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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
番外編その2 学生としての日常編
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脱テスト対策 その八

トイレへどうにかして入る事ができた俺は急いで学園へ出発する支度をして家を出ていく。もう夏に近づくにづれこの熱い中走り出される事となった俺達はギリギリ学園へと間に合う。


「ふぅはぁふぅはぁ…ギリギリセーフだ。」


ギリギリ学園に間に合う事ができ自分達の教室へと座る俺たち。席につき一息ついた束の間…


「よぅ一星。」


「蒼脊か。」


「珍しいじゃないかギリギリ入ってくるなんて…まさか何かあったのか?」


「そのまさかだよ。全く朝からとんでもない目にあったぜ…」


「また幼馴染関係か〜懲りないな〜周りからは既に超天才組5人を手玉に取ったという噂が流れてるみたいだぞ。」


「それ十中八九お前だよなきっと。」


「まさか何を根拠に…」


クイクイ


俺は周りから僅かに聞こえるヒソヒソ話を耳にし顎を使って蒼脊が自分のせいではないという確信証拠を突きつける。


ヒソヒソ

ねぇ聞いた涼風君曰くどうやら神楽坂君って女の子をたらい回しにして引っ掛けてるみたいよ。

ヒソヒソ

ああ聞いた聞いた。兎川さんと野谷山さんには悪いけど2人ともそうとうご執心になってるらしいね。もしかして催眠でもかけられるのかしら?


ヒソヒソ…



「あは、あははは…まぁ何かしら飛び交う噂はあまり当てにならないし気にしなくていいんじゃないか?」


「当の本人の名前が出てるのに、それではいそうですかと区切れるか普通?てか全然ヒソヒソ話になってないしな。」.


「まぁその辺のことはおいといてだ。」


勝手に話を振っておいて勝手においとかれた。本当に勝手なやつだな。


「お前ら何で朝っぱらから一緒になって登校してたんだ?もう怪我はいいんだろ?」


「ああか怪我の方はな。」


「怪我の方はって……もしかして別の痛みでもできたのか?」


「まぁ別の痛みというか色々と前途多難というか…」


「何言ってんだお前…」


「海未の事だよ。海未の…」


「海未?アイツがどうかしたのか?もうアイツのトラブルの件は終わったんじゃないのか?」


「別で問題だと言ってるんだ。海未が根っからの勉強嫌いというのお前知ってたか?朝急いで走ってる中で聞いたんだよ。」


………登校走る中での話。


「はぁはぁ。てか何で海未は俺の部屋へ来ていたんだ?単に起こしに来ただけなら何で一緒に寝ていたのか全くわけがわからないんだが…」


「単にイックンと一緒に寝たからお部屋へ伺いました。」


ああこれはダメだ。何か理由があって俺の部屋へ上がっていたのなら何かそのこじつけた理由を言ってくるのかとばかり思っていたんだが…そうだ海未にそんな深い考えなんてないんだ。単純に純粋な気持ちでしか答えないんだった。


「ああ〜もういいやひとまず海未が家に無断侵入してきた事については後で話すとして…問題は海未の実力テストどうだったんだ?」


「あ!私今日日直でした!それじゃあ皆さんお先に!」


「ああ!ズルい海未ちゃん!」


海未はそのまま一足早くリフレクションシューズで学園へ向かって飛んでいき上手くテストの話を回避する。


「アイツそんなに触れたくないのか…てかそんなに悲惨なのか?」


「ええ〜そりゃあもう。寧ろどうやってうちの高校へ入ったのか目を奪われるぐらいに最悪な評価だったわ。」


そんなに悪かったのか。俺と一緒に勉強してた時はまだちゃんと頭周りが良かった気がしたんだけどな。


「でもでも海未はちゃんと指摘する部分を言ったら直ぐに憶えられるよ。だからそんなに深刻になる事はないんじゃないかな。」


「山茶花がそう言うならそうかもしれないけれど……まぁ主に海未の入試対策は山茶花に任せていたからあまりとやかくは言われないんだけどね。」


「え?山茶花が海未の勉強を見ていたのか?」


「うん。その時は海未物凄く物覚えがよくてね。それで高得点も取れたりしたんだからやる気があればちゃんとテストにだって合格できると思うよ。」


山茶花のお墨付きか…そう言ってるんなら本当にそうなんだろうけど…でも美森姉が言うこの悲惨な状況自体なのを何も変えられない事にはどうしようもない。


「だったら山茶花がつきっきりで教えたらどうにかなるんじゃないか?お泊まり勉強会なんてのを開いてあれだが…誰かと一緒のつきっきりでやった方が教えやすいと思うぞ。」


あれ?自分で言ってて何か矛盾が生じてる気がする。元はといえば俺が海未に勉強を教えるという事だったのに何故か幼馴染全員が海未に教える流れで誰か限定1人に絞って教えた方がいいと言ってしまった手前どうにも解せん自分がいる。


「………」


「どうかした一星君?」


「いや何でも。」


「えーとねそれで一星君が言うように確かに私に指定してもらう形でもいいんだけど…やっぱり海未にはその日の気分というものがあるみたいなの…週に一、二回は外で飛んでいったりして気分を紛らす事をしていたからその時はたまたま上手くいけたんだと思う。」


つまり今回はその1、2回を超える多さという事か……うーん。


「………とりあえず。」


「うんとりあえず…」


「少しスピードを落とそうか…俺が言うのもあれだが…もう追いついてきてない2名が物凄く息を上らせてこっちへ向かってきている。」


「あ…」

「あ…」


東小橋川さん。宇佐木田さん2人はゼェゼェと息を切らしながら建物の壁に寄り添って這い寄りながら何とか追いつこうとしている姿がみえる。


「まぁ2人は部活やってないもんな。そりゃあそうなるわ。」


「全く同じ超天才として情け無いわね。ほら2人ともあと少しだから頑張って…」


そう言って美森姉は2人に駆け寄りながら肩を貸す。


「はは、あの2人がへばってる姿を見るのって何か新鮮だな。」


「……」


「どうかしたか山茶花?そんなに俺を見て何かついてるのか?」


「ううんそうじゃないんだけど…一星君水泳やめてたまに一緒にやる事があるよね。」


「ああそうだな。……?何で今その話しを?」


「いや一星君も別にそこまで体力があるはずがないのにどうして息が荒くないのかなって不思議に思って……もしかして少し感が戻って体力も平均以上に成長したんじゃ!」


「俺は何かのモンスターでの進化系かよ。そんなハイスペック超人な身体なんか持ってねえよ。」


「ええ、でも…」


「てかやべマジでギリギリだぞ。美森姉!俺もその2人に肩を貸すから急ぐぞ。」


「うーーん。怪しい…これは私の直感が何かを悟ってる。うんそんな気がする。」


「山茶花置いてくわよ。」


「ああ〜待って置いてかないで!」


…………


「って事があってだな。いやマジでどうしたものか…」


「まぁ災難だな。てか後半の話し東小橋川と宇佐木田は別にどうでもよくないか?」


「いや何か面白要素入れた方がいいのかなと思って…」


「お前本当に危機が迫ってる人間はそんな冗談言えないぞ。なんだかんだで余裕かましてるな。」


「余裕ね〜まぁとりあえず俺も手を貸しつつ残りのテスト対策どうにかしてみるか…」


「なぁ俺にいい考えがあるんだが…どうだのってみないか?」


「……唐突だな。変な事を言って期待を下げさせる様な事をしたらお前もこっちの枠にいれさせるからな。」


「おうおうそのぐらいの力がないとこっちの話しも話せるもんも話せないしな。それでだいい案というのはだな。」


蒼脊は俺に秘策の案みたいなのを提案を述べ俺はふんふんと頷く。頷いたのだが…


「………やるせない。」


「いやいや郷に入っては郷に従えだろ。」


「しかしだな。」


「まぁものは試しだ。お前がそんな真剣になって相手をせめるなんて事した事ないだろう。」


「いや色々とあったりはしただろう。幼馴染達による復讐での無理矢理な付き合い…アレに関しては俺無茶苦茶せめてどう対処しようか困ってたぐらいだからな。」


「それはまた別の話しだろう。そう言う意味じゃなくてだな。……あ〜こうも一々俺がお前にアドバイスなんて事をしなきゃいけないのが納得いかん。やっぱり何か奢ってもらうのが筋だな。」


「……事が上手くいけば奢ってやらなくもないぞ。」


「おお〜まじか!やはり持つべきものは幼馴染だな。」


「ごたくはいいからさっさとアドバイスしろ。」


こうして俺は蒼脊に言われ蒼脊秘策のアドバイスを頭に入れ込み何とかいけるという意思を持ちながら放課後蒼脊に言われた事を試す事となりある待ち合わせ場所で決行する事となった。


………待ち合わせ場所廊下の階段の角川


「イックン〜何で私をこのに呼んだのですか?ようならちゃんとおうちで聞きますよ。どうせどこに行っても夜にはみんながいますしね。何より何でこんなギリギリの下校時刻なんですか?」


「まぁその辺に関しては目を瞑っていただきたく…コホン海未。お前今勉強のモチベーションあがってないだろう。」


「え?と、唐突ですねいきなり。というかいえ!そんな事は!」


「隠す必要はねぇよ。山茶花に聞いて入試直前のお前はまだ相当やる気があってちゃんとこの学園に入学したと聞いた。」


「え〜と……その話は何か具体的な事とか聞いてたりしますか?」


「?いやこれと言って何かとは聞いてないが…何か聞いちゃまずい事でもあったのか?」


「いえ!別に何も!まぁ今更ながらって話ではあるんですけどね。」


「???」


何の事だ?海未はいったい何を黙って言わないようにしているんだ?まぁやる気の理由なんて人それぞれだから別に問うつもりはないが……とりあえずアイツら達に言われた通りそれを今から実行する。


「海未そこの壁に何か変なのがついてないか?」


「え?どこですか?」


「ほらそこそこ。」


「え〜何もついていませんよ本当に何かついてるんです…」


ドン!


「ひゃ!」


海未がコチラ側が壁に何かついてると嘘をつきコチラへ振り返った瞬間思いっきり壁に向かって拳を壁に向かってドンと鳴らし海未をビックリさせる作戦。というかコレ…


もうあまり流行らない壁ドンじゃないか!


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