恋愛相談
「な、何であなた達がここに…」
「それはこっちのセリフですよ。どうしてここに蕾先輩が?確かさっき屋上で受験がどうたらこうたらで早く帰らないとか言ってたような気がするんだが…」
「それは…この店で私たまに勉強してたりしているのよ。たまに混み合う時間帯があるから早めにここへ来て勉強しながらカフェオレを飲むのが私なりの勉強の仕方と楽しみ方なのよ。というよりも珍しい組み合わせがいるわね…2人はどうやって知り合いになったのかしら?」
「うん?それを蕾先輩に教える道理はないと思うんだけどな。」
「ええ確かにそうね。でも彼が絡んでるなら話は別よ私は彼の彼女なんだから…」
ヤバ!それに関してはついさっき…
「ふ〜んそう言ってるみたいだけど…神楽坂君からさっき聞いた話と全然ちがうね。もしかして蕾先輩がまだ未練がましく言ってるだけだったりとか?」
「は?どういう事なの?」
美森は鋭い眼光で一星を睨む
うっコレには深いわけが…いやそれよりもそれ以上言うな美森姉。それ以上は自分にもダメージも喰らうし美森姉自身にもダメージを受けてしまうぞ。
「いやその…なんていうか…」
どうする…この場合の打開策がぜんぜん思いつかないてかここで美森姉に会う事自体想定外なんだが!
「………まぁお互い言えない事情もあるみたいだし私はこれ以上言及はしないわ。でもコレは私にとって好都合なのよね〜ねぇ蕾先輩実はあなたにもお願い事があるんですけど頼める事はできますか?」
「え?まぁ私に最低限の事があれば手伝えるけど……あまりにも無理なお願いだったら無理よ。」
「ああ大丈夫だから安心して下さい。お願い事というのは単に蕾先輩も私の抱えてる問題を解決するお手伝いをして欲しいだけなんです。ほら知ってますよね私がちまたでどう呼ばれているか…」
「ええ、勿論よ。頭のネジがぶっ飛んでやたら変人でありながらどんな物でも引き受ける何でも屋小橋小寧々でしょ?」
「うわ〜あの有名な蕾先輩に知っていただけるなんて嬉しいな〜でもその言い方はまるで喧嘩を売られている様で正直な所嬉しさの微塵も思えませんね。」
「そりゃあそうよあなたに褒める場所なんてまずないもの…いい意味で今回は色々とやってくれたみたいだしね。」
「ふふ、何の事ですか?私さっぱり分からないんですけど…」
「よくもまぁ〜ぬけぬけと…」
2人が話している妙な争いの中で俺はこそっと小橋に耳打ちをする。
おいいいのか?あの話に関しては色んな意味で他言無用じゃなかったのか?
私からはそう言った覚えはないよ。けどこういう展開なら私はある意味蕾先輩にも協力を仰いでもらいたい何故なら彼女のコミュニケーション能力は今後とも私の抱えている案件を解決してくれるからね。
「?」
どういう事だ?何でそれが蕾先輩なのか意味が分からない…
ふふそれはまぁお互い顔見知りな関係とでも言えば納得してくれるかな?
いやできるわけないだろ。けどまぁお前がそれでいいなら俺は別に構わないが
自分のやる仕事が若干減るぐらいだし何も問題はないからここは美森姉にも参加してもらうのが1番かな。
「えーとじゃあ蕾先輩に話しつつ私達も何か頼もうか、ここでずっと立ちっぱというわけにもいかないしね。」
「そうだな。」
何か変な感じはするけど…美森姉とはどうやら変な輪廻によって上手く合わせてもらっているのか厄介な面倒事に巻き込まれる…そんな感じがすると今そう思った。そして大体の事を美森姉に話しつつコレからの事での相談をたった2つ返事で引き受けいれてくれた。
「とまぁ内容はざっくりそんな感じだけどほかに何質問とかあるかな?」
「じゃあさっそく私から質問してもいいかしら?」
「どうぞ、どうぞ…」
「少なくともあなたが考えている案件に関しては確かにこちらにも非があるわね。そこに関しては私自身がちゃんと断っておくから問題ないとして…大まかな問題内容に関してはほぼほぼ菟ちゃんになるのね。」
「そうですね。その件がほぼ彼女に関する内容を大体のリサーチはしています。しかしそれに関しては本人との接触をしなければこの問題作におひれはひれ決着がつかないとも思います。」
「そういう事…だから一星君が要になるのね…」
「その通りここでの一件は同じ教室でほとんどの会話がみいられる彼にお願いする必要があるのです。何故なら彼は転入したてのプレイボーイだからなんです!」
「ちょっと待って!なんだその俺があちらこちら女子を引っ掻きまわすような言い草は明らかに語弊があるぞ!」
「うん?でも既に陸上部女子2人から好かれていなかったっけ?」
「アレは単に俺への好奇心があっただけに過ぎない2人には俺になんて全く興味ないよ。」
本当に鈍感な人ね。あなたを好きな女性からのアピールは全て御都合主義で片付けるつもりなのかしら?それだと私のこの気持ちに対しても蔑ろにされる可能性があるから今の所は無駄って事かしらね。
「まぁそういう事にしておきますね。」
「え?何か勝手に妥協された。俺何か間違った事言ったのか?」
「さ〜?少なくとも小寧々ちゃんの目にはあなたの言ってる事が全て嘘だって見透かされてるようよ。」
え〜じゃあ何か質問してきても本当に何を言っても無駄じゃんか…小橋小寧々何て悪どい心を持っているんだ。
「まぁ一星君がプレイボーイなのかはともかく…」
「おい…」
「あなたの抱えている仕事量分の内の私に関わっている部分は私が解決するとして…菟ちゃんに関してはどうするのかしら?」
「はい…私からとしたらお2人に是非この件を処理していただく手伝いがほしいんです。ですが、私みたいな荒ぶれ者のそれにずば抜けて人との関わりが増っしている自分からしたら菟ちゃんには近寄りがたくて…」
………ん?どういう部分に繋がりせいが感じなかったんだ?よく分からん…
「つまり自分は他の案件で多忙だから1番めんどくさい仕事を私達にお願いするという流れでいいのかしら?」
「お〜さすがはよき理解者ですね。私とても心が通じ合ってるみたいで感無量です。」
「いや全然繋がってないから…それに私はあなたに色々と聞きたい事もあるからね。つまりこの仮は相当デカイというのを忘れないで頂戴。」
「おや?何の事か私にはさっぱりですね。それにそんな事聞かなくても既にお分かりなのでは?」
「だとしても私はあなたに話があるのよ。つまらない私情で動いていたのならそれ相応にあなたには違うトラブルを送り込むわよ。」
「あ〜怖い怖い。でもそれはそれで燃えるという者です。私はそれなりのトラブルは回避した女ですからね。どんな苦難でも乗り越えてみせましょう。」
なんだか2人で勝手に熱を上げているみたいだけど…2人の事情に割って入る様な覚悟は今の俺にはない。というよりも少し気になる事がある…
「すまん、俺からも質問いいか?」
「うん何かな?」
「小橋はその恋愛相談で因みに誰が1番恋愛相談での殺到が多いんだ?」
「そりゃあ勿論この学園の長人気有名人の5人だよ。因みにその内2人はシークレット扱いになってるからまだ言えはしないんだけどね。」
まぁ当然と言えば当然か…その5人が人気なのは俺でもわかる。いや正しくは3人か…2人はまだ会った事ないしな。
「てか何で2人はシークレット扱いなんだ?」
「だって神楽坂君まだこの学園で3人しか有名な名前を聞いた事がないんでしょ?それならいつか会ったときのお楽しみという事で伏せた方がいいかなって私なりの気遣いみたいな。」
「いや要らないしそんな気遣い…てか名前を言われた所で顔をも見た事のない2人と会ったとしてもお前の気遣いみたいなのは意味がなくなるんじゃないのか?」
「ふふ、さ〜てそれはどうかしらね。ねぇ蕾先輩?」
「そうね…いずれ分かる事だから別にいいんじゃないかしらね。」
「どういう事だ?」
「あ、因みに私も一応その人気ランクに入ってるよ聞きたい?ねぇ聞きたい聞きたい?」
何かやたらとしつこく自分の人気主張アピールをしてくる小橋…だが俺にとっては今まさにどうでもよく恐らくコイツは別次元での人気ランクに入ってる人物だと認識する。
「別に聞きたくないよ。それよりも俺もいい考えがある。野谷山にも協力をお願いしたらどうだ?アイツも恋愛相談の中でかなりの頻度で相談されているなら、アイツ自身にも解決してもらった方が早いんじゃないのか?」
「う〜ん私もそう思ったんだけど…本人の意思がどうにもね〜」
「何か問題があるのか?」
「あるにはあるないにはない。」
「いやどっちなのよ。」
「因みに神楽坂君から見て火花ちゃんはどういう子だと思う?」
「え?俺から見ての野谷山?……そうだな…何か性格の分かんない女の子?後何か俺にだけやたらと突っかかる様な……そう!二次元で言うとツンデレに近いタイプだなあれは!」
「あ〜」
「あ〜」
え、何この妙な温度差俺また変な事言った?
「ふふ、それはそれはまた面白い話をしていますね。因みに神楽坂君…野谷山火花という女性はあなたからして扱いはどれほど酷ですか?」
「そんなのやっぱり人当たりの良い皆んなに媚び売ってる様な純粋な野谷山がしっくりと来るかな。でも既にあんな野谷山の姿を見てしまってる自分は最早猫被ってる野谷山に対して何かを求めるのは色々と無理が……あれ?」
てか俺今誰に言葉をかけてるんだ?美森姉でもなく小橋でもないてか2人の様子が妙に深妙な顔して困った顔をしている?え?え?ちょっと待てその反応はまさか…
ゆっくり後ろを振り返るとそこには恐ろしくニッコリとした笑顔でこちらを見下ろす野谷山火花の姿があり俺は一刻も早くここから出て帰りたいと思ってしまう。




