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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第一章 幼馴染達との再会(仮)と復讐
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ストリームライン

ワアアア!!!


一斉による歓声…響き渡るその歓声はゴールにたどり着いた人へ向けられ、勝敗を決したとも言う様にたたえられた。


「同時によるゴールタッチ判定は…… カンベル・ロレッティーネだ!」


うおおおおおお!!!


同時によるタッチ到着、スローモーションによる判定でほんのちょっとでの僅かな差で手が届かなかった野谷山が負けてしまいカンベルさんが勝利となってしまう。その僅かな差というのはタイム記録と同じ0.05という細かな差によって野谷山は2着へと判定されるのだ。


「………まぁここでの男女の差でやられてしまったというわけか。コレが前に言っていた身長の差か?」


「でしょうね。皆んながまずあり得ないと思っていたのが現実になってしまった。タイムで0.05という秒数の差は甘く見てしまうとこういう結果にも陥ってしまうんです。野谷山は同時着という考えで自分がこえられると思ってそのまま気にせず前へと水を掻き分けながら進んだ。」


「だが、それでも周りの奴等を追い抜いていったぞ。その証明はどうなる。」


「どうも何もアイツには心の中にある闘争心というのがキッカケで、今回早くなったんだと思いますよ。以前アイツに自分よりも他の奴が早かったらどうすると聞かれたので、俺はアイツを煽る様に一緒にリレーをしました。するとどうなったと思います?」


「……まさか早くなったとでもいうのか?」


「その通りしかも俺が思っていたよりも予想外な事をアイツは引き起こしたんです。だから今回アイツがもしそのキッカケで、枷が外れたのなら…アイツ俺よりももっとやばい記録を出しますよ。」


まさかキッカケが競争相手だと?それで野谷山の身体能力が向上だなんて、そんなバトル漫画みたい的な事…


「とは言ってもそれだけで早くなるのはまぁ話が出来すぎてしまいますからね。ちょっとした指摘でアイツはより早くなりましたただかは伝えておきますよ。……あ、どうやら2人のタイム記録更新が出るみたいですよ。いったいどれぐらいの早さなんですかね?」


ちょっとした指摘それに関しては何なのかは私には言わない素振り、そんな事で本当に一朝一夕に上手くいくのか?いや上手くいったからこそあの結果だったとは思う。しかしその指摘とはいったいなんなんだ?


そんな事考えそれぞれのタイムがデジタルモニターで発表されていく中、2人のタイムがやたらと時間がかかった。だが、それは同時着したせいというのもあったりしての判定が遅れている原因かと思われたが、そんな淡いな推測とは裏腹の事が私の思った事とは違う結果に結びついてしまう。


「な!なんだと!?」


…………


「はぁはぁはぁ……カチマシタ!ワタシあのカグラザカをソダテタをイツザイをこえました!」


カンベルは一位という定着された順位に関して喜ぶのではなく、神楽坂一星同様の存在野谷山火花に勝ったという事を物凄く喜び歓喜しながら勝利の叫び声をあげる。


ザバァン!

バシャバシャバシャ…


「はぁはぁはぁ……負けてしまったんだ。」


火花はカンベルに続いて水中から這い上がりつけていた帽子とゴーグルを抜き取り悔しい顔をして下を俯く。


あれだけ勝つって勢いこんで、このザマだなんて、神楽坂君に何て顔向けすればいいんだろう。絶対にあきられるしあの相談はいったいなんだったんだってぼやくに違いない。そしてきっと私の事…


「オーマイガー!!!!!!」


「……え?」


私がそんな暗い考えをしている中、一位であるカンベルさんが何かに驚き鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして上に表示されている記録モニターをガン見する。そこには互いの記録が出ているはずだが、一位を取った筈のカンベルさんがいったい何に驚いているのか分からず私も見たくもない記録表示の方へ目を向けると…


48秒22……嘘、神楽坂君の49秒28をこえた。嬉しい嬉しいけど、同時タッチによるゴールならお互いそこまでの差はないはずなのに、彼の驚き様はいったい何?


「そんなバカな!ワタシよりもあのジョセイのストリームラインがマッシテイル!」


「ストリームライン?え、そんなのあったかな?」


「ストリームラインは水泳選手によって何よりも大切なものなんだぞ野谷山。」


「神楽坂君!どうしてここに?」


「どうしたも何も試合が終わって、頑張った教え子を迎えに来て何が悪いんだ。」


「うっ上から目線なのが何か気に食わない…いやそれよりも、私2着だし…神楽坂君にとって私はもう見損なわれた存在なんじゃないかとそう思ってきたんじゃないの?」


「はあ?俺がそんな事でここにくるか。それよりも野谷山お前ストリームラインについてはやっぱり聞かされていなかったんだな。」


「え?……うん。私が聞かされていたのは世界の選手達との模擬試合で、そこに女性の選手が出られるかどうかを一応競って試す大会みたいなのを聞いていたけど…もしかして何か他にも隠していた事があったの?」


というより、それよりもという単語にあまりに私の期待した心を踏み躙られた様な感じがして少し腹が立った。いったい私をなんだって思ってるんだろこの人…


あ、あれ?何か今若干苛立った?何で急に?いやそれよりも今は話しの続きだ。


「まぁな。でもコレに関しては俺も一枚噛んでいたから問い詰める何て事はできやしない。ですよね小萌志コーチ。」


「ああ〜そのなんだ。すまなかった。それを言ってしまえばお前に余計なプレッシャーがかかってしまうんじゃないかと思って黙っていたんだ。けど神楽坂はそれを言わずにそのままお前を送り出した。これにはもう一つ裏があったんだよこの試合は…」


「どういう事ですか?」


「分からないのも無理がない。野谷山、実はこの試合に限らず、各場所で行われる模擬試合はいくつかあるんだ。それは昔からもそうだけど、その模擬試合にはストリームラインという身体的能力つまりは身体が上手く水辺とどの様に同化して早く泳いでいるかの検査みたいなのをしているんだ。まぁコレに関しては特に試合に関係する話しじゃないから普通なら無視しても構わない内容でもある。けど今回に限っては違う、ストリームラインもこの模擬試合では大きく判定される1つの形式にもなっていたんだ。」


「わ、私そんな事聞かされてないよ!というより何で話してくれなかったの!それを知っていたならその部分も鍛えていたのに!」


「鍛えていたか…いや既にお前は鍛え済みになっていたんだ。自分では気付かなかったかもしれないが、俺が以前お前に泳法を真似るなって言った事を覚えているか?」


「う、うん…確かバタフライとクロールその辺を中心的に一から教えてくれてたんだよね?それがいったいなんなの?」


「!?そういうコトだったのですか!」


こちらの会話をしている最中カンベルさんが、それを盗み聞きしていたのかこちらへと血相を変えて介入してくる。


「ヘンナいわかんみたいなのをカンジていました。あなたはカグラザカにおしえられながら、ここまできたのに、あまりにもカグラザカのようなオヨギカタをしているのをワタシはかんじとれませんでした。コレはなぜかとそうおもいながら、あなたとショウブしていましたが……まさか、スベテをなかったコトにするとはあなどれませんねカグラザカ…」


「ああ私もようやくさっきお前が指摘したという発言に対して結びがついたよ。そういう事だったのか…」


「小萌志コーチはともかくまさかそっちも気付くなんてな。まぁその通りです。俺は野谷山にそうする様にしろという前にまずは、体で覚えさせる必要があった。そして見た感じの案の定…野谷山は全ての真似た泳法を無視し新たな基本的な泳法でストリームラインを保ちながら3試合目へと突入した。そのおかげで上手くいったけどな。」


「ちょっと待って、何でそこでストリームラインがどうのこうの話しになっているわけ。重要なのは分かっていたし、ストリームラインという肩書きぐらいなら水泳部である私でも知ってる。けど、今はそれよりも…」


「確かにストリームラインなんかよりかは記録タイム更新の方が目移りするよな。でもそれこそどうでもいい話なんだ。」


「何で記録タイムがどうでもいいなんて事を…神楽坂君のタイムを私達2人がこしたんだよ。これって明らかに神楽坂君が動揺したり、何か愚痴ったりするもんじゃないの!」


「お前…俺をいったいどういう目でみているんだ。そんな事で一々口出したりしないよ。それにその記録は子どもの頃の記録だ。そこまでの執着心は俺にはないよ。」


「執着心がないって…それじゃあ神楽坂君はもう昔に囚われていないとでもいうの?」


「………ひとまず俺の話は後回しにしてくれるか。今はストリームラインがこの試合において要になっている話の続きを戻そう。」


話を逸らされた。やっぱり神楽坂君昔の事を今でも引きずって…


「ストリームラインでカンベルが驚いたのは自分よりも素早く泳いでいた事で驚いていたんだ。」


「え?でもカンベルさんの方が早く到着して…」


「そうだな。カンベルさんの方が確かに早かった。けど、カンベルさんはカンベルさんでの技量…野谷山は野谷山の技量で総合結果が変わる。この場合お前はカンベルさんよりも上回った。そこで何故お前が負けてカンベルさんが勝った理由についてだが、単純に男女の差だ。」


「男女の差?」


「すっかり忘れているかもしれないが、お前はまず女子だ。」


「え…う、うんそうだね。」


「神楽坂お前失礼な奴だな。女性に向かってお前は女性じゃないってある意味セクハラ案件だぞ。」


「コーチが今説明している人に対して煽りを入れないでくれますか。……気にしてないよな?」


「いや普通に私の言った事頭によぎっているじゃないか。」


「だ、大丈夫今更感だし特に気にしていない。それよりも続きを聞きたい。」


「そうだな…まぁ単的に言えば普通は負けてしまっておかしくなかったんだお前の場合…2着になったのは寧ろ奇跡に近いというのもあるし超人ならではの荒方の水泳とでもいえる。けどお前は別だ女性と男性向け主にストリームラインは個人差があるからスピード面に関しては何とも言い難い部分がある。まぁストリームラインでの身体のバランスの泳ぎ方はお前の方がずば抜けていたって事だ。そこまで難しく考える必要はない。」


「難しく考えるなって言われても納得がいかないんだけど、やっぱり同時着でもここまでの差があるなら、ストリームライン何か関係なく私は負けたという事実は変わらないんだって思うよ。だってそうじゃない結果が全部全てなんだもん。」


「だろうな一部の選手ならそう言っても仕方がない。でもそれは納得せざるを得ないんだよ。」


「どういう事?」


「お前は憧れていた選手のバタフライとクロールを真似して今まで独断でやっていたんだろ?ならその独学で学んだやつを改善してやればいいだけの話だ。案の定改善した結果ストリームラインそしてクロールやバタフライの主な形式が全て嘘の様にみちがえた。自分でも泳いでいて何かに気付かなかったか?」


「!?確かに妙に身体が軽くて泳ぎやすいって思ったりもしたけれど、でもそんな短期間でガラッと変わるなんて…」


「そうだな普通ならありえない。でもたった一言だけでお前を納得させる方法が1つだけあるぞ。」


「そんなのあるの?」


「あるじゃないかお前は何の為にここへ来て模擬試合をしたんだ?結果を証明するそれがお前の本当の役割でもありここでのお前が凄いんだぞって言う事を皆に晒しめる為でもあるんだろ?となれば答えは1つじゃないか…お前が体の異変に気付いてここまで行った試合は本当の意味でお前が天才だと言う事が証明されたという事じゃないのか?」


「あ…」


そうだ私は確かにここでの結果を上位に立つ事だけに執着していた。けど目的はそれだけじゃなく私がここでの本当の才がある事を証明すればそれだけで良かったんだ。だからここでの結果を惜しんだとしても次にいかせばいい難しく考える必要はないし何よりも私のも目的はもう一つ叶ったんだもん。今はそれだけでいいんだよね。それにたった一言か…それが天才だけでまるっと包められてしまうなんて、私も単純な頭をしてるな。


「ふ〜む…そういわれてしまえば、ワタシもなにをいえばいいかワカラナクなりましたね。ですが、ストリームラインそれがワタシのツギのモクヒョウになりそうです。」


「あまりそこでめくじらをたてないでくださいよ。あくまでもストリームラインは身体能力による基本の早さのベースを検査しただけの研究なんです。この試合やこれまでの試合で、そこまでの左右対称は関係がありません。だからカンベルさんはカンベルさんらしくやり続けたらいいと思いますよ。」


「………ふふ、あなたはヤサシスギる。まるでムカシのあなたじゃないようにもオモエテしまいましたよ。」


「………昔の俺ですか。」


そんな言葉を耳にしつつ、昔の出来事を頭の中で思い出そうとするが、あまりにも苦い思い出だったので、忘れるように頭を横に振る。


「ふ、ふざけるな!」


ふざけるなそんな荒い言葉で1人納得のいかない世界選手が間に入ってきて一星達に豪語する。

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