ひとまず解決?
カフェの中……
「………」
「………」
ど、どうしようさっきの変な空気になって妙な気まずさができちゃったんだけど……あの人いったい何がしたかったの?場をかき乱してかえっていくなんて本当意味わかんない。
変態先輩どうしちゃったんだろう。あんな暴言を吐く人じゃないのに……いやまぁ何かしら理由があってキツイ言い方があったりはするけれど…でもこんな意味の分からない状況を作ったまま帰ってしまうのはかえっておかしい……もしかして…
「ね、ねぇ?」
「……」
「ねぇ聴いてる?」
「あ!はい!」
やばいやばい完全にあの変な展開の変態先輩の事を考えてしまった。こっちはこっちの問題があるから先にコッチを片付けないと……あれ?でも私もしかしてまだ心の中では何処か許せない部分があるのかな?変態先輩はいい加減にしろって言われたけど…私自身もういいと思っている。変態先輩が怒った理由は私が変に彼女の口から意思みたいなのが聞きたかったから怒って帰っちゃったのかな?でも何も間違ってないと思うんだけど……いったい何が原因なんでしょう。
「ごめんね私まだ多分ちゃんと許してもらってないんだよね。先輩にあれこれ手伝わないって言われてたのに…自分は何処か萎縮しちゃって、先輩に頼ってしまってたんだと思う。責任転嫁だって言っちゃったけど…よくよく考えたら私が原因で帰っちゃったんだよねコレ……あはは、情けないよねギャルなのにこんな事で凹んじゃって…」
「………それはどうでしょうかね。先輩は多分そんな事思ってないと思いますけど…」
「え?どういう事?」
私はある場所の所に目がいきその場所の部分に気付いて君津家さんに視線である場所の部分を特定する。
「………あ。」
「しーーー」
私はその部分に触れないように指で口元に近づけて静かにする様にとジェスチャーで伝える。
「まぁ先輩は先輩なりに何かしら考えて私達を2人っきりにしたと思います。お姉ちゃんはまぁ幼馴染だから心配してただ単に追いかけただけだと思いますが…」
「でもどちらにせよ私達のことは私達で解決しろって事なんだよね。はは、自分達の事なのに人に頼ってばっかで情け無いや…」
「そんな事ありません!寧ろあんなヘタレ先輩は私達に対してもっと愛想よくしないといけないんです。そしてもっと女の子の気持ちに気付くべきです。」
「………それはなんとなくわかるかも。」
「でしょう!だからそんな先輩に気を遣っても意味がありません。」
………
「あいつら俺の話題で何か盛り上がってないか?というより何故俺の事を貶す話で意気投合する。」
「あはは……」
少し引き攣った顔をしながら笑う海未。そんなに何か俺に対して不満があるのかアイツら…というより茉莉奈に関してはまだそこまで話した覚えないぞ。
「気を遣うか…けどあの先輩私達の事に対しても気を遣ってないかな?こっちが単に甘えていたせいで向こう側もそれで我慢ならずになってあんな言い方をしたって可能性も…」
「………それはないと思います。」
あれ?何で視線を逸らしたの?逸らしたということはそういった節があるという事?
「ま、まぁ!それはともかく私達の話しですね。本当の所別にもういいんですよ。あなたに負い目があるといえば嘘になりますが…少なくとも先輩の言う通りコレは時間をかけてちゃんと仲直りするのが1番だと思います。あなたかこじ開けた穴はかなり代償はでかいかと思いますが…ちゃんと償うという気持ちがあれば私は特に何もいいません。勿論お姉ちゃん然りも…」
「………本当にそれで許してくれるの?何か私に要求するものがあればなんだってするよ。」
「ううん〜大丈夫です。私にはコレまで励まされた人のおかげでここまでやってこれたんです。それだけでも十分な対価を頂いたと思っていますよ。」
「対価それって……」
「まぁ誰がとは言いませんが…少なくともその人のおかげで私は心が救われたんです。だからあなたはあなたのやり方でコレから償っていけばいいですよ。」
「………分かった。私ももうコレ以上何も言わない。変に気を遣われて余計に関係がごちゃごちゃになりそうになるのならもういっそ開き直ってしまえばいいのよ。だから私はコレからあなたにちゃんと面と向かって対応する。それでいい?」
「はぁ〜もうその言い方が堅苦しいんですよ。普通に友達になってくれませんか?とそう言ってくれるだけでいいんですよ。」
「コホン!……香澄私と友達になって。」
「はい!是非喜んで!」
…………
「どうやらかたがついたみたいですね。う〜〜我ながら妹がこんなにもいい子に育ってくれて本当に嬉しいですよ。」
「ああ本当にだな。コレから俺が必要が無くなると思うと寂しくはあるが…まぁちゃんとした友達を作れたんだ。アイツはもう幸せになって学園生活をおくれるだろう。」
「そうですね〜ふふ何か私色々とホッとしました。う〜ん!きっと何もかも全部イックンのおかげですね。」
「俺は別に何もしちゃいない。お前が機会を招いてそれに参加しただけだ。コレと言って何か改善したわけじゃない。」
「でもでも!イックンは周りのみんなを幸せにできていますよ。寧ろ救世主ヒーローです!」
「それは東小橋川さんが唯一聞きたい褒め言葉だろうな。俺にはそれを言われても今ひとつ実感が湧かない。それに問題視すべき点がまだある以上完全な解決はしていないしな。」
「問題すべき点?」
「そう……まぁまだ公にはなってないらしいが、どうやら茉莉奈と一緒にいた女子二人組が行方をくらませているらしい…」
「え?そうなんですか!」
「ああそれを小萌志先生が俺に伝えた瞬間…ああちょっとこっちがわでの訳ありなんだなってのが言葉として理解した。」
「それってもしかして茉莉奈ちゃんの事ですか?」
「ああ本人曰くどうやら嘘をついてる様な素振りはない。病院で本当に悔いてる姿を見たら…この子は後悔しているとそう口にしていた。いや違うな自分のせいで悲劇を起こさせたみたいなそんな事を言っていた。まぁその言葉で胡散草みたいなのが俺にはあったが……この状況で余計にこんがらった事になった。」
「茉莉奈ちゃんはそんな悪い子じゃありませんよ!」
「まぁお前からしてアイツの印象は一気に変わっただろうな。でもな海未…人はそんな外見を装って騙す行為をするんだ。」
「そんな酷いことを…でもそれには理由があって!」
「まぁ一概には確かに言えないな。でもそうだな…例えば幼馴染達が結託して誰かを蹴落とそうとしていた者達がいた。それは幼馴染の顔としてではなく別の顔で接近してあたかも自分達に害はないと言う態度で意思表示を示す。それってさ所謂逆恨みみたなやつなんだよ。」
「逆恨み…」
「そうあの子がもし本当に香澄ちゃんに害をなす事がなければそれでいい…でももし本当は心の何処かでお前の事で何かしら執着があって香澄ちゃんに対する妙な嫌がらせをするとなればそれはただの陰湿な逆恨みだ。香澄ちゃんには何も思いあたる節がないからな。」
「………?でも何でそれがその幼馴染なんですか?イックンはそんな幼馴染が別にいるとでも?」
え〜〜まじか。この例えでそんな疑問を抱くか?普通気付くだろう俺達の幼馴染だって…
「お前自身は思い当たる節とかないのか?そういう奴が近くにいるみたいな。」
「いませんね!今ではみんな仲良しですから!そんな悪質な考えをもつ幼馴染はいません。」
「現在の話しじゃなくて前の話しを俺は例えて話しているんだ。その事で心辺りとかあるだろう!」
「………あるのですか?」
「……もういい。」
話すだけで無意味だと俺は自覚した。こんな難しい話し海未にしても意味がなかった。というかこんな事を理解するのって復讐を仕立てた奴等しか分からんよな。
「さてあいつらの事はひとまずこれで解決したんだし…俺達も……あ。」
そう言って立ち上がり角川の方に視線を向けるとそこにはただただ姿勢を正しながら佇んでいた2人がコチラを顔は笑ってるのに心底怒りの圧みたいなのを感じるオーラを放ちながら見ている。
「どうしたんですかイックン?そんな兎が蛇に睨まれた様な顔して。」
蛙だよ蛙。というか逆な蛇に睨まれたカエルな…いやそんなのどうでもいいわ。今目の前にいるやつがやたらとこっちに向けて何か言いたそうな顔をしている。
「お姉ちゃん。せ〜んぱい。何をしているんですか?」
「あそれは…」
香澄はこちら側で用意していた仮のスマホの盗聴器をやたらとヒラヒラして煽るかの様にしてアピールをする。というかバレてたのか…
「ち、違うよ!別にイックンは香澄達の事を思って盗聴していたんじゃないんだよ。そう!単に香澄達のちょっとした内面が聴けたらなと思っての犯行なんだよ!」
お前は黙っていろ!色々とペラペラ話しすぎだ。てか誤魔化す気ゼロだろ。めっちゃ素直に話てどうすんだ。こっちが反応に困るっつうの。
「ふ〜ん。私達の事をコソコソ聞きたかったんですか…それであんな下手な芝居をしつつこんな犯罪行為を?ふ〜ん、へ〜」
「いや違うぞ。コレにはちゃんとした理由があって…」
「言い訳なんて聞きたくありません!男なら男らしく認めたらどうなんですか!盗聴したって!」
ざわざわ…
そんな大声で盗聴したとか言わないでくれ…周りの人達から誤解が生まれる。
「ひ、ひとまずここから離れようか。周りの視線が物凄い俺達に釘付けになってる。コレじゃお店の人達にも迷惑が…」
「それだと私達には迷惑かけてもいいみたいな言い方ですね。あなたはそんな腰抜けなのですか…そうやってコソコソして見損ないましたよ!」
やべ〜どうしよう完全に誤解が生じてるな。というか自分はちゃんと分かってはなしてる癖にいったい何をそんなに怒ってるんだ。コレだとにっちもさっちもいかないな。
「はいはい〜そこまでそこまで。あなた達は本当に騒ぎ立てるのが好きなのね。」
とここでまさかの助け船が現れこの場をおさめてくれる人物が現れる。しかしコレは想定通り…既に根回ししておいた結果である。そのおかげでこの場での収集が収められ解決したという話はまた別の話である。




