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俺の幼馴染達が復讐を終えるまで姿を現さない件について  作者: Phantom
第ニ章 残る2人の幼馴染による復讐じゃない私情
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paradise Sky 最終ブロック 

望んだ結果…海未が望んだ結果は前々から分かっていた。俺が海未に頼んで試合に出ないで、妹と一緒のチームになって出る。そこに関しては話のシナリオ通りという結果となった。でもコレには裏がある。


「はい。実はコレ私から頼んでお願いした事なんです。第2ブロックでもし私1人で勝つ事ができたら、最終ブロックに出させてほしいと…そしてその通りになって今ここにいるんです。」


「補足説明させてもらうと、第2ブロックでの段階で本当は君達と同じ試合形式をさせるつもりだったんだ。まぁランダムフラッグ戦というは第1ブロックでのイレギュラーだからアレは外していたんだけどね。」


そりゃあそうだろう。あれも東小橋川さんが仕組んだ手の内の一つ…たまたまアレを話に持ち出したというわけではない。


「それで皆んなには通常通りしてもうら筈だったんだけど、やっぱり第1ブロックの君達からしたら不公平じゃないかって言われる可能性があったから、わざわざ第2ブロックでは特別なゲームをしたんだ。それが…」


「成る程…彼女独占による10組と1人でのバトルロワイヤル。でもフラッグは5つ集めたら勝ちという話しなはず…条件としてはおかしくないか?」


「ふんバカだな君は〜そんな事も分からないのか。」


「何が言いたい?」


「そんなの当然…」


「蒼さんが全て掻っ攫って優勝した。」


「おい君!僕のセリフを取っていくな!」


「う、うそ。」


「そんな事って…」


ざわざわざわざわ…


大半の人達は当然この事に関して驚くのも想定の内。けどそれで?と思う考えのやつも観客席ではなくこの試合場ではそうも驚かない奴がいる。それが今回のゲームでどう勝てるかが要になる。


「今のを聞いてほとんどの人は驚かないみたいですね。」


「ああ、まぁ深く考えることでもないがな。単にアホくさいゲーム更新すぎて、最早何に驚けばいいか分からないというのがもう板についてきたという感じがひしひし伝わる。」


「つまりコレって私達にとってチャンスなんじゃありませんか?」


「……チャンス?」


「はい。お姉ちゃんを利用すれば私達が負けるだけでお姉ちゃんを上に上がらせられる事ができます。幸いここには2人の姉妹の天才がいるわけなんですから。」


「………チャンスな。」


そんな簡単に済ませるとは到底思えないがな。それをあの馬鹿は察してくれるのだろうか…いや多分ないだろうな。もう多分目的は変わってるはずだ。…そしてコッチの思惑も既に完了している。


「……けど話の説明はまだここでは終わらないだろうな。」


「え?今のでもう説明が終わったんじゃ…」


「まだ肝心なルールの補足を説明していない。というよりルール破りをしてるからなアイツは…」


「へ?ルール破り?」


ルール破り…今更そんな事関係ないと思うかもしれないが、誰しもが全員守っていたルールだ。そこを何で破ってまで出場したかったのかは聞きたい奴は聞くんじゃないだろうか…


「あ〜えーと質問いいですか?」


地味板のパートナーの子が質問の挙手をし手をあげる。


「はいどうぞどうぞ。」


「うっ物凄い遇らい方な返事の仕方…その何でその子はパートナーと一緒に参加していないの?このゲームってパートナーありきの勝負だよね?なのに単独でやるってゲームとしてはどうなの?」


「おお!それはいいところに気づいたね。よく見ているじゃないか。」


そんな風に言われて少し照れくさそうにする女の子。


「でも見ていただけでし、いち早くに質問するには少しばかり遅かったね。あまり賢くないのかな?」


そんな文句を言われ照れた後に貶された事に対してビックリしながらその方向へ顔を向け怒り狂うのを地味板が宥める。


「でもまぁその質問に対してもう既に答えは上がってるはずだよ。いったよね?彼女の独壇場でって…」


「独壇場…つまり1人で本当に10組を相手にしていたと言う事になるのか?いやいやいくら天才でもそんな事は…」


「お兄ちゃん。事もあろうか陸上での天才候補の1人がこんな事も見破れないの…それだけあの人が物凄い人だと言うのが一目瞭然だと思うけど。」


「わ、悪い…てっきり半ば半分の嘘だと思っていたからな。そうだよな。お前は一度あの子とやりあってるんだ。分かるのも当然か…」


そんなの関係ない。蒼さんは私の心を踏みにじった人間なの…それを覚えてもおらず、尚且つ妹がいた?そんなの腹が立って妹の方にちょっかいをかけるのも仕方がないってもんじゃないの……絶対に見返してやるんだから。


「う〜んどうやら本当に信じてもらえてないみたいですね。いいですよなら本当にやってみましょうか。」


「お、お姉ちゃん何を言う気なんですか?」


「今ここで試合変更をお願いします。というよりコレは私からの決定事項です。どなたにも拒否権や資格がどうのこうのと言う権利なんて一切ありません。それだと何の為に私が1人で勝ち上がってきたのか意味が分かりませんからね。」


「おお!さすがは蒼ちゃんだ!それで、具体的にはどう言ったルール変更なんだい?」


「ちょ!仙波アンタね!」


「それはもちろん。」


海未は一度考えるような要素を踏まえながら、何かいいアイデアみたいなのがないかあるかを試行錯誤する。しかし海未はそんな粋狂な人間じゃない。だからぶっ飛んだ事を言う…いや先程のじゃあ試してみようかというセリフ…そんな前ぶりな言い方をすれば誰だって気付くだろう。それは…


「それは私1人で全員と戦う。つまり第2ブロックと同じ内容でOKってことです。あ、因みに勝利条件のフラッグ回収は変わらないからそこは安心して下さい。」


誰しもが胸を撫で下ろしそれならまだ勝つ要素があると安心しきる出場者達だが…


「けれどそれは誰がいち早くにフラッグを回収できるかによる事にはなっちゃいますけどね。」


!?


その発言する意味。そうそれはまるで宣戦布告…海未は私からフラッグを取って時間内に守って見せろとそう言っているんだ。となれば話の繋がり方としてこのフラッグ争奪戦でのルールは…


「私vs皆んなで戦う…それでどうですか?」


「は、はは、とんだ自信過剰なルールだな。蒼ちゃん君が残り5組の相手をするだと?馬鹿にしないでくれるか?ここにはさっきまでの第2ブロックと違って、優秀な奴が勢揃いなんだ。君に僕達を相手に1人は…」


「仙波先輩。さっき説明も何もなしにおっ始めようとしたセリフではありませんね。その様子だともしかして怖気づいたんですか?私に勝てないそう思ったんじゃないんですか?」


「くっ!蒼ちゃん。僕は君と一緒にコレまで渡って試合に挑んだ中だ…それを君は僕の事を眼中にないとそう言うのかね。」


「はいありませんよ。」


「〜〜〜〜!!」


ハッキリと言われて顔を真っ赤にする仙波。海未にいい様に言われてどうする。全然先輩風を吹かせてないじゃないか…まぁ変なキザ野郎だし別にいいんだけどな。


「………せ、先輩どうしましょう。お姉ちゃん私の事を物凄くまっすぐな視線で見てきています。」


「当然と言えば当然だ。このゲーム既に裏で仕組まれたゲームなんだ。俺が考えていた予想斜め前以上に偏ったゲーム形式になってる。もっと素直的に言えばコレはお前達姉妹の問題のゲームだな。」


「ど、どう言う事ですか?」


「………さぁな。それは直接本人に聞いてみたらどうだ。目の前の事を片付けて…」


「目の前の事……!!そ、そうですね。」


そうまず戦うべき相手はまだ海未じゃない。先に解決すべき相手がいる。今までの悪い風評被害を負わせていたあの子…それを片付けてからが本番だ。


私とした事が今の今まで忘れていました。私はまだ証明をしきれていない。寧ろここからが正念場。


「え〜と、じゃあゴタゴタ言うのはここまでにして試合を始めようか。ここでの試合形式は主に変わらない形となっているよ。5つのフラッグコレをいち早く回収してどれだけ持続(・・)する事ができたら勝ちとする。おっとこの場合5組だからそれをしたら意味がないかったね。今回のフラッグは3つ…この3つは優勝、準優勝、準々優勝の3組が決まる形になる。」


「はい!因みにその組みが持続する時間帯はどれぐらいなんですか?また制限時間はあるんですか?」


またもや地味板の相方の子が東小橋川さんへ質問をする。


「持続時間はおおよそ3分、制限時間はなしだよ。」


「制限時間は無しか……つまりフラッグの争奪戦で取られる取られないによるタイムがあるから余計な時間を省いたと言う事か…」


「制限時間が無いというのには意味がないという判断でルールから外させてもらったよ。でもコレはかえって君達にはラッキーでもある筈だよ。制限時間内に縛られず、思う存分にフラッグ奪還戦をする事ができる。要はスタミナが鍵になるって事だよね。」


「さらって言ってくれるわね。あの子…でもその通り…生半可でのこのイベントではそのスタミナがかえって仇となって自滅する組みが出てくる。」


「ああそうする事で1番勝率が高いと推奨されるのは…」


「俺達paradise Skyの部活面子。」

「私達paradise Skyの部活面子。」


「まぁ3つのフラッグをどのように回収するかは人それぞれ、1人がそれを持って逃げて相手にパスするという形でもOKだし、1人がフラッグ全てを奪取して持続時間まで守るのもよしだし……1組の内1人を脱落(・・)せるのもありだしね。」


……やっぱりそう来たか、寧ろ俺の狙いはそれだ。あれこれフラッグの回収云々なんてものがあるならこのゲーム…リタイアを出させるのが吉だ。しかもそれをさせるのは非人道的な奴がここにいる。表と裏の側面を持った彼女がな。

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