テニスの天才 海道朝陽
そのまま千奈美と別れて俺と姫乃は自分の教室へと戻る。
その合間に俺達は先の千奈美の事について話をする。
「え、じゃあ千奈美は中学1年からテニスの才に目覚めたという事なのか。」
「そうそう私もそうなんだよ。中学1年から水泳としての才に目覚めたんだ。」
まぁもしかしたらとは思っていたが、姫乃が水泳の才へと覚醒してしまうというのは大体予想はついていた。
でもあまりにも伸び代を感じなかった俺は姫乃にはやっぱり別の道があるんじゃないかともそう思ったんだが……
まさか予想斜め上でのコチラを翻す形で覚醒してしまうなんてな。
「まぁお前の場合俺についてきたってだけな話しだからな。ついつい自覚がなくてなってそうなイメージはあったよ。」
「ムム!それはつまり私に関心がないっていいたいのかな?」
「そんな事言ってないだろう。俺がやってきた事がちゃんと姫乃への積み重ねが影響したんだって思うと尚嬉しいんだよ。」
「………それって、ただの罪滅ぼしとかそんな事思ったりしないよね?あの時の喧嘩の原因を自分が及ぼしてしまったとか思ってなんかないよね?」
「何でそうなるんだよ。大体どうしてそれが罪滅ぼしになるんだ。」
「水泳を辞めた負い目と言えば1番しっくりくるんじゃないの?」
「……何かいいたけだな。何が言いたいんだ?」
「ううん単純に神楽坂君はどうしたいんだろうなってそう思っただけだよ。勝手な復讐で勝手に付き合ってる神楽坂君はどんな風に思ってるのかなってそう思っただけに過ぎないから気にしないで…」
「含みのある言い方だな。お前が俺に対してどうおもってるかはわからないがそっちが仕掛けてきた事だろう?なのになんの疑問の余地があるんだ。」
「ほらそうやって何が何でも謎みたいにして疑問を抱かせる。もっと素直にナチュラルに相手の気持ちに沿うという事をどうして考えないんだろうね君は…」
「俺は俺のやり方で、みんなを見極めてるつもりなんだけどな…けどそんな風に思っていたという事は俺の何かしらの不手際でお前達に迷惑をかてしまったという事なんだろうな。まぁ昔にやらかしているからこうやって復讐されているわけなんだがな。」
「………はぁ〜」
姫乃は物凄い溜息をしてコチラの回答にどうやら不満があるらしい。
「なんだ?何か文句でも言いたいのか?」
「何でもないですよ。全く何で私達はこんな朴念仁に振り回せているんでしょうね。」
「いや知らないし分かりたくもないんだが…寧ろ振り回されているのは俺なんだが…」
「あ!そうやって女の子が悪者扱いにするんですね。いい神楽坂君女の子と言うものはですね。」
何やら女の子がどういった存在かというのアプローチしだす姫乃。
あまりにもめんどくさいと思いつつ早いとこ教室に入って自分の席へ座ろうと思うのだが、何やら教室でざわついてる様子があった。
「なんだ?何かあったのか?」
「ちょっと神楽坂君!私の話し聞いてる!」
「いやそれよりも何か盛り上がってみたいだぞ。」
盛り上がっているというのは何やら昨日と同じように姫乃が水泳での天才だったという事で盛り上がってる形と似た様な盛り上がりをしていた。
状況的にあの4人の誰かの偽名と天才が発覚して盛り上がっているというのか?
ならここは誰が有名だというのを確認できるってわけだな。
「よう何か盛り上がってるみたいだがいった何で盛り上がっているんだ?」
「ああそれがウチの学園にあの鹿島英吉がくるんだってよ。」
誰だそれ。
てか全然的外れだった。
「ああ、あの鹿島英吉さんですか。」
「知ってるのか姫乃?」
「え?逆に知らないんですか。この学園にいるのに神楽坂君はいったい何の勉強をしていたんですか。」
普通に蔑ろにされた。
後からきた姫乃に…
「いやまぁ神楽坂が知らないのは当然だと思うぞ。何せコイツ女子にしか興味ないからな。」
「………」
姫乃はコチラをジト目をしながら若干引く。
「おい妙な誤解を招く言い方をするな。俺に女性運なんてあるわけないだろう。」
「お前がそれを言うのか……」
「本当にどの口がいうんだか…」
何故か姫乃にもダメ出しを食らってしまう。
何故だ。何故俺が女性運がいいみたいな事になっているんだ。
「そんな事よりもその鹿島何とかって奴がこの学園にくるから何だって?」
「お前…ああいや何でもいいや。ひとまず鹿島英吉は日本でもっとも有名テニス選手なんだ。そんな人がわざわざこっちにくるって噂が流れてるんだからそりゃあ騒ぎ出すだろうよ。」
山茶花が個人メドレーで対決したあの選手達と同じみたいな感じしゃないのか?
それだけなのに何故こんな騒ぎになっているのか俺には理解できん。
「そんなに有名ならここのテニス部連中は大喜びなんだろうな。何かしら練習でのサポートか何かできてもらうだけじゃないのか?ただのサプライズだけとは到底思えないしな。」
「そりゃあそうだが…それでも稽古つけてくれるだけでも羨ましいもんだぞ。あの鹿島英吉だからな。」
そんなに有名なのか…ちょっとどんな人なのか気になってきたな。
「ああそう言えばテニスといえば最近1年でやばい子が入ってきたって噂になってたな。確か名前は海道朝陽だったか……」
普通にアイツも噂の中に入ってるじゃないか。
「まぁアレも普通に考えたら噂の対象にはなるよな。」
「は?何か言ったか?」
「いや何も。というよりその人今日のどの時間帯にくるんだろうな?」
「さぁな〜サプライズ的に何処かしらの授業とかにでてきたりしてな。あははは。」
……ホームルーム
「初めましてみなさん僕の事既にご存知の方もいれば初めてという方もいると思います。鹿島英吉といいます。どうかお見知りおきを…」
きゃあ!!!!
わーーー!!!
物凄い歓声だな。
いやまさかのフラグになっちまったよ。
とうの本人が1番口をパクパクしながら信じられないというような光景を目の当たりにしているかの様な顔になっているぞ。
自分がそうかもしれないって思っていたのに翻してしまったもんな。
無理もないか…
「こらお前ら静かにしろ。今日わざわざこのクラスを最初に選んでくれたんだ。お前達もっと俺に先生に感謝しとけよ。」
選んだのは鹿島さんなんだろ?
何で先生に感謝しなきゃいけないんだ。
「では先生今日の仕切りは僕にまかしても?」
「ああそうですね。皆んな今日の一限は学年合同で一緒の授業をやる。その後に鹿島さんは二限から個別クラスで授業をする事になるからお前らかみしめとけよ。」
その言葉に全員はうんうんと頷きながら先生の言葉に従い1番最初の授業が始まる。
………テニスコート
「よーしそれじゃあまずはウチのクラスと残りのクラスでくじ引きを決めてクラスの中のウチの1人が選ばれてのテニスをする。もちろん1人で無理だと思ったら2人でも可だ。最低で学年での5クラスが選ばれるお前ら緊張感持てよ。」
どう言う事?
何でそんな選抜自由争いみたいなのが始まるんだ。
何故か勝手に格学年クラスでのくじ引きが始まりランダムで鹿島さんとテニスする事が決定される。
「でもあの鹿島さんとテニスできるなんてラッキーだよね。」
「うんうんきっと優しくてほどきしてくれるよ。」
そんな期待に満ちた感じで鹿島英吉さんのテニス指導を待ち侘びている生徒がいるが…どう考えても自分が選ばれるなんて保証ないんだからそんな期待をしたところで…
「よし!格クラスの人選が決まったぞ。まず3年からだ。
3年F組、蕾琵心。3年B組 栗原茉子。」
3年では美森姉が出るんだ。たまたま当たったと言う分には不憫だな。
「続いて2年だが…2年C組2人神楽坂一星と田中義史お前達2人だ。」
「な、なに!?……てか田中義史って誰だ?」
「おおい!俺の事わすれてんじゃねぇぞ!同じクラスなのにナチュラルに忘れてるって酷くねぇか。」
そう言えば以前に俺の事を誘ってくれた事があったけか…アレからだいぶ日が経ってあまり話すことも少なくなっていたから普通に忘れていた。
「すまん!あまりにもモブ差があって、うっかりと忘れていた。」
「おまえな〜だからはっ倒されたいのかよ。」
「でもこう言った形で仲良くなれるら別にいいんじゃないのか。」
「お前の態度に対して文句言ってんだよ。仲良くなれるからどうこうって話しじゃないんだっての。」
「こらそこまだクラスでの発表が終わってないぞ。次は1年だ。」
てかクラスのウチの1人って言ってたのに何故ウチのクラスでは2人なんだ?
「1年D組葉月香澄、1年C組海道朝陽。」
1年のクラスではまさかの香澄ちゃんと千奈美なのか…なんか普通に知り合いメンバーすぎだからどうにもくじ引きで決められたにしては胡散臭すぎるって感じだな。
「因みに2年で2人選ばれたのはどちらも部活をやってないメンバーだったからである為その2人はダブルスでやってもらう。」
ああ〜そう言う事ね。
「では今あげた名前の格クラスは指定の場所で待機する様に準備ができたら各々声をかける。」
まぁあまり気を張らずにやればいいだけだろうし軽くやって終わろう。正直俺には関係のない授業だしな。
……そう俺には関係がない…関係はないが。
一星は軽く千奈美の方へと視線を向けて彼女がウキウキとしながら鹿島英吉を見ているのを伺う。
「アイツがテニスの天才というのは朝練で分かってはいた事だが……何処までが天才というのも確認しないといけないな。……あの黒スーツ男との関係がもしかしたらあるかもしれないし……仮に違った形での才なら何も問題ないんだが…」




