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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第ニ章 残る2人の幼馴染による復讐じゃない私情
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妹と姉の問題すべき点は神楽坂一星の救いで全てが解決し報われる。

踊らされていた?いやそれは大体把握していたし勿論分かっていた。けど、海未達はまた別の意味で問題視していたはず…それを分かった上で東小橋川さんはミニparadise Skyをやったんじゃないのか?


「それはつまり何もかも勝手に解決された上で、あのparadise Skyは単なるお遊びにすぎなかったって事か?」


「具体的にはあの会場で行われていた人たちが視察をしにきた事に意味があっての催しだったらしいです。元々あのデッカイ規模というまではいかないかもしれませんが…それでもああ言った開催形式が行われた事でお偉いさんの目がそこに注目されたそうです。」


……そこじゃあ問題じゃないんだ。目に叶えてもらった。そこを嬉しく思うのは学園側だ。東小橋川さんの立案した計画書が通った事で学園の先生達は普通にそれを許可をした。つまり先生達にメリットもあって上にもメリットがある。学園長と理事長辺りが上手く事を運んでくれたとしか言いようがない……


「まぁその辺に関しては俺達がとやかく考えても仕方がないだろう。それでお前達の方で解決されたとなれば…虐めの方はもう問題ないんだな。」


「はい。何故か皆さん私がparadise Skyを出た事によって周りからはチヤホヤされるようになりました。まるで夢でも見ているかのようです。」


「はは、でもまぁお前からしたら念願の友達ができて良かったんじゃないのか?コレでもうトラブルが起こる事はないんだ。……じゃあ海未の件も問題も…」


「あ、はい。それも滞りなくちゃんと試合に出させていただく形となりました。コレも全て変態先輩のおかげですね。」


屈託のない笑顔。本当に心から感謝されている形でお礼を言われているが…その辺は少し違う様な気がする。感謝ではなく謝罪の意味のある笑顔をしてくるからだ。


「………まだ他にも何かあるのか言いたい事が…」


「………その私先輩に謝らないといけない事がありまして…」


やっぱりそうか。感謝もしつつ謝罪の定義のある言い分も含まれていたのか……素直じゃない子は本当に面倒だな。


「私あの時目が覚めていなければ…あのまま変態先輩は私を抱えて3人とも怪我は無くて済んだのに…なのに私あの時目が覚めてしまって…」


「それは仕方ない事だろう。寧ろ不可抗力だと俺は思う…目が覚めてしまうのは単なる偶然だ。それで謝られても俺はどう答えていいか分からない。お前に非があったわけじゃないからな。」


「でも!」


「それにもしお前らに大怪我なんてさせたら寧ろ俺が助けた面子に意味がなくなるだろう。その辺も理解してくれるとありがたい。」


「しかし…」


それにあそこで起こった事故少し気にかかる事があるしな。


「なぁ香澄ちゃんもし知ってるならいいんだが…あの会場でのフィールドって完全に安全地帯になってるんだよな?」


「???はい…今回起こった事故は単にリフレクションシューズによる誤作動はが原因だと改めて調べてもらった人に検出してもらい分かった事です。まぁそういう事もあるんだなって改めて思いましたけど……」


「そうか…」


「何か気になる事であるのですか?」


「いや単にまぐれな事故だったら確かにそうかもなって思っただけだ。サンキューな。」


「はい。」


ひとまずどうやらコイツらの問題は解決できたみたいだ。まぁそれで何もなければいいが……一応後は姉の方の問題だな。姉妹の問題は片付いたが…海未の問題はまだ他にある。


ガラガラ…


「え〜と、もしかして気付かれちゃっていますか?」


「お姉ちゃん!」


「ようそこまで頭を働かせる事ができないのを上手く絞りながら考えてこう言う風な展開を作った幼馴染。香澄ちゃんとの話ならもう終わったぞ。」


「本当ですか!良かった〜」


「本当に良かったのか?今俺お前に酷い事を言ったんだが…」


「お姉ちゃんはああいう性格ですから、普通にまにうけないんでしょうね。」


純粋な人間って本当に困る。特に王子様気質な人間は特に…

いやでも前は普通にポンコツみたいだなって言い方をしたら本人首を傾げて怒っていた気がするが……よく分からない思考をしているな。


「ごめんね香澄ちゃんコレからイックンと2人でお話ししたいんだ。いいかな?」


「あ、はい…そうですね。それじゃあ病院出口で待っていますので…」


そう言って香澄は空気を読んで俺達2人っきりにさせそのまま部屋を出ていく。


「……さてとここからちゃんとお話しをしましょうかイックン。」


「……その前に何か俺に言う事があるんじゃないのか?」


「うぐ!え〜とそれは……はい…勝手な事をしてリフレクションシューズを暴発させた挙句何といいますか…ごめんなさい!」


「いやそこまでせめたてたわけじゃないが……いや俺が聞きたいのは謝って欲しいんじゃなくて…お前の今の状況はどうなのか聞きたいんだ。何処も怪我とかしてないんだよな?」


「はい!それは勿論です!おかげさまで、次の大会に出られる様になりましたしコレもイックンのおかげですね。」


「香澄ちゃんにも言ったが別に俺のおかげじゃない…お前の達のあの白熱のバトルをたまたま見に来たお偉いさんがお前達を貢献しただけだ。」


「あ!そうそうもう一つ伝えないといけない事があったんです!」


俺が讃える言葉を何の躊躇いもなくスルーしやがった。


「もう一つ?」


「はい!実は香澄もparadise Skyへの参加が認められたんですよ。本人はまだ検討しているらしいですが…コレは私にとって物凄く嬉しい事なんです。」


「………そうか。」


それが本人の気持ち通りならいいんだけどな。


「そのイックン。今回私が無理言ったお願いした事怒ってたりしますか?」


「いや…怒ったりはしていないな。お前達の事情を聞いて助けたし…まぁ最初はどうして得意でもないスポーツに参加しなければならないんだと思ったりはしたが、結果お前達が何事もなく先へ進めたのはいい事だったんだなと改めて思い返したから別に何とも思ってないよ。」


「けど私イックンを怪我をさせてまでの事をしようとしていたというのは正直私の我儘の原因何だって思ったんです。イックンのお母さんにも本当は私をイックンと一緒にいさせたくないとそう思っていたかもしれません。」


「………海未。ちょっとこっちへ来てくれるか?」


「え?」


泣きそうになる海未をこっちへ来させそのまま椅子に座らせながら俺はそっと海未の頭を撫でる様に触れる。


「い、イックン!」


恥ずかしそうにする海未を他所に俺はそのまま海未を落ち着かせる様にし撫で続けた。そして少し困惑していたがもう撫で続けられるのに対して抵抗をなくしたのかそのまま目線を上にして黙り込む。


「よく頑張ったな。」


「へ?」


「お姉ちゃんとしても家族の事も……そして先の未来の事も…」


「!?ど、どうしてそんな風に言うんですか?まるで私の事を見据えている様な発言……」


「まぁコレまでの事を色々と見て聞いて小さい頃からお前は多分色んな重積を背負っていたんだろう。」


「むむ!それって昔も相変わらず私はおデブちゃんだって言いたいのですか?」


「そんな事は言ってない…という何だそのヘンテコな屁理屈は……そうじゃなくてお前は色々と笑って誤魔化していたりするだろう。なのにちゃんと大切な物はちゃんと守ろうとしている。幼馴染の中でお前の違和感が物凄く分かりやすかった。」


「え!じゃあもしかして気付いていたのですか…」


「ああ…お前が俺に頼ったのも本当は手助けして欲しかったんだろう。参加して欲しいと言っていたのはただの口実で本当は俺に自分が背負ってる物をどうにか気付いてほしかった。恐らくお前自身どうにかすればいいか分からずキャパオーバー起こしたんだろうな。でも他の幼馴染達に家族の事で関わらせるのも申し訳ないと思いつつ俺なら俺になら頼ってもいいかもと思ったんだろう。」


「そ、それは…」


泣きじゃくる顔。もう耐える事ができずにいたのか海未はポロポロと涙を溢して一生懸命出てくる涙を堪えようとするが…堪える事のできない涙は海未の隠している物を全て吐き出すかの様にして止まってはくれなかった。


「そんな顔するなよ。俺はお前にそんな顔をして欲しくて手伝ってたわけじゃない。寧ろ他の幼馴染と比べたらお前に頼られて嬉しかったぐらいだぞ。その辺もっと誇ってもいいと思うぞ俺は…」


「ぐすん…それってつまり実質プロポーズだよね。ぐすん…」


「何でだよお前の主観性どうなってんだ……でもまぁお前がそう捉えるぐらいまだちゃんと心の中は意気揚々としているみたいだし無駄なお世話だったかもしれんな。」


「そ、そんな事ないよ!!イックンが優しすぎるんだよ〜だって他の人にこんな事話してもきっとはぐらかせるって分かってたから…だから私自分で何とかしようって、新しい家族を守ろうってそう決めたのに…イックンが帰ってくるって話しを聞かされたら…そりゃあ頼っちゃうに決まってるじゃない!」


「ああ〜もう嬉しいのか文句言うのかどっちかにしろよ。たくせっかく綺麗(・・)になってちゃんと女の子らしくなったのにコレじゃ昔の海未のまんまでの俺の妹だな。」


「私イックンの妹じゃないですよ!」


「分かってるって…でも俺としてお兄ちゃんとして頼られて嬉しかった部分もあるから今回は頼れる兄のお陰で納得してくれないか?」


「………うっ〜今回だけですよ。」


半ば半強制的にお願いした感があるが、ひとまず今の海未にこう言った感じで言いくるめたらきっと心の方も落ち着くだろう。俺には海未にしてやる事なんてもうコレぐらいしか思いつかないし…せめて今だけは海未の(仮)兄としていたいとそう思う。


「あ!そういえばイックンようやく言ってくれましたね!」


「あ?何をだ?」


泣きじゃくっていた海未が何かを思いだして泣き止み俺が何かやっと言ってくれたと発言をする。


「ほら!言ったじゃないですか!綺麗だなねって!」


「綺麗だね?………あ!」


その事にようやく気付きだした俺は絶対言わなかった言葉を海未に言ったというのを思いだし海未こっちの顔を覗き込みながらニヤニヤする。


「にひひ〜やっと言ってくれました。コレで私はイックンと結婚できる可能性が導き出せたという事ですね。」


「妄想を膨らませすぎだろ!今のそう言った意味じゃない!勘違いにも程があるだろう!」


「もう照れなくてもいいんですよ!そうだ!みんなにこの事を伝えなければ!」


「え!いやちょっと待て海未!お願いだからその場で立ち止まって……おーい!海未!!」


「病院内ではお静かにしてください!!!」

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