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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
番外編その2 学生としての日常編
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脱テスト対策 その十二

昼休みが終わる丁度5分前の予鈴。俺と蒼脊そして地味板は教室へと戻る最中扉の前で山茶花と宇佐木田さんと顔を合わせる。


「あようやく戻ってきたんですね神楽坂君。何処に行ってたんですか?」


敬語?ああ〜地味板がいるからか…まぁ別にその辺今更気にしなくてもいいんだけどな。


「いや蒼脊達と一緒に学食に行ってたんだよ。」


「それだけで戻ってくるのが遅くなる理由が分かりませんね。」


何か笑顔だけど怖いオーラが出ている気がするのは俺の気のせいか?


(おい一星お前何かやらかしたのか?山茶花を怒らせるってよっぽどだぞ。)


(いや俺にも何かなんだか…てかやっぱり怒ってる様に見えるか?)


(隣の地味板にも聞いてみろ。いや聞くまでもなく物凄い怯えっぷりでそそくさと教室へ戻ったぞ。)


(え?あ…)


俺達がヒソヒソと話している最中…地味板は既に自分の席へと退散していた。


(なんてやつだ友達とか言っておきながらこう言う時だけ知らん顔かよ。)


(まぁあっち側からしたらこっち側の問題だし関係ないっちゃ関係ないからな。)


ガシ!


(とか言いながらお前も何しれっと退散しようとしてんだ。)


そのまま自分も席へと戻ろうとする蒼脊の肩を掴んで逃がさない様にその場で固定させ動かないようにしながらこの状況を一緒に巻き込ませる。


「ねぇ勝手に私が怒ってるみたいな形にしないでもらえる。別に怒ってはいないんだよ。ただ…」


「ただ?」

「ただ?」


「今日の昼休み海未に勉強を教えると言ってたのって神楽坂君だよね?なのにどうしてそのままそっぽかしたのかなって思って…」


「あわわ…」


そうだ。確かに言った。言った気がする…言った気はするが……けど前もって今日は無理かもしれないって連絡していたはずだ。それも身近にいるやつに頼んで…


「ああ〜なるほど。」


こいつ〜完全に忘れてやがるな。時間が取れないから蒼脊に頼んだのに…思いっきり今思い出した感だしやがって…まさかさっきの昼休みでの事で言うのをすっかり忘れていたんじゃ…


「まぁドンマイだな一星。しっかりと山茶花に怒られるんだぞ。」


「待て!お前も同罪だ。一緒に謝れ!」


「いやだよ!だって俺何も悪くないじゃん!」


「貴重な勉強時間をお前のせいで台無しになったんだぞ。伝え忘れたお前にも責任がある。」


「だとしてもそれをちゃんと確認しなかったお前が悪いだろう。」


「この期に及んで往生際が悪いぞ蒼脊。大人しくお前も山茶花に怒られるんだ。」


「2人とも〜いい加減にしないと本当に怒るよ。」


「あわわわわ〜山茶花ちゃん本当におこおこだよ。ふ、2人ともその辺にしないと本当に…」


しかし2人の無意味な争いがそのまま収まる事は特になく山茶花の怒りをかうという事に気付かなかった2人は蒼脊は美森に恐ろしい折檻と一星は周一の水泳が周3に増やされる事となりテストが終わった後地獄を見る事になった。


「全く私との約束もそのまま忘れているんだから…本当に酷いったらありゃしないよ。」


「あは、山茶花ちゃんはそっちが本音だったんだね。まぁ確かに約束していた事をそのまま忘れられてしまうのは女の子として許せないよね。でも今の神楽坂君は海未ちゃんの為に一生懸命だからきっと目の前の事にしか目を向けていないんじゃないかな?」


「むむ、兎ちゃんは一星君の味方なの?」


「そうじゃないけど、何となく神楽坂君なりの罪滅ぼし的なものなのかなって思ってね。やっぱり誠心誠意を込めて何とかしようと気持ちがあるんだと思うよ。最初は多分何でこんな事しなきゃならないみたいな事を思った可能性があるかもしれないけど、彼の本質って昔とあまり変わらない所があるから多分今回もそのまま落第してしまうのがほっとけなかったんじゃないかな。」


「うん知ってる。知ってるし今更なのは分かってるけど…最近海未にばっかりだからどうしてもその……」


「ふふなんだかんだ言って山茶花ちゃんも嫉妬するんだね。」


「嫉妬じゃありません。単に他の幼馴染に気を回さない一星君に腹が立っただけです。」


「あは、そうだね。ならこのテスト対策が終わったら今度はこっちの頼みいっぱい聞いてもらわないとだね。」


そんな事を話し合う幼馴染2人組は構ってくれないという不満を抱きつつ今しばらく我慢する事を心に決める。


………放課後


「おい蒼脊次の2年に会う奴っていったい誰なんだ?」


「ん?ああまぁお前の知ってるやつだな。後1人は初めて会うやつかもな。」


1人知っててもう1人は知らないやつ?そんな気まずい様な形で俺はその2人にアドバイスを伝授してもらうのか?さすがにそれは向こうも気まずいんじゃないのか?


「お!いたいたよう芹沢に東郷。」


東郷?え?もしかしてあの陸上部の?


「悪いな呼びつけて実はおりいってお願いが…」


スパン!


「なっ…」


おりいって頼みが何なのかを言おうとした瞬間蒼脊の頭に思いっきりハリセンみたいな音がスパーンと平手で叩かれるのを目の当たりにしどうすればいいのか戸惑ってしまう。


「あんたよくもまぁぬけぬけと頼み事を何かしたわよね。この前のツケまだ支払ってもらってないんだけど?」


ああ〜お金の貸し借りの問題か…なら仕方ないな。


「ちょ、ちょっと待て!ひとまず落ち着けそれとはまた別の話で今日はお願いしにきたんだ。」


「つまり借りたお金は返せないけれど、他のお願いを聞いてくれと……へぇ〜随分と勇ましいわね。一変死んだ方がいいんじゃないの?」


な、何か怖いやつだな。この子が蒼脊のいう子か?


「彼女の名前は芹沢(せりざわ)純子(じゅんこ)。水泳部にして三番煎じを務めている。…て久しぶりだね神楽坂君。」


流れで彼女の事を紹介しながら久方ぶりに東郷夏姫との会話をする。


「ああ久しぶりだな。」


「怪我もう平気なの?あの時ヒヤヒヤしたんだけど…本当にもう復帰しても大丈夫なの?お見舞いに行こうかとも思ったけど…君相当女の子からの人気が高いから行くだけヘイトが溜まりそうだったから敢えていかなかったんだけど…」


「それはそれでありかだかったな。お前の言う通り色々とめんどくさいことがあって、あまり休めなかったといえばいいのか……いやでも一応面倒見のいい自称姉がいたからそれでまぁ何とか完治できたかもしれないな。」


「姉?神楽坂君ってお姉さんいたの?」


「いいや。お姉ちゃんっぽい幼馴染がいるだけだよ。」


「ああそう言うこと…本当巡りに恵まれてるね。その内女の子から後ろ刺されても知らないよ。」


もうだいぶ刺されてる感があったりしているからその返答にはだいぶ悩まされる。


「よぉ話始めてもいいか?」


「それはいいが…お前顔大丈夫か?相当恨まれてるんだなその子に…」


物凄い平手連発された頬の後。それでも尚進行止めないその勇ましさ…本当に友達冥利にすぎるよお前は…


「あなたが神楽坂一星?私水泳部の芹沢純子。水泳部という名前のワードを出して何か思う所はないかしら?」


「え〜と…あまり関連性がないと思いたいんだが…野谷山と関係があったりするのか?」


「ふ〜んなんだ理解しているんだ。そうその通り私は火花ちゃんと友達であって、そっちの夏姫は同じ中学からの腐れ縁…まぁお互い気が合って友達になったといえばいいかしらね。」


「そう私達は友達それも淫らな関係。」


「真顔で何言ってんのあなたは…あなたらしくないボケはやめなさい。少し冗談混じりの話なら私が知ってる後輩だけで十分よ。」


その後輩もきっと手を焼いてるんだろうなこの人に…


「で、蒼脊が言う話の事なんだけど…あ〜因みに私と蒼脊での関係はまた別の時に聞いてちょうだい。話すと色々と面倒だから…」


蒼脊お前色んな意味で俺とはちがう女子での負の連鎖があるんだな。俺よりか達が悪いぞ。


「そ、そうか…じゃあ本題の話の続きを聞かせてくれ。」


「おお〜直球だね。つっても私自身夏姫と一緒にここへ来いって言われたから内容は知らないわけだけど…蒼脊私達はいったい何をすればいいわけ?」


「ああ実は…」


蒼脊はコレまでの事を踏まえて2人に俺が海未の勉強をやる気出させるための必勝法についてアドバイスをする為の秘技をそれに詳しい女子達に聞き回っていると言う事を話し2人はそれを何となく察する。


いやそんな簡単に察すれるなら俺のコレまでの行いで察しが悪いという事になるんだが……


「でだなもう一つ付け加えるとだな。」


更に蒼脊は俺に聞こえない様にしながら何か付け加える話をヒソヒソと伝える。


「は〜それを私達が彼に教えろって?あなた相当陰湿ね。そのまま素直に伝えればいいのに…」


「男子である俺達が伝えてもそれは単なるこじつけにしかならない。それにアイツはそれでピンと掴めないだろう。」


「それって実際試した事はあるの?」


「いいや無理だと思っていたから試してはいないな。」


「実践で直接やったほうが早い気もするするけど…うんまぁやり方はそっちに任した方がいいかもね。それぞれの学年で意見やその反応を伺って何も反応しないという事は…こっちのアドバイスもそこまで当てにはできないかも。」


「そうかしら?私はまだ可能性があるとは思うわよ。と言ってもコレであっちがトキメクかどうかの話しなんだけどね。」


「トキメキ差を求めてるという話でもない気がするんだけど…」


「大丈夫。こっちには耐性がバッチリの女子2人組がいるじゃないの…それを上手く彼に伝えればいいのよ。そしてそれを決行するだけ…」


「もうそれって物理アタックという形だよね?彼にいったい何をさせる気なの?」


「ふふ、それはね。」

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