復讐
「復讐っていったい…俺美森姉に何かしたのか?」
「既にしてるわよ。約束を破った事…あなたが水泳を辞めた事で私達はあなたに復讐するまで絶対に幼馴染として姿を現さないってそう決めたの…まぁ今回はあなたにまんまと嵌められた…うん?嵌められたのかしら?寧ろあなたに助けてくれた人物に裏切られたって言うのが正しいのかも?」
裏切り者?いやアイツは名前からして全然関係なさそうな奴だったが…でもどことなく美森姉の事を知ってるいや調べたのか?……よくは分からないがあの子は特に俺に対する復讐みたいな圧なのは感じなかったな。
「まぁ私の正体がバレてしまった所でこれまでの関わり性がなくなるって事はないわ。寧ろ親しくなった間柄と言えばいいのかしらね何しろ私達幼馴染ですもの…」
「え…それでいいのか?周りからは寧ろ美森姉に嫉妬してくる奴らが湧いてくるんじゃないかと思うんだが…」
「だとしても付き合ってる疑惑はこれまで通り続けるつもりだから嫉妬なんていう概念はないと思うわよ今のところは…」
いやそりゃあそうだけど…ていうかそういう事はでもない気がする。
「でもお互い幼馴染関係が露呈したとしても私はまだあなたに復讐という概念は残ってるわよ。」
「え!?何で!?」
「何でって……まぁ分からなければ別にいいわ。コレに関しては私自身の問題だからあなたには関係ない復讐……いややっぱり違うわね私に変な事を言った罪であなたに一理あるわね。」
「………どう言う事なんだ?」
美森姉が何を言ってるのかさっぱり分からないが何処か顔を赤くしながら俺に対する罪をなすり付ける。いやそれよりも俺が今思う事は別にある。それは…
「美森姉俺から質問をしていいか?」
「ん?どうぞ。」
「さっき美森姉は復讐する為に姿を現さないっていったよな?そのあとに私達って言わなかったか?」
「ええ言ったわよ。それがどうかしたのかしら?」
俺はまだ未確定かもしれない幼馴染の中からある事を美森姉に聞く。
「まさか下駄箱にあったあの手紙は美森姉だったりするのか?」
美森は一星の言葉を耳にしそのまま黙りするが息を吸いながらゆっくりと吐き出すと…
「ふふ、それは内緒♪」
まるで弄ばれるかの様にしあの手紙の件はまだ明かさないと言わんばかりに口元に指をちょんとつけながらはぐらかす。
「残念だけど私からはまだあなたにそれなりの情報は与える事はできないのまだ他にも幼馴染はいるでしょう。その子達はあなたに復讐しようと身隠れしているのだからここでその事を明かしてしまったら意味がないわ。」
「いやでも今は幼馴染としての関係が明らかになったなら少しぐらいは教えてくれてもいいんじゃないのか?」
「まぁそうね〜私自身あなたに言われた言葉で復讐心が残ってるから流石に手助けは無理かもしれないわね。」
「何でだよ!?てか俺に対する復讐心っていったいなんなの!」
「それも秘密…でも流石にそれだと一星が可哀想な気がするから相談ならのってあげる。もしかしたら自分に対して復讐してきそうな子が仮にその子の可能性に近かったらアドバイス程度には応えてあげられるかもしれないからね。」
「ほとんどはぐらかしてるじゃんか…てか俺に接触してるとかどうかも未だに分からないのに残りの幼馴染に対して心当たりがある節なんて全くないぞ。」
「本当にそうかしら?少なくとも残りの4人はあなたに会ってるわよ。」
「嘘だろ!?俺会ってたらその場でもしかしたらって感じで直ぐには無理かもしれんが悟るぐらいなら多分あった瞬間に思う事があったと思うぞ。」
「それはあなたがあまりにも鈍感すぎてその4人が昔の4人とは違う外見になっているから気付かないというのもあると思うわよ。その例で言えば私と初めて会った時そう言う風に思った事はあったんじゃないかしら?」
「いやなかったな。」
「そ、即答なのね。なんか一瞬ムカッてしたけれどまぁそこは別にいいわ。ともかく残りの4人はまたいずれあなたに接触する筈だからその時にまるまる復讐されておじゃんにならないように気をつけてね。」
そう言いながら美森姉は屋上から去ろうと出口の方まで俺を通り過ぎて歩いていく。
「ちょっと待ってくれまだ聞きたい事があるんだ。」
「まだ他にあるの?私これでも受験生の身だから早く帰りたいのだけれど…」
「俺が言うのもなんだが一応疑惑の彼氏に対してそれはなくないか?」
「疑惑の彼氏だからそう言えるんだけど?」
「………そうでした。そうでしたね。いやそうじゃなくて美森姉がいう復讐についてなんだが俺に対する復讐で男子部員や俺そして白河を使って利用していた。でも気になる点が1つそうする事で美森姉はいったい何がしたかったんだ?俺を復讐する対象なら俺を捻り潰す様なやり方でくると思っていたんだがいつのまにか部員を巻き込んでの状態へと陥ってしまった。コレはもしかして復讐に失敗したんじゃ?」
「………そうね。ある意味失敗と言っても過言じゃないかもしれない…でもねあなたが言った通りをそのままもう一度言うけれど私は既にあなたへ復讐する為の企てを始めていたわ。そうあのデートの時からね…」
「俺が思っていた以上に既に最初っから利用れていたって事なのか…だとしたら本当に部員達を巻き込んでまで俺を復讐したいとう欲求が俺には分からない水泳をやめたから復讐なんて考えは子どもの頃に同じ水泳部に入らないかと言う奴と同じ思考だ。実際にそれで俺を陥れようとしにあそこまで攻めた。これって確実に俺を巻き添えにして地獄に堕ちろ的な感じなんじゃないのか?」
「考え方が物凄い斜め上以上の発想で私はとても驚いているわ。」
若干引いてしまって困っていた美森は一星の突拍子すぎる想像に更に困惑しどう反応したらいいか困ってしまう。
「でも本当に本気を出したら一星は確かに地獄に落ちてしまう可能性もなくはないわね。あの状況下であなたに復讐をしたのは確実に失敗したわ。でもその復讐を糧にして私はまだあなたに復讐をするの、それも部員まるっと巻き込んでの復讐よりもね。」
「だとしてもアイツらに酷い仕打ちをしたのに対してはいったいどう思っているんだ?美森姉が企てた復讐でアイツらに怪我をしてまでの行動なら俺はいくら美森姉でも許さない…」
「ぷっあはははは。やっぱり一星は昔のままの一星ね。ええそうねその通りそんな事許されるわけがないわ。大丈夫あの子達には予め了承を得たつもりで足の怪我を認めてもらったわ。まぁそれを認めるというのもおかしな話なんだけどね。」
「いやマジか…でもそれにしては完全にバツが悪そうな顔をしていたが…」
「アレは上手く誤魔化すための演技よ。怪我の了承を得たのは試合の前日…本当は了承してくれるとは思っていなかったけれど…だいぶあなたに対して心を許していたみたいだからなのかしらあの子たち違う意味で足の怪我は是非と言わんばかりにお願いしてきたわよ。」
「は?どう言う事だ?何で喜んで受けたがるんだよ。それじゃあただのドMじゃないのかあいつら。」
「本当にあなたって……いえなんでもないわ。あの子達も不憫ね…私が言えた側じゃないけど…」
「?」
よくは分からんがとりあえずこの復讐に関しては丸ごと収まったって事でいいのか?にしても美森姉の手腕というかあまりにも事をなさすぎていて驚く他ない…ちゃんと周りの事を気にして俺の事を復讐してくるなんてとても人間なせる技じゃない。美森姉はある意味ペテン師の才能がある。
「けどまぁ一応良かったのかな。俺の復讐に巻き込まれてたやつに害がないのならとりあえず問題なく済んだって事なんだな。」
「あ〜とても言いづらいんだけど一星…この復讐被害者も出てるわよ。」
「え?だってこの復讐は美森姉がちゃんと考えて企てた計画じゃないのか?」
「それでも一応自分にとばっちりが返ってくるという事も言っているわ。主に男子側そうね分かりやすく言えば…夏姫ちゃんに告白した2人あの2人に関しては正直な所周りに郊外はされてないにしても夏姫ちゃんに対する評価はガクッと下がってしまったわね。」
「………それを東郷に伝えるというのは?」
「あまりお勧めはしないわね。夏姫ちゃんはそんなのただの戯言にしか思わないタイプだから本人達がそう言ってきたたとしても結局の所聞く耳は持たないと思うわ。」
そうか東郷が自分に非があるから仕方がないというあの言葉はきっと本心だったんだ。それも演技だろうと美森姉から聞かされたけどそこは違うという事か…
「ん?いや待てよ。東郷や春野原は怪我をしても大丈夫という了承を得たんだよな?ならその怪我をするタイミングつまりその2人や合河の事も予想できたんじゃ…」
「ああそれは残念だけど、私が2人に足の怪我をさせた事を話したのはあくまでも軽い捻挫つまりちょっと我慢すれば普通に一位に取れるぐらいの怪我をしてもらう事を伝えているの…けれどそれとは別で2人は大きな足の腫れ上がる様な痛みを負わせたという内容に関しては伝えていない等価交換みたいな形でそれぞれの勘違いの被害を受けてもらってるってわけだったのよね。」
「けどそれだと話の内容が噛み合わない。怪我をしたのが演技だというのはそれは嘘だったって事にならないか?」
「いいえその演技自体は本物よ。だって怪我をしても演技してもらうそれが条件なんだから。」
ああそうか。確かに条件的にはそういう約束をしていた。でもそんな非常事態が起こってしまって自分自身もこれが演技なのかどうか分からなくなったんだ2人は。という事は本当に美森姉の策士はここまでの事を読んで行動を今まで俺の復讐の為に前戯なんて関係なく相手のリスクをも仮定にしながら俺の不安を煽る為だけにそんな鬼畜な事を…
「美森姉あまりにもぶっ飛びすぎてるな。相手の事をリスクとして利用して俺に復讐…あまり感心する事ではないが…頭も良かったんだな。」
「もしかして馬鹿にしてない?私これでも勉強もそれなりには頑張ってるんだから無駄な努力は惜しまない主義なの…だからあなたにどんな復讐をしたらいいかも必死に考えた。でもまぁこれでひとまずお終いだけれど次は覚悟してなさいよ次は私個人だけであなたに復讐をするんだからちゃんと心を大事にとっておきなさいね。」
美森姉はそう言って屋上の扉を開けこの場から去り俺1人だけが屋上に残る。
「……なんて言うか壮絶な体験をしてしまったな。あまりの衝撃な展開に頭が追いついてこんぞ。」
けどこれで一歩前進といえばいいのかともかく1人の幼馴染を見つける事ができた。後残り4人…美森姉曰く既に会ってるという事を言っていたが俺には全くそれらしい人物と遭遇した事はない…アレは美森姉のただの戯言または復讐の過程に入っているのか…見解は分からないがまだ先は長いんだと俺は実感し家へと帰宅しようと下駄箱の方へ向かう。だが…




