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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第一章 幼馴染達との再会(仮)と復讐
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蕾琵心


「へぇ〜夢葉ちゃんのお友達がわざわざお友達である姫羅伎(ひめらぎ)ちゃんによって怪我を負ってしまったと…というよりそんな事どうやって起こるのかしら。いくらなんでも出来過ぎた話しだと私は思うんだけど?」


「ええ、物凄く出来過ぎた話しですね。寧ろこっち側から聞いた時の方が物凄く驚きましたよ。何でそんな事をする理由があるのか…どうしてわざわざ部活の窮地に追い詰める必要があるのか…あれほど友達思いである合河が春野原に怪我を負わせる理由…まぁ妥当な考えに至りますよね蕾先輩が主犯格だって事は…」


「陰謀にも程があるわよ一星君。君が言っているのはただの虚言癖…さっきからそれらしい事を言っているけど実際の証拠それに姫羅伎(ひめらぎ)ちゃんが告発しない限りそれはただの戯言になる。いい加減探偵ごっこはやめにしないかしら?」


「そうですか…じゃあコレを公開しても別に構わないというわけですね。」


俺はスマホの動画を蕾先輩が合河に春野原を怪我をさせる手段を話している動画を映しているのを見せ蕾先輩は萎縮する。


「………そんな動画いつのまに…」


「コレが仮に偽造だったって事にしても内容までは偽造する事はできませんよ。あくまでも編集ならどうとだってできるんですから。」


「………はぁ〜まぁそこまでの犯行を動画や録音を出されてしまったら仕方がないわよね。……ええ確かに私がやったわ。事の顛末これまでのシナリオは全て私が考えたもの…でもだとしたらどうなるって言うのかしら?私はもう卒業する立場それを仮に公開するとしてもここの教師達は上手く隠蔽するわよ。あなたにそれを学校中に広めても無駄だと私は思うのだけどね。」


「そんな事しませんよ。だってコレ先輩の私情による嫌がらせか何かなんですよね?」


「………何でそう思ったのかしら。」


「やり方どうにも別枠誰かのせいというよりかは何か別の恨み?みたいな物を悟ったので、コレと言って周りへの被害は無いようにしているのが見える。いやでも被害があったのはあの2人出し…俺も実際には巻き添えを食らってるからもしかして俺と東郷達が先輩に何かしたんじゃ…」


「はぁ〜勘が冴えてるのかそうでないのかよく分からない子ね…でもそれだけの証拠材料よく1人でかき集めたのねこの数日で周りから聞いたのかしら?」


「それをすれば効率よく回れませんよ。まぁ1つ何でも言う事を聞くのと飯を奢る前提でちっとばかし頼み事を引き受けてくれたやつがいたんでそいつらにお願いしたんですけどね。」


もしかして蒼脊?でもそいつらって言ってるから別の誰かが関与している?でもあの子達は絶対にそういうのは引き受けないと思っていたのだけれど…まさか買収された?


「しかしまさかあの四月一日(わたぬき)美森(みもり)がこんな有名人物になってるなんて驚きもしなかったよ。」


「まぁね私はそれなりに昔から苦労を重ねてここまで来たんだからそりゃあ当然……え?」


今一星君は何て言ったの?え?ちょっと待って私の聞き間違いなんじゃ…


「あ、あはは…そうねここまで無事に有名になれたのも私の才があったからなのが1番の取り柄だもの別に何一つ私が心配するような苦労は無かったわよ。」


「え?でも確か昔俺よりももっと凄い大物の人間になるって言ってた気がするけどな。それに後悔(・・)したくないって言うあの言葉あれは昔の四月一日美森に対しての後悔なんじゃないのか?」


「うっちゃっかり聞いていたのね。何て地獄耳なのかしら………ふぅ何処から気付いていたの?」


琵心いや美森は腕を組みながら深く溜息を吐き呆れているのかはたまたやっとなのかとわかりにくい溜息の漏らし方をしていたのを今の一星に気付くはずもなかった。


「気付き始めたというよりもしかしてという確信を得たのはこれまでの言動や行動それにアイツが1番のヒントをくれたのが何よりも俺にとって答えに導けたかな。蒼脊が季節に因んだ名前で全員の名前をすり替えているって…」


「けれどそれだけじゃ私が四月一日美森なんて普通気付かないと思うけど?」


「ああ普通それだったら気付きはしないな…だから四月一日という名前を図書室でたまたま陸上の事について調べた時季節に因んだ名前みたいなのを本をたまたま見つけたんだ。まぁ半ば検討地違いなのが出てくるなって思ったら…四月一日という名前は別名で蕾という名前にも言い換えられる。そもそも四月一日何て苗字のやつがいるというのはそうそういるもんじゃない…だからこの学園に幼馴染の5人がいるのにいない…それだと聞いた話とは全然違うし矛盾している。だから珍しい名前で何かの名前つまり蒼脊が言う様な季節関係的な名前に変えているとしたらとそう思った。そして案の定少しカマをかけたらボロが出てしまったってわけだな。違うか美森姉?」


…………


「ふふ、あははは。本当まいっちゃうよね。まさかこんな形でバレてしまうなんて…いや〜本当ようやく気付いたのかって迫る所だけど…まぁ及第点として今回は特別に許してあげる。因みに下の名前なんだけど…美森そこから導きだした仮の名前は琵琶の琵で美しいという部分と森は心穏やかな森という意味合いで心に変えたんだけど…まぁそこは私の勝手な名前変更だから別にそこに関して咎める理由はないわ。」


「そうか…そんな意味合いが名前にあったなんて…さすがに琵心という偽造した名前までは想像できなかったな。てか何でそんな偽名をしてまで今まで騙してきたんだ?というより俺に会おうとしなかったんだ?」


「何言ってるのよ実際に会って来てるじゃないの名前は偽っていたかもしれないけど、私はちゃんと初めっからあなたに会っていたわよ。」


「でもそれはちゃんとした美森姉ではなくて蕾琵心つまり女子陸上競技として有名な選手として会っただけにすぎない…ちゃんと会っていたかどうかは正直分からんけど…美森姉何で名前を偽造何かしてたんだ。」


「そうね…何処から話せばいいのかしら正直な所名前に関しては私情が入っていて私個人が変えたかったていう理由があるわね。昔は確かに素の名前で出してたけどそれだとおおっぴらになって日常的にも支障が出るって分かったから自分自身そこは反省して家族にも迷惑をかけない様にそうしたの。」


「そうか……でも昔約束した事が無事に叶って嬉しいよ。今の俺が言うのもなんなんだがここまできた美森姉はやっぱり昔と変わらない美森姉なんだなってホッとしたかな。」


「………だけ。」


「え?」


美森姉が何処かワナワナと震えながら声が聞こえにくい喋り方で話しているのに対し俺はそれを聞き直すと…


「それだけなの!久々に帰ってきたら水泳を辞めている?ふざけないでよ!」


「美森姉…」


美森姉の感極まった声が屋上全体にまで響き下で部活をし終わってる生徒達にまで聞こえているかもしれない声量で発しながら俺に近づき怒鳴りだす。


「私はあなたがとても憎かった!久々にあなた会ってようやく帰って来たこれで心置きなく全部全部今まで会えなかった事の分まで話せるそう思ってあなたの家の前で打ち明けようとしたのになのに…」


そうか美森姉はあの時既に気付いてたんだ。俺が既に水泳を辞めてるって事に……けどそれでも笑顔を崩さず明るく振る舞ってその場を何とか押し切ろうとしてそのまま帰っていた。ああそうか原因は俺だったのか…


「ごめん…美森姉がこれまで頑張ってきた成果を俺のせいで有耶無耶にしてしまって…」


「悪いと思うなら今すぐ水泳選手に戻って!じゃないとこれまでの私のやってきた苦労が水の泡になるわ!」


「そんな事はない!」


「!?」


俺の胸ぐらに手で掴み出し怒鳴り散らす美森姉に俺は自分が培ってきたものを否定し出した美森姉につい口出しを出してしまう。


「今の自分に言うセリフじゃないかもしれないけどこれだけはハッキリ言える。美森姉は確かに俺と一緒に最高の選手にううんそれ以上の選手になる為に頑張ろうと言っていた。それでお互いちゃんとその目標に向かってここまで来て美森姉はそこで大事な物を得たはずだ。部活で培った仲間や後輩そして周りからの信頼度それだけは美森姉本人にしか得られない物じゃないのか?それで水の泡とか言われたら他の皆んなに申し訳がたたなくなる。美森姉確かに種目は違ってお互い競い合う幼馴染だったけど…俺は違う意味で昔から美森姉の事を応援してたよ。」


「え?」


「俺はあの気さくで無鉄砲な幼馴染の男勝りだった美森姉が大好きだった。」


「!?」


一星の発言に美森は、なっ!?という様な顔をしながら顔を真っ赤にし硬直しながらそのまま一星の言葉の続きを聞き続ける。


「今は勿論そのまま魅力的な美森姉も十分好きだけど今の俺じゃどう考えても美森姉には届かないし隣に立てる存在じゃないから何言ったとしても多分聞く耳を持たないと思う。でも他の人達に関しては害はないんだ美森姉がこれまで積み重ねてきものが無駄にならないって事だけは分かってほしい…後もし水泳を辞めた俺に幻滅しているなら幼馴染関係を迫害しても構わない…美森姉がそこまでして昔の俺に定着しているなら今の俺はもう…」


ああそうだ。昔の俺はもう戻らない…自分が起こした始末はもうどうやったとしても拭う事なんてできないんだ。自分が後遺症を持ってしまった事で既にどうにもできない…あ〜あせっかく幼馴染の1人目に再会できたのに結局ここに帰ってきた意味って…


「バカ…」


「え?」


「本当にバカねあなたって…」


美森がうっすらとこぼす涙に俺はいったい何が起こったのかと鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしているのだろうか唖然としながら美森姉のその涙を流す真相がさっぱりわからずどうすればいいのか…美森姉が掴んでいた胸ぐらをゆっくりと離していき彼女は何か決心した顔をしながら俺へと言葉を放つ。


「………すぅ〜はぁ〜一星。」


「あ、ああ…」


美森が深呼吸をしながら幼馴染だった頃の感覚で彼の名前を呼びそのままある事を伝える。


「私今回の件で本当はあなたに復讐(・・)を終えるまで会うつもりはなかったの。」


「………え?」

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