幼馴染5人の復讐
「ちょっとちょっと!待ってくれ!」
俺は急いで彼女が去って行くのをひきとめる為全速力で彼女が降りてく場所を発見し手を掴む。
「はぁはぁはぁ、つ、捕まえた。」
「え、な、何何!何でそんなに息を切らしながら私の事を追って……まさか!私のストーカー!」
「な、何でそうなるんだよ!第1さっき会ったばかりの子をストーカーするってタチ悪すぎるだろ。」
「でも実際に私の事追ってきたし。」
「いやそうだけど…」
まずいあまりにもの驚きと動揺で会話が噛み合わない。このままじゃ彼女のペースに巻き込まれる。
「ぜぇぜぇぜぇ。」
「本当に何なのようなのかな?私コレから用事があるんだけど。もしかして私から離れたくないとか?そんな熱狂的な態度を表されると反応に困るじゃん。」
「くっ!」
ここにも被害妄想の女がいやがる。つうかこの学園の女子って何かしら自分を理由にベタ褒めの妄想しすぎじゃないのか?マジでめんどくさい女に絡んでしまったなんて言ってる場合じゃない。とりあえず心を落ち着かせて上手く彼女と話を取り繕わないと。
「ごめんもし俺の聞き間違いじゃなかったらだけど…君、東小橋川林音で合ってるよな?」
こんな珍しい名前そうそう聞き間違いじゃない限り間違うなんてありえない。そう絶対にこの子は昔俺と会っている幼馴染…東小橋川林音だ。
「…………え?違うけど。」
ガーン!
「え、いやその、はは冗談はよしてくれよ珍しい名前を聞き間違うなんていくら俺でも耳が悪くなってるなんて事は…」
「私の名前は小橋川林音。何で東という字が入ってるのかわけわからないんだけど。」
「あ。」
確かにそうだ!東という字に入ってるか入ってないだけで聞き間違えてしまった。いやいやこんなの誰でも書き間違えるって、しかも何でややこしい似た名前の子がいるんだ。どんな繋がりのある名前なんだよ。
「す、すまん。その俺の幼馴染と一緒の似たような名前だったから、てっきりその人物なのかと確認しようと呼び止めてしまった。本当にすまない!」
何でここまでして謝る必要があるのかとも思うが俺は昔の東小橋川林音の成長した姿を知らない。だから名前だけで判断したというのは俺の失態だ。いやむしろ切腹者といっても過言じゃない………これはさすがにいいすぎたな。
「何か知らないけど、そんなに私の名前とその子の名前似ていたの?」
「そりゃあまぁな。東がついてるかついてないだけって言えばそれまでかもしれんが、逆にそんな偶然な事あるかってぐらい俺は東がついてる方の名前に敏感になって反応してしまった。それで君にはとんでもない勘違いを起こしてしまってすまない。」
「まぁ別にわざとじゃないのならいいけどね。でもこの苗字は正直私も好きじゃないからね。昔は難しくて漢字を書くのにも一苦労だったよ。でもこの名前のおかげでややこしい手順での使い所があるんだって分かって今更感謝してしまっている自分がいて何か恥ずかしいな。」
「いやそれはちゃんと自分の記す様な名前だから恥ずべき事じゃないよ。きっと寧ろ分かりやすいように親からそう言った名前をつけてくれたんじゃないのかな?まぁ苗字に関しては何とも言えないけど、名前はまた別なんだろ?ちゃんと意味のある何かしらの情がある様につけられたんだって俺は思う。ただの直感にすぎないけどな。」
「………ふふ。」
林音は何処となく一星の発言にふふと笑い出し何やら思い出し笑いなのか涙目のしながらツボにはいる。
「なにそれ、本当に青臭いよう。あははは。」
「いやそんな風に笑わなくてもこっちだって恥ずかしい部分はあるつうか。」
「でもそうだね。君の言う通り、私の名前にはちゃんと親からもらった意味のある名前なんだって私も思う。君は何処となく昔知ってる男の子にそっくりだ。」
「昔?そいつはどういうやつなんだ?」
「それは秘密かな。私だけの彼の思い出だもの、簡単に知り合ったばっかの男の子には話せないよ。」
何だろその仕草に突然ドキッとさせられるほど彼女の魅力に惑わされそうになるが、ここは敢えてグッと堪え俺はその女の子仕草の行動を回避する。
てかやっぱりここんとこ変な美少女に出会う頻度が多くなってる気がする。何かこういうラヴコメみたいな展開になるような想像があったりするかもしれんがいかんせん俺達はただの知り合い同士でたまたま話すだけのきっかけの関係でしかなない。きっともう二度と会う事はないんだろうな。
「それじゃあ私本当に時間だからまたね。また何処かであったらその時はちゃんとお互いの話をしようじゃないか。」
「あ、ああ。」
彼女はそういいながら渡り廊下を突きっきり曲がって下駄箱まで移動し靴を履き替える。
「おっと、このまま帰ったら駄目だったんだ。私とした事が自分の実務を放棄してしまう所だったよ。」
林音は帰る前にちょっとしたやり残しを思いだし、少し時間を置いてからその場所へと向かう。
それからしばらくして…
「はぁ〜」
結局俺は幼馴染5人の内部情報を知る事しか得る物がなく、やはりどのクラスにも美森姉達の名前はこの学園では特に存在しておらずまさに八方塞がりになっていた。
「たくこの学園で似た様な名前はややこしいからそこはちゃんと切り離してほしかった。そうすれば2年全員で同じクラスに慣れたものを………いや自分で卑下にしている時点で最早アウトの様にも思えてきた。」
もう今日は諦めて明日また手掛かりを探そう。今日母さんにまた連絡して聞いて母さんの聞き間違いとかでなければ恐らくこの学園にいる事は間違いないはずだ。それらしい名前っぽいやつはどうやら先生に聞いてちらほらいるっていうのが分かったし後は消去方で探し当てるしかなないんだよな。
パラ
「うん?」
下駄箱から謎の手紙?
俺は落ちた手紙を拾い上げるとそこには知らない宛名が書かれておりNatureと書かれていた。
「 Nature…自然?何の事だ?」
周りには誰もいない。寧ろそういった気配すら感じない。ならこの手紙はいったい……
「もしかして入れる下駄箱と間違えたんじゃないだろうか。でもこれだけの手掛かりだけで忘れ物を届けると言うのも何か腑に落ちないんだよな。」
念のためと思いつつ俺は更に手紙の中にある2つの文字が気になりその内容が目に入り嫌がらせか何かなのかを意識してしまう。
復讐………え?
「え?どう言う事だ。復讐って……」
間違って入れたにしてはあまりにも酷い間違いでの置き手紙だ。寧ろ言葉遊びか何かかとそう思いたいが、最早ここまで見てしまった以上手紙の内容を読まざるおえない。
俺は決心をし復讐という言葉が頭によぎりながら更にもう一枚ある手紙を手に取り読む
お久しぶりです。神楽坂一星君私はあなたの幼馴染の5人の中の1人です。こうやってお手紙という形で話すのを許してほしいです。
「幼馴染の5人の中の1人?何で全員じゃなくて1人なんだ?」
もしかしたらまだ何か他の手紙もあるのではと封筒の中身を覗くがそれらしいものは特になく内容の続きを読む。
こういうお手紙では書くのは理由があるからです。私達幼馴染はあなたが知る程周りに注目されるような地位にまで上がってしまいました。水泳を辞めたあなたにこういう言い方をするのは皮肉かもしれないけれど、あくまでもあなたを目標にして得た結果がこれなんです。
「な、なんだろ。俺の知ってる幼馴染からの手紙の内容とは全く別人が書くような内容にも思える。でもそれだけで会えないから手紙って言うのも何か不自然だ。」
あなたは恐らくそれだけでは不自然だと思うでしょう。その通りこれはあなたに向けた私達にとっての復讐なんです。何で復讐?という疑問を生じるかもしれませんが、あなたは昔の約束を私達幼馴染5人との約束を破った事によってこの手紙を書いて私達はあなたと会うのを拒絶しました。
「はぁ!?意味わかんねぇよ!俺が約束を破った?そんな約束した覚え……」
シュワン
シュワン
シュワン
シュワン
シュワン
一星は何かしら昔の事を走馬灯の様に思い出そうとするが、それがいったい何なのか身に覚えがなく、頭を手で押さえながらこの手紙の内容をもう一度再認識する。
「俺は約束を破ったって……でも実際に俺は帰ってきた。それで約束は果たされたんじゃないのか?」
でも何かしら昔5人との約束した事は多々ある。でもそんなめくじらを立てるような約束はしてないはずだ。子どもの頃の約束だしアイツらもそんな昔の事を気にする年でもないはず。でもそれでも未だに子どもの頃の約束を必至に抱えてるという事は……
「俺は昔何か重大な約束を5人としたのか?それとも個人個人で何か違う約束を…」
そのまま恐る恐る続きを読む。
因みにこの学園で私達の名前を言って探しても無駄です。私達の名前はそれぞれ違う名前いわゆる芸名という名に似た様な名前にしてるので見つけるのは困難です。あなたの復讐の為ならなんだってするという覚悟を持って昔の名前は一度保存にしてるのでどう足掻いた所で私達を捉えるのは難しいでしょう。
「……やっぱりか。道理であんな珍しい苗字や名前を言ってもヒットしないわけだ。にしても俺に復讐する為とは言えそこまでするか普通。けどこの文注意してるのか忠告してるのかイマイチ分からない文章だな。」
まぁそんな事をしたら中々見つけるのは難しいだろうからヒントをあげます。ヒントはNatureつまり自然です。
「Nature?自然?………というかやっぱり自然って意味だったのか?けどどう言う事だ。てかこれってこの手紙の名式だよな。いったいこの名前のヒントにどう言った理由があるんだ。」