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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第三章 新たな復讐の惨劇新幼馴染達による反撃
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宝探しゲーム 4

正直理解したくはないが理解せざるを得ない。

山茶花が言う事それは…

自分が自分でなくなってしまうという事だ。

昔の自分に戻る可能性がありつつも今の自分が自分でなくなるという可能性もある。

最悪違う山茶花という事も有り得なくはない。


「………山茶花それは起こりうる事なのか?それとも治る病気なのか。」


いや頭では分かってはいるんだが、どうしても可能性として信じたくなってしまう。

俺が1番嫌いとする奇跡という言葉を…


「そうだね。コレに関しては正直言って分からないかな。精神的な問題ってお医者さんから言われていてたからね。私自身も分からないんだ。でももし私じゃなくて、違う私だったらその時は一星君どうする?」


「正直分からないというのが答えだな。」


「そうだよね〜分からないよね。だとしてもだよ一星君には答えないといけない義務がある。」


山茶花の言い分では俺に選択権を与えてくれるという事か…けど掴んだ答えがこんな形だとは…些か骨が折れる。


「うん?ちょっと待てその事を知ってるのって山茶花だけなのか?他の奴等はどうなんだ?」


「ああそうかそれも肝心な事だよね。気になってしまうのは仕方ないか…うん勿論みんなも知ってるよ。私が突然大きな熱におわれて意識が混濁する中皆んな心配して熱が治った時にお見舞いにきてくれたんだ。その時1番の不安が私の中に芽吹いたの。誰も分からない知らないという何も分からないという世界を…」


そうかその時点では生まれたばかりの山茶花同様…周りの皆んなとの認識がとられなかったんだ。


「それじゃあ両親もなのか。」


「ああそれはちゃんと覚えているよ。お父さんとお母さん。その部分だけは覚えている。さっきは皆んなの事が分からないといったのにはちょっと語弊があったね。具体的にいうと私が知っている1年前の私…」


「1年前…つまり6歳の頃からの記憶があったと言う事か…なら俺の事も…」


「ごめんね。それが何故かは分からないんだけどそこの空白部分だけはどうしても思い出せなかったんだ。覚えているのはその空白ができた部分以外の事…つまり一星君がこの街から離れた後の出来事でしか覚えていないの。」


そんな都合の良い話があるかよ。

何でピンポイントに俺の事だけを忘れて他のみんなの事は覚えているんだ。

こんなのおかしすぎるだろう。


「解離性健忘症という言葉を一星君は知ってるかな?」


「解離性健忘症って記憶喪失で起こるストレスやトラブル害的被害等によって起こりうる現象の事か?」


「正解。さすがは一星君だね。となれば山茶花ちゃんがどうして記憶喪失になったのかは明白になったんじゃないかな。」


「自分にかかる負荷がデカすぎて山茶花が耐えきれなくなったせいだとでもいいたいのか林音。」


「僕はそう思ってるよ。本人が知らないだけで昔を知ってる山茶花ちゃんならそれを答えてくれる可能性はあるんじゃないのかな。」


林音のいう通り今の山茶花はその抱えていたストレスに関しては分からない。

となれば昔の俺達の知ってる山茶花ならばそれについて聞けるという事…でも。


「それをしたら今の山茶花はどうなるんだ。元に戻れないという事もあるって事なんだよな。」


「それに関しては一星君次第って山茶花ちゃんが言ってたじゃない。どうするかは君次第だと思うよ。」


「悪いが俺もそう思っている。一星お前には少なからずこの場での選択肢で今の山茶花をどうしたいのか答えてやった方がいい。俺はそれが1番の気にがかりだったから心配はしていたんだ。コレはもう治せるどうこうの問題じゃなくお前と山茶花のあいだの問題だと思っている。」


「お前らいう事は簡単かもしれないが、お前らはそれでいいのか?今の山茶花と昔の山茶花それに関してはお前らだって俺と同じ思いをしているんじゃないのか?それをそんな投げやりみたいに…」


いや何を言ってるんだ俺は…

コイツら俺よりももっと早くに知ってそれをどうするかを悩んでいたはず。

それを投げやりになんて言葉はあまりにも無責任だった。

それにコレを俺にさせたという事は半数半数で意見が食い違っていたって事になるのか。

だとしたら最後の選択肢は俺になるというのは必然だったって事か。


「はっやってくれたな。まさかのとんでもない爆弾を俺にパスしてくるなんて、とんでもない幼馴染達だ。」


「けどそれをなんとかしてここへ帰ってきたんでしょう。じゃないと単に幼馴染達に会いに戻ってきたっていうのは昔の一星君というバカ丸出しなままになっちゃうからね。」


「おいしれっと俺の悪口を言うんじゃない。しかもどういう意味だ。昔の俺はバカ丸出しって…それじゃあ蒼脊はどうなんだよ。」


「蒼脊君はほらアレじゃない。その何というか…」


「ああ〜はいはいそう言った無理矢理のフォローは要らねぇよ。てかそういう気のつかいかたはかえって迷惑だ。」


「うっ!別に思いつかなかったんじゃなくて単に思い出せなかっただけだよ。」


「同じじゃねぇか!何がどう変わっての言い訳なんだ!」


「ごもっともな意見だな。」


「おい一星それはどっちに対しての意味だ?昔の俺に対してかそれとも現在進行形なのか…」


「………」


「沈黙は両方と捉えるぞ。お前も下手くそか。」


「ぷっあははは。もう皆んな今大事な話しをしてるのに何馬鹿な話をしてるんだよ。あははもう無理笑いを堪えられないよあはは。」


山茶花にはツボだったのか相当受けたらしく今までにいじょうにない笑いを見せてきて少しホッとしてしまう自分がいる。


「ふふ、けどまぁ今だって話しじゃないからまた違う日でも私は問題ないよ。そういった予兆が近づいてきたって話しだからコレを伝えられてよかったって私は思っている。」


「……すまんな。俺はお前の体に関して何一つ理解していなかった。天才としての覚醒という副作用をどうにかして抑えられる事ができるんじゃないかと思っていたんだが…すまん。」


「謝らないで一星君。寧ろ私はしれて良かったと思ってるよ。一星君がどういう人なのかそれがしれただけでも私は私として良かったって思ってる。」


山茶花は本当にいいやつだ。

昔の山茶花と比べるというのはあまりよくはないが本来あるべき姿とでもいうべきなのだろうか…山茶花はきっと魅力的な女の子だと思う。

もしこんな子が知らない誰かと一緒になるっていうのなら俺はどんな気持ちでいるんだろうな。


「どうしたの一星君?何だか不安になるような事私言ったかな?なんだか、納得してない顔をしているよ。」


「いや、そのこう言うのはちょっと幼馴染贔屓かもしんないが、山茶花って思っていた以上にいい幼馴染の女の子だからもし俺達の知らない誰かと付き合うという想像したらなんか少し嫌な気持ちになってな。」


「………」

「………」

「………」


「な、なんだよ3人とも急に黙りこんで何か俺変なこと言ったか。」


「ぶふ!い、いやあまりに突拍子もない言い草に驚いただけだ。まさかお前にそんな言葉が出てくるとはな。」


「おい蒼脊俺だって幼馴染に対して何も感情がないわけじゃないんだぞ。俺はそんな冷徹じゃないって事は分かっていると思っていたんだがな。」


「い、いやそうじゃなくてだな…あははいやコレは受ける受ける。まさか王道的に山茶花が一歩先に行ってるとは驚いたよ。いや〜うんうんそうだよな山茶花は良い女だもんな。そんな奴が他の奴に取られたりでもしたらいやだもんな。」


「そこまでは言ってない。勝手に比喩しないでくれるか。」


「そうか〜にしては感情をモロにだしきってる2人の様子を見て同じ事を言えるのかな〜」


言い方に腹がたつ部分はあるが、俺はそれを無視して林音と山茶花の方へ見ると…

山茶花は何故か赤面しながら文字文字として林音は何故かワナワナと震えていた。


「そ、そんな風に思っててくれてたんだ。少し嬉しいかも。」


そう言って、またもやそっぽを向く山茶花。

何故まともにコッチをみないんだ。

なんだ恥ずかしがっているのか?


「ちょっと一星君いいかな?」


「お、おう。」


なんかやたらと前のめりになって俺へ近付いてくる林音。

なんか怒ってる?


「山茶花ちゃんが魅力的な女の子は間違いないよ。気持ちもうーんと分かる。けどそれを他の幼馴染の前に言っちゃだめだよ。」


「はぁ?何でだ?別に悪口でもないんだから皆んなの前で話す話さないかは勝手なんじゃ…」


「そういう所だよ!君のそういう所!」


だから何で怒りを露にして怒ってるんだ。


「ぐぬぬ。説明するのもバカバカしくて、正直バカにバカな事を話してもあまりいい気はしないから話さない。」


「おい別に勝手に怒るのは勝手だが、何も本人を目の前にして悪口を言ってもいいって事にはならないと思うぞ。」


「ふーんだ!それならもうちょっと他の幼馴染達にも山茶花ちゃんみたいに気の利いた言葉をかけてあげたらどうなの!ほらどうなの!」


だから何でそんな前のめりになって強制な感じで訴えてきているんだ。

俺がお前らに褒める言葉を何回もかけていたら気色悪いだろう。


「あ〜もう。何も今じゃなくていいだろう。俺は記憶喪失になった山茶花だとしても記憶喪失になってない山茶花でも見た目も中身もいいって話をしているだけだ。お前達のことに関してはまた別問題だろう。それにお前らの何かしらの天才に関しての覚醒した後の副作用がなんなのかも分からないと俺は安易に言葉をかけられないって…」


「うっ確かにそこに関しては一理あるね。何も分からないのに安易な言葉をかけられるのは正直言って癪に触るかも。それでもやっぱり乙女心はそこを許してはあげないんだよ。」


「お前はどうしたいんだいったい。何をどう言っても無駄じゃねぇか!」



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