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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第ニ章 残る2人の幼馴染による復讐じゃない私情
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仲直り作戦

アレから入院する日々が減っていき、俺は完全に治療を終え無事退院する事ができた。そしてまぁ言わずもがなだが君津家の妹の茉莉奈も俺より早く退院して家に帰って自宅待機している。


「うーーん!ようやく体が自由に動けるようになったか…完全に治るかどうかあやふやだったが、本当天才という体は便利なものだ。さて作戦を実行するにあたってまずは待ち合わせ場所へ向かうとするか…」


俺はあの日茉莉奈ちゃんと約束しある指定した場所へ来てもらう様に先に退院した茉莉奈ちゃんに俺の病室に来てもらってその場所の日時と日付を行って待ってもらうに促した。勿論連絡先の交換で後日送る事も可能だが…俺は多分これっきりで終わる関係だと思い連絡先を交換する事をしなかった。


「おいたいた。」


待ち合わせ場所…そこはよく若者が来る場所と言われるカフェ…


「先輩…」


「よ、普通に来てたんだな。」


「それは来ますよ。だってあなたが設けてくれるんですよね?私達の仲介を…」


「ああ勿論だ。」


しかしコレはあくまでも仲介であって、その場での和解をさせる為に俺がいっしょにつくわけではない。彼女には彼女自身の伝える言葉がある。それに伴って香澄ちゃんや海未も思う気持ちはあるだろう。最初の出会し方は最悪だったかもしれない…でも本当の事を話せばアイツらも…


「とりあえずあの席を予約しておいたからそこへ移動しよう。」


「は、はい…」


若干躊躇する茉莉奈ちゃん。色々と謝る様な考えのリストでもあるのだろうか…彼女はやたらとあたふたしながら目をチョロチョロさせる。


「ほらこれ、俺の奢りだ。」


「え…いいのですか?」


「気にするな。今日はそれなりの成果を見届けられると思っての奢りだからな。それに伴わなければジュースの金額を返してもらうだけの事…まぁ茉莉奈ちゃん自身次第だな。」


「ケチなんですね。先輩……」


「ああ俺はケチな男だ。でもそんなケチでもちゃんとした理由によってのケチなら妥当だと思わないか?」


「屁理屈ですね。まぁ言い分はまちがってはいませんが……先輩本当にここに香澄ちゃん達がくるのですか?こんな場所で仲直りしましょうなんて話さすがに周りにも聞かれると恥ずかしいんですが…」


「ああ大丈夫だ。周りに気付かれない為にわざわざ奥の席を予約したんだ。周りに警戒されない程度ならいけるだろう。」


「……先輩って根回しまでいいんですね。少し驚きました。というよりちょっと印象が変わったかもしれません。」


「俺にいったいどんな変な印象があったんだ。」


「え?言っていいんですか?」


「いやいいどうせスケコマシだの女たらしだの罵詈雑言の雨あられなんだろう。」


「いえ単に学園ではただのクズ転入生って一年では噂になってます。」


「おひれはひれの噂!また酷くなってる。」


「まぁあくまでもその噂している人での客観視なんであまり気にしなくてもいいと思いますよ。私は先輩の事その噂での1人だったんで、こうやってちゃんと話してだいたいどう言う人なのか分かりました。」


「そうか…一部のやつが誤解を解いてくれてるならそれでいいが……はぁ〜俺の学園生活もうとんでもない事になってきてるな。今更だが…」


「あ!注文が来たみたいですね。」


お互い頼んだ飲み物を注文して店員さんに持ってきてもらい俺達は来たドリンクをゆっくりと飲む。


「ふぅ〜じゃあここから俺はお前達がどの様に和解していくのか見定めてもらうぞ。」


「うっ……本当に見るだけなんですか?」


「当たり前だろ。あまりにもゴタゴタになるようなら間に挟む気ではあるが…俺はそんな事がないだろうと思っている。」


「どうしてそんな事が言えるのですか?」


「しっかり会話をすれば、大体の事を分かってくれる。というよりまぁ何となくだな。」


「何となく?」


「ああお前は普通に恨まれてしまってもおかしくない行為をした。それは謝っても一生許されないという意味で咎められてもおかしくはない…けど俺の知ってる幼馴染とその妹は多分恨むと言うよりかはちゃんと相手の事を理解してくれるという事を心にある何かで理解しているんだと思う…」


「は、はぁ〜よくわかりませんが…」


「はは、だよな。俺もよくわかんねぇ。特に姉の方は心理すら読み取れない思考をしている。でも事情さえ伝えてしまえばすんなりいけるはずだ……俺の考えが正しければな。」


「………それってやぶれかぶれって事なんじゃないんですか?」


「大丈夫だ一応伝えてる部分はちゃんと伝えている。そこをお前がどう弁明するかの問題になる。おっとどうやら本人達が登場の様だな。」


「………君津家さん。」


「香澄ちゃん。」



香澄ちゃん達がコチラにいると言う事を店員に伝え、2人は俺の名前を言ってここまで案内させる様にお願いした。店員さんはそのままお辞儀をして帰っていき海未はニコニコしながら手を降って香澄ちゃんと一緒にコチラへとくる。

因みに何でこの店がおすすめのスポットかというとここは美森姉がよく通っているお店という理由である。とりあえず美森姉にお願いして美森姉がわざわざ融通を利かせてくれたんだから変な形で無碍にするわけにはいかない…だからちゃんと和解してくれよお前ら…


ガタン!


茉莉奈は席を立ち2人に向けて頭を下げ謝る。


「ごめん!あんな酷いことをして今更許されるなんて思ってはいない。でもどうしてもアンタにはちゃんとこうやって言葉をして伝えないといけないと思ったんだ。」


唐突な謝罪。それを見て香澄は少し戸惑いをしつつ頭を下げている茉莉奈に自分の思う発言を発する。


「はい?許すわけないじゃないですか。」


「え?」


「…………」


茉莉奈はコチラへ顔を向きさっきと言ってる事と違うんだけど?という圧みたいなのを発しコチラへと訴える眼差しを向ける。


う〜ん……コレは予想外だな。少なくとも俺がここにいることで朗らかな感じになるかと思ったんだが……


「え、え〜とやっぱり私が憎いんだよね。」


「憎い……まぁ憎いと言うよりかはまず話の前提を吹っ飛ばして何を許して欲しいのかが分かりません。そこをちゃんと説明した上で私が許すか許さないかを決めます。」


「え?先輩から話を聞いてるんじゃ…」


「へ…神楽坂先輩にはどうしても会いたいという人がいるからこの店に来てくれとしか言われていません。だから詳しい詳細はここで聞くのだと思って私は姉と一緒にここにきたんです。けどまぁ今ので大体の事は察しましたが……一応話を聞かせていただきますか?」


「わ、分かったごめん。私はてっきり話がついてると思って話していた。ううん甘えていた節があった。だからちゃんと話す。」


茉莉奈が香澄にことの顛末を説明して話している中俺は海未にチャットで今の話の流れについて話す。


海未お前ちゃんと香澄ちゃんに昨日話していなかったな。


ご、ごめんなさい〜すっかり忘れてました。


何で話すのを忘れた。俺直ぐにこの事を伝える様に言っただろう。


え〜と……イックンからのメッセージが嬉しくてそのままポカポカして眠ってしまいました。


はぁ〜!どう言う意味だそれ…何で俺からのメッセージでポカポカして眠れるんだ。


私にもよくわかりませんが…もしかして睡眠効果が含まれる安定剤か何かかもしれませんね。


だとしたらお前今すぐスマホを解約した方がいいぞ。それはもうただの中毒あるあるという話になってくる。


「あの〜お二方今真面目な話をしているのに何をそんな顔芸をしつつチャットをしているのですか。真面目に聞いてください!」


「はい。」

「はい。」


何で俺まで怒られてるんだ。というかさっき茉莉奈に言った言葉がまるっきり俺が嘘ついた事になってるじゃないか。

ちゃんと話せばわかると言って本当はコソッと耳打ちである程度は伝えているっていたのに……俺は海未という幼馴染の信頼が欠けていきだしているのが少し怖かった。


ピコン!


あ…イックンからのメッセージ。


俺お前の事色々と信用するの無理になったかも…


「どう言う事ですか!いったい今のメッセージに何の意味が含まれているというのですか!」


「お姉ちゃん!」


先程注意されたのに対して海未は香澄ちゃんに怒られシュンとなってしまう。


「成る程今までの事を不問にしたいというわけなんですね。」


茉莉奈が香澄ちゃんに謝ってる理由…それを洗いざらい聞き出した香澄ちゃんはこの事に関してとても不服そうな顔をする。


「………正直な事を言ってもいいですか。」


「あ、ああ…」


「なかった事にするのはまず無理です。それがあなたの謝罪でどうにかなるなら世の中の虐めは無くなっているでしょうし何よりも自殺行為をするという人達はいなくなってるでしょう。」


「そ、そうね。」


まぁ確かにその通りだな。俺自身でもそれは同じことが言える。けどそれを言ってしまったらせっかく前向きに謝ろうとしている茉莉奈の決意が全部無駄になってしまう。だから敢えてその事は言わなかった。


「それで君津家さんはどうやって償っていくつもりなんですか?ただ単に許してもらえるという安直な考えは流石に無理があった筈ですよ。その辺に関してのあなたの気持ちお聞き願いますか?」


「そ、その私は…」


はぁ〜少しばかりヤバイ状況になったな。単純に話せば分かってくれると思ったんだが……いやコレは分かってて敢えてどうするかという様な口ぶりをして茉莉奈を困惑させているな。香澄ちゃん自身既に解決した問題だからそこまで気にしているという様子はないとふんではいるんだが……本人の口からまだ言わせたい事でもあるのか?だとしたら香澄ちゃん…自分に少しばかりの罪悪感めいたものがあって問い詰めているな。


「わ、私は……」


茉莉奈は自分の膝に手を握りしめ強い拳をつくりながらどう答えたらいいか困惑し冷や汗をかく。

はぁ〜そんな姿を見せて放置というのはあまりにも見てはいられないな。仕方が不本意だけどちょっとばかし口を出させてもらうか…俺が介入できる範囲で…

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