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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第三章 新たな復讐の惨劇新幼馴染達による反撃
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証明する力

……放課後・グラウンド


「それで私をここに呼びつけた理由はなんですか?それに証明とか何とかも言っていましたけど…どう言うつもりか聞かせてもらいますよ。」


陸上着の姿で俺が来るのを待っていた山崎。

しかも堂々としてるのがまた腹立つ部分がある。


「そうだな。その話をする前にお前には約束を守ってもらう必要がある。」


「はい?約束ですか?」


「ああ。もう忘れているかもしれないが、俺の監視対象を外してほしい。」


「はい?既に一周間たったのでもう外れていますが?」


「あくまでもその期間だけだろ?今後もという話で俺は言ってる。」


「はいはい分かりましたよ。正直私も飽き飽きしていた所ですしね。正直あなたの疑いは晴れていますからもう問題はありませんよ。」


「つまりこの約束をしようがしまいが関係ないって事なのか?」


「さてそれはどうでしょうかね。風紀委員はいつでもあなたを監視していますからね。私じゃなくても他の監視役があなたを常に見張っているでしょう。」


元凶は主にアイツのせいなんだけどな。


「はぁ〜まぁいい…ひとまず約束という事で…更にもう一つ追加で…」


「まだあるのですか?流石によくばりではないですか?というよりも図々しいにも程があります。そもそも今の立場を分かっていってるのですか?」


「お前こそ言葉には気をつけた方がいいぞ。何せお前はコレから俺がマネージャーとして育てた奴と勝負するんだからな。」


「はい?どう言う意味ですか?」


「おーい2人とも来てくれ。」


一星が呼び掛ける2人。

そこへ駆け寄ってくるのは…


「先輩〜!」

「……」


「………な!?」


「すまないな無理言って。」


「いえいえ先輩の頼みですからね。断れるわけないじゃないですか。」


「夢葉じゃないけれど、あなたには恩があるからね。だから今回は仕方なしに妥協したってのがあるかな。」


「どうして、夢葉ちゃんと夏姫先輩が…もしかして私を裏切るのですか!」


「裏切るも何も別に結託してないけどね。」


「何を言ってるのですか!同じ部活仲間じゃないですか!それをそちらの方につくというのは裏切りという行為ですよ。」


「う、裏切る基準があまりにも乏しいね。私達はそんな事で裏切らないよ。というよりもコレは美々ちゃんの為でもあるんだよ。ムフン!」


ムフン!って…そんな威張り方する奴見た事ないな。


「わ、私の為?私はこの人にマネジメントされそうになってるんですよ。それを私はこの人の勝負に付き合って……まさか。」


「そうだよ!そのまさかだね!」


「お二人が私の勝負の相手という事ですか。……やっぱりいけすかない男ですね。」


だからって俺の方を睨まないでほしいな。


「こほん!お前には2人と勝負してもらって、自分がどれほどの差が出てるのか試してもらう。」


「私の実力を測るって事ですか?」


「ああ。琵心先輩は俺にお前を託すと言われた。ならそれ相応のやり方でお前をマネジメントしないといけない。正直俺が何かをしたってわけじゃないけどな。」


そう2人が勝手に成長して、勝手に走るのが早くなっただけだ。

そうするように俺はただスケジュール管理とコンディションを整える様にセッティングしただけにすぎない。

それを山崎がどう捉えてくれるかが要なんだが…


「ふ、ふふ。いいでしょう。同じ部員同士での戦いまさに私好みの展開じゃないですか!」


こうやって単純に乗ってくれるというのもわりかし扱いやすくていいんだけどな。

でも真正面での話をしたら相当めんどくさいなのは間違いない。


「美々ちゃん。私達の実力は単に1人じゃないって事を教えてあげるね。」


「どう言う事ですか?陸上での競技ではほぼ私達は単独での競技な筈です。50メートル。100メートルでの短距離走な筈ですよね?なのに1人だけじゃないというのは理解できません。」


「理解なんてしなくていいよ。今からそれを見せるんだから。黙ってそのまま勝負してくれればいいよ。」


「な!?」


いやいや東郷お前…何でそんな喧嘩越しなんだよ。

もっとオブラートに包んでとか違う声のかけたとかあるだろう。


私の好きな人を侮辱したんだ。

それ相応の報いを受けさせてやるわよこの子には…


ゴゴゴゴゴゴ!


「な、なんか迫力が凄いな。」


「あなたにはわからないでしょうね。自分をマネジメントしてくれた人を馬鹿にされた人の気持ちを…」


「え?いやそんなことは…」


美森姉が俺の隣にたち東郷がやたらと闘気を燃やしている理由を話す。


「そんな事はないって?なら一星は自分をマネジメントしてくれた人の事これまで考えた事あったのかしら?」


「……それは」


確かに俺自身が誰かに教わって水泳が上手くなったわけじゃない。

自分自身の天才と言う実力と努力とは無縁のやり方で自身の得られた才を生かした。

しかしそれはあくまでも薬の影響でもある。

そして俺は……


「……そうだな。確かに人からこうという考えはしてこなかった。その人の思いやりや気持ちも…正直あの2人が羨ましいってのもあるな。」


「自分がマネジメントした子だからって事?」


「いいや。単純にそう思ってくれるっていう気持ちがあるって事だよ。……俺はそれに気付いたとしてももう手遅れだからな。」


「あら奇遇ね。それは私も一緒よ。私もあなたと同じ立ち位置になったつもりであるけれど…誰かに何かしらの恩があるという気持ちはなかったわ。常にあなただけの事を思ってこれまで陸上をしてきた。……あっある意味ではあなたとの約束のおかげでもあったから別の意味では感謝しているかもね。」


「……それは似ているのか?全然一緒じゃないと思うんだが…というよりも矛盾しているなそれ…」


「女の子は複雑なのよ。さてと…それじゃああなたが申し出た勝負そろそろ始めてもいいかしら?」


「……そうだな。3人とも悪いがコッチに来てくれるか。一通り勝負についての話をする。」


3人はコチラにきて勝負に関する流れを俺は説明する。

と言っても単純に100メートル走を3人で走ってもらって結果が出ればそれでOKという話になる。


「というわけだから…単純にいつも通りに走ってくれればいい。本番と同じで3人の走ったタイムを測る。それが勝負だ。シンプルだけどベスト的な案だろ。」


「シンプルなのは確かにそうですね。あなたにしては普通ではあります。……ですがその勝負私が勝たせていただきますよ!」


「よし。なら早速やってもらおうか。」


ふっふふ。

甘く見るのも大概にしてくださいよ。

2人にの自己ベスト記録を私は既に超えてるんです。

なので最早2人よりかは私が今では期待されているポジションなんです。

そんな2人に私が負けるわけが…


ピピピーー!!


……結果


「ま、まま、負けた!!!!!」


儚くも惨敗。


う、嘘だ。私が負けた。

この私が!


「現実逃避してるところ悪いんだが、約束守ってもらえるか?」


「いいえ!こんなので納得できるわけ!」


「あそこに映し出されているタイムをみてもか?」


「うぐっ!」


そう3人と勝負をした結果。

山崎は3位のタイム記録を出して負けた。

あれだけ息巻いておきながら自分が2人のタイム更新を既に越している記録よりも下になっていた事を知り…とても納得のいかない顔をする。


「だ、だって、前は確かに…お二人の記録を追い越して…うっうっ…」


「まぁそう言う事もある。コンディションが整っていなけば自分が思った程の実力が出せない。だから2人よりも下の記録となった。」


「何がコンディションですか!そんなのただの気分じゃないですか!」


「その気分に負けたんだよお前は…3回もやって、気付かないのか?何で自分がずっと3位で2人は交互に変わって一位二位になるのか…」


「だ、だって、だって…」


最早子どもみたいな言い訳をするかの様に何も言い返せないでいる状態へと陥る山崎。

あと少しでとどめをさせるなとそう追い込む言葉をかけようとした瞬間。


「う、うわーーん!!!」


な、泣いてしまった。


「お、おい。マジで泣くのかよ。そこはいつも通りに見栄を張って変に対抗してくるんじゃないのかよ。」


「ぐすん。せ、正義の味方が、悪の手の策略によって、やられるなんて…ぜ、前代未聞ですよ!」


俺はお前にとって、悪の存在だったのか。

でもまぁそれでようやく事が進められるのなら御の字だな。


「泣き言なんて聞きたくないね。結果が出たわけだなら俺の約束と琵心先輩の言った通りにしてくれるんだよな?」


「くっ!事実は事実なので、認めざる終えません。本当は嫌ですがあなたの言う通りにしますよ。」


泣きじゃくりながらやたらと威勢のいい事を言ってくる。

しかしこうやって、素直に泣いてる姿を見るとただの女の子に見えるから何だか否めないんだよな。


「あらあらもしかして、一星。美々ちゃんの泣き姿にグッと来たとかもしかして思ってたりしてるんじゃないんでしょうね。」


「ニヤケながら俺の背後に立たないでくれますかね先輩。陰険すぎますよ。」


しかしそれを片耳にして聞いて2人は何やら目をうるうるさせながらコチラを見てくる。


「だからって、2人にまで何かどうこう変わるわけじゃないからな。」


東郷と春野原はコチラみてブスッとしながら睨みつける。

なんなんだいったい…


「でもまぁ結果は結果…美々ちゃん。私との約束守ってくれるわよね?」


「ぐぬぬぬ。負けてしまいましたし…蕾先輩の言う通りだという事は理解しました。そしてまんまとその男に言い負かされてしまいましたからね。そこは妥協せざるを得ません。なので私のマネジメント役を認めてあげます。心より感謝するように!」


負けた側なのにどうしてここまで自尊心が高いんだ。

さっきまで泣きじゃくるのが嘘みたいにケロっとしてるし…コイツの性格が羨ましく思えてきた。

でもコレで後は試合当日を迎えるまでにどうにかしてコイツを育てるというのが目標になるわけだが……


「はぁ〜さてさてここからどうしたものかな。」

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