校長からの指名された謎について
うわ〜中に入りたくねぇな。しかもあの風紀委員の人朝礼でやたらと周りの女子と男子に人気のある人じゃないか。関わらないのがベストだし…このまま担任が来るまで待つか。いや待ってても無駄か…担任の許可を得たとかなんとか言ってるしな。
「ふぅどうしたものか…」
「何がどうかしたの神楽坂君。」
「うわ!って宇佐木田さんに東小橋川さんか…いきなり声をかけないでくれビビるじゃないか。」
「何でビビってるの?」
「何でビビる要素が?」
俺は2人にコソッと耳打ちをして何でビビっていたのか理由を話す。
「風紀委員が教室にって…でももうすぐホームルームだよ。早いとこ行った方がいいんじゃないのかしら?」
「いやだけどタイミング的にもおかしくないか?何で全校朝礼が終わってからわざわざ俺を呼び出しに教室にくるんだ。それに呼び出される理由すらも不明だ。」
「ぷふ!駄目だな〜神楽坂君は…既に君は色々とお眼鏡になっめる人だよ。そんなの今更風紀委員からも注目されるに決まってるよ。」
「お互い様だと思うがな。」
「いやいや僕が世間に注目されるわけないじゃないか。いつ僕が周りに注目される人間になったって言うんだい。」
自覚なしかよ。
自覚がないのかしら?
「てか今更?」
「そう今更。何故ならあのファックなお父さんが帰ってきたからね。」
「……林音ちゃん。」
あの東小橋川さんが実の父親に悪態つくなんて……側でその悪態つく言葉を聞いた宇佐木田さんまでもが反応に困っている。
「僕のお父さんが仮に神楽坂君を連れてくる様にという話になってるなら神楽坂君は速攻で行った方がいいよ。変に風紀委員の人に目をつけられたくなかったらね。」
「そうは言うがお前だって自覚はないかもしれんが一際目立ってるだろう。東小橋川さんもそのまま連行されてもおかしくないんじゃないのか?」
「え?僕が目立ってる?やだなぁ〜そんな事ないよね川兎ちゃん。」
「
「何いってんのさ僕はあの校長の娘なんだよ。そんな権限のある娘をわざわざ風紀委員を使って呼び出される事なんて…」
「え、え〜と2人ともいいかな。」
「あ、山茶花。!?」
「ん?どうしたんだい山茶花が後にいるだけで何をそんな驚いて……」
俺と東小橋川さんが硬直しているのと言葉が詰まってしまう原因がその山茶花の傍にさっき教室にいた風紀委員の人がいた為動揺してしまう。
「やぁ君が神楽坂一星君かな。どうも…」
「え〜とその……はぁ〜俺に何かようですか?」
「おや潔いいじゃないか。全然教室に帰ってこないからてっきりそのまま逃げるかと思ったよ。火花に言われた通りどうやらちゃんと聞き分けのいい人物で助かる。」
風紀委員って何かと上から目線っぽい感じではなしてくるよな。いやまぁ別に不快はないが…テンプレなんだなって改めて認識させられる。アニメや漫画とは違うというのがセオリー通りかと思っていたのに…まさかの裏切裏切らないという部分で安堵してしまった。
「えっとね神楽坂君。初めてあうよね。この方は学年3年3組の飛翔寺黄金先輩。全生徒の的にもなってとても人望がある人なんだよ。」
「へ〜そんな人望ある人が何しにここへ?」
「ちょっと神楽坂君!いくら初対面でもその言い草は!」
「ああ大丈夫だ気にしないでくれ兎川菟。」
「え!ど、どうして私の名前を!」
「そりゃあ当然だろう。学内で超天才の中の人物をこの私が把握していないわけがない。勿論その隣にいる小橋小寧々もな。」
「うっ…まぁ当然と言えば当然ですよね。というより私の名前をご存知なのは校長と理事長繋がりですよね。単に天才枠で覚えていたわけではないとおみうけしますが?」
「ははコレは手痛いな。まぁ半分は当たりで半分は外れてかな。私は個人的にも君に興味があってそれで名前を覚えていたんだ。」
「個人的に?それってどういう…」
「小橋小寧々コレを君に…」
飛翔寺先輩が東小橋川さんに渡すファイルの中から何かの紙を取り出す。そしてそれを確認する東小橋川さんの表情が…
「げっ!学内トラブルメーカー常習犯。校長が戻られる際直ちに校長室へ連行すべし。 by小寧々の父親より。」
「あのファック父上が!」
あ〜直々に通達されたわけか。そりゃあ逃げられんし…拒められないな。
「というか兎川さんいつまで倒れてるんだ。いい加減起きてくれ。」
飛翔寺先輩に名前を覚えられていた事に嬉しかったのかそのまま廊下に倒れこむ宇佐木田さんを俺は何とか抱え起こす。
「しかしこんなで私を連れていこうなんて簡単には思わない事です。捕まえる気ならもっと手の工夫をしない限り私は捕まりませんよ。」
「ならとっとと逃げればいいさ。君を捕まえるなんさ程重要ではないからね。今回は神楽坂一星を連れていくのを校長と理事長から仰せ使っている。君はいわばついででしか思ってない。」
「な、なんだと!私をついで扱いとはいい度胸ですね。わかりましたそんな事言うなら一生捕まえられないようにしてやりますからね!後悔してもしりませんからね!」
そう言って東小橋川さんは何故か意味の分からない捨て台詞を吐きこの場から立ち去る。
「………」
「行っちゃった。まぁ小寧々ちゃんの事に関してはひとまず後でどうにかできるとして…神楽坂君一緒に来てもらえるかな。私達は案内だけを言われてるだけだからコレと言って干渉する事はないよ。」
「案内?案内っていったい何処へ案内されるんだ?」
「決まってるだろ校長室だ。」
そのまま俺を連行するかのようにして連れていく飛翔寺先輩。周りの視線はなんだなんだという様なコソコソ話しをしており更にコチラは注目度をます。
………校長室
「神楽坂一星を連れてきました。」
校長室に連れてこられた俺はそのまま中に入るとそこに誰かが1人いて何やら俺待ち感が凄いほど伝わってくる様にその場所で佇んで立っている。
「し、失礼します。」
くるりん…
「ようこそ!待っていましたよ!神楽坂一星!」
校長椅子なのか、椅子を回転させながら上機嫌よくコチラを見て歓迎しましたよアピールをする校長。
「な、何故そんなウェルカムなんだいったい…」
「ふ〜むその顔はかなり不思議がってる顔ですね。まぁここからはちょっとした小話がありますのでそこで詳しくお話し致しましょう。……御三方すみませんが、ここからは彼とちょっとしたお話しがありますのでご退場お願いできますか。」
「はい!」
「わ、わかりました。」
「……失礼します。」
山茶花、飛翔寺風紀委員、そして謎に立っていた先輩は校長室から出ていき俺とこの不可思議な校長と2人っきりになる。
「………え〜とそれでわざわざホームルームをほったらかして俺をここに呼んだ理由はいったいなんなんですか?」
「ふむ至極真っ当な意見ですね。クラスでの1番大事な貴重時間を潰してしまうというのは校長としてはいけない判断だったと思います。しかしあなたには直接私からお礼を言わなければと速やかにここへ呼んだのですよ。あの我儘小娘である林音ちゃんと昔仲良くしてくれた事と今回の一件いや二件でしょうか…あなたには色々と迷惑をかけてしまいましたね。」
「え?いやそんな事は…」
そんな事はないと否定しようと思ったが…色々と周りに多大な迷惑をかけていたことを思いだし…そのまま言葉が詰まってしまう。
「ふふん〜その反応ですと相当ご迷惑をかけたみたいですね。後で説教!するとして……ひとまずはあなたの事について話しましょうか。」
「俺の事ですか?」
「YES。神楽坂一星YOUはこの学園に来て色々と只ならぬ噂が広まっているのはご存知ですね。」
「あ、はい。因みに望んで広めさせようとしたわけではありません。」
「それは勿論わかっておりますよ。私が問題すべき点はそこじゃありません。……YOUここへ本当は何しにきたのですか?」
「………」
「おっと!まさかの黙秘権ですか?まぁそれもそれでいいでしょう。なら質問を変えましょうか。ここでの目的は果たせましたか?幼馴染達による復讐…彼女達はYOUに一矢報いる気で敢えてあのような小賢しいやり方をしました。しかしYOUはそれを見事覆る事に成功した。」
「そうですね。というかそんな事をご存知だったのは驚きですよ。校長もただ単にこの学園を離れていたわけじゃないんですね。」
「ふふん〜コレでも校長ですからね。さてその話はさておき…YOUはその事を既に知っていたのではないですか?影で誰かがそれをあなたに内通しているものがいた筈です。YOUはそれをまにうけ今まで彼女達に偽りの自分を演じていた。」
「演じていたか……まぁ気付いていなかったと言えば嘘になりますね。俺は彼女達が俺に復讐をしているというのは何となく察していました。嘘をついた事実は間違っていないんですから。それを甘んじて受けようと俺は今ままで彼女達を騙していた事に関して否定はしません。」
「ほぅ〜まさかその事に関して真実を述べるとは…では内通者について何か知ってる事はありますか?」
「いやそれは分かりせん。内通者が誰かとまではハッキリわかりませんが俺にそれを伝えるやつがいたという事だけは教えます。その内通者がどうやって俺に幼馴染達の事について連絡したまでかは伏せてもらいますけど…」
「ふ〜む一方塞がりですか…お互いの意見を言い合えばきっといい吉報があるのかとばかり思っていたのですが…」
「その吉報が何かはさておき何でその内通者の事を知りたがってるのですか?」
「ううん〜それはYOUがよくご存知ではないのですか?ここへ来たYOUの目的言わないという焦らしをするのでしたらもうここで言ってもいいのですが…どうしますか?」
この校長やたらとコチラの意図を掴んだ話し方をするな。まぁどちらにせよこっちから尋ねるつもりだったし隠す必要性もないか…
「知ってるのなら尚更ですね。ならコチラからの質問をさせてもらいますね。この学園で幼馴染に天才としての力を与えさせた理由…校長あなた何か知ってるんじゃないんですか?」




