後悔のある夢
paradise Skyが終わって1週間が経ち皆が皆ようやく普通の学園生活が送る日々を迎えたとそう思えた時…まだその日常を満喫できない人物がある場所でしばらく眠り続けていた。そしてそれを心配する人達も何処か心ここにあらずという形で心配しており授業に集中できずにおりもう少しで真夏を迎えるという今日この頃ようやく兆しめいたものが眠っていた彼に降り注ぐ。
………コレは夢か?
「………おはよう。」
…………
また無視か…
ああ何でこんな懐かしい夢を…
コレは俺が引っ越してからの小学校での出来事か…というか何でこんな夢なんか…あの日引っ越してからまだ学校に慣れてない時期だったか…水泳という才能のせいで学校の連中は俺の事を化け物の様に見始めた時だったな。あ〜本当に胸糞悪かったな…
「まぁ別にいいんだけど…」
そうかこの頃の俺は確か引っ越す前の幼馴染がいるから別にここにいる連中と仲良くする必要がないと思って心の何処かで壁を作ってたんだ。本当は仲良くしたかったのに…どうしてか意地を張ってしまう形となって…どうでもよくなったんだ。
「…………」
「やっほ!神楽坂君!」
ポン!
「あ、おはよう。」
「うんおはよう。どうしたの今日はいつもりよりも元気ないね。」
「………」
この子も嫌いだ。馴れ馴れしくて本当は俺の事化け物扱いに思ってるくせに…
抽象的かもしれないが…どうしても他の子と同様優しく接してくる子に対して嫌悪感を抱いてしまっていた俺はもう誰とも関わりたくないと思って周りに対して冷たい感情をぶつけるようになってしまっていた。
「あ〜また無視してる。いけないんだ〜ちゃんと仲良くしないともっと周りの子と仲良くなれないよ。ほら今日も元気よく皆んなと一緒に仲良く…」
「うるさいな!俺に気安く話しかけんな!」
パシン!
その子が差し伸べてきた手を俺は無理矢理拒絶する様にはたきだし向こうもこっちを見て驚いた顔をする。
「!!……あ、えっと…その…」
何やってんだ俺は…本当不器用だな。いやでも俺の不器用はここじゃなくても更に上へ行く度にもっと卑屈になっていったけ…確か俺が完璧に水泳を辞めたのはもうちょっと後だったな。小学5年の時に辞める決意をしたのは今でも覚えている。11歳近くで大方ジュニア大会でのトップそして大人の方でも活躍できると言われる大会形式にまで足を運べると言われた時があったからまだこの頃は天才という壁を登りつめてられてきた時期が懐かしい…俺が憧れていたコーチはもう確かこの頃にはいなくなってたな。
「むーーー!!もういいよ!じゃあ好きにすれば!」
「あっ!待って姫乃ちゃん!神楽坂君ちゃんと姫乃ちゃんに謝りなよ。姫乃ちゃん神楽坂君の為にどう仲良くなろうかって私達に色々と聞いてきたぐらい心配してたんだからね。」
そう言って姫乃と呼んだその子の所へ駆け足で心配そうに駆け込む走り音だけがこの頃の小さな俺は少しばかり罪悪感を抱いていた。
「………なんだよチクショ…」
この頃の俺は既に小学2年になっており親の事情云々に兼ねて小学校入りたて同然と変わらなかった俺にとってはとにかく苦痛だけの日々が続きそのまま水泳だけが俺の生きがいとして育まれ親や周りの大人達に認められればそれでいいと思いそのまま水泳を続け…いつかまた引っ越しするんだろうなと考えつつ今の小学校の事は頭の片隅に置いて何も考えずにひたすら水泳の事だかけを考えた。
「はぁはぁはぁ…」
「タイムが中々伸びないね。このままだとベストタイム更新も難しそうかも…」
そう新しいコーチに言われた俺はただただ悔しい思いをする他なく…前のコーチのおかげで日々楽しい水泳をやり続けていたのにコレじゃあもう本当に何の為に水泳をしているのか分からなくなってきた時期だな。辞めてしまおうかとそう思った事もあったりした。でもあの子が俺の前に現れてからまるっきり楽しくなかった水泳がみるみるとみちがえるほどに楽しくなったな。
「………あ。」
あの子確か同じクラスの…
「あ!ようやく出てきた。」
そう言って今朝俺に仲良くしようって言われた子が小走りをしながらコチラへ駆け寄ってくるが…
コテン!
ズサーーー!!
「あ……」
「うう……」
思いっきりヘッドスライディングをかましてコチラへ滑ってくる姫乃。何というかこの頃のコイツって物凄い不器用なんだなってそう思った。
「うう痛い痛いよ〜」
「ええ!!自分からこっちきて、そんな当たり障りもない事で泣かれても困るんだけど!」
よくよく考えたらこの時の俺何でそんな難しい言葉知ってだんだろう。そう言えばやけにこの頃は中学生レベルぐらいまでの知能とかもあったんだよな。やさぐれてた原因もそのせいだったという可能性も否定はできなくはないな。
「言葉、難しくて、よく、分からない〜」
「………うん俺も意味は特に分からない。」
「うっうっ……うわーーーん!」
「ちょ、ちょっと!泣かないでよ!お願いだから泣かないで!」
もう訳の分からない状況となってしまったこの状況俺はどうすればいいか分からず彼女をそのままプール施設の中へと連れていき擦りむいた膝を軽く消毒させつつ泣き止ませようと大人の人が助けてくれたのだが…それでも彼女は機嫌が悪くなって何も口を聞いてくれずにいた。……いや勝手に転んで勝手に機嫌悪くなったのはそっちなのに何でこっちが気をつかわなくちゃならないんだって話しになるんだが……
「ねぇそろそろ泣き止んでよ。」
「うっぐすんぐすん…」
「どうしよう…」
「あらどうしたの?」
そんな困っている時に新しいコーチに声をかけられる。
「えーと、同じクラスの子なんだけど…思いっきり走って地面に向かって滑っちゃったの…」
「あらあら大変!血も出てるじゃないの、ほら中で傷の手当てしてあげるからおいで、神楽坂君もこの子の治療が終わるまで待ってあげてね。」
「え!?」
「うう…」
そのままなし崩しになってこの時の俺は何も反論できず、姫乃という子は施設で傷を手当てしてもらってる中俺はどうすればいいんだと悩んでた事があったな。
「はいコレでおしまい。」
「ぐすん…ありがとう。」
「いいのよ。それにしても何でそんな擦り傷なんかしたの?だいぶ派手に滑ったみたいだけど…」
「えーと、そのね。うーんと…」
「いいのよゆっくり話して…」
「私神楽坂君に悪い事しちゃって、それで謝ろうとここにいるって神楽坂君のママに聞いたの…本当は家で待っててもいいって言ってくれてたんだけど…我慢できなくて…」
「そうなんだ。君は優しく子なんだね。きっと神楽坂君もってアレ?神楽坂君?」
一星の姿が突然見えなくなったのを慌てふためくコーチ。
「あの子また何処へ!もう!あの人がいなくなってから本当に自分勝手なんだから!」
「………あ」
しかし一星の姿を側からたまたま見えていた姫乃はあわてつつあるコーチをさしおいて一星の所へと向かう。
ザバン!ザバン!ザバン!
「ふぅ……やっぱり楽しく無くなってる。」
元のコーチがいなくなってから楽しくなくなった俺は水泳に対してやる気外が削がれていきも後やめようかと悩んだ時があった。けど彼女がこの施設で俺にあるお願いをする事で水泳の楽しさというのを俺は彼女のおかげでやる気を取り戻すことになる。
「神楽坂君もしかして水泳していたの?」
「え?あ……」
まさか見られるとは思っていなかった。怪我をしている保険する場所から遠くにあるはずなのにここでまさかのバッタリ会うというのは普通に考えたら予想外の出来事。そのまま置いて帰っても良かったのにと思った事すらあった。
「何しにきたんだ。ここは水泳をやらないそっちには関係ないとこだよ。早くお家に帰ったら。」
「えっとね。神楽坂君にお話が合ってきたんだ。」
そう言えばそんな事言ってたっけ…もうどうでも良かったからあまり気にしていなかった。
「と思ったんだけど!凄いね神楽坂君!やっぱりカッコいいよ!」
「へ?」
突然カッコいいと言われ素っ頓狂な顔をしてしまった俺は彼女の無邪気な笑顔と共に手を握られぶんぶんと振り回される。
「ねぇ!私にも水泳教えて!」
「え!?君が水泳を!」
「うん!前から気にしてたんだ。水泳ってどんなスポーツなんだろうなって…今までピアノとか他の習い事をしてて全然パッとしなかったから、今の神楽坂君を見て私物凄くビックリしたの!だから私も水泳をやりたいって思ったの!ねぇ!教えて教えて!」
「うっ……で、でも!」
「お願い……だめ?かな?」
そんな可愛い仕草でおねだりしてきた彼女に俺は先ほどの泣かれた前科があってやむをなしに承諾してしまう。
バシャバシャバシャ!
「はぁはぁはぁいた!もう勝手にうろちょろしないでって…あれ?」
「ほぅ〜」
バシャン!バシャン!
「そうそのまま肩で息をする様にして、後長く水面に顔をつけるのもコツだからちゃんとその辺も意識してね。」
「ぷは!あははは!楽しい!」
「嘘あの子が女の子に水泳を教えてる。」
「………コレはアイツに伝えてやらないとだな。留美子の元気な顔が目に浮かぶぞ。」
どうやら一星の行方について何人か知っていそうな人達をかき集め施設を探していた中微笑ましい光景を目にする大人達。
………今更こんな夢を見るなんて俺は過去に対して何か心残りがあるのか?もしかしてまた水泳をやりたいとでも思っているのか?それとももしかして彼女との約束を…
そこから夢の続きは見る事はなく俺は誰かに起こされる様にして目の前が真っ白となる。
ピ!ピ!ピ!ピ!
「………あれ?ここは?」




