神楽坂一星に対する頼み事
「俺にマネージャーをやれと?」
「そう是非お願いしたいの。」
「理由は聞かせてくれるか?」
兎川からのお願いがマネージャーを俺にやらせるだって事は何かしら理由があったりすると俺は思う。でもそうするとなると色々と歯止めがきかない噂が広がりそうなんだよな。だから内容次第では受けるか受けないか決めれば…
「実は私もしかするとストーカーされてる気がすると思うの…」
うう〜ん内容によっては断れない内容=重い内容になってきたぞ。そうなってしまえば大半の人は断れずそのまま受けて俺がお前を守るなんてくさいセリフを言うが…いかんせん俺は正直断りたいというのが本音だ。でも小橋の件もある。ここは豪にいれば郷に従えだな…
「ストーカーか……確かにその話を聞けば心配になるな。」
「じゃあ!」
じゃあOKを出せばそれまでだが…ここは敢えてそうするわけにはいかない…俺がさっき思った事での矛盾は生じてしまうが…やはりどうにもおかしい部分がある。
「ああ勿論構わない…けど…」
「けど?」
「そんな大事な事なら自分のマネージャーに頼めばいいんじゃないのか?安心且つ兎川を守ってくれるのがそのマネージャーなんじゃないのか?」
「………そうだよね。マネージャーに頼めばそれでいいんだもんね。ごめんなさい…」
あ?何だか妙に納得のいく早さだな。正直何かしら粘ってくるかと思ったりしたんだが杞憂だったか?でも何か引っかかる。
「………まさかお前をストーカーしてる奴って自分の部署とかに関係したりしているのか?」
「何でそう思ったの?」
「身近な奴に頼めるのにわざわざその相談をその相手にしない…でも僅かな短い間に信用を得られている俺ならストーカー枠が外れる。仮に俺が兎川のストーカーならその話を聞いた途端即座に誰もいない場所で襲うと思うしな。」
「え……神楽坂君私の事そんな風に思っていたの…ちょっとやっぱり頼む相手間違えたかも…」
若干引き始めた兎川が俺に対して冷たい視線を向けてくる。
「冗談だ。」
それを俺は平然を保ちながら誤魔化す。いや誤魔化すって言い方はあれかもしれないが…敢えて平常心を保つのが正解だな。
「……まぁその辺に関しては突っ込まないでおいてあげるわ。今はそう言う冗談よりもあなたの観察眼に驚いて少し驚愕しがちだから…でも正解とだけ言っておいてあげる。神楽坂君の言う通り身近に私のストーカーがいるわ。でも確定の保証はないの…その人物が男か女かまでは特定できていないから…」
「え?相手は男じゃないのか?」
「ストーカーが男なんて言う発想は少し改めた方がいいわよ。世の中には男にできるストーカー行為だけじゃなく女の子ならざるやり方でのストーカー行為だって多いもの…寧ろ女の子の方が得。」
「何で何気にドヤ顔したんだ。でもそうなれば実際の現場に行かないと話しにならないな。俺がお前のマネージャーという立場というのもやっぱり周りからしたら変だと誤解が生まれてしまいそうだし何よりも俺達が付き合ってる疑惑をばら撒かれる可能性だってなくはないそうなれば一番困るのはお前だろうしな。」
「私は特に困ったりはしないわよ。」
「そうだよな。普通に困るよな……っては?」
いや何を言っているんだ。普通そこは確かにというべきなのに困ったりしないっていったいどういう事なんだ?
「すまん…因みになんで困らないんだ。」
「だって今の神楽坂君に魅力なんて感じないんだもの。」
「おいそれは喧嘩を売ってるのか?」
「売ってるつもりはないんだけど…気に障ったかしら?」
「おおいにな…後本人を目の前にして相手の気持ちをえぐる言葉はやめてくれ…さすがに俺でもそんな風に言うならば正直今回の件白紙に戻してもらった方が…」
「あそれは嫌だ。そこは絶対に譲らないから。」
「訳のわからんやつだなお前は…もしかして情緒不安定を超すスーパー情緒不安定なのか?」
「意味の分からない事は言わないでくれるかしら?今真面目な話しをしてる所なんだからへんなチャチャを入れないでちょうだい…」
何で若干膨れた顔をしながらそっぽを向く。てかお前が1番の原因なんだがな…まぁいいとりあえず今俺にできる事は兎川を安心させる事が感じだ。そして身近な怪しい奴を上手くリストアップにして事が上手くいくよう持ち運ばないといけない…しかし仮に本当に部署の誰かがストーカーしているなら色々と仕込んでいる可能性もなくはないか…
「どうかしたのかしら神楽坂君。まさかお腹が痛いとか?」
「いや違う違う。兎川今日の放課後仕事とか入ってたりしているか?」
「ええ一応今日はアイドルソングのレコーディングだからそれに行く必要があるけれど…もしかして放課後いっしょについていくとか?」
「ああ百聞は一見にしかず…この目で見ないとどうかは分からない…でもその中にいるとも限らない…だからいくつかの仕事現場に行ってこれぞ怪しいと言うやつを俺がスマホで何とかピックアップしていく。それを踏まえて兎川には事情聴取して何人か当てはまるかどうか絞っていく。現状これが1番の最短ルートだ。」
後はレコーディングにどうやって俺という立場を兎川が伝えてくれるのが感じだ。
「分かったわ。とりあえず事務所の方に話を通して神楽坂君が入れる様に話を通しておくわ。私が話しを通す内容は追って話すからひとまずまた放課後という事でいいかしら?」
「いいも何もお前からメッセージで俺宛に放課後空いてるかどうか聞いたんじゃないのか?」
「?私神楽坂君にそんなメッセージを送った覚えないんだけど…というより私神楽坂の電話番号やIDも知らないわよ。」
「え?」
「え?」
マジか…やっぱりあれはただの夢か?にしては物凄いリアル感があった気がするんだが…
「どうかした?もしかして朝から疲れてる?」
「いや何でもないでもないか…昨日の夜ちょっと疲れ過ぎてな…そのせいで兎川からメッセージが届いた夢をみたんだ。とんでもない夢を見てしまって悪いな。ほらさっさっと教室へ戻ろう。こんな所にずっといたら他の奴に睨まれるのも嫌だしな。」
「ええ分かったわ。」
そのまま先に教室へと戻る一星。しかし教室へ戻ればやれなんだやれどう言う事だと結局の所睨まれる事ではないが問い詰められる事になりさっき早くに教室に戻ると言った事は徒労に終わる。
「………夢ね。案外ある意味、正夢かもしれないわよ神楽坂君。」
「……ねぇ菟ちゃん。さっき神楽坂君と何を話していたの?」
「え?まぁちょっとしたお願いを彼にお願いしてもらっていたの…こっちで厄介事が起こる可能性があるかもしれないから彼に相談事をと思ってね。」
「ふーん……」
「………な、何?」
火花はちょっとした疑いのある視線を菟に向けながら何やら神楽坂にお願いの相談事という単語に耳を疑う。
「いやそれなら私に相談してもいいかなって思っただけだよ。何でまだ短い付き合いである神楽坂君にお願いしたのかなって思っただけだから。」
「……そうね、今度もし何か別の相談事があったらお願いするわ。火花ちゃんにも違う形で何かしらお願いをするかもしれないから。」
「そうだといいね。でもそれって違う形で神楽坂君にお願いをしていないかな?」
「どう言う事?」
「意味なんて大差な事じゃないよ。単にお願いじゃなく強制的にって言えば菟ちゃんの言うお願い事は違う形で彼を巻き込める形にできたんじゃないかなってそう思っただけ特に他意はないよ。」
「………他意はない…ね…火花ちゃんもし火花ちゃんがそう言った事での他意がないのなら本当かもしれないけど…私個人的な見解では悪意しか感じてこないわ。だから口出しはあまりしてほしくないかも…」
「そうだよね…うんごめんなさい。あまりにも出過ぎた事をしすぎちゃったかもしれないね。ちょっと焦っていたかもしれない…お互いちゃんとした共通点があるんだからそこに関しての焦りでもしかすると菟ちゃんに不快な思いをさせたかもしれない。今のは忘れてくれると嬉しいな。」
そう言って火花は自分の席へと戻っていく。
「………ふぅまぁ何にしても火花ちゃんが何を意図してはなしているのかは分からないけれど…これは私にとってチャンスな事なの…それを誰にも邪魔される筋合いはないし何よりも私個人の問題でもあるんだから…」
それぞれ何やら思惑がある中皆が皆違う目的を達成するまで何かを隠し通す…その中で一星はどうやって菟に小寧々から頼まれた仕事を果たすのか彼は未だに奮闘していた。
…………昼休み(屋上)
「やぁやぁ来てくれて嬉しいよ〜君から私に連絡をしてくれるなんて思いもしなかったな。」
「嘘つけ、普通にID交換してリストまで回りくどい事をしながら何もせずに連絡なんて1つもこないなんて事はまずそうそうないだろ。」
「そう?でも君はそれでもメッセージをして話したい事があるから私を屋上まで呼んだんじゃないの?神楽坂君?」
そう今ここにいるのは俺と小橋だけ他のみんな野谷山と美森姉はここに呼んではいない。その理由は今日の朝の一件について小橋に聞きたい事があったからなのだ。
「ああお前に…ちょっとした内容でも構わない兎川菟について今ある情報を共有してくれないか?」
「ふむ…理由を聞いてもいいかな?」
「そんな大した話じゃない。兎川の今身に起きてる事で何か変化みたいなのがあるのかそうでないのかを聞きたいだけなんだ。」
「つまりそこまでの深い情報じゃなくて現在進行形で最近周りに何が異変があったかそうでないのかを聞きたいんだ?」
「話が分かってくれて助かるよ。それで何かあったりしないか?」
「………まぁあるにはあるね。でもそれってさ個人情報漏洩になるんじゃないの?」
「御もっともな意見だ。それとお前からそれを言う筋合いはないぞ。」
「それも御もっともな意見だね。あはははまぁそうかそうか…てか今ここで仮に兎川菟の事を話したらお互い共犯者になっちゃうわけだもんねそう重く考える必要はないか…でも何でそんな事を聞くんだい?」
俺は兎川に関するストーカーの話をする事にしたのとどうせ何かしら知っているのだと半ば信じるいや既にわかっているのだと認識して朝話した出来事を話す。しかし彼女からの答えはこっちが思っていた回答とは違ったのだ。
「………成る程。まぁ私から言える事はそうだね…兎川菟は半分嘘をついて半分本当の事を言っているかな。だからストーカーに関しては5分の1が当たりそして残りの5分の1は何かしら違う意図をもって君を巻き添えにさせているというのが私の結論というより結果論かな。」




