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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第ニ章 残る2人の幼馴染による復讐じゃない私情
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paradise Sky 一気に敗れていく出場者達・覚醒した天才の底力

ワァワァワァワァ〜


観客席側で一星達の事を応援する幼馴染達。


「す、凄いよ!凄いよ!まだ一星君達が残ってて、海未が一星をフォローしてるよ。もう昔の頃よく海未が後でついてきたのが嘘みたいだね。」


「ちょっと山茶花ちゃん落ち着いて。浮つく気持ちはわかるけれど、あまり騒ぐと私達が幼馴染だってバレちゃうよ。」


「あ、そうだった。ごめんなさい。」


「………」


「お?渋そう顔をしてどうしだ美森姉。なんだか、あまり面白くなさそうな顔だな。」


手に人数分のジュースを抱えて美森達と一緒に席へ座る蒼脊。どうやら皆に頼まれてパシられたらしい…


「面白くないか……いや別にそういったわけじゃないけど…あの子からしてこのゲーム内容は本当に望んだやり方をしたのかなってそう思ったのよ。」


「というと?」


「林音ちゃんは普段裏で何かしら何か妙な事を企てる様なやり方でゲームを作る印象があるでしょう。でも彼女に限って陰湿のある様なやり方なゲームは絶対に開催しない。」


「へ〜よく見てるんだな。」


美森は蒼脊から受け取った水のペットボトルを受け取り微かに透き通る部分を真上に向け向こうで戦ってる香澄や海未そして一星を眺める。


「でもでも普段何も変わらない様な形でparadise Skyというゲームになってないかな?そうじゃないと海未も香澄ちゃんも実力が発揮できなと思うんだ。だからこうやってちゃんと2人のセオリー通り?みたいなかたちで試合ができてるんだと思うよ。」


「その通りだよなさすがは山茶花。誰よりも海未の事を理解してるじゃないか。」


「えっへん!こう見えて昔から海未のお世話は私がやっていたからね。」


あんまし関係ないんじゃないかしら。


「やりやすい様にするならば、他の参加者だって同じ待遇でやる様になってるはずよ。でもそうじゃない方向性へ向かってる。このルールは主に八月一日姉妹が1番有利へと向かってるに等しいと私は思ってる。でないとあんなヘンテコなルール何の意味がないもの……それにあの研ぎ澄まされたような…目の前のいる敵は殲滅するかの如く、あらゆる者を排除する。まるで兵器かの様な冷たい目つき…香澄ちゃんは何かに覚醒したと言わんばかりの表情になってるわね。」


「それって冷酷な人間って事かしら?でもそんな風には見えなかった気がするんですけどね。」


「あの子自身を見るんだけじゃなくてその周りを見ないとだめよ。ずっと見ている人からしたら何か変わったとかそんな事に気付く可能性が万一あるかないかというレベルに等しいもの……邪念がないと言うのが尚達が悪いけどね。」


「やり返して落としたんじゃないのか?」


「違う。林音ちゃんが1組目が脱落と言ったアナウンスがあったでしょう。その脱落という原因は恐らくあの落下した原因…リフレクションシューズに原因があるのよ。それもわかりやすい判定でね。」


「単にシューズのエラーが原因じゃ無かったんですか?」


「そうじゃないわ。アレもちゃんとした策略でなせるやり方なのよ。というよりもあの子だからなせる所業とでも言うのかしらね。」


「え!?じゃあもしかして、わざとああやって仕返ししてたんじゃなくて何か意図があってやってたの。」


「そんなあからさまな事をする理由があの子にあるわけないじゃないの…私自身あまりリフレクションシューズについてそこまで把握してるわけじゃないけれど、あの子の履いてるシューズは恐らく近接に優れたシューズなんだと思うわ。だから付かず離れずといった感じで間合いを作らない様にして接近していた。そして尚且つここからが重要なのよ。リフレクションシューズって電池の稼働力があるってのは皆んな知ってるわよね。」


美森のリフレクションシューズに対する電池があるという質問に誰しもが首を縦に振り頷く。


「ならその電池の消耗が激しく消費する原因とかもお分かりかしら?」


「え〜と確かその人の踏み込む力?力む何かによって反応してリフレクションシューズにブーストがかかってバッテリー消耗するでしたっけ?」


「正解。それであの子がああいった行いをする事で無理に上へ這いあがろうとした彼女はというと?」


「そうか!シューズに込める力があまりにも負担が大きくて一気にバッテリー消耗してしまったんだ。……あれ?でもそれで1組脱落というのは何か違うんじゃ…」


「いいや違わないな。確かに基本的にはそう言ったバッテリー消耗なら新しいのに変えて再び空での対戦という形になるが…ここでは脱落してしまったらその時点で負けなんだ。場外による場合も一緒だが、ある程度の落下で下に落ちたりぶつかったりしてもそいつの戦意があれば問題はない。まぁここがアイツの作るゲームとしての際どい部分でもあるんだけどな。」


「それじゃあもう1組が負けたのは?」


「ああ、あれは単に…」


………もう1組負けてしまいその場で項垂れる1人。


「そ、そんなバカな…こ、この僕が2番手にやられただと!?」


「ありえなさそうな顔だな。あ、お疲れだったな。君はもうそのまま退場してくれていいよ。無理に突き合わせて悪かったね。」


「い、いえ!……仙波アンタに付き合ってあげたんだから後でちゃんと約束果たしなさいよ。」


そう言って君津家の陸上後輩はそのまま去っていく。


「2番手か……全く君もとんだ勘違い男だな。あまりの勘違いしすぎて何も言えなくなるよ。」


「何が言いたいんですか…あなたなんて、何もせずにやられたじゃないですか。妹ちゃんがやられるのをただ見ていただけですよね!」


「見ていただけ?ああだって僕は別にただの見物者だからね。ここで参加して優勝したとかどうのこうのと言われても何ら支障があるわけじゃないからどうでもいいんだ。……コレで妹の悪い癖が治ればいいと思って付き添っての参加でしかないから…このゲームが何がどうのと知ったこっちゃない。」


「………始めっから捨てる勝負をしてたって事なんですね。」


「と言うよりも自分の部活の3年生の部長に勝とうと思っていたのに僕は驚いてしまったよ。君は3年の歌仙川(かせんがわ)に勝負を挑んで勝てるとでも思っていたのか?」


「そうですけど?」


「何でそんな真顔なんだ。」


「私は惚れた女以外に負けるというはまずないと思う達なんで、蒼ちゃん以外の女子に負けるというのは眼中にありませんでした。」


「何ともまぁ勇ましいというかなんというか何故そんな自信過剰なんだ。……けどそういった理由で負けたという事になったんだとは思うけどな。」


「ふっ!コレは単に僕が手加減していたから負けただけです。なので今回のはたまたま部長に勝ちを譲っただけに他ありません。」


あれだけの悔しさぶりを出しておいて、急に自分優れてるアピールを出されてもな…


「けどその油断していた歌仙川もどうやら足元を掬われてしまったみたいだぞ。」


ヒューーン……

ポトン…


歌仙川という女性先輩は難なくとやられてしまいそのまま落下してしまいシューズのバッテリーが切れ戦闘続行不可能になってまたもう1組が脱落する。


「かっ!?」


「やれやれ前代未聞なゲームとなってしまったな。優れたparadise Skyの天才候補と、天才である3年が敗れるとなるとコレは部活としての名が廃れるというやつになってしまったな。」


残り2組…俺と香澄そして地味板とその女子がここに残った。


「く!結局後押しもできずに負けてしまうとは…うちのエースの1人がやられてしまうとはな。」


「先輩本当なら失格扱いですよ。部活の両方の天才2人がタッグを組んで出ているなんて、普通なら駄目なんですから。」


「あはは、確かにそうだ。しかし俺としては僅かな間だけでもお前と似たような奴にあいまみえた事に感動せざるを得なかった。どうだ今からでもうちの部活に入ってみては?」


「は!?そ、それは確かにいい考えですね!どうですかイックン!イックンも一緒にparadise Skyやりませんか!私が言うのもアレですけど、素質あると思います!」


そんな食いつきで言われてもな。ていうかパワー型のアレだってコントロールできているのは奇跡みたいなもんだ。わざわざ部活に入って特訓するなんてそんなのもう俺の中では考えられない。


「いや入らない。」


「そんな即答な!?少しは考えてくれてもいいじゃないですか!」


「………」


「何で無言なんです!」


「ふっまぁそう急かす事でもないまだ猶予はある。とまぁ軽い口調で話してはいるが、部活に入っていない子にコテンパンにされてしまっては心も折れると言うもの…君の妹君はさぞかし天地を施す存在なんだろうな。」


「……先輩。」


「おっと長話はコレぐらいにして敗者は即座に退去しないとな。それではアデュー!」


ピピピ!!ピューーン!


…………


「なんてキザな人なんだ。しかもそこまで俺達戦ってないよな?ほんの2、3手しかやりあってないような…」


「あはは、まぁそう言う所もあの先輩らしいと言えばらしいので……はぁ〜どうして私の周りの自称強いと言う人はこうも何もせずに敗れていくんでしょうか。」


今の海未を見ていると何かそこはかとなく不憫に思えてしまうのはこのparadise Skyをやって海未の気持ちが少しばかり理解できてしまったといえばいいのか…今の部活に彼女の求める物はあまり少ないんだと改めて認識してしまう。


「……けど、まぁ香澄ちゃんのおかげで2組減らせれたと思えば上々なのかもしれんな。」


「はい!コレでますます香澄とのバトルが楽しみになりました。」


「けどその前にまだやるやつが残っているけれどな!」


ブブブ!

ブヒューーン!


「くっ交わされたか。」


「流石に2度目はくらわないけどな。」


「だろうな。しかしこの攻撃のやり方はやっぱりそれなりに効果がいいみたいだ。ほんの一瞬の隙間があれば俺のシューズが炸裂し一気に吹っ飛ぶ。そうまるで爆発させるかの如く…」


「だとしたらそれはあなたの敗因でもありますね。」


トゥトゥトゥ…


ゆっくりと俺達の方へ近づいてくる香澄。どうやらまだ覚醒した状態が続いてるらしい…でもそろそろ限界かもしれんな。

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