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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第三章 新たな復讐の惨劇新幼馴染達による反撃
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新たな道への一歩へと踏み出す気持ちは引き継がれて新たなる気持ちの感覚に発覚するもう1人の山茶花

しかしそんな山茶花を心配するかの様にして、子どもの頃の一星達が山茶花の前に現れる。


「………星君?」


そこには一星だけじゃなく他のみんなもいて楽しそうにしながら神社で鬼ごっこをしていた。

そしてその中には勿論自分の姿が映っており1人で隠れているのをまだ誰にも見つけられてはいず寂しくうずくまって泣いていた。


「そっか、それで星君が私を見つけてくれたんだ。やっぱり星君は何処にいても私を見つけてくれるね。私の事が好きなのかそれともただの妹みたいに思って接してくれてるのか……気持ちを聞かずじまいだったけれど…正直ホッとしてる自分がいるかな。だって、私が選ばれないという可能性もあったかもしれないしね。何よりもこんな泣き虫な私を選んでくれないっていうのはよく分かってたし…だから習い事を始めて星君に少しでも近づけようと努力した。……けど結果がコレだよ。私は私どんなに努力しても泣き虫な自分は変わらない。それが大人になった私でも…」


そう自分に卑下するかの様にして未だに泣き続ける自分を見る自分の姿。

本当に写鏡かのようにそっくりそのまま惨めな自分を見ていると腹がたってくる。

だから私は拳を握りしめて一歩前へ進む。


……そうだ。

星君は単に私の事を心配してきたわけじゃない。

私の背中を押すという意味で私の前に現れた。

だから今問題とする点でも私自身も解決しなくちゃならないんだ。


「ねぇいつまでそうやって泣いてるの?泣いててももう誰も私の所にはきてくれないよ。」


「そんな事ないもん!星君はきてくれるもん!引っ越しをしても必ず帰ってくるってそう言ってたもん!」


そうだ…私は心の中で彼が…星君が迎えにくるとずっと思い込んでいる。

だけどその気持ちをずっと持ち続けては駄目。

それは彼に執着する執念…そのしがらみで私の記憶を失った私に影響して失う前の私が反応してもう戻ってはいけない所へと戻ってしまった。

本当情け無いよね。こんなんだから直ぐにからかわれただけでくよくよと泣いちゃうんだ。


「そうだね。私もそう思いこんで心を閉ざしてしまった。きっと私が記憶を失ったというのも頑張る事ができずにしてしまった結果がコレだったんだよ。」


「じゃあやり直そうよ。今やり直したらきっと星君は私の事振り向いてくれるよ。また昔みたいな感じで私の事ずっと側にいてくれて何処にも行かないでくれるよ。」


「それはできないんだよ今の私。」


「何で?」


「だって、それはもう無理な事だから…今の私が昔の星君を知ってる。けどそれは美森ちゃん達だって一緒なんだよ。それで優劣が違うんって言うんなら私はもう出遅れてしまっちゃったんだよ。」


「そんなのわかんないでしょう!記憶を失った後の私が今の私の中に入ってくれば記憶だけでも受け継いで後は星君をちゃんと私が好きだった星君に…」


「それはできないんだよ!」


威圧するような言い方。

同じ自分の言葉なのに何故か熱がこもったような言い方をされてる感じがして、私が私じゃないようにも感じた。


「……そうなんだ。じゃあもういいよ。私が無理矢理交代させて私があっちに行くから。」


「行っても意味はないよ。もうあの子にまかしてあるから今までの気持ちの分…それをあの子が全てやってくれる。」


「ふざけないで!まだ終わってない!まだ大丈夫!まだ私は…」


スッ!


興奮していた私自身を抱き止め今ある大人の姿から徐々に今話している私の姿へと変わっていきながら落ち着かせるように自分自身を宥める。


「うんそうまだ終わってない。それは私にも感じた事…だからその思いは全部託したんだよ。今の私では記憶共有はできない。何故なら今の私ではキャパオーバーになって子どもの状態になってしまうから。」


「………うう、嫌だ。嫌だよ。そんなのって、ないよー……」


抱き止めた私は私自身がどの様な結末になるのかもう分かっていたのだ。

単に認めたくなかった。認めればそれが本当に実現してしまうからと怖くなるからなのだ。

実際の所私は感じ取ってしまった。

あの時記憶が一瞬だけ戻った瞬間…記憶を無くした頃からの記憶は脳内に絶対に蓄積されなかった。

記憶をなくした私との枝分かれのせいという認識もあたっかもしれないが…コレは完全に埋められなかった物を無理矢理ピースを嵌め込む事が受け付けられないというのと同じに似た症状…記憶を失う前の私では記憶を失った後の私との脳のレベルが追いつかない。所謂一部の精神病と言っても過言じゃなかった。


「コレでわかったよね?何が問題で何が問題じゃないのか…私はもう私が向こうにいなくても大丈夫。後は記憶を無くした後の私が全てやってくれるから…だから…」


その続きの言葉を言おうとした瞬間私は目の前の抱きしめた私を抱きしめつつゆっくりと目を開き周りを確認すると…小さな頃の星君。美森ちゃんに海未…林音ちゃんと川兎ちゃんがいた。

……ああ私はちゃんとここにいるんだ。昔に縛られてしまう点では致し方ないかもしれないけれど…それでも私にはちゃんと居場所があった。

泣きじゃくる目の前の抱きしめた私がゆっくりとスゥと消え始めそのまま自分の中へと入っていくのを感じる。

そうなんだ…泣いていた私もようやく納得したんだね。

そう…ここではどんな事でも昔のまんまま…もう何事にも縛られない自由があるんだ。

ここで私はみんなとまた一から仲良くできる。


「ぐす……もう泣かないよ。だから頑張って記憶を無くした後のもう1人の私!」


そうして私はまた皆んなと仲良く手を繋ぎながら神社でした遊びを一緒になって、消えていく夢の世界を永遠と続くかの様にして私はその世界の中で消えていきながらちゃんと未来の私にさようならをして未練を薙ぎ払い笑顔を作って真っ白な先への天井に向かってバイバイをした。


…………現実世界


「………10分か…日も暮れてきたしな。さすがに山茶花をおんぶして家に帰らせた方がいいか…」


「……うっううん。」


「山茶花!起きたのか?俺が誰だか分かるか?」


本当にあの場で消えたのが記憶を無くす前の山茶花から今の山茶花は記憶を失った後の山茶花になる。

それをちゃんと認識できているかどうか…


「あ、あれ私いったい…」


「山茶花。自分が誰か認識できるか?」


「へ?私?山茶花なの?」


「うっ……」


マズイ…もしかしたら2人の記憶自体も完全に消えたんじゃ…けどそれが本当だったら俺はさっきの選択でどう選べば良かったって言うんだ。


「……そうか、山茶花なんだね私…それにちゃんと記憶が残ってる。これもちゃんと前を向いて歩いたのが正解だったのかな。」


「え?山茶花お前…」


「ただいま一星君。……じゃなかったね星君。」


「記憶が元に戻ったのか?いやそれとも記憶を無くす前の山茶花に戻ったのか?」


「ううん…残念だけどもう昔の私はいなくなっちゃった。でも昔の記憶はちゃんとここにあるよ。」


そう言って自分の胸に手を当てながら何か懐かしさを思い出すかの様にして微笑む。

それはまるでどちらも自分にとっては大事な思い出かの様にして大切にしながらいっしょう離さないといわんばかりの仕草に俺はそれを何も言えずにいた。


「えへへ、やっぱり駄目だったよ。記憶を無くす前の私がここにいられる事は無理だった。私が自分自身を維持できるようにあの子は最初っから最後まで全て理解した上でここまでしてくれてたみたい……本当感謝しかないね。」


「……でもお前俺のあだ名を…」


「うん。それにもちゃんと共有できているよ。昔あなたの事が1番大好きだった私……それ自体に関して記憶が全部あるわけじゃないけれど…思いは気持ちはちゃんとこの中にあるみたい。」


そんな心理的な言葉を信じられるわけがないと本当ならそう答えるべきなんだが……俺はその言葉に嘘偽りがないと言えるような彼女の笑顔に翻弄されそれ以上の言葉は御法度だとそう思った。


「そうか、それならばもう何も言う事はなさそうだな。」


うんとそう言いながら山茶花は俺の手に自分の手を重ねて無言で頷く。


「私ね物凄く心配な事があったんだ。この気持ちに関してずっと続かず消えていってしまうんじゃないかって…でもそうしない様にコレから私がもう1人の私の代わりにやればいいんだって気付かされた。」


「どういう事だ?もう1人の自分って…もしかして小さい頃の山茶花と話したって事なのか?」


「えへへ…正直信じられない話しかと思うかもしれないけれどそうなんだ。昔の私…主に泣き虫だった頃の私かな…自分が消えるのは本当は嫌なはずなのにそれでも我慢をして背中を押してくれた。もう色々と分かっていたんだと思う。星君の気持ちを聞けなかった後悔はあったとしてもそれを私がちゃんとこなしていけば何も問題ない……あ、でもコレが恋愛感情かどうかなんて自分でも分からないから変に勘違いしちゃだめだよ。」


そんな事今更無理があるだろう。

本人自身がそうじゃないかもしれないでもそうである可能性があるみたいな話をしていたとしてももう1人のお前はそれを俺に自白しているのと変わらない発言をしたんだ。

つまり今のお前は……


「………」


「どうかしたの?」


「いや何でもない。とにかくお前がちゃんと帰ってきてくれてよかったよ。ちゃんとお別れはできたって事でいいんだよな?」


「それは星君もだよ。星君もちゃんともう1人の私にお別れは済んだの。」


「何言ってんだ。俺は別れの挨拶なんてものはしない…ただ単にお前という存在を無くしたか無かっただけだ。どっちがいなくなったとしてもお前という存在がここにある限り俺は絶対お別れなんてしない。寧ろ見放してなんてやるかよ。」


そう言うと山茶花は俯きながら少し赤くなった顔をしていたのかもしれない表情でありがとうという。

そう俺は山茶花を決っして見放しはしないそれは昔ここで約束した事だからだ。


………10年前


「星君!私と最後の約束をしてくれる?」


「約束?」


「うん。もし私が私じゃなくなったとしたら絶対に見放さないって約束してくれる?」


「そんなの当たり前だろ。というより俺はここに絶対に帰ってくるんだ。寧ろその約束をちゃんと山茶花が覚えてるかどうかにもよると思うんだけどな。」


「覚えてるもん!絶対に忘れない!………でももし私が私じゃなくなった時は…」


「もちろんその時は必ず見つけてやるさ…そしてまた仲良しの幼馴染に戻させてみせる。」


「!?絶対だよ!星君!」


ああ…俺と山茶花はちゃんと約束を違える事なく守れた。

だから今一時であるかもしれないこの思いだけはもう1人の山茶花と俺だけの秘密の約束事……コッチの山茶花はそれに関して記憶があるかは定かじゃないかもしれないが…それでもここで一緒にちゃんと10年間離れていた時での気持ちを共有できた。

どうか…この想いがあっちの山茶花にも届きますように。

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