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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
番外編その2 学生としての日常編
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脱テスト対策 その十一

周りからの反響。茉莉奈に定着された噂は生半可に消えることはない。香澄ちゃんにしでかした事で罪は学園側では違う意味で大きくなる。しかしそれを香澄ちゃんはどうにかしてその噂を経ちたいと自らの有利性とも言える立ち位置を不意にした。そしてこの場での周りに対する不協和音に似た状況…それを誰か中心に立つ事で周りの音が安定する。何の嫌がらせなんだと思うが…とりあえず何とかするしかないか…


「ふぅ〜あ〜2人とも悪いけどちょっといいか?何か勝手に盛り上がっているけれど、まだ茉莉奈からの俺に対するアピールが終わってないぞ。」


「え?いや今それどころじゃ…」


(いいから話しに合わせろ。じゃないとお前に良からぬ噂がよりいっそう酷くなるかもしれんだろう。)


「え?」


茉莉奈に近づき耳元でコチラの意図に合わすように小声で言いそれを彼女はキョトンとした顔になるが…コチラの意思が伝わったのか彼女はそのまま話に乗っかる。


「……分かりました。なら私のアピール先輩にやってみせますよ。」


「ああこい。お前の名一杯のアピールを俺にぶつけてみろ。」


俺が茉莉奈のアピールに対して受け止める覚悟と茉莉奈が俺に対するアピールの攻撃での覚悟を決めた俺達。周りはその空気に当てられたのか、僅かな緊張感のある空気が漂い息をのむ者達がいる。


…………5分経過


「おいどうなってんだ。何で君津家のやつ何も言わないんだ。まさか怖気付いたのか?」


「違うだろうあの先輩をどう落とせるかどうか悩んでんだろ?じゃないとこんな緊迫感のある空気になるかよ。」


「そうだよそうだよ。何せ3人は僅かに見せる仕草だけであの垂らし先輩を翻弄させようとしたんだからきっと物凄い奥の手を使ってタイミングを見計らってやるつもりなんだよ。」


…………


ち、違う違う違う違うし!!何でみんなそんな勝手な憶測なんか言えるわけ?単に何をどう言えばわかんないんだけど!そもそも勝手に参加させられた身でこのゲームの詳細が全く検討ついてなかったんだけども!


ああ〜これいつまでも待てばいいんだ。変に腹を括ったという覚悟をこの土壇場で決めたはいいものを俺は彼女に何をどうすればいいのかまでの意図は伝えられていない。いや寧ろこの状態での硬直状態は非常に良くない気がする。お互い多分どうすればいいのか分かんないみたいだし…何かうつてを…


「………ん」


「え?」


今何か茉莉奈から声が聞こえたような?


「茉莉奈今何か言って…」


「ま、茉莉奈のハートをあなたに届けてみせるにゃん!」


「…………」


……………


「…………」


茉莉奈は物凄い顔をしながら顔中真っ赤かにして下を俯く。うん言わんとしてる事はわかる。

……急にどうしたんだ!?



うおおおおお!


そして何故か意味の分からん歓声が起こる。


「何だ今のマジかわええ!」


「おいギャルが語尾にニャンだって!こんなのグット萌えに決まってるだろう!」


「俺今日からギャル推しにするわ。」


「いや俺はどちらかと言うと黒ギャル語尾ニャンがいいんだが…」


え?この教室狂ってる?


何でそこまでギャルに対しての熱愛が凄いんだ。俺でもそこまでの熱量なんか上がらんぞ。単純にギャル猫推しがいるからなのか…いやでもそれでも…コレは何かおかしい…


「いや男子マジキモいんだけど。」


「ギャル猫推しだけでどんだけハイテンションになってんのおかしいんじゃないの?」


「コレが陰キャなんだな。」


側から見ている女子では男子の事を罵倒しつつ呆れてはいる。まぁその一部に共感できない事はないが……いや俺ももしかしたら違う意味でアイツらと同じ立ち位置の可能性もあるのか?本当の熱愛という感情を抱いたらもしかしたら…


「で!どうなの!」


「え?」


「だから私のアピールどうだったのって言ってんの!」


「あ、え〜とその…」


ガシ!


「うっ!」


「ここでつまらん解答したらどうなるか分かってんでしょうね?」


胸ぐら掴みながらそんな脅迫じみた言葉酷くない?いや確かしにここまでしておざなりになんかなってしまったら元も子もないんだが……どう反応したらいいんだ!

そのアピールで俺が知りたかったアドバイスでの道を見つけられたからお前のおかげだとでも言えばいいのか?

それともお前は皆んなにそこまで酷い噂を鵜呑みにせずお前主体のありのままちゃんと見てくれているから気持ちを楽にしろとでも言えばいいのか?

駄目だ。どの解答権をだしても茨の道でしかない…けどこの2択のどちらかを選択するとすれば…


「………おまえのおかげで何か掴めた気がする。ありがとう。」


「へ?」


「おお?」


「そのまだそこまでの確信を得たというわけじゃないが…ここでのお前に何かを気付かされたのは間違いない。それにアイツら自身が今あるお前を曝け出して満足している部分もあるみたいだしな。」


「は?それってどう言う……って何にやけてんのアンタ達!」


「え〜いや茉莉奈ちゃんも実は乙女なんだなって…」


「そうですそうです!ようやく本性を現しましたね。しかし先輩は私のものですからそうやすみやすみに手放すつもりはありませんから。」


「………まぁ洗いざらいというわけじゃないですけど、少しは場の印象も変われていいんじゃないんですか?」


「………ちょっと待ってアンタ達まさか、この為に私の噂を…」


「俺としては違う形ではあるけれど、お前の取り繕った部分をちゃんとわかってくれる奴等には分かってくれたんじゃないのか?まだ時間はかかる部分もあるかもしれないがな。」


「神楽坂先輩。」


何かを見据えた様な言い方。私にはそれが1番腹がたった。腹がたった…腹がたつ…でもそこなしかその言い方は私にとって1番の…


「そう。それなら仕方ないか!」


支えになる言葉だと言うのを実感した。


茉莉奈の満面な笑顔…屈託のないその笑顔にこの一年の教室では茉莉奈に対する噂の一部を信じないという者が現れだす。どうやら今回での俺に対するアドバイスというのは蒼脊と君津家先輩によるこの噂を一部相殺させるが為の行為だったみたいだ。


「……そうかじゃああの日暮先輩の所へ行ったのはただの時間潰しであって…本来はこっちでの解決で俺を出しに使ったというわけか。でも俺がここにいる意味はあったのか?」


いつのまにか君津家妹の周りへと集まる一部の一年生。彼女へ対する印象が変わったおかけがなのか、周りの茉莉奈に対する接し方はとてもラフな感じやすさが出ているというのを更に実感した。


「なんか意味が分からない事になったが…まぁコレで勝手に解決してくれたなら別に問題はないか。」


「いや問題はあるだろう。お前さっきの君津家茉莉奈のアピールで何か意図みたいなのはちゃんと掴めたのか?さっきそんな風な言葉を耳にしたんだが。」


「え?いやあれは単なるその場での嘘であって…別にお前俺に何かアドバイスなんて元々そんな気なかったんだろ?」


「は?何言ってんだ。本題を他所にしておまけだけが解決しても意味ないだろう。」


「お、おまけだと?」


じゃあ何かコレはついででやっぱり本当は俺に対して海未へのやる気を出させるアドバイスがちゃんとこの中にあったと言う事なのか?


「とりあえず昼休みも終わるし残りは放課後だな。」


「いや放課後は…」


「ああ大丈夫だ放課後は簡単に済む形になってるから、その後すぐにアイツの所へ行けばいいさ。」


「となると最後の方って…」


「ああ最後は2年だな。と言っても君津家先輩はここで離脱する事になる。部活に用があるらしいから後は検討を祈るだってよ。後今回の件ありがとうだってさ。」


「いやまだちゃんといるんだから普通にそのままお礼言えばいいのに…」


「気恥ずかしいんだろ?」


あんな人にそんな羞恥心あったっけ?


「それじゃあとっとと教室に戻るぞ。」


「あ、ああ。」


何か何気ない感じで終わった感があるが…まだ残っているのか…結局3年に1年の教室を訪ねて蒼脊が言う何らかしらのアドバイスというのが分かるのかと思ったのだが…全然分からん。本当にこんなんで何かが掴めるのか?


「あ!イックンこんな所にいたんですか!後蒼脊君も。」


「ああ蒼か。」


「俺はついでかよ。」


「………」


「どうしたんだ蒼?」


「は!?そうだった今は私蒼でした!」


自分の偽名ぐらいちゃんと認識しておいてほしいな。というかお前ら幼馴染で作った偽名だろう。もうそんな事どうでもいいぐらいに忘れてんじゃねぇか。


「と言うか何かようがあったんだろ?一応俺を含めて探していたみたいだし何かあったのか?」


「そうだそうだそうですよ!もうお昼休みは幼馴染同士でお弁当食べる約束してたじゃないですか。なのに学食で仲良く男の子同士で食べてるってどう言う事ですか!」


「いや幼馴染同士で食べる約束はたまにだろう。この前もしたんだし別に今日はないだんだろうって思ってたんだが…」


「むむ!それなら返事ぐらいしてほしかったです!ずっと既読しないのはいくらイックンでも酷いですよ。」


「ああまじか…」


言われてスマホを取り出してみると確かに未読が3桁いくぐらいに通知がきていた。てかどんだけ昼一緒に食べたいんだよ。


「すまんすまんちょっと用事があってみれなかったんだ。と言うかよく俺達男同士で学食で食べてるって事をしったんだ?」


「へ?普通に教室に行ったら山茶花ちゃんが今日は蒼脊くんと学食に行ったみたいだよって言っててそれで慌てて探しにいったんですよ。結局学食にもいなくて至る所を探しまわった結果ようやくここにいることがわかりましたが……もうお腹ぺこぺこでどうでもよくなりました。」


「そりゃあすまなかったな。俺達もひとまず用事は済んだしまた後で放課後でな。」


「はい!また放課後で!」


一星達はそろそろ昼休みが終わる頃合いを見計らって一年の教室を後にし自分達の教室へと戻っていく。


「……あれ?放課後って……私何かイックンと約束してましたっけ?お勉強会なら私の家でするはずだと思うのですが……んんんん?」

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