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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第一章 幼馴染達との再会(仮)と復讐
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努力と天才の実力勝負

出場者の皆様並びに会場に集まられてる審査員の方々模擬試合の時間が迫っておりますので、それぞれの配置や会場のご確認の程宜しくお願い致します。


会場にアナウンスされる試合の迫る合図、それに従いどよめついていた会場が一気に忙しくなり始め皆準備を進めだす。


「オーではワタシもそろそろタイサンしますね。カグラザカイッセイ、あなたとはまたベツのトキ、キカイがあればオハナシしたいですね。」


「は、は〜…」


カンベルさんも俺にそう言い残し、自分も配置へと移動する。


「………すまなかったな。急にこんな昔の話なんかして。正直私の事を恨んだろ?」


「いえ、と言うよりもあなたとは面識がないとはいいましたが、一度だけ会った事がありましたね。」


「覚えていたのか!」


「覚えていたと言うよりは思い出したが正解ですかね。俺も僅かに朧げですが、当時7歳の俺は一心不乱になってました。まぁ、留美子さんが病室にいたのは単に何で何だろうなっていう疑問しか感じませんでしたし、またいずれ俺をからかいに戻ってくるなとも思ってましたからね。正直嫌な姉ちゃんだなぐらいにしか感じていませんでした。」


「そうか…まぁそうだろうな。7歳の記憶なんて、あまり印象には残らないか、寧ろアイツにとってお前の中には記憶に残ってほしかったという部分はあたっかもしれんがな。」


「………ただ単に忘れていただけならどれだけ良かったものか…」


「何か言ったか?」


「いえ、それよりもアイツの試合最後まで見届けましょう。あそこまでの去勢を張ったんです。こんな所で負けてしまったら洒落になりませんよ。」


「ははは、確かにそうだな。あそこまでの威勢はさすがに私も驚いた。今日はいい試合が見れそうだ。」


わぁ!わぁ!わぁ!


俺達は離れた観客席となる場所から野谷山の事を応援する事となり、本人に無駄なプレッシャーをかけさせない様にする為遠い場所から観察する事となった。


「しかし観客がいないのにどうしてこんなに、人が多いんだ。ただの模擬試合なのに…やっぱり露光さん辺りが目当てなんでしょうかね?」


「さぁ〜なここのクソ競技委員会供の考は勿論の事、クソ記者共は何を考えてるのさっぱりだ。だけど、一部の注目は勿論の事アイツに集中されるだろう。」


だよな。ここでの要は野谷山の勝利か敗北によって決まる。主に1位から3位内この間に達成しなかったら、彼女は大々的なスクープに陥って2度と水泳ができない可能性がある。まぁそこを含めての仕掛けかもしれんが…


「侮る勿れだな。」


観客席から眺めていた最中出場するスタート台の上に立つ猛者達と火花。それぞれが、屈伸や身体の軸を曲げていると火花の隣には露光が並ぶ。


「よぉ、まさかアンタの隣に並ぶとはな…こんな運命もあるもんだな。」


「………」


「チッシカトかよ。まぁ隣同士だし聞こえていると思うからこれだけはハッキリ言わせてもらうぞ。俺が神楽坂一星のタイムを超えていようがいまいが、世界の選手候補に選ばれた俺だ。悪いが普通の男子並みの水泳力ならどう足掻いてこの模擬試合アンタに圧倒的に不利だったな。」


「………あまり図にならないでくれるかな?」


「は?」


「あまり図にのらないでほしいって言ってんのよ。」


「うっ!」


な、なんだこの気迫に満ちたオーラは…単に圧だけがある様にみえるが…いや単なる威勢のいい言い方だけだろう。私が萎縮する必要性は全くない。


「ふっそんな言い方も今に目に物をみせてやるさ。私の水泳力がどれだけのものかアンタに私の努力をみせてやる。」


「くどいな。さっきも同じ事言ってた。あまり同じ事しか言わない人間は周りからしょうもない人間としてレッテルが貼られてしまっちゃうよ。後そのセリフモロ小物だから、自分が負けるフラグがたつだけというのが知らないの?どっちが滑稽なのか目に見えてるね。」


「な、何だと貴様…」


「おいやめたらどうなんだ、フタリトモもうじきモギジアイがハジマルンダ。ちゃんとオタガイをソンチョウシタタエあえながらガンバロウじゃないか。」


「クソが!」


「おいロッコウ。」


苛立つ露光の隣には先程のカンベルが並んでおり、火花と露光の間の喧嘩を止める。


「………」


ぎゅー!


負けられない絶対に…私の目標はあくまでも神楽坂君と同じ近くの記録に並ぶ事、そしてそれをうわまる記録に届かせる。だけど、それには目の前にいる敵が邪魔…そう私はカンベルさんが神楽坂君の記録を破った100メートル自由形の49秒28をこえなければならない…並ぶ事に執着はしていたけれど、やっぱりカンベルさんがこした記録は私がこえなければならない…それも神楽坂君が教えてくれた2つの競泳…本来ならば個人メドレーの200メートルに出るのが相場だけど、神楽坂君はそれを見越して今回の大会は100メートルの自由形の方がいいと言われた。

私は神楽坂君の言う通りにした。そもそもここでは女性の記録なんてものは今の私には関係がないから、男性側の記録に執着されてしまう…だから個人メドレーに変えようが自由形に変えようが変わらなと思っていたんだけど…あの時神楽坂君の言う通りにしたら…


「………」


火花は手を握ってははなし握ってははなしをしながら自信の身体の調子の具合を確かめる。


「さて、これでどれだけの差が開けるか…」


皆さん大変お待たせしました。これより競技議員長から皆様に洗礼の言葉があります。謹んでお聞きする様に。


誰も別に聞きたくない競技議員長の言葉…しかし俺はその競技委員長の顔をよく覚えていた。


「え〜皆様この度はこの模擬試合の為にお集まりいただき誠にありがとうございます。それぞれが培ってきたものを試すには絶好の場所をお作り致しました。世界で名を馳せる猛者達、そしてその中でも唯一男性と渡り合う身体能力を持つ期待の相補性選手…これにより僅かな兆しのあるオリンピックが開催されるという可能性が見出せるのです。」


「ふん、馬鹿じゃないのか。唯一それができるのは野谷山だけというのは自分自身でも分かっているというのに、あの議員長勝手な事をペラペラと…」


「いやあの人はちゃんとわかっていて発言していますよ。それにこの催し…単純な催しだけならまだしも恐らく裏がありますね。」


「何でそんな事お前がわかるんだ?というよりアイツを知っているのか?」


「知ってるも何もあの人は天才を生み出す思考の持ち主…葉山(はやま)千十郎(せんじゅうろう)博士ですよ。何でこんな場所に議員として出てきているのは分かりませんが…少なくとも天才を道具としてとしか見ない面汚しのクソ野郎ですね。」


「お前がそこまで言うとはな…というよりもお前が知っていて、何で私は知らなかったのかがイマイチ分からんがそんな所属を持っていたのかアイツは…」


パチパチパチパチ


長い演説と言わんばかりのこうべを垂れ流す様な話しを終わらせた千十郎は手を振りながらあちこちに挨拶をし、こちらに気付いたのか目と目が合い、ソイツはニヤケなが笑みを浮かべ後ろへ退場する。


「ふっまさかアイツが来ているとはな…因果なのかそうじゃないのか…どうやらこの催しが普通の催しじゃないという事だけは気付いたのだろう。ふふ、いやいや先が面白くなりそうだの。新たな天才を玩具にするこういったどうでもいい遊び場は研究により一層没頭できるってもんじゃわい。またいずれ会おうぞ神楽坂一星。」


本当に何でアイツがここにいるんだ?ここに目新しい様な選手なんて……いやゴロゴロいるな。やっぱり俺の記録をこしたカンベルさん辺りを狙っているのか…他の選手も名のある選手だし…正直な所関わりたくない相手だしな。ひとまずは放置でいいだろ。またあんな事になるのは到底思えたりしないんだけどな。


それでは皆さんこれより一回限りの模擬試合が始まります。分けられる回数は3回これにより審議が行われます。それぞれ、自分の生かした競泳で戦いに挑んでください。この模擬試合が特別なのは確かですが、それ以前にあなた達は世界各国でしかいないたった1人の世界選手です。そちらもお忘れなきようお願いします。


何を忘れないようになんだ?ってツッコミたい所ではあるが、概ね予想はできる。ここで野谷山に負ける様ならお前らはその世界選手たる名を剥奪しかねないぞと…まぁただのプレッシャーだけかもしれないが…今はそのプレッシャーが重みになるんだろうな。


それでは位置について!………よーい!


…………


アナウンスの号令に従う様に全員がスタート台の上に乗りゴーグルを掛け構えを取る。そして…


ピーーーー!


ザバァーーーーーン!


ホイッスルの合図で全員水の中へと潜り自身の得意の競泳で泳いでいく。


バシャンバシャンバシャン!


よし!上手く私が先にリードを奪ったぞ。これなら何も問題もなく前へ突き進める。奴は後ろへいるみたいだし敵視する必要性はない。問題は…


ザバァン!ザバァン!ザバァン!


いきなりバタフライかよ。初手でバタフライなんてあまりにも体力的につづかねぇだろう普通。てか基本はクロールだろうが、アイツにはそう言った概念はねぇのかよ!と言うか相変わらずそこは変わってないのに驚きはするがな。


ザバァン!ザバァン!ザバァン!


くっ!やっぱり抜かれてしまうか…まぁいい本番はここからだ折り返し地点で私の本気を出せばそれでいいだけの事…


くるん!


よし!ここからは平泳ぎだ。後は一気に奴を抜け…!?


バシャン!バシャン!


「な、何!?」


うぉぉぉぉ!!!


「よーし!いいぞ!一気に抜けたぞ!いっけ!!」


「………やっぱりだな。」


ど、どう言う事だ、あれだけの離れた距離…しかも初手は平泳ぎから始めたあり得ない競泳からの始まり方…なのに、なのに…


「ぷっはぁ!」


バシャン!


何で一気に追い上げられるんだ!

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