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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第一章 幼馴染達との再会(仮)と復讐
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小萌志睡蓮の模擬試合による偶然ではないこれまでの必然の出来事

この人今何て言ったんだ?え、知り合い知り合いって言ったのか?留美子さんと知り合い?こんな偶然なんてあるのか?僅かに朧げな記憶しかない俺にとって留美子さんの事を聞けるのはまたとないチャンス。あの時は別に聞く必要もないとは思っていたけど、こんな偶然見逃すわけには…


「おい千歌余計な事は言うなよ。私はお前の事までは話していないし、なによりもアイツがあの病院から離れていったという()までしか話していないんだ。」


「え〜そうなんだ。それじゃあ私からも特に何も言うことはないかな〜ごめんね神楽坂君。もし別で何か聞きたい事があるなら相談にのってあげるからいつでも頼ってね。それじゃあ露光私達はもう行くよ〜ここでの私達はもう用済みほらさっさっときりあげるよ〜」


「いや姉さんまだ何も解決なんてしてねぇだろ!コイツらのチート疑惑についてもまだ!」


ダン!


!?


「ねぇ露光この期に及んで見苦しいとは思わないわけ?」


「ね、姉さん?」


千歌は露光を無理矢理引き下げようとさせた時、露光の抵抗の言葉が千歌に向けて留めさせようとしたのだが、逆にそれはかえって逆効果らしく、千歌の何かの逆鱗に触れてしまったのか近くの壁に思いっきり殴りつけ露光の方へと近づき自分かの惨めさを問いただす。


「自分がこの3試合で出された結果は決して覆されない。それは私とて同じ事、それが天才に勝てなかったという結論が導き出された。コレが分かっていて何をそんなに腹が立てているのかさっぱり私には分からないな。ねぇ?何でそうまでしてこの結果を甘んじて受け取ろうとしないの?何が不満なの?お前は何に対して切れているの?ねぇ答えてみなさいよ。」


「そ、それは……」


「ひぃ!」


後ろで更に野谷山がビクビクしている。無理もないあんな風に羅刹の様にして怒る姿…さっきまでとは打って変わったかの様にして、まるで別人格だ。誰もが萎縮してどう反応すれば分からずにいる。寧ろ兄弟関係の中に割って入っていいのかもまた然りだしな。


「アンタ、睡蓮ちゃんの言われた事まずこなしていないのが原因じゃないの?それをあ〜だこうだと、神楽坂君のせいにしたり睡蓮ちゃんのせいにしたり、男として恥ずかしくないわけ?惨めだと思わないわけ?その怒りの矛先は誰かにぶつけるなんて誰が教えた?お前自身の力をあげるためのブーストだと本当にそう思っていたの?……ふざけるんじゃないわよ!ミジンコ以下の愚弟が!」


「!!!!」


あまりにも激しい怒涛の怒り声にビビる露光。自分の姉じゃなくても誰もがその声に驚いてしまいやはりどこかしら彼女の側面は別の側面が重なってるようにしか思えない。あの人の性格の方が弟よりも厄介なんじゃないのか?


「……ご、ごめんなさいお姉ちゃん…」


「お姉ちゃん!?」

「あ、謝った。」


「わ〜お、supplies utterance。ワタシいままでのナカでコレがイチバンおどろきました。」


「ん、ん〜〜〜」


若干一名手を額に当てながらう〜んと唸り出すコーチが何やらやれやれと困り果てていた。


「おいその辺でいい加減にしろ。ここは公衆の面前だぞ。自分家じゃない事を忘れるな。」


「………えへへ〜ごめんなさい。私とした事がつい大人げなかったかな。ごめんね愚弟、次はちゃんと家ではなそうね。」


「う、うん…」


だ、駄目だ。完全に露光選手としての原型がなくなって、しおらしくなった大人しい弟みたいになっている。ここが本当に正式な試合のする場所じゃなくて良かったと内心ホッとしている自分がいる。いや敵だから別に心配する必要はないんだけどな。


「それじゃあ〜みんな次はこの正式な試合があったらまた勝負しようね〜……次は絶対負けないから。」


!?

!?

!?

!?

!?


その最後のセリフに誰もが背筋が凍るような感覚を受けあのとんでもない人とはもう2度と関わりたくないとそう思いながら、涙目で連れ去られていく弟の露光とその姉の千歌… 左馬儀(さまぎ)姉弟を見送りながら心の中で合掌した。


「………えーとこれで解決したって事でいいのか?」


「まぁそうだな。ひとまずはこれで解決だな。色々と一悶着はあったが、今回はコレで良い形で終わった。うん終わったとそう思う。」


なんか現実逃避みたいな言い方にも聞こえるんだけど、いいのかそれで?


「とりあえず野谷山。」


「は、はい!」


後ろに隠れていた野谷山がその返事に返答しながら前へ出て小萌志コーチの顔をちゃんと真っ直ぐに見る。


「おめでとうお前はコレから男子水泳での新たな試合形式を生み出した人間。第一号として正式な男女競合の水泳リレーが行われる事になった。コレからもこう言った形式の試合をうみつづけさせていってくれ。」


野谷山は先生の顔を真っ直ぐに見つめつつ、若干戸惑いもしたりしたが、拳を握りしめ新たな決意を表しこう告げる。


「これからも宜しくお願いします睡蓮コーチ!」


パチパチパチパチパチパチ!


周りからの盛大な拍手。不満もいれば御満悦な人もいる中それは野谷山火花に贈られる拍手喝采…そしてようやくここまでの道を達成し新たな水泳試合男女競合による試合が後日一般の人達に向け発表される事が決定し、野谷山火花は学園で大きな戦果を築き上げる事になった。


………開会式から閉会式までまるまる1日が過ぎ去ろうとする中、野谷山は先に着替えを済ましに更衣室へ向かい俺と小萌志コーチは外で野谷山が着替え終わるのを待つ。


「ふぅ〜今日色々と問題が多かったが、何とか乗り越えてよかったな。」


「いや本当にただの模擬試合だったはずなのに何でこんなわけの分からない騒動がおきるんですかね。マジで意味が分かりませんよ。」


あまりにもどうでもいいことの様に話す小萌志先生に最早突っ込むことすらの元気がなく。相槌を打つ様な形で話しを聞きながしていく。


「それよりもお前は私に何か言いたい事があるんじゃないのか?」


「………聞いてもいいんですか?」


「ああできる範囲ならな。」


「そうですか……じゃあ野谷山の事でも聞く前にまずこっちの問題についても話しを聞かせていただきたいと思います。」


「ああどうぞ。」


「率直にいいますよ。小萌志先生あなたこの試合どこまでが仕掛(・・)けだったんですか?」


「仕掛け?お前はそう言う風に見えたのか?」


「仕掛けの様にしか見えませんでしたね。確かにある程度はまぐれや偶然という可能性もあるとは思いますが…カンベルさんやあの千歌さんはあなたが仕向けたんじゃないんですか?露光さんの事も含めて粛清させる為でもあったと俺はそう認識しているんですがね。」


「それは単なる杞憂だろう。私がそこまでの計算でお前にこの模擬試合に呼ぶなら予め野谷山の特訓に関して真っ先に言い寄るんじゃないか?」


「そうですね。普通なら最初からあなたから俺に接触するというのが道理なのだとは思いますよ。でもそうはしなかった。何故ならあなたは野谷山火花を利用したからだ。」


「ほう〜その発生源はいったいどこからきたんだろうな。まさか学生に私とその友人に対する情報網を入手する奴がいたりするのか?」


「さあ〜どうでしょうね。少なくとも何でこんな事をしている理由を話さない限りはこちらも腹を割る気はないですよ。と言ってもカマをかけてみただけなんすけどね。」


「ふふ、そうかそうか教師にカマをかけに来るとはな…だがそれだけじゃないんだろ?大方お前の後側で私の個人的な事を聞き出す様に誰か言われたんじゃないのか?例えばそう…学園での何でも屋いや恋愛相談をしているやつとかな。」


鋭い…アイツの事を交わして小萌志先生からある部分を聞き出そうとしたんだが、どうやら無理っぽいみたいだな。すまん小橋、お前の頼みどうやらここでは不可能みたいだ。


「まぁその辺に関してはお互い痛み分けという事で教師にカマをかけたのは無しにしてやるよ。私もお前には色々と黙っていたからな。この件に関してもお前を来させる為に野谷山を利用した。その辺に関しても大人気ない対応だったと思う。」


「それはこの模擬試合に関して一枚噛んでいたという事を承諾したと認識していいって事なんですね?」


「そうだな。一枚噛んでいた…それ自体は間違っていない。私然り千歌然り、そしてアイツの頼みでもあったりしたからな。」


「アイツ…それって…」


「悪いなそこから先はお前の想像に任せるよ。これ以上の事は昔の約束を違いしてしまうからな。……っと、そろそろ野谷山が帰ってくるみたいだな。こちらを発見して駆け足で戻ってくるみたいだ。」


そう言って小萌志先生は荷物をまとめて先に帰ろうとするのか、我先へと先に駅へ進んでいく。


「待ってください。野谷山を待たないんですか!それにまだ話は…」


「私の話はもう終わりだ。この件に関して一枚噛んでいたその事事態を曝け出した後に他の関連性は一才ない。ここでの目的は野谷山が自分が天才としてのポテンシャルを各国の有名な水泳選手達を納得させる為に来たんだ。私がお前に対してこれ以上の後ろめたい罪悪感はもうない。あるとすればそれは過去の出来事だけだ。」


「いえ小萌志先生の事じゃなくて、俺は…」


「留美子について聞きたいんだろ?私が留美子との関係性があったと聞いて何かしら知りたいかもしれんが、今はまだ他にやる事あるんじゃないのか?」


「それは…」


「お前はお前で目的を果たせ。私はもう用は済んだ。先に帰っていると野谷山に伝えてくれ、今回は良いものを見させてくれた次の大会に向けて精進する様にも言っておいてくれじゃあな。」


「いやそれもアンタが言う言葉じゃないのか。まるっきりコーチのやる事を俺に丸投げしてどうすんだいったい。」


そして小萌志先生はそのまま俺と野谷山を置き去りにし帰っていく。こちらの事情を察してなのかわざわざ気を遣わせてくれたのも尚お節介な気はするが、人目を阻むのにはちょうど良かったかもしれない。本当はもっと留美子さんの事を聞きたかったけど、ひとまずそれは後回しにし俺は次なる問題の後片付けをする必要がある為戻ってくる野谷山にとりあえず場所を移す様話しをした。

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