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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第一章 幼馴染達との再会(仮)と復讐
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野谷山火花

俺達はそのまま駅へとは向かわず、そのまま公園に向かって一休みしようと向かう。


「神楽坂君何で直接駅へ向かわないの?」


「ああちょっとお前に話があってな。それでそのまま帰るよりかはこのまま誰にも目が入らない場所へって…あ、あれ?野谷山?」


「………!!」


突然野谷山の姿が忽然と消えたと思いきや、公園近くにある屋台クレープ屋に目が入り、物凄くキラキラとした目で物欲しそうに眺める。


「ねぇ!ねぇ!神楽坂君クレープ食べたくない?食べたいよね!食べたいよね!」


「いやまだ何も言ってないんだが、お前そんなにクレープが食べたいのか?」


「!べ、別にそんな事ないよ。私はただ神楽坂君が食べたかなって思って聞いただけだし。」


「いやそれはさすがに無理があるんじゃないか…あんなに物欲しそうにしといて、俺になすりつけるのはいかんせんどうにもな〜」


「ぷす〜じゃあいいもん!私だけ買うから後で後悔しても遅いからね!神楽坂君のバーカ!」


野谷山は膨れっつらをした顔で怒りながら、クレープを買いにいきだし何故か理不尽に暴言を吐かれる。全く意味がわからん。


結局野谷山は自分だけ特大クレープを買い近くにあるベンチへ一緒に座りひとまず一息をつく


「いやお前それデカくねぇか今更だけど…」


「ふぇ?普通だよ。女の子なら当然と言っても過言じゃない大きさだよ。」


どういった事での当然なんだそれは…お前基準で全ての女の子がクレープの盛り付けを盛るに盛りまくる奴なんていねぇよ。てか見てるだけで胃がもたれる。


「というかそんなに食べて大丈夫なのか?いくらお前でもカロリー摂取しすぎなんじゃないのか?」


「む!神楽坂君女の子に対してそれは失礼だと思うよ。こんなに可愛い女の子に対してそんな事言うなんていずれバチが当たってもしれないんだから。」


「もう嫌ってぐらい罰をくらってるからな。特にその辺は気にしていないな。」


「ふ〜んそうなんだ。」


まるで興味なさそうにしながら目の前にある特大クレープにかぶりつく野谷山。ここで例の話をするべきかどうかとも思ったりしたが、話をズルズルと引き延ばすよりかは今のうちに話した方が賢明だろう。


「………野谷山あのさお前…」


「うんそろそろ頃合いかと思ったよ。」


「え?」


頃合い?いったい何の頃合いなんだ?


「気付いているんだよね?というか気付いていたのかはたまた、気付いたと言えばいいのかな?私の事もう分かっているんでしょう?」


「……具体的に何がどう気付いたのかその説明をしてほしいな。」


「え〜今更じゃないかな。だって私の口調がもういつもの口調じゃないって事に対して何も言ってこないのはそれはもう神楽坂君自身気付いてるんじゃないの?昔の私…それが何よりも答えだと思うけどね。」


「……ああそうだな…確かに口調が変わり始めた。けどそれは単なる気紛れ的な何かとそう思ったりもした。でもお前が自分でそれを言うならもう遠回しに言う必要はないだろう。……3人目の幼馴染、日根野谷(ひねのや)山茶花(さざんか)。」


「3人目か……ちょっと何か複雑な気分だね。3人目の女みたいなニュアンスなのを感じてしまうから。ちょっぴり久しぶりの再会には親しみがないかな。」


「その変なニュアンスは誤解を生むからその部分は外してくれ…けどお前があそこまでガラッと人間変わりしたのには驚いたな。昔の泣き虫なお前がおてんば娘に成り果てていたとは年数でそこまで人は変わるんだな。」


「………そうかもしれないね。」


「?」


なんだ?何か何処か心ここにあらずみたいな雰囲気を漂わせているようなそんな風にも見えるが気のせいか?


「でもそれを言うなら美森ちゃんなんて全然変わってないと思うよ。」


「確かにあの腹黒差は昔と相変わらずだったな。おかげで回りくどい復讐攻撃をさせられた。後宇佐木田さんにも嫌な嫌がらせみたいな復讐も受けさせられたしな。」


正直どっちも達が悪かった。あの2人俺の編入生活をまるまる壊す様な復讐をしてくるから本当に学園にいられなくなるレベルにまで達してしまっているもんだと言う事に本人達は絶対気づいていない。まぁ半ば俺が悪いというのも原因かもしれんが、子どもの繊細な約束は女子にとっては大事な事だったんだろうな。


「ああ〜そんな事言っていいのかな?美森ちゃんに言いつけちゃうよ。」


「うっすまん…今の聞かなかった事にしてくれ。」


「さ〜て、どうしようかな〜まぁその変はさておき。」


さておきなのか…物凄く重大な事だと思うんだが…


「神楽坂君…ううん一星君。確かに一星君の言う通り私達は変わったかもしれない、けど私達の事を放っていた諜報人がそんな事を言っても結局どれだけ子どもの頃の約束だろうが許せるはずがないんだよ。」


「???」


なんか山茶花に何か含みのある言い方の様な聞こえが…いや違うなそこもあるが名前に何か違和感を感じる。というよりもその部分はあれか山茶花は俺に対して根に持ってるという事の解釈でいいのかこの場合…


「……許せない。そう言ってしまうと言う事は山茶花も俺にやっぱり復讐があったと言うことか?」


「ふふ、そうだね。勿論私も美森ちゃんや川兎ちゃんと同じ様に一星君に復讐はあるよ。ううんそもそも勝手にあったって過去形にされちゃ困るかな。私はまだちゃんと一星君に復讐を済ませた気ではいないんだから。」


復讐はまだ終わっていなかった?いやそんなバカな。あの相談事に連なって、小萌志先生と結託しての嫌な水泳を無理矢理巻き添えさせたのが復讐じゃなかったのか?


「あ、その顔もしかして小萌志先生から聞いた?一星君を引き連れる為に私を利用したとか言ってたんじゃないの?」


「………違うのか?それに尚且つ結託して俺を嫌な水泳の道を引き連れ込ませるそれが条件として協力をしたんじゃ?」


「………うーんまぁ半分正解かな。残り半分は本当に一星君には感謝してる。あそこまで本当に早くなるとは思ってなかったし、何よりもあんなお膳立てみたいな事態になるなんて想像もしてなかったもん。」


……おいおいコレはとんでもない事を聞いてしまったぞ。お膳立て…小萌志先生があの模擬試合に関して一枚噛んでいたのは何となく察していたりはしたが、まさか山茶花までもがあの模擬試合に仕込みを入れていたとはな…


「お前本当に昔の山茶花か?昔のお前はそんな事するはず…」


「言ったよね一星君。私達は一星君に昔の期待に裏切られて一星君に復讐しているの。昔の私がどうとかそんなの時効だとか言うかもしれないけど、幼馴染として約束された話を無下にされるというのはとても辛い事なんだよ。」


「そうかもしれんが、逆に言うが俺はお前に恨まれる様な約束を破る様な事はしていないつもりだ。離れてしまって会えなかったのはそれはもう仕方がない事だろう?子どもの頃だからあまり根に持つのも大概にした方がいいぞ。」


「根に持つのも大概か…ペロ。」


山茶花は俺がその言葉に何かしら不服を感じたのか特大クレープを話しながら食べ終え指先をペロっとしながら何か触れてはならない場所に触れてしまったかの様に怪訝な顔つきでこちらをゆっくり顔を横にしながら首を傾げる。


「……あまりにも無責任な言い方だよね一星君。その言葉に罪悪感はないわけ?いや寧ろ後悔という文字は存在しないの?」


「!?」


何だ今のオゾッとするような感じを漂わせる悪寒は…何でこんなにも冷たい言い方を放つ。コイツは他の2人と比べて昔の俺にどう言った事情で復讐を抱いているんだ。


「………すまん。身に覚えはないがとにかく謝る事しかできん。お前にはどこかしら俺がいなくなった…いや約束を違えてしまった事に腹が立ったんだろう。なら俺はそれを今から償う必要がある。お前がそこまでして俺にさせたい復讐はなんなんだ?」


ひとまずコイツには何をどう言っても今の冷めた感じの目と喋り方はどうする事もできない。ならもうコイツからあの2人みたく甘んじて復讐を受ける他ない。妙な気で抹殺にされても話にならんからな。……いや社会的に本当に洒落にならない事にならない為何とかしないとだな。


「私の復讐か〜そうだね〜他の2人の復讐と比べたらそんじょそこらの復讐と比べると結構達が悪いと思うよ私。まぁ美森ちゃんの復讐はもう終わった程にはなっているからまだ優しい方だよね。でも川兎ちゃんの方はちょっとばかしズルいよね。勝手に一星君を偽彼氏にしちゃうんだもん。明らかに咄嗟に思いついた復讐だなって思ったな。……でも私は前々から決めていた復讐があるのそれも絶対に一生付き纏う様な復讐をずっと考えていたんだ。それがなんだかわかる一星君?」


「……正直考えたくもないし知りたくもないんだが…是非聞かせてもらえるか?」


「ふふ、そう気張らなくても大丈夫だよ。もっと気楽に打ち解け会おうよ。だって私達幼馴染でしょ?」


幼馴染同士はそんな脅迫じみた言い方はしないし恐怖を煽る言い方はしたりしねぇよ。時と場合によるかもしれんが、明らかに山茶花はねぶるような目でこっちを見ているからあまり何ともしない単語には違和感を有する。


「御託はいいから早く言ってくれ。正直お前が1番厄介な復讐を申しつけられそうで、今はとても居ても立っても居られないぐらいこの場から去りたい気分なんだ。」


「……はぁ〜そうも邪険にされちゃうと傷ついちゃうな。本当に昔あの優しかったという一星君は何処にいっちゃったんだろうね。」


「……昔も今も俺自身の気持ちは変わらんぞ。お前が困っていれば直ぐに助けるし、何よりも側にいてほしいなら側にいてやる。そう約束したのは今でも覚えているからな。」


「………今更そんな事言われてももう遅いんだよ一星君。」


「何か言ったか?」


「………何でもない。……さて、それじゃあそろそろ本題にうつそうかな。長々と昔の事を話してまだ私の復讐言えてないしね。」


「それはお前が無理矢理引っ張るからだろ。」


「かもしれない……でもそれは一星君の為でもあるんだよ。その話をする事で、これから私……ううん私達(・・)の事をどう接していくのか…この先の一星君次第にかかってくるんだから。」


「また訳の分からない事を…それで復讐は何なんだ?」


「復讐それは……一星君がトラウマになっていた水泳をこれからも私にずっと添い遂げて見守って行く事…それが私の復讐だよ。」

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