今までの思っていた幼馴染が自分が違っていた幼馴染だったかもしれない
あの時宇佐木田での正体を突き止めるいやストーカーが誰かを突き止める為に俺はある人物の協力を仰ぐ必要性があると感じあの日電話越しで宇佐木田での対話中ワイヤレスイヤホン越しでその会話を聞かせつつ俺はストーカーが宇佐木田だという事を判明する事ができた。そして細かにだが宇佐木田が俺の幼馴染という事をその人物に妙なニュアンスで伝えられ本当かどうかそれも踏まえてカマをかけてのそっちの正体も暴く事もできたが俺はこの事に関して不穏を抱いていた。そうそれが今目の前にいる彼女小橋小寧々…彼女はとんでもない情報を隠し持っているのだと俺の中ではそう感じて今その正体を聞こうとしている。
「何者か〜うーんどう答えたらいいのか…」
「答えるという事は自分がいったい何者なのかを教えてくれるという事なのか?」
「え?そんな事するわけないじゃない。というより私が既に恋愛相談委員長だって事がバレてるのに他にどんな事がネタバレだっていうのかな?」
「それはあくまでも建前なんだろ?もう一つの役職情報屋はいったいどう話をつけるつもりだ?協力をしてくれてたのはありがたいが、そこまでの情報量をお前1人で手に入れられているというのはあまりにも不本意すぎやしないか?」
「確かに神楽坂君の言う通りあまりにも不本意だよね。じゃあヒントをあげよう、君には意外に近しい友人がたくさんいる。その中でも君の事を昔ながら知っている子は何人かいるはずだよ。その子から情報を提供してもらったと言えば納得いくかな?」
「………」
そうか思いもしなかった。確かにあり得ない事はない。俺の知ってる幼馴染達は俺に対して復讐心を抱いている。その中でも誰かが小橋に話したと言えば上手く繋がる事はできるが……どうにも腑に落ちない。仮にそれが、蒼脊だったとしたら話す通りがどこにも無い様にも思える。蒼脊はそう簡単に話すやつでもないからそこは多分口を固くしているとは思うんだが…
「何か心ここに在らずって感じだね。納得はできないって顔だよそれは。」
「まぁな。でも確かにお前の言う通り俺の近しい誰かがまぁ仮に幼馴染の誰かがお前に話すとして、それは幼馴染からしたら裏切りの行為になるんじゃないのか?」
「ん?どう言う事かな?」
「分かっていてのその反応ならさっきもいたが嘘をつく女子以上にタチがわるいぞ。…要するに幼馴染の誰かがお前に情報を流しつつ宇佐木田の事を裏切ったって事だよ。同じ復讐心を抱く間柄なのにお前に幼馴染の情報を売るって、悪いが正気の沙汰じゃないと俺は思う。」
「ふーん、まぁそう捉えちゃってもおかしくないよね。まぁ確かにその幼馴染さん達から情報を提供してもらって私が君に話した。うん私も明らかに正気の沙汰じゃないと思うよ。でもねそのおかげで君は今菟ちゃんが幼馴染だと言う事を知った。君にとっては願っても無い話しなんじゃないかな?」
その通り俺にとって願ったりかなったりだ。前の時もそうだが、小橋のおかげでもあって琵心蕾が美森姉だって事を知った。まぁコレに関してはただのまぐれだと思い込みたいが…でもこんな事裏切った幼馴染は何でそんな事をしたのか気になる。しかも平然と俺に情報を流すという許しも得てと言う事も…
「ああ小橋の言う通り俺にとっては、嬉しい事だよ。久々に幼馴染の再会それに関しては紛うことなきいい事だ。でも幼馴染達の間に亀裂が入ってのこのやり方はどうも納得はいかない。色々と思う中でもこんなやり方事態俺の知ってる幼馴染達じゃない気がする。」
「じゃあそれはもう君が知ってる幼馴染達じゃないって事なんじゃないかな?」
「どう言う意味だ?」
「神楽坂君にとっては君の知ってる幼馴染達はそう言った裏切り行為はしない幼馴染達って思い続けてるんでしょう?でもそれはあくまでも昔の知ってる幼馴染…今の幼馴染達は君が知っていた幼馴染達とちは違う幼馴染だってことなんじゃないの?」
「小橋は単なる押し付けているだけで話をするなって言いたいのか?」
「まさか、寧ろ微笑ましいと私は思うよ。単に合理性が違うって話し、私は君の抱いている幼馴染はあくまでも空想上のままあって欲しいという願望があっての言い方だって思っているから別に否定したつもりはないよ。」
「いやだって今の言い方だと…」
「そうだね。確かにその通り私が発言したのは思いっきり君の言う知ってる幼馴染達を否定した発言だ。でも、それはあくまでも理論上での話し、そしてかもしれないというifの話しなんだ。君はまだ会ってない幼馴染と対面して話したわげじゃないだろ?だからこれはあくまでも仮定論。それをどう捉えるかは君が今後その幼馴染達と会った時に判明されるんじゃないかな?」
「驚いた。言ってる事は無茶苦茶なのに、やたらと正しい事は言っている。それにどちらも肩を持つ言い方じゃなくてちゃんと両肩を持つ様な言い回し…さすがは情報屋って事なのか…」
「う〜んその言い方はあまり好まないな。でもコレを言うのは私からしたらお礼のアドバイスにもなるかな。」
「お礼のアドバイス?」
「うん。だって神楽坂君私が作ったお弁当ちゃんと残さず食べてくれるんだもの、そんなの悪い気持ちのままお礼なんて言わないしアドバイスだってしないよ。だからコレは私からのほんの些細な助言。君はちゃんとその幼馴染達の事を分かっているし信頼しようとしている。」
「いやそんな事一言も…」
「言ってないかな?自分の発言をよく思いだして見て君は私の言った発言に対して幼馴染達は本当は悪いやつだったんだって一つでも疑ったりした?」
聡いな。小橋はどこまで人の心理性に長けているんだ。そこまで人の言葉に対する心理なんて普通読めないぞ。でも今のは俺も少しばかり安堵した気持ちにもなったりした。何処となく小橋の言い方には何か含みがある気がするな。でもやっぱり怖い部分があるのは間違ってはいないどこまでが本性でどこまでがそうじゃないのかその不安要素だけが今後のコイツとの付き合いでのレッテルになりそうだ。
「いやそうだな。我ながら情けない、幼馴染でもないお前にそう言われるなんて最早お前の方がアイツらの事を理解している様にも聞こえてくるな。」
「………幼馴染じゃないか…」
「え?何か言ったか?」
「ううん何にも。確かに君の言う通り私は君とは幼馴染じゃないけど、人の感情や言動にはそれなりに敏感だから一応は理解しようとしているつもりだよ。だからそんな言い方今後しない方がいいと思う私じゃなくても傷ついてしまう子もいたりするからね。」
「………そうだな。」
誤った言い方か、確かに自分では気付かなくても他人にはそう聞こえるかもしれないからな。小橋の言う通りこれから注意深く気をつけるか…でもそれを気にするのって何だが幼馴染というワードの地雷を踏んでしまったやつ限定にしかならないか?いやそれも考えすぎだな。
キーンコーンカーンコーン!
「あ、チャイムがなっちゃったね。まぁ大体の事は話せたからまた次の機会にでも色々と聞かせて頂戴ね。勿論別の相談事でも私はのってあげるしなんなら直ぐにでものってあげるからね。」
「それはありがたいが、今のところは特にこれといった相談はないな。」
けど恋愛相談委員長か……俺にもそう言った相談する事なんてあるのだろうか。今の時点では全く無さそうだけどな。
↑そう思ってるのは自分だけであり、周りの一部からは好かれている。
「さて戻る前に神楽坂君にはまだ聞かないといけない事があるわね。」
「聞かないといけない事?何かあったか?」
その言葉に小橋は嘘でしょうと言わんばかりの顔をして顔を引き攣らせながらもう一度同じ事を俺に質問する。
「ごめんなさいもう一度聞くね。神楽坂君私に何か言う事はないかな?」
「えーと、特にさっきの事以外は何も…」
他に何か小橋に伝えないといけない事とかあったか?この二日間怒涛の忙しさだったからあまり他の事に気をまわす事なんて………
一星はこれまでの出来事をよーく思いだしながら小寧々とのある頼み事をされていたのを思い出し、何の為に宇佐木田との接触をしたのかを冷や汗をかきながらやらかしてしまったと心の中で呟く。
「その反応、どうやら私の頼んでいた事すっかり忘れてたみたいね。」
「いや、その忘れていたというか、抜けてしまっていたと言うか…えーと、何と言うか、そうだな〜う〜ん…よし!コレはあれだな。」
「?」
「もう一度聞いてくると言う事で許してくれないか?」
「神楽坂君のその堂々と悪くないという態度の表し方嫌いじゃないよ。ふふふふ…」
あ〜やばいコレは完全に怒ってるな。そりゃあそうだまず第一前提に約束をしたのはこっちなんだ。俺がそれを破ってどうするんだって話しだ。だからアイツらもそのおかげで許せなくて復讐を……
「本当にすまなかった。」
俺は頭を下げ小橋に謝りもう一度深く頭を下げ謝る。
男が一々頭を下げて謝るなんてカッコ悪いやらプライドがどうのこうのと言うやつもいるかもしれないが、重点的こっちが100悪いというのは側から見ても明らかな為こうやって謝る他ない。それでも許せないのならここは何か1つ何でも言う事を聞くという手段に手をうつしかなくなるのだが…
「もういいよ。別にそこまでは怒ってないし気にしてもいないから、コレは私が勝手に頼んだエゴ…だから君がそこまで気にする必要はない。」
「そうかもしれんが、それじゃあ納得が…」
「うーん…そうだな〜それじゃあね。もう一度聞き直しに行くというのは妥協点として認めてあげてもいい。但しもう一つ別で君にはお願いを頼もうかな。」
やっぱりそうきたか、まぁ大体の事は許せるけど、1つ条件を付け加えるというのはどの場面でも大抵一緒だな。さてどんなお願いをしてくるのやら…
「お願いというといったいどんな事を頼んでくるんだ?」
「ふふ〜それはね〜」




