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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
夏休み編 今までの埋め合わせと夏休み計画
200/372

悪気のない看病料理は時にして誰かを庇って得をしないこともある。

………翌日


「……う、う〜ん。今何時だ。」


てか俺いつ寝たんだっけ?

昨日までの事が何か走馬灯の様に思えてハッキリ覚えだせないんだが…


「しかも何かジャージがベタベタして気持ち悪い。でも何か体が軽いのは何故なんだ。」


体が昨日より軽いのは恐らく熱が下がったからだとは思うが…まだどこかしら体が鈍っていてぎこちない部分があったりはする。

それで熱を測ってみると…


「37.2°昨日よりかなり熱が下がっている。……そう言えば昨日妙なうどんを2つ食わされたっけ……何でかぼやけてハッキリ思い出せないのがもどかしい…何か妙なもなを入れて俺の熱を下げさせるためだとかなんとか言っていたのは何となく覚えている。というかアイツらそのまま帰ってるんだよな。」


そう思ってロフトからリビングに降りて確認をすると…


「いや何でここで寝てるんだよ。」


3人とも何故か家に帰らず俺の家でお泊まりをしていた。

家主を無視して気持ち良さそうに寝ているこの3人はこんなにも神経が図太かったのかと今さらながら考え始める。


「しかもちゃっかり布団まで敷きやがって……ああそうか海未の家から持ってきたのか……いやいや図々しいにも程がある。かと言って看病してもらった手前何も言い返せはしないし困ったな。……うう」


そう言えば海未は泊まっていかなかったんだな。

まぁ家が近いしそのままとんぼかえりしてもおかしくはないか…

ぶるる…

う〜ヤバちょっとベタついてるジャージでかなり気持ち悪い。

ひとまず先にシャワーを浴びてくるか。


「………はぁ後で起きた時礼を言うか。」


お風呂に行ってる間目を覚さないかと心配する一星は何とかいけるだろうと思って、そのままシャワーをしに浴室へ行く。

しかしこの後まさかのとばっちりを受ける事になるとは本人すらも予想だにできなかった。


………


「う、う〜ん。トイレ……」


香澄は寝起きにトイレと言って洗面台の方へと向かう。


「あれ〜なんかいつもと違うような。トイレにしてはやたらと近い所にあるというか…」


寝ぼけながら何となくでトイレの場所へと移動する香澄。

そして洗面台へ辿りつき扉を開けると…


「あ……」


「………」


タオル一枚下半身に巻きながら洗面台の鏡と向き合っていた一星と鉢合わせをしてしまう。


「………いやコレは何といいますか。」


「………」


ま、まずいな。明らかにコチラに非がないのは確かなんだが…向こうも向こうで何で起こさなかったのと怒ってしまっても仕方がないという様な状況が起こってしまっておかしくない事が起こりそうになっている。

こんな事を予測できる俺は多分いろんな意味での熟練者だからと納得してまう部分はあるが……

いやいやそんな事を考えて浸っている場合じゃない。

何とかしないと…


「あれれ?何でここに変態先輩が?」


「………」


寝ぼけているのか……だとしたらコレは好都合だ。


「え〜とだな。いいか香澄ちゃん。君は今何も訳もわからずにこのままトイレへ入るんだ。そうすればここで起きた事は何もかも忘れるいいな?」


「………」


くっ駄目か…いくら何でも言い訳がましいというか、流石にコレは見苦しすぎる。


「うん分かった〜夢だもんね〜こういう夢があってもいいよね〜」


「そう夢だ!夢!だから香澄ちゃんは何も気にせずトイレへ入ろうか。」


「はい〜」


物凄い寝ぼけ口調でトイレへ真っ直ぐ向かう香澄。

しかしトイレへ入る前に香澄はとんでもない爆弾を残していく。


「へへ〜こういう夢なら昨日変態先輩にあれこれ入れた精力剤でもしかしたら夢の中で押し倒されちゃうかも〜……きゃ!」


そんな言葉をいい嬉し恥ずかしながらトイレの扉を閉める。


「………精力剤だと。」


今精力剤だと言ったのか……やけに股間が破裂寸前までヤバいのはそういう事だったのか…


「いや今はまだトイレした事でマシにはなっているが……いかんせんあいつらがあの場で寝ている以上このままでは良くない気がする。」


「ひとまずアイツらを起こす前に色々とやるべき事から解決しないと…」


洗面台の扉を開けそのままリビングへ向かおうとした瞬間目の前に現れその行き先を邪魔するかの様にして佇む人物がニコニコとしながら2人はバッタリと対面する。


「………み、美森姉。」


「ふふふ、今の会話はいったい何の話だったのかしら?後股間がどうとかも聞こえたのだけれど…」


「いやそれはその……てか美森姉何処から聞こえて…」


「香澄ちゃんが押し倒されちゃうかも〜という辺りからかしらね。」


最悪な部分から聞こえちゃってるじゃねぇか。

てか俺に何の咎めもないのに何か後ろめたさがある感じで担お得ないんだが…


「ひとまず話しを聞いてくれないか。」


「そうねひとまず話を聞きましょうか。というよりも恐らく私の方が勘違いしている可能性があるみたいですし…」


あ、あれ?もしかして意外とコチラの意図を分かってくれているご様子…それならば話が早くてたすか…


「きゃああ!!え!?え!?何で!何で裸の先輩が洗面所に!いや今私先輩の裸を……変態先輩コレはどう言う事ですか!まさか私を襲う気なんじゃ!」


「…………」


「あなたがとんだ変態野郎って事がね。」


「oh NO〜」


トイレの方から激しい悲鳴と誤解をまねくような香澄の発言。

コレにより一星は美森に違った形での勘違いの認識をされてしまった。


………リビング


「ご、ごめんなさい!私とんだ勘違いをしてしまって!」


「ああいやその……」


時間を置いてから香澄はようやく何で自分が一星の家にいるのかを認識し一星にとんだトバッチリを受けさせたのを物凄く謝る。


「寧ろ誤解が解けてよかったというか……てか何でお前らは家に泊まっていったんだ。」


「そりゃああなたが心配だったからに決まってるでしょう。まぁそのおかげで見てはならないものもみてしまったけれどね。」


「いやそこは謝る所だろ。何で美森姉はあたかも自分の誤解は間違っていない程で話してんだ。」


美森姉はコチラの話をそのままスルーするかの様に視線を逸らす。


「あはは、まぁビックリしちゃうよね。寝ぼけたまま急に男の子の裸を見ちゃったんだもの…誰だって驚くよ。」


「いえその…それはそうなのですが……」


「あれ?それだけじゃなかったの?他に何か恥ずかしがるのがあったの?」


山茶花あなたワザと言ってないかしら。

事の顛末を聞いてるならもう話の流れで大体理解できるでしょうに…


「え、え〜と…まぁ私が悪かったので…とやかく言及できる立場ではないんですが…」


「いや言わなくていい。寧ろそれを言ったら俺自身が耐えられない恥ずかしさでこの場にいられなくなる。……自分の家だけどな。」


「あの〜皆さんいったい何を話しているのですか?私その時にはお外でランニングをしてたのでいなかったから何の事かさっぱり…」


「あなた昨日の夜中に起きてまでよく早朝ランニングなんてやれたわね。」


「日課ですからね。それに夜更かしと言っても私ちゃんと夜の12時にはねてましたので!」


「いえあなたは22時にはもう寝てたわよ。物凄くぐっすりとね。」


「あれ〜」


どうやら海未は家に帰らずここで泊まっていたらしい…

そう言えば何か一枚畳まれていたタオルケットがあったな。

あれは海未が片付けたやつだったのか。


美森は訳もわからずでいた海未に先程起こった出来事を伝える。


「ああ〜まぁそれは…香澄が悪いですね。」


「お姉ちゃん!」


「寝ぼけていたという理由でイックンを悪者扱いはさすがの私でも弁明なんてできませんよ。寧ろ不出来な妹すぎて何と言えばいいか…」


「お姉ちゃんだけには言われたくない!」


「しかも料理に関しても不出来でして…」


「お姉ちゃん私の事をなんだと思ってるわけ!」


妙な姉妹喧嘩が始まりまるでコントの様にしか見えない様ではあるが…それよりも俺は聞かなければならない事がある。


「すまん話の横入りをして悪いが…お前達に一つ聞きたい事がある。」


「あら?何かしら?もしかして私達にお礼を言いたいのかしら?別に気にしなくていいわよ。そうね…まぁどうしてもと言うならこの前できた高級アイス店で奢ってくれるならそれで問題ないわよ。」


「み、美森様。」


「さすがは美森ちゃんだね。唯我独尊というか…自己中心的というか…そのままありのままを表しているね。」


「当たり前よ。何せ色々と苦労したんだからそれなりの見返りを…」


「精力剤…」


ビク!

ビク!


その言葉に反応する2人…

美森姉と海未は何やら冷や汗をかきながらそわそわしだす。


「この言葉に何か言い分はないか?」


「いやそれは何というか…」


「そ、その通りです!間違っても病人に対して精力剤(・・・)なんて入れたりしませんよ。」


「おばか!」


ガシ!


海未が余計な事を言って勢いよく口元を抑える美森姉。

ふっ浅はかだな。


そしてそれを追い討ちするかの様にして…


「あ!それ私達が入れたやつだね。一星君が元気になるようにって入れたんだ。でも2人とも何だか焦った風な感じでソワソワしていたから大丈夫かなって?心配もしたんだけど…そのまま2人は仕方がないと言って出そうって事になったんだよ。」


「山茶花!」

「山茶花ちゃん!」


ふっこれもまた浅はかなり…

やっぱり嘘が下手な2人がいるとコレはコレで楽に尋問ができるというもの…


「さて、まぁこちら側の疑惑があれこれあったのに対して非がないというのはもう分かっているであろう怖気づいてる2人を見れば明白。何でそんなものを勝手に提供しようと考えたのか……今の俺は十分に元気が頗るいいんで…ゆっくりと攻めて聞き出そうとしますかね。」


「ひぃーー!!ご、ごめんなさい!!」


2人のごめんなさい。

それは別に2人に何か悪い事をしたわけじゃないのに一星にこっぴどく怒られ、山茶花と香澄が作る料理に関しては色々と伏せて庇う事になり…

2人は何が悪いのか自覚がないまま自分の作る料理に関してはコレからも誰にも明かされず地獄の料理として健在していく事となってしまった。

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