表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第一章 幼馴染達との再会(仮)と復讐
62/372

努力と天才・努力(てんさい)と努力による差し違いの示し方

その話しを聞かされた私はショックを受けてしまいただただ途方に暮れながら留美子のいない街を過ごしつつ完全に項垂れてしまい何も気力がないまま暫くの間部屋へと閉じこもってしまう。

……何でその1週間の間私情で空けてしまったんだろう…分かっていたはずなのに、何で大事な友達の命よりも家族の方を優先したのか…いや流石にそれは無理があるか…親戚の命が亡くなったんだ。当然そっちを優先すべきだし、留美子もそう言うだろう。けれど…何でそんな時に限って私は!

そんな事を悔やんで悔やんで、悔やみ続けながら、私はある手紙の知らせでこの学園へと就職を決意しそのまま時が過ぎ去って今に至る。


「それが留美子と私の、神楽坂の元コーチでもありつつ、露光の側から離れた哀れな末路の過去の話だ。」


「……そんな、それじゃあ留美子さんはあの時既に…」


一星は僅かに思いだす過去の事を病室で会った時の事を走馬灯の様に思いだし、密かに作り笑いを浮かべていた彼女の顔を朧げながらも思いだす。


「しかし私がお前の事をちゃんと見ていなかった事によって、既に水泳を辞めていた事に気付いたのは時すでに遅く…いつかお前がこの学園に来てくれんじゃないかとそう思いつつ私は何とか気を持ち直しながら、お前が、あの時留美子がまた望んでいた様に水泳を復活してくれんじゃないかと思ったが…やはりまだ復帰に至るまでの経緯まではいかなかったんだな。いや私ではお前に復帰に至るまでのモチベを治す事すらできないかもしれないというのを仮定に入れていなかったのが愚かだった。現にこうやって話してはいるが、それでも直ぐにと言うわけにはいかないだろう。」


「そうですね。俺にはトラウマがあります。でもそのトラウマが留美子さんに繋がるという話しではないので関係ありません。それにこれは俺の問題ですから、いずれ解決いや…話す事があれば話します。」


「そうか私も留美子もいつまでも待つよ。」


……その笑顔はいったいどういった笑顔なのだろうか?後ろめたさがある笑顔なのか、単に後悔いや憐れみのある笑顔なのか俺はそんな小萌志先生の心情は読めず、ただ申し訳なさそうに俺に昔の事を話してくれたのは僅かながらに伝わった様な気がした。


「いやいやそれで、勝手に解決しないでくれますかね?あなたの過去にそう言った経緯があったのは仕方がありません。仲良き友人が亡くなられたそれも心中察します。けれどねそれで神楽坂一星が復帰するのをていで今ある学園に身を潜めていたのには納得いきませんよ。それなら何故私の所へ戻って来なかったのですか!いつまでも何よりも待っていたのは私なんですよ!」


確かにショックを受けた先生なら、いくら神楽坂君の事で昔の人の友人に尾を引いてたとしてもまずは左馬儀(さまぎ)選手の事を何か一言でも謝りに行ってもおかしくはないはず…なのにそれをしなかったのにはどうにも腑に落ちない。


「ああ確かに、それに関しては私としても汚点だったんだろうな。あれほど注意していた事がちゃんと直せておらず挙げ句の果てにはこうなってしまったという間違った育て方に成り果ててしまった。完全に私のミスだ。神楽坂の件にしても露光の件にしてもだ。だから私は2人に罪滅ぼしをしなくてはならない。」


「罪滅ぼし?いったい何を言って…」


「そう、言ったい何を言っているんだと、そう思われても仕方がない。だがな露光お前にはまず、自分と渡り合える様な奴がいないのを心の底から恨んでいたんじゃないのか?」


「は?何を言って……!まさかカンベルお前…」


「YES!私はあなたがフマンにオモッテるコトをカノジョにツタエました。オモニ、カグラザカイッセイのコトでね。」


「余計なことを……それで、私がこれ以上のいない奴つまり神楽坂一星がいない事をカンベルから聞いていったい何の罪滅ぼしをしてくれるんですか?」


「まぁ有り体に言えばお前と神楽坂が試合をさせればと思っていたのだが、それは出来ないという事は十中八九分かった事…ならば、神楽坂と同じ匹敵する様な奴がいればどうだ?」


「なんですって?」


「わ〜お!」


「小萌志先…コーチもしかして…」


「ああここに、それも神楽坂がほんの僅かに鍛えあげた生徒、野谷山火花がお前の不満を解消してくれるだろう。それで私の罪滅ぼしがお前への理に叶うかどうかは分からんがな。」


「………え!私ですか!」


少し間がありつつもあった野谷山は、自分の事なの!と言わんばかりの反応をして小萌志先生の方へ視線を向ける。


「くっ!勝手な事を、そんな女に私と対等いやそれ以上の存在になっているとあなたは言いたいのですか?いいですか、男性と女性での筋肉量や質量では明らかに男性の方が勝っています。勿論女性には女性でのポテンシャルでやり遂げられない事もない部分もある。しかし肺活量に関しては女性よりも男性の方が明らかに多い。これは否応にも覆せない事だ。」


そう、確かに肺活量は女性よりも男性の方が多いこれはいつの時代でも変わらないし何事にも変わる要素はないだろう。だけど…


「それは、一般的な男性や女性の比ですよね。」


「ああ?そうだが、それがなんだ?」


「その男女での比は年齢や身長にも左右されます。しかしながら、野谷山にはそんなの関係がありません。彼女は稀に見る天才ですから。」


ガシ!


!?


「え!?か、か、か、神楽坂君!」


2度目の衝撃的な展開に驚く火花はいったい何が起こってるのかと言わんばかりの顔をして、え、えっと言う様な感じで周囲を確認しつつ顔を赤らめる。


俺は彼女を自信満々に見せびらかす様に彼女の肩をこちらに抱き寄せながら全体に野谷山火花が俺よりも凄いという事をアピールさせる。


ど、ど、どうしよう!物凄い近いよ!そ、それに、体が密着して、た、体温が、あ、熱い!


ピーーーー!!


「お、おい、野谷山!野谷山!」


「やれやれ、これから始まる試合前に野谷山をノックアウトさせる奴があるか普通。」


顔が真っ赤になりながら倒れだす野谷山に俺は彼女を支えながら大丈夫かどうか尋ね意識を確認しつつ頬を軽く叩きまくる。


「チッ!ただの惚気かよ。その女がどれぐらいの天才かなのかは、だいたい把握はしているが、記録的には私の方が勝っている。悪いがどれだけの天才だろうが、努力には到底かなわないんだよ。」


「そ、それは聞き捨てなりません!私だって、努力でここまで勝ち上がってきたんです!気持ちならあなたと同様いえそれ以上です!」


突然立ち上がって、露光の言い分に聞き捨てならなかった火花は努力という言葉に反応して反論をする。


「ふっ何が努力だ。お前はそんなのとは無縁の存在なんだろ?そんなやつに私の気持ちなんて分かるはずがない。分からせたいならその天才ある実力じゃないと言う事を証明してみろ。私の努力がお前のこれまでの天才の力に溺れさせるのが先か、お前が私の努力の記録を殲滅させるのご先か…その結果次第でお前の天才という努力というのを信じてやるよ。」


煮え切らない言い方をしながら出場する方へ足を運ぶ露光さんは自分の言いたい事は告げたと言わんばかりの口ぶりをし先へ歩いていくのだが、一瞬だけ足を止めこちらへ指を刺しながら宣戦布告をする。


「睡蓮コーチ、この勝負本当にその女に期待をしているなら勿論の事勝負は承ります。ですが、安易な事はその場のポテンシャルに影響を及ぼしますよ。」


「何が言いたいんだ?」


「宣戦布告です。と言ってもそちらの方が先に宣戦布告っぽい事を言ったからこちらとしては単なる皮肉な言葉になるかもですけどね。」


「さて、どうだかな…それをどう捉えるかはお前次第だ。だが、これは勝負じゃなくただの模擬試合(しんけんしょうぶ)だ。お互いベストを尽くす模擬試合(しんけんしょうぶ)をしようじゃないか。」


「……こんな時にまでお人好しな。いいですか、あなたの生徒が、ここで負ければそれなりのペナルティが課せられるんですよ。それをお分かりでの意味で言っているのですか?」


「バカかお前は…だからなんだよ。この試合で私の生徒が勝つからそう言っているんだ。誰も負ける込みでの言い方なんてしていないだろうが。」


「……相変わらずの口が汚い言葉にですね。しかしそれで、私がどれだけの努力を積み重ねてきたか、今に思い知らせてやりますよ。あなたと神楽坂一星…2人には彼女へ希望と未来を託したの同様こっちは逆に絶望と恐怖を抱かせてやりますから、必ず後悔させてやりますよ。」


そういいながら、今度こそ選手が集まる場所へ歩いていき、嫌な事を言い残され俺は何でこんな事になったんだと心の中でため息をつく。


「まぁ話があれこれややこしくなったりはしたが、結局やる事は変わらん。野谷山お前には必ずこの模擬試合でベストタイム更新をしてもらう。お前ならできるな?」


「……やれる自信があるかないかと言えば……ありますとだけは口にします。」


「え?そこはないって返すのじゃないのか?」


「え?だって私あの人に勝つって言ったんだよ。それに勝手に私の事を天才とか言ってるけれど、私は最初から天才じゃないんだから。」


「は?それってどう言う事なんだ?」


「言ったよね?私はある昔に憧れた水泳のバタフライとクロールに憧れて水泳をやり始めたって、だから最初はそんなのできっこないって努力を重ねて重ねて練習し続けてダメだって思って9年前に諦めかけてたんだけど、その3年後ある時突然私に才能が芽生え始めたの…それが何なのかはもうわかるよね?」


「じゃあつまりあれか?お前はその3年後に水泳としての才能が覚醒したって事なのか?」


「そうだから彼の言っている事自体何も間違ってはいない。努力は必ずしも才能に負けるとは限らない。結果次第では努力が才能に勝つ事もありうる。確かに私は水泳での天才としての力が覚醒したかもしれない、でも天才でも乗り越えられない壁はある、だからその壁を乗り越えるには天才でもやらない事…本当の努力の実力を彼に見せつけたいんだよ!」


そんな覚悟を決めた様な顔で、後は任してといわんばかりの彼女の顔は最早雲がかかったという悩みじゃなく今1番に何かを示したいという様な言い方を一星に告げ手を振りながら行ってくると言い残し自分も露光の所と同じ立ち位置の場所へと戻っていく。


「……ああそう言う事か…」


俺は悟った。アイツの言ってる事それ自体に違和感というものはありやしないが分かるやつには物凄く矛盾だと言う事がわかる。コイツは露光さんの発言に伴い努力と言う単語を物凄く履き違えている。努力と天才は最早天と地の差のランク付けて表されている。だけど、努力の方は上り詰めて上り詰めて天才を超える様な実力を持つ事が可能という未知をこえる可能性ができるかもしれない。だがそれに添えて天才もまた然り天才も努力する方と同じ努力(てんさい)が努力すればするほど超えられない壁が超えられる可能性ができる。お互い可能性の塊だらけだが、この差異は表と裏で答えが見出せない。けれどその見出せない答えが今この場であらわさせようとしている。お互いの可能性の塊その可能性の塊がどちらの可能性が正しいのか…


「まさに努力と天才の実力勝負いや真っ向勝負の火蓋が切って落とされるという事なんだな。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ