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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第ニ章 残る2人の幼馴染による復讐じゃない私情
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幼馴染達のアピールタイム

誰かが扉をノックする音…今日はやたらと来客が多いなと思いつつ返事をして中へ入る様に返事をすると…


ガラガラ…


「やっほ〜元気そうじゃないの一星。」


「か、母さん。」


!?


幼馴染達は一星の母親が見舞いに来た事に驚いて身振りの整えをする。


「やだもう〜だいぶ酷い怪我をしたって言うから慌てて詰め込んでた仕事を終わらせてきたのよ。それで今日やっと来られたからお見舞いにきたら今日目が覚めたって言うじゃない。まさにグットタイミングね。」


「は、はは…それが実の息子を心配して喜ぶ母親かよ。見た感じだいぶ重症だと思うけどな。」


今ある状態を母親にみせつけながらコレでも平気そうなのかと突っ込む。


「まぁ何ともないのならそれでいいわよ。」


「いや無視かよ。普通に重症だって言ってんのに…リハビリだってしなくちゃならないんだぞ。」


「それでアンタ期末テスト大丈夫そうなの?」


「あ、有り得ない…息子よりもテストの心配だとは…」


「ふふ冗談冗談。そんなの気にしちゃいないわよ。そんなの気にするのはあの人ぐらいなものよ。アンタはそのまま養生して健康に治ればそれでいいわよ。」


「ごめん心配かけて…」


「何謝ってんのよ。親が子を心配するのは当たり前…気にしないで甘えなさい。」


「………ありがとう。」


久々に親に礼を言った気がする。ほとんど母親に迷惑をかけていた事もあったし…何よりもあの頑固な父親を説得してくれたのも母親だ。家族構成的にはそれほど仲が悪くなくてほとんど俺の事は放任主義であったんだが…水泳を辞めてからは母親が俺の事を気にかけて父親は勉強だけはしとけと念入りにやらされた。……あまり良い思い出ではないがな。


「というよりアンタ何よ〜このハ〜レム状態な状況は!もしかしてこの子達全員アンタのお嫁さん候補なの!」


!?


更に体をビクつかせ反応をする幼馴染達。


「馬鹿言わないでくれよ母さん。というかもう知ってるんじゃないのかよ。ここにいる奴等全員俺の幼馴染だぞ。」


「……は?アンタ頭でも打ったの?あんな敷居の高い子達が今更アンタに興味を持つ訳ないでしょう。それよりも…」


「いやひでぇな。俺は別にいいが…」


その続きを言おうとするがそれを遮るかの様に家の母は言葉を続ける。


「さっきそこの廊下で姫乃ちゃんに会ったのよ!ほら覚えてる?アンタが懐いていたコーチがいなくなって気分がふさがって時あの子のおかげで水泳がやる気になった事…」


「母さん!それはせめて他の奴らがいない時に話してくれないか?メンタル的にも恥ずいんだが…」


「そんなのどうでもいいのよ!」


「どうでもって…」


そう言って母親はある方向へ向きコチラへ手招きする仕草をだして病室に入らせる様な行動をとる。


「先ほどほどうも神楽坂君。先ほどお母様に会いまして、もう少しお話ししていかないと言われましてまた戻ってきて参りました。」


「ねぇ〜見違える程女の子になっていてビックリしたのよ!昔はもっとこう…破天荒な子だったでしょう。それがお上品になってて私胸がキュンってきちゃったのよ!キュンって!」


…………


え?誰?


皆んなの様子がてら察するにまぁ物凄い猫被ってるなって思いつつ…先程の急な態度の変貌で周りが少しばかり困惑する。


「………え〜と別に戻って来なくても良かったんだが…何か他に話でもあったのか?」


「あ申し訳ございません。嫌でしたら直ぐにお帰りさせていただきますので…」


「ああ大丈夫よ。大丈夫。この子単にあなたの美貌に驚いて恥ずかしがってるだけだから…一星女の子になんて口の聞き方してんの!そんな子に育てた覚えないわよお母様は!」


「……ニヤ」


おい今ニヤッてしたぞ。完全に騙されてんじゃんか…というか何で家の母親を騙してまで自分を偽って戻ってきてるんだ?何か利用価値にでもするつもりか?


「それにしても……この子達本当にアンタの前の幼馴染ちゃん達なの?」


「あ、ああ…嘘じゃないぞ。なんなら1人ずつ紹介……というか母さん山茶花や美森姉に何かママ代行の話しとか何かしてなかったか?」


我ながら自分で言うのはどうかと思ったが、何故か2人の幼馴染に頼んでおいて忘れているというのはどうかしてると思い改めて親に聞く。


「ああ!そういえば確かにそうだったわね。私冗談で言ったつもりだったのに…何故かそのままの勢いで了承しちゃって、素早く電話が切られちゃったから……もしかして怒っちゃったのかなと不安だったのよ。」


「え?じゃあその代行なんちゃらって話は正当な話しじゃなかったのか?」


「まぁ半分冗談だったしね。」


「いやもう半分は事実かよ。」


というか勢い余ってそのまま勝手に了承しての電話切りって…どんだけ代行をやりたかったんだよ。この2人…


「それで?山茶花ちゃんと美森ちゃんは…」


「あ!はい!私です。」

「私だよ一星君ママ。」


おい…何か2人とも身だしなみが整えてる。いや普通の服もちゃんとしてはいたが……張り切ってるというか…


「あらあら、もうこんなに大きくなっちゃって…息子がお世話になってます。こんな息子の為にわざわざ来てもらっちゃって…他の子もありがとうね。」


「い、いえ!神楽坂君には私の方こそお世話になってるといいますか…今後の約束とかもしちゃったりして……モゴモゴ…」


「お母様とんでもないないです。私は神楽坂君とコレからの唯一のパートナーとしておられる存在なんです。だから将来下の世話などもちゃんと覚悟をする所存です。」


「まあ!」

「ブフ!」


な、何言ってんだ。2人とも…そんな突拍子もない事約束した覚えないぞ。自意識過剰なんじゃないか…東小橋川さんはもう完全に結婚みたいな話になってるし…一人称が私になってるしな。


「あ、アンタ!まさか二股してる訳じゃないわよね!」


「おい!息子を信じられない母親が何処にいる!第1そんな約束はしていないしした覚えもない!」


「うわ最低ね男としてそれはないと思うわよ。そんな風に女の子の約束を蔑ろにしてたら本当にお嫁さん寄って来ないわよ一星。」


ああ〜駄目だ〜完全に俺の言葉を信じちゃくれやしない。女の子の味方になる一方だ。てかうちの母さん女の子も欲しかったとか何とか言って事あったな。だから女の子の味方をしているんじゃ…


「大丈夫ですよ。イックンのお母様。例え皆んなの約束がちゃんと守られなくても私が一生イックンの面倒をみますので…」


「………」


やめろ。そんな目で俺をみるな。何て無節操な子なのとか思わないでくれ…


「……あら?もしかしてあなた海未ちゃんじゃない?何処か面影があるというか…」


「!?分かってくれるのですか!あのイックンですら私だと気付かなかったのに!」


「悪かったな鈍感幼馴染野郎で…」


「そりゃあそうよ。昔は確かにふくよかな子だったけれど1番一星に懐いて後について来てたのはあなただったもの…忘れるわけないわ。」


「ぐすん!ふぇぇぇ〜〜嬉しいてす〜私もうイックンのお嫁さんになります〜」


!?


そう言って海未は俺の母親の胸に飛び込み勝手に結婚宣言をしだしてくる。


「いや待て待て!情緒不安定なだけだから落ち着け!悪かったから俺がちゃんと気付けなかったのが悪かったから一回その結婚願望の発言はやめよう!なぁ海未!」


「そうよ海未いくらなんでもそれはダメだよ!よくて海未は私と一星君の娘が妥当なんだから!」


「ああ……ああ?」


今何となく妥協しかけたが…いやそうでもない様な気がする。


「むむ〜それはそれで……いいかもです!」


「いやいいのかよ。いやそう言う問題じゃなくないか?」


「あなた達好き勝手言い過ぎよ。お母様困っていらっしゃるでしょう。その辺にしときなさい…お母様一星君がちゃんと健康に退院できるよう私が一生懸命お側でいて介護致しますのでどうか安心してください。」


「まぁ!あの破天荒だった美森ちゃんまでこんな立派に!それもそうよね。だって皆んなのお姉さんだものね……なんだか感慨深いわ。」


うし!


いや美森姉…そんなあからさまな拳を握ってガッツポーズ…そんな猫被ってまで俺の母親に媚び売りたいか?そこまでするか普通?


「てか皆んなおかしいって、俺の母親がこの部屋に入ってきてから何か変なアピールしてないか?ほら普段の幼馴染の容姿で話せよ。その方が気に楽になって…」


ゴゴゴゴゴゴ…


「あ、あれ?」


何か俺の言葉なんて聞く耳も持たないのか…妙な殺伐としあ空気になって女子幼馴染による何か異様な事変が起こっている。


「………さっきまで温和かな空気はいったい何処に…いやまぁちょっと違う意味での空気でシビアにはなっていたが…どうしてここまで拗れてるんだ。」


「お母様私姫乃は一星様の学園と同じ場所に編入する事になりました。」


「あら!」

「………」


「ですが、まだ一星様と同じ共有の立場ではない為今の所今回はお見舞いと挨拶だけしにきました。それにお母様とも会えて私姫乃はとても御満悦でございます。」


「あらあら〜」


母親がコチラに向かって何か邪な眼差しを向けてくる。


一々こっちにそのニマニマした視線を寄越すな。

俺が何かしたかを悟った様な目線をしやがって…

後姫乃のあのわざと様付けの言い方……絶対わざとでお嬢様風に装ってやがるな。


「ふふまぁそれならそれで仕方がないわね。姫乃ちゃんには家の一星で色々と恩があるし…あなたさえ良ければまた家にいつでもいらっしゃいな。」


「!!!はい!ありがとうございます!お母様!」


「アンタもそれでいいわよね?」


「ああそれでいい……わけあるか!!」


「あら今更恥ずかしがっちゃって…昔はよく家に遊びに連れてきてたじゃないの。山茶花ちゃんみたいによく一緒になって家で遊んでいた頃が懐かしかったわ。」


「勝手に昔の記憶を刻まないでくれるか…俺が連れてきたんじゃなくて向こうが勝手についてきたんだよ。何故か山茶花の方だけはしっかりと見てて当たってるのがアレだが……ん?山茶花どうしたんだそんなクラゲみたいな顔をして?」


「別に〜なんでもないもん!」


「???」


何故か不機嫌になる山茶花。まぁコレだけ散々な言われ様されたんだ。ムカつくのも仕方がない。


※そうでない事にこの男は一切山茶花の気持ちに気付いてはいなかった。まさに残念な男。

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