今日で最後の関係
放課後……
「待ち合わせはまた校門前か……いちいちここで待ち合わせなんかする必要あるのか?」
ひとまず兎川のユニット組のあの2人そしてマネージャーには今日までの偽の彼氏として偽るのを最後にという条件でまだ確証や証拠もない状態のまま俺は更なる問題とされるバラエティー番組のスタジオにまたもや兎川が怪しむストーカー人物がいるかもしれない現場へと向かう事になる。
「てかコレじゃあ単なる探偵ごっこだな。全く意味の分からない事に首を突っ込んでしまったな。」
「そうみたいね。」
「ん?……なんだ、野谷山か。」
「何だとは何よ失礼だよ。」
突然俺の愚痴が漏れて聞こえてしまったのを野谷山が聞こえてしまいこっちに声をかけ突っ込んでくる。
「全く心配して声をかけたのに何だか損した気分みたいね。」
「心配ね〜」
「な、何よ。何か言いたい事でもあるわけ?」
「…………」
「…………」
「いや特に…」
「嘘をつきなさい!今の間は何よ今の間は!絶対何か思ったでしょう!どうせめんどくさい女とかいちいち妙な反応して鬱陶しいとかそう思ったんでしょう!」
自覚あるなら聞くなよ。てか掘り返して恥ずかしくないのか?いや無自覚だからそういう反応なのか……
「所で野谷山。」
「え?今の会話の流れスルーされた。」
「お前さっき言った俺の愚痴に対して何で知ってるみたいな反応をしたんだ。」
「今更何を…コレからの約束事って菟ちゃんとまたストーカーかもしれない現場に行くんでしょ?それぐらい知ってて当然よ。」
「それは兎川から聞いたのか?」
「いいえ、単なる女子の勘ね。」
「いや無理があるだろそれは…もっとマシな嘘とかないのか?」
「………じゃあね。」
じゃあねって言っちゃたよ。確実に何も考えていなかったてのが丸わかりなんだが…
「ヒント、あなたがよく知る人物が情報共有してくれたという事だけは言ってあげる。」
「俺ここに来てまだ浅いがそれだとだいぶ絞られたりしないか?」
「そうかな?神楽坂君は確かにここへ来て間もないかもしれないしそれなりに一躍有名にもなりつつあるよね。」
「あ、ああ……あ?」
一躍有名にもなりつつある?何の事だ?
「自覚ないんだ。まぁそれは別に置いといて…」
「いや絶対重視される所だろそこ。」
「神楽坂君的には確かに知り合いが少ないかもしれない。でも僅かながら顔見知りという人達は何人かいるはずだよ。」
「まぁ確かにいないわけでもないか……?だからどうなんだって話しにならないか?」
「ならないかな…だってその顔見知りの人物にもしかしたら情報を秘密裏に探る子が至っておかしくないんじゃないかな?」
「あ…」
そうかつまり野谷山が言いたいのは単に顔見知りという範疇は俺が目で見てその人物と対話はしているが、その人物に興味がないいやあまり接点がなくても野谷山はその人物の事をよく知っていて尚且つ俺はその人物と話しているという対象となってしまうのか……
「いやそんなのズルくないか?」
「うん?それはどうしてかな?だってあくまでも共通点のある人物なら詳しく知っているのは私であって神楽坂君はその人物に興味がないだけだから知らないだけでしょ?なら別にズルくも何ともないと思うけど?」
コイツ……妙な揚げ足を取ってくるな。いや確かに間違ってはいない…俺がちゃんとそいつと話していないのが悪いし何よりも共通点でどの時点で話したのかよく鮮明に思いだせない…と考えればコレはまたべつの意味で厄介な情報屋が身近にいたもんだな。まぁ蒼脊は絶対にないというのは確信できる。アイツ以外に見返りが欲しいタイプだから野谷山に関しては……うん多分ないな。
「べっくしゅ!……ズルル…何だ?この時期に風邪でも引いちまったか?」
………
「それでその情報を聞いての野谷山は俺の愚痴を聞いて嫌か何か思ったわけか?」
「私そんな事一言も言ってないんだけど?」
「顔がそう言ってんだけど…」
「勝手に顔を見て判断しないでくれるかな!」
「それで?そろそろ本題に入ってくれるか?」
「誰のせいよ誰の!……コホン!じゃあ言うけど今のうちに菟ちゃんのボディガード係辞めた方がいいと思う。」
突然の殉職通達かよ。俺がいったい何をしたっていうんだ?
「詳しく話しを聞かせてくれないか?」
「……詳しくとまでは話せないけど、あの子にはあの子なりのやり方があるのよ。でもそれが現場で神楽坂君をどうやって上手く……ううんこれ以上は私が言うべき事じゃないね。」
「いやまだ何も譲歩してないんだが、そこで引き下がれると俺が1番困る。」
「まぁとりあえず今日で終わるなら私がさっき言った事全て忘れちゃって。何もすぐにストーカーなんて見つからないと思うし何よりもそんな直ぐに見た目でわかりやすいストーカーなんて見つかるわけないもんね。」
見た目で分かるストーカー……ほ〜成る程な。
「野谷山僅かにながら兆しみたいなものが見えた気がする。」
「え?じゃあストーカーが誰かも…」
「いやそこまではまだ断定はできないというより今日で恐らく確信できると思うきっとな。」
「………ふーん、まぁいいけど色々と折れないように気をつけてね。」
心配してくれていたのか彼女から何処となく優しい言葉をかけられたかのような感じがして妙なぼやつき感があるのにも関わらず入れ替えで今度は兎川がこちらに気付き急いでかけ走ってくる。
「ご、ごめんなさい!また違う現場の仕事で遅くなっちゃった。はぁはぁはぁ…」
「いや別に大丈夫だが、そんなに急いで来たって事は次の仕事の時間帯が危ういとかか?」
「え?うんうん、まだ時間帯的には間に合うわよ。単に神楽坂君が寂しがってたりしないかなっと思って急いで走ってきたの。」
「…………」
「どうかした?」
「いや別に…」
コイツもしかして自分主義で物事を考えたりしてないか?何で俺が寂しがる方向へ思考したりしたんだ。まぁそれで早く来てくれるなら何も問題はないんだが…
「あ、やっぱり寂しかったのかしら。ふふ、神楽坂君って意外に可愛い所があるのね。」
「ああ、そういう勝手な妄想癖はいいから早く現場の方へ行くぞ。今日で解決できなかったら兎川の身の回りに関して色々とカバーできなくなるからな。」
「それって、もしかして私の側から離れたくないっていう遠回しなアピールかしらって痛!」
「アホか、自分から頼み上げた棚に対して御都合主義に変えてんじゃねえよ。」
俺は馬鹿なことを言い出した兎川に軽く拳でコツンと叩きながら駅へと向かう。
「ま、待ってよ!もうちょっと私の事優しくしてくれてもいいんじゃないの!ねえ!神楽坂君!」
そして俺達は駅へと向かいバラエティー番組の収録する場所のホールの場所まで足を運ぶ。まぁその間やたらと兎川からしょうもない冗談をあれこれ言われたが、それを無視しながら前へと進む。
………バラエティー番組収録現場ビル
「やっぱりデカイな。高層ビルだからその分年季があるのが伝わる。」
「ふふん!それだけじゃないんだよ。」
ピピ!網膜認証確認。どうぞお入り下さい。
「最新無人ロボットシステムまで汲み込まれてるのか…このビル相当な頑丈のあるビルだな。」
てか昨日の場所もそうだが、最近の高層ビルってこんな厳重システムが搭載されてるのか?まぁ現に兎川がストーカーの被害に遭ってるからありがたいといえばありがたいのかもしれんが……正直もう被害に遭ってるからこそこのシステムというのは意味があるのかどうか分からなくる。色々な意味で…
「うん。ここは多くの芸能人が集まる場所だからそれなりに厳重は固めになってるのよね。でもちゃんとあの網膜認証でしか入れないからちゃんとここへ入る時は誰かの許可を得て一緒に入らないといけないのよ。」
「誰かと一緒か……なぁ逆にその網膜認証で入ってくるやつがお前のストーカーだったら、そいつはここの関係者だって事になるよな?まぁそうかもしれないから俺を恋人疑惑の候補にしたんだとは思うんだが…」
「うん私も内部の関係者だって思うのは間違いない。それに昨日雫ちゃんや萌ちゃんやマネージャーに真実を打ち明けたけど…やっぱり打ち明けない方がよかったのかなってそう思っちゃう時があるんだのよね。」
「いやそれは話してよかったと思う。俺から見てアイツらやマネージャーさんそれに現場監督は白だと思う。証拠や根拠がないから何とも言えはしないが少なくとも犯罪を犯す様な行動や仕草に関してそれらしい目星というのはなかった。となれば兎川の事をより知ってて妬ましく思うやつがストーカーだと俺はそう思っている。」
いやそれだとあの2人も十分妬ましかったか。俺に対する妬ましがあまりにもベクトルを超えた意味で目がやばかったからな。
「どうかしたの神楽坂君?」
「いやそれよりもバラエティー番組の時俺はどうすればいい?ここでも友人でありながら見学体験に来たといえばいいのか?もうここでの恋人疑惑は御免だぞ。それを言う手間があまりにも荷が重すぎるから、色々と説明するこちらとしては違う意味で気疲れが絶えない。」
「あ、えーと神楽坂君実はね…何というかその…ごめんなさい!」
「………」
ごめんなさいその一言に俺はエレベーターが目的地の階に着いた途端既に何人者の人がこちらを注目しながら場の雰囲気がおかしくなっているのを肌にピリピリと感じだす。
「雫ちゃんと萌ちゃんが私に何も言わず勝手に話したみたいなの…だから、既に私達の関係はもう…」
……つまりその2人に今日が最後の恋人の偽りというのを条件なのを承諾した筈が、勝手にこのバラエティー番組で俺達の偽りの関係を暴露して更なるしわ寄せがこちらへと押し寄せてきたって事になるのか。
「いや本当どういうつもりなんだあの2人は…」




