじゃないかって改めてそう思った。だから私決めたんだ。元々一星君が帰って来た時には決めていた事だけどそれよりも私の野望という概念ならぬ復讐をする事で一星君の為になるんじゃないかってそう思えたんだ。」


「それは俺のトラウマを利用しての復讐にも聞こえるが…条件は本当にそれだけか?」


「うん。……まぁ条件といっても一星君がそのトラウマを無くすまでの間というのが条件にはなると思うけどね…それまでは私が決めた日には一緒に水泳の練習を付き合ってもらってトラウマをなくさせるのが私の復讐。まぁ他にも一星君に対して復讐はあるけれどひとまずはその復讐からかな。」


「いや待て俺の意思はどうなるんだ?勝手にトラウマ云々改善と言われてもはいそうですかといって、泳げるわけじゃないぞ。」


「一星君の意思なんてどうでもいいよ。これは私の我儘であって一星君に水泳を早く克服してもらいたいだけだもん。さっきから言ってるけど、私の復讐は一星君が私の為に水泳をしてくれるのが条件であって、一星君には私に対して拒否権はないと思った方がいいよ。」


「……あまりにも横暴だな。全く昔の可愛げがあったお前は何処にいったのやら。少しは昔みたく甘えてくれてもいいんだがな。」


そういいながら俺はグッと山茶花の顔の近くにまでよって睨みつけると、山茶花は顔を赤面しそっぽを向く。


「どうした風邪でも引いたか?何か顔が赤い気がするが?」


「き、気のせいだよ!というより顔が近い!何も考えずに女の子の顔の近くにまで来るなんて神経どうかしてるよ一星君は!」


そこまで言うか。ちゃんとお互いの顔を見合わせただけで訝しまれるなんて、本当に年月というのはここまで人を変わらせてしまうんだな。


「でもお前が言う様な復讐は他の2人に比べても生温い気がするんだが、本当にそれが鬼畜なのか?俺は確かにトラウマは抱えてるが身体自体水に対して抵抗があるわけじゃないし泳ぐ感覚もちゃんと回数をこなせばいけたりはする。まぁちょっとした吐気がするのが難点なんだけどな。」


「十分に鬼畜だよ。だって私は一星君にこれからもずっとというレッテルを貼らせているんだから、一星君が無理矢理にでも克服しないかぎりは私の側から離れられないと言う事だけはしっかり覚えてほしいな。」


「……何かお前に拘束されている様な気がしてままならないな。というかそれが本音の様にも聞こえたりするんだが…」


「!そんなわけないでしょう!変態!何勘違いしてんの一星君のバーカ!バーカ!」


「………何故そこで変態扱いされるんだ訳がわからん。」


何となくだが、昔の泣き虫な山茶花よりも今の素直じゃない山茶花の方がより態度が分かりやすくて、こっちの方が新鮮味があって面白いのがあったりする。勿論昔の山茶花も可愛かったが…それを話すとまた目鯨立ちそうなので言いはしなかった。


そしてお互い幼馴染の関係としてメリハリをつけ、山茶花の復讐がまだ俺には掛けられた状態のまま駅へと向かう。


「そう言えば山茶花。お前を含めてようやく3人の幼馴染を見つける事ができたんだが、実際の所まだ復讐を終えてないお前と宇佐木田はなんで姿を現したんだ?ちょっと変な問いになるかもしれんが…」


「ん?というと?」


「うーん?何と言えばいいのか…美森姉はちゃんと俺にやる復讐が終えて言及しつつ自分が美森姉だった事を認めた。でも宇佐木田さんはカマをかけ続きて自分がボロを出した結果違う形で俺に偽恋人関係という嫌な嫌がらせ的な復讐をしてきた。そして山茶花はこれからも俺に復讐をし続けるという続行維持を仕掛けた。姿を現さないなら俺に対する今の復讐はなんなのかなってそう思ってな。」


「ああ〜そう言う事ね。つまり一星君はあの手紙通り私達が一星に復讐を成すまでは姿を現さないってそう思っていたわけなんだね。……うんでも違う意味ではあってるのかな。」


「どういうわけだ?」


「一星君は確かに私達3人をちゃんと見つけだしている。でもそれは私達が一星君に対して接触しなければ幼馴染としての復讐が果たせない事になるの。何と言えばいいかなこれは単なる前哨戦だとでも思ってくれればいいよ。」


「意味がわからない。じゃあ今のお前達はいったいなんなんだ?名前を偽善にしたとしてもその実体だけはどうやっても見繕う事はできないだろ?だとしたらそれは本物なんじゃないか?」


「そうだね一星君の言う通り私達幼馴染の身体は1つしかない。これは紛う事なき正しい理屈だよ。でも一星君はまだ今の私達という面識か知らないでしょう。それもたった1ヶ月満たない期間の私達をどうして幼馴染としての姿を現していると思っているのかな?」


………いや待て待てだとすれば今の言い方での解釈はまだコイツらは俺に何か隠しているという事なのか?昔であった何かを隠している。それも今こうやって話している幼馴染は幼馴染だけど、本当は違う形の何かの幼馴染の姿がコイツらにはあるって事なのか?


「はは…いかんせん意味の分からない言葉だな。まぁその事に関しては今は深く考えないでおこう。ひとまずまだ俺のことを知っている残りの2人を見つける事が先決だな。復讐云々に関してはひとまずまだ残っている2人から聞いてからおいおいその話の続きの内容を聞かせてもらうとするか。」


「さ〜てそれはどうかな。自分からは大抵の事がない限り言わないと思うよ。ひとまず今の段階ではね。」


何なんだ本当にコイツらはいったい俺に対して何処までの復讐をさせたら気が済むんだ。これが前哨戦だというなら後半の復讐はいったい何を求めるというんだ。


まぁ後半の復讐といってもそれは全員1つに絞られた

復讐の型になっちゃうと思うんだけどね。まぁ後は2人がどう事を運ぶかになってくるかな。ああ〜早く全員でちゃんと集まって遊びたいな。


ピピ!ピピ!


俺達は改札口へ入っていき電車が来るまでの間、少しばかり模擬試合であった水泳の話をしつつちょっとした世間話をしていく。


「そういえばどうして私が日根野谷(ひねのや)山茶花(さざんか)って分かったの?気付いたって事はそれなりに何か決定的な事が目についたんだよね?」


「別に当たり障りない範囲で分かっただけだ。お前が昔憧れる水泳選手がいたって話しをしたよな?バタフライとクロールに念入りにしこんでいるって話をして何かしら違和感を感じたんだ。」


「え、そんなのただの被害妄想じゃないの?というかそれが自分だって思うのは自意識過剰なんじゃ?」


「お前が憧れていた選手でそこまでクロールとバタフライを念入りにする選手なんてまずいなかったのを思い出したんだ。俺だって元天才子(もとてんさいし)での水泳選手なんだ。一応はその時代ら辺の競合選手は頭に叩きこまれていた。いやでもな…」


「あ〜〜なるほどやっぱり一星君には筒抜けだったんだね。うん?じゃあどうして模擬試合が始まる時に言ってくれなかったの?私が山茶花だって。」


「言えるわけがないだろう。まだ確証も得てないのにお前が日根野谷山茶花ですかって?いきなりの博打内だろ。しかもそこでお前がそうですかって言うのもあやしかったしな。」


「ふふ、確かにそうだね。あんな土壇場での私の正体を明かされたら一星君空気読めてないんじゃないのって心底呆れていたと思うよ。よかったねちゃんと模擬試合が終わった後で。」


「………ああ、そうだな。」


……残念だけど山茶花。悪いが俺はお前に関してそこまで確信を得たわけじゃない。お前の事を何処かしらか情報を入手できる奴に少しはばかりそれっぽい話を聞いただけだ。俺が昔の水泳選手を頭に叩き込まれた?そんなのはまるっきり嘘だ。寧ろ嫌でもよく俺と接する大人達が集まってきて顔や名前を嫌ほど認識してしまったというのはあったりしたが、決して把握できて山茶花が昔の俺に憧れていた部分はまるっきり分からなかった。

なら、何で山茶花が俺の昔の幼馴染だって分かったかだって?それはちょっとした示し合わせで山茶花が俺と幼馴染だって言う事が確認できたからだ。

……それは山茶花が水泳の天才になったある日を境での目安であの何でも屋の小橋に確認をとった事でより鮮明に俺は今日確信を得て山茶花に自分の幼馴染だって言う事を打ち明けた。まぁ半ばなし崩しな情報ではあったけれど、それでも勝手に追い詰める所まで行って自分で自白してくれたから結果としてはちょうどよかったんだと思う。


……これで残るは後2人俺はそこまでちゃんとたどり着けるかどうか…


「あ、話は変わるんだけど、私気になっていた事があるんだ。あの試合に小萌志先生の知り合いがいたよね?あの人も有名な選手だったのかな?」


唐突な話の切り替え方だな。まぁコレ以上根掘り葉掘り自分のしくじった所を赤裸々に打ち明かされるのを聞くのは恥ずかしいのもあるよな…と考えれば妥当な話の切り替え方か…


「さぁな、けど最初に2位に入っていた人だ。それ相応に向こうでは早い水泳の選手だったんじゃないのか?」


「何でそんな事わかるの?向こうって海外だよね?彼女が海外に行っていたって話しはしてなかった気がするんだけど?」


「だいたい分かるんだよああいう姉弟の話しの間で向こうに行っていたっていうのは概ね海外の場所か何処かだって事……いや違うな女性であれだけの速さなら多分海外の可能性がある。ドーピングではないとは思うが、もしかしたらあの会場で集められた一部の人達は何かしら関係性があったんじゃないのか?」


「関係性か…確かにそれは一理あるかもしれないね。小萌志先生の私情だけで開催されたにしてはあまりにも周りの一律せいが芳しくなかったと思う。まぁ私は私でちゃんと自分の復讐を果たせられたから問題はないんだけどね。」


「……お前な。」


「あ、後私が天才だからどうのこうのとか言っていたけれど、それって本当に天才の才だけであそこまでいけたの?その部分点がどうにも納得いかなかったんだけど。」


「天才だけが成せる事ではないな確かにあの場ではああいったが、実際にバタフライとクロールお前は昔の俺のを真似て独学しながらここまで来た。けどそれは間違った方向性でもあったりするんだ。」


「え〜と、つまり真似て簡単に自分のものにできるわけじゃないとそう言う事なのかな?」


「そう言う事だな。だから俺はお前に基礎から学ばさせる為のバタフライとクロールの泳法をお前が泳げやすいやり方までコーチした。けどそれだと今回のリレーではその2つだけで押し切るのは不可能。だから俺は不慣れな平泳ぎと背泳ぎをお前に何とかしてのばさせ第一試合目と第二試合目では負けるようにしたんだ。」


「いやそんなのって、簡単に上手くいくとは思えないんだけど……って上手くいっちゃってるもんね。本当一星君にはしてやられたりって感じだな。」


でも単純にそれだけとも言い難い、確かに山茶花のそれぞれの泳法には難があるが、それをたった1週間近くで物にしたと言う事は例えどれだけの努力や天才が培ってやったとしても簡単に得るものじゃない。つまり山茶花は稀にいない存在の天才な人物…天才という肩書きだけで努力という文字を無駄にされてしまうが、その努力を山茶花の天才によって何もかもを凌駕してしまった。本当に自分が言うのも何だが、山茶花は末恐ろしいポテンシャルの持ち主だよ全く。


「まぁそれも今回でひとまず終わり終わりっと!あ、そういえばもうすぐ5月で学園が休みになるよね?」


「ああそうだな。というかこの4月ある意味怒涛の勢いすぎて何かどっと疲れた気がする。ゴールデンウィークは家でゆっくり…」


「させると思ってるの?一星君。ゴールデンウィークは私達と一緒に付き合ってもらうから覚悟しておいてね。因みにゴールデンウィークの4日間は必ず空けておく事いい?」


「…………」


「いい?」


「……了解。」


半ば強引に山茶花に押し切られてしまった俺は有無を言わさず、無言で嫌がる俺を察してくれと伝えさせようとしたのだが、どうやら彼女にはそんな優しい心はないらしい。そしてゴールデンウィーク俺は彼女達と一緒に久々の幼馴染同士による集まりが決定された。


………なんて言う無慈悲なんだ。

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